春・秋のカツオの違いとおすすめのレシピを紹介
春・秋と1年に2回旬の時期が訪れる「カツオ」。カツオの旬の時期は初ガツオ・戻りガツオとそれぞれ呼ばれており、どちらも風味が違うので美味しく味わえるレシピが異なります。
今回はそんな美味しいカツオの旬や選び方について詳しくご紹介します。自宅でも簡単に作れるカツオのレシピもあるので、カツオ料理に挑戦したい方も目を通しておきましょう。
カツオはどんな魚?
約5年かけて体長1m、体重は10kgから20kgまで成長する美味しい魚「カツオ」。カツオは回遊魚となっており、主に温帯から熱帯海域など日本では太平洋側に多く生息している魚類になります。
カツオは最高時速60kmと泳ぐスピードも速く、釣り人の間ではかなりのファイトを経験できることから人気を集めています。カツオの水揚げはだいたい50・60cmサイズのものが多いです。
旬は春と秋
カツオは1年の中でも春・秋と2回旬の時期が訪れる魚です。4月から5月の北上している時期に収穫できるカツオは「初ガツオ」、8月から9月の南下している時期に収穫できるカツオは「戻りガツオ」と呼ばれています。
国内では高知県や千葉県の勝浦市で美味しいカツオが捕れることで知られています。太平洋を中心に収穫できますが、初ガツオの中でも希少な「迷いガツオ」は、北上している間に日本海へ迷い込んでしまうカツオを言います。
刺身・たたきがおすすめ
旬の時期になるとスーパーにも並ぶ人気の魚「カツオ」。カツオを使用したレシピがとても多く、その中でもカツオの旨味が思う存分楽しめる刺身・たたきは代表的なレシピでもあります。
カツオの消費量が全国で1位の高知県でも、刺身やたたきで食べられています。初ガツオと戻りガツオでは脂身の量も違い、風味が異なるのでいろんなレシピで味わってみるのがおすすめです。
高たんぱく・低カロリーでダイエット向き
美味しいカツオは実は栄養素満点。中でも高タンパク質で低カロリーなので、カツオはダイエットや体づくりをしている方の強い味方になります。初ガツオよりも戻りガツオのほうが脂身が多くカロリーが少しだけ高いです。
カツオは種類豊富に生息している魚の中でも、タンパク質が多いことで知られています。体内で合成できないDHA・EPAも含まれているので、小さい子供から食べてほしい食材でもあります。
ヘム鉄が貧血対策向き
赤身であるカツオは、貧血気味の方におすすめの魚でもあります。カツオはヘム鉄と呼ばれる動物性鉄分が多く含まれており、植物性鉄分よりも身体への吸収が早いです。
そのため、カツオは昔から貧血防止としておすすめされている食材でもあります。ヘム鉄は他の魚よりも数値が多く、初ガツオ・戻りガツオどちらでも摂取することができます。
ビタミン豊富で美肌効果あり
カツオは女性に嬉しい栄養素「ビタミン」も多く含まれています。ビタミンが豊富に含まれていることから、カツオは美肌効果が高い食材とも言われています。
カルシウムの吸収を促し骨を強くしてくれる「ビタミンD」、赤血球の一成分であるヘモグロビンを作ってくれる「ビタミンB」も含まれています。健康的な身体作りをしている方におすすめです。
初ガツオ・戻りガツオの違い
カツオの旬の時期である初ガツオ・戻りガツオは先ほども紹介した通り、時期によって少し違いがあります。その違いによってレシピなど調理方法も変わるので注意しましょう。
初ガツオ・戻りガツオの違いを把握することで、より美味しくカツオを食べることができます。収穫できる季節以外にも、さっぱり、こってりなど食べ応えも違います。
初ガツオの旬は春
春の時期である初ガツオは、カツオがエサを求めて3月に入ると太平洋を北上し始めます。4月から5月になると本州の中部に到着し、エサを食べ始めるので釣りや収穫、旬のピークを迎えます。
初ガツオはまだたっぷりとエサを食べていない時期なので、戻りガツオとの違いとしては味がさっぱりとしています。鮮やかな赤色の身が特徴的で、赤身本来の旨味を楽しめる時期なので人気があります。
初ガツオのおすすめ調理法
初ガツオは戻りガツオとの違いとして身が引き締まって、脂がとても少ないです。そのため、加熱調理を行うと脂が少なくパサついてしまう可能性が高い時期でもあります。
初ガツオは加熱調理よりも、刺身やたたきで赤身の旨味を思う存分楽しむのがおすすめです。さっぱりとした味わいなので、小さい子供からお年寄りまで食べやすいと言われています。
戻りガツオの旬は秋
秋に旬を迎える戻りガツオは、9月から10月になると宮城県沖から南下を始めていきます。戻りガツオは産卵のために南下しているので、回遊しながらエサを食べてぷくぷくと太っています。
そのため、初ガツオとの違いは脂ののりです。身の色も違いがあり、初ガツオはきれいな赤色でしたが、脂も含まれることで少しピンク色が含まれます。戻りガツオの時期はトロカツオ・脂カツオとも呼ばれています。
戻りガツオのおすすめ調理法
脂のたっぷりと含んでいる戻りガツオは、濃厚な旨味を楽しめることで人気のある時期です。赤身同様にたたきや刺身ではもちろん、加熱調理しても美味しく味わうことができます。
戻りガツオはステーキをはじめ、竜田揚げやバター焼きなどいろんなレシピでカツオを美味しく味わえます。こってりとした味わいになっているので、ビールやお酒のおつまみとしてもおすすめの時期になります。
カツオのおいしい選び方
スーパーなどでもよく見かけるカツオですが、美味しく味わうには選び方にコツがあります。カツオは他の魚よりも鮮度が落ちるのが早いので、選び方を頭に入れてより鮮度の高いカツオを入手しましょう。
カツオの身を見るだけで鮮度が分かるので、刺身やたたきで購入する際もしっかりと選んでいくのがおすすめです。選び方は主に身の色・表面の模様・サイズがポイントになっていきます。
澄んだ赤色のものを選ぶ
鮮度の高いカツオは、身の色を見れば一目瞭然。カツオの身が澄んだ赤色をしている場合は、鮮度の高いものになります。選び方のコツとしては、茶色の入った身は鮮度が落ちているので注意しましょう。
切り口の部分が虹色になっていたり、血合いが黒色になっている場合も鮮度の落ちている証拠。また、血の含んだ水気のないものを選ぶことで旨味が上がります。皮目が白くなっているのは脂がのっていることを意味します。
表面の縦縞がハッキリしているものほど新鮮
カツオを丸ごと1匹購入したい方は、カツオの表面を見れば新鮮さがわかります。選び方としては、カツオの縦縞に注目していきましょう。時間の経過とともに縦縞がぼやけてくるので、縦縞を見れば鮮度が分かります。
縦縞が完全に消えてしまっている個体は、水揚げしてからだいぶ経過しているので味も落ちてしまいます。また、目が澄んでいたり、エラ部分が鮮やかな赤色になっているかもチェックしておくのがおすすめです。
大きいものほど脂ののりがいい
カツオの選び方で1番簡単なのがサイズです。スーパーなどで出回っているカツオのサイズは40から60cmがほとんどになり、サイズが大きければ大きいほど脂がしっかりとのっています。
選び方はどんなレシピにするか、食べたい脂の量で決めていくのがおすすめです。脂身をなるべく少なくしたい方は、サイズの小さいカツオを選んでいきましょう。サイズによって値段も異なるので必ず調べておくのがおすすめ。
春が旬!初ガツオのおすすめレシピ
春に旬を迎える初ガツオは、赤身が引き締まっているので食感や赤身本来の旨味を楽しめるレシピが人気を集めています。レシピの選び方として、自宅でも簡単に作れる調理方法もたくさんあります。
初ガツオは脂身が少ない分、魚をあまり調理したことのない方でも比較的簡単なレシピが多いです。お酒のおつまみとしてはもちろん、カツオの代表的なレシピもあるので自分好みにアレンジを加えてみてください。
お家で作るカツオのたたき
シンプルながらも、カツオの旨味を思う存分味わえるおすすめのレシピ「カツオのたたき」。自宅で簡単に作ることができ、このレシピは氷水ではなく酢水に浸すことでよりうま味を引き出せます。
まずカツオの皮部分に塩をふり、カツオの側面にフォークで穴をあけます。カツオの皮面を下にして皮がこんがりとするまで火であぶります。上下を返してさっとあぶり、そのまま酢水に浸していきます。
酢水に上下ともに浸し、カツオの汁気をとっていきましょう。酢水を少しだけ残し、そこに大根おろしを汁ごと入れます。食べやすい大きさにカットしたカツオを再び浸し、カットした細ネギをトッピングしていきましょう。
材料
- カツオ(刺身用) 350g
- 酢 カップ1/2
- 水 カップ1
- 大根おろし 300g
- 細ねぎ 20g
- 塩
カツオと新たまねぎのサラダ
新玉ねぎの辛味・香りをカツオを味わえるおすすめのレシピ「カツオと新たまねぎのサラダ」。野菜をしっかりと味わえるので、ダイエットしている方にもおすすめです。
まず新玉ねぎを食べやすい大きさにカットして、繊維を断ち切るように薄切りにします。貝割れ菜は根元部分を切り落とします。新玉ねぎがカツオに絡みやすい大きさがおすすめ。
大きめのボウルに新玉ねぎ・醤油・砂糖・酢・にんにく・生姜を入れていき混ぜます。その後カツオを入れてさっと混ぜ、最後に器に盛りつけて貝割れ菜を散らしましょう。
材料
- 新玉ねぎ 1個
- カツオ(刺身用) 150g
- 醤油 大さじ2
- 砂糖 小さじ1/2
- 酢 大さじ1
- すりおろしにんにく 小さじ1
- すりおろし生姜 小さじ1
- 貝割れ菜 適量
カツオの辛子竜田揚げ
まず、皮なしのカツオを約8mmの大きさにカットしていきます。ボウルに練り辛子・醤油を入れていき、滑らかになるまで混ぜます。カットしたカツオを入れていき、しっかりと絡めて約10分漬け込みましょう。
れんこんは薄い半月形、ししとうがらしは軸の先をカットします。れんこんは水に入れてアクを抜き、ししとうがらしは切り目を入れていきます。そのまま170度の揚げ油に入れてさっと揚げて取り出してから塩をかけます。
カツオは一切れずつ、片栗粉をまぶしていきます。その後、180度まで上げた揚げ油に入れていき、キツネ色になるまで入れておきます。最後に取り出したカツオに塩を振って完成です。
材料
- カツオ(刺身用・皮なし) 200g
- 練り辛子 小さじ2
- 醤油 大さじ3
- れんこん 1/2節
- ししとうがらし 4本
- 揚げ油
- 塩
- 片栗粉
秋が旬!戻りガツオのおすすめレシピ
脂がしっかりとのっていることで人気のある戻りガツオ。加熱することでより美味しい味わいを楽しめる戻りガツオは、レシピが種類豊富にあるので調理しやすいです。
戻りガツオの選び方はより身がピンク色、皮の部分が白いものを選ぶようにしてください。いろんなレシピがあるので、お酒のおつまみやランチなど食べるときによって変えられます。
カツオとねぎのポキ
ハワイ料理として大人気の「ポキ」に、美味しいカツオをトッピングしたおすすめのレシピです。大葉・ねぎがアクセントになり、カツオの旨味をより引き出しています。
カツオは約2cmにカットしていき、大葉は千切り、万能ねぎは小口切りにしていきます。ボウルにカットしたカツオ・大葉・万能ねぎを入れて(A)を加えて混ぜ合わせていきましょう。
少し深い器に盛りつけて、最後に白いりごまをかけたら完成です。お酒のおつまみとしてはもちろん、ランチやディナーの1品としても人気のあるカツオ料理になります。
材料
カツオ(刺身用) 150g
- 万能ねぎ 5本
- 大葉 1枚
- (A)すりおろしにんにく 小さじ1
- (A)醤油 大さじ1
- (A)ごま油 大さじ1
- (A)レモン汁 小さじ1
- (A)塩 少々
- 白いりごま 適量
カツオの黄身しょう油漬け
鍋にみりん・日本酒・醤油を入れていき、ひと煮立ちさせてから十分に冷まします。その後、卵黄を1個落としていき、よくかき混ぜていきましょう。
カツオは約6mmほどの薄さにカットしていき、先ほどかき混ぜた(A)へ入れていきます。そのまま鍋ごと冷蔵庫に入れて最低でも10分間は浸しておくのがおすすめです。
その間に大葉を千切りにしておきます。鍋から深めの器にうつし、白ごま・大葉をトッピングさせたら完成。
材料
- カツオ 120g
- (A)みりん 大さじ1
- (A)日本酒 大さじ1
- (A)醤油 大さじ2
- (A)卵黄 1個
- 大葉 適量
- 白ごま 適量
カツオのとも焼き
加熱料理の美味しい戻りガツオならではのレシピです。カツオは長さを半分に切り、軽く塩をまぶしておきます。その後、削りカツオをまんべんなくかけていきましょう。
玉ねぎは薄切りにし、フライパンにサラダ油を入れて中火にしておきます。カツオの表面をさっと焼く程度にしておき、そのまま冷蔵庫に入れて冷ましておきましょう。
冷めたら食べやすい大きさにカットし、器に玉ねぎを敷いていきます。その上からカツオをトッピングしてちぎった青じそを散らします。ポン酢しょうゆで味付けし、完成です。
材料
- カツオ(刺身用) 1さく
- 削りカツオ 適量
- 玉ねぎ 1/2個
- 青じそ 5枚ほど
- ポン酢しょうゆ 適量
- 塩
- サラダ油 大さじ1
カツオは旬を2回楽しめる
1年に2回旬の時期を迎えるカツオは、美味しいレシピがたくさんあります。美味しいカツオの選び方を把握しておくことで、いろんな風味を楽しめます。
カツオのレシピはまだまだたくさんあるので、旬の時期に合わせて挑戦してみましょう。ぜひ、旬のカツオを美味しく食べたい方はこの記事を参考にしてみてください。
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