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さんぷる工房(郡上)の体験で自分だけの食品サンプルを作ろう!

さんぷる工房(郡上)の体験で自分だけの食品サンプルを作ろう!
投稿日: 2017年3月12日最終更新日: 2020年10月7日

岐阜県郡上市にあるさんぷる工房は、日本独自の技術である食品サンプルを見て、触って楽しむことができる施設です。なんと自分で食品サンプルを作ることもできるのです。今回はそんなさんぷる工房の楽しみ方をまとめてみました。自分だけのサンプル、作ってみましょう。

さんぷる工房とは見出し

レストランに行くと、ショーケースの中にたくさんの料理が並んでいるのを見たことがあると思います。もちろんあの料理は食品サンプルなんですが、中には本物以上に本物らしくて、思わずお腹がすいてしまった、という経験を持つ方も多いのでは。

あの食品サンプルですが、実は大正時代から昭和初期にかけての日本で考案されたものなのだそうで、まさに日本独自の技術とされています。この技術、体験できるものならしてみたいですよね。今回は食品サンプル作りが体験できるさんぷる工房について紹介します。

食品サンプルの歴史見出し

そもそも食品サンプルがいつから作られたのか、ということについては、いくつかの説があり、はっきりしていません。ただ、前述したように、大正時代から昭和初期にかけて、いわゆる食品サンプルが作られたという記録が残されています。

いわゆる調理された食材が盛りつけられた食品模型が最初に記録に出て来るのは、1917年、京都の土田兎四郎、西尾惣次郎らに関する記録です。保健食料理模型を製作し、衛生試験所などに納めたという記録です。彼らは、島津製作所で学校の理科教育用標本の製作などの仕事をしていました。この時作られたものは寒天で型を取り、ロウで作ったものでした。しかし、当時の模型の主流は石膏であり、材質的に料理模型の製造には不向きでした。

実際に食堂やレストランで使われた記録が出て来るのは、1923年のことです。場所は有名デパートの白木屋で、茅場町に二階建て食堂を作った時に、食堂としては初めて「店頭に提供する飲食物の見本の陳列」、「店頭での食券販売による取引」を行います。ところが、実物では変色が激しいため、それを防ぐための方法について、須藤勉に相談をもちかけました。須藤は東京日本橋で人体・生物模型技師の技師をしていました。そこでパラフィン、ステアリン、木蝋などを混ぜ合わせ型に入れたものに油絵具で着色して食品サンプルを製作しました。

本格的に食品サンプルを扱う会社は、1932年に創業されます。弁当屋を営んでいた岩崎瀧三が大阪市北区老松町に「食品模型岩崎製作所」を開き、食品サンプルを1ヶ月、実物の食品料金の10倍の値段で貸し付けることで顧客開拓に成功、業績を伸ばしていったとされています。食品模型の需要は拡大し、その後十合デパートが食品サンプルを陳列し始めると他の百貨店からも大量の注文が舞い込むようになりました。

その後、第二次世界大戦の時期になり、材料のパラフィンが手に入らなくなったことから、食品サンプルはいったん途絶しますが、戦後再興され、1970年代に入り、合成樹脂による製造がおこなわれるようになり、現在に至っています。

なぜ郡上市で食品サンプル?見出し

食品サンプル作りの体験ができるさんぷる工房は、岐阜県郡上市にあります。そもそもなぜ郡上市なのか、ということなのですが、驚くことに郡上八幡は食品サンプルの生産量日本一で、全国シェアの約60%を占めているのです。

なぜこれほど食品サンプルの製造が盛んなのか、というと、前述した岩崎瀧三が、郡上八幡の出身であることがあげられます。前述したように、第二次世界大戦が勃発した際にパラフィンが手に入らなくなった時、岩崎は故郷の岐阜県郡上八幡へ戻るとパラフィンを節約して模型を製造する研究に着手しました。そして、従来のパラフィン使用量を0.05%まで削減した模型の開発に成功したのです。

そのため、郡上八幡には食品サンプルを作る会社が何軒もあり、食品サンプル作りを体験できる施設もいくつかあります。今回紹介するさんぷる工房はその一つです。築150年の町家で食品サンプルを見て、触れて、作ってお楽しみいただける観光施設です。

さんぷる工房へのアクセス見出し

さんぷる工房へのアクセスですが、公共交通機関を利用する方法と車で来る方法があります。公共交通機関の場合、最寄駅は長良川鉄道の郡上八幡駅となり、そこから徒歩20分ほどかかります。郡上八幡駅から「まめバス」を使い、「城下町プラザ」バス停で下車すると、徒歩5分程度です。また、JR岐阜駅、名鉄岐阜駅から高速八幡線で「郡上八幡町プラザ」バス停までくるという方法もあります。こちらも徒歩5分程度です。

車の場合は名古屋市、高山市からは東海北陸自動車道、高山市からはせせらぎ街道、下呂温泉からは国道256号経由になります。時間は下呂温泉からは約1時間10分ほど、他のところからは1時間30分前後です。

さんぷる工房で見る見出し

さんぷる工房に着いたら、まずはその食品サンプルをゆっくり鑑賞しましょう。築150年の町家なので、町家の特性をいかした展示がされています。しっかりとした梁と高い天井、天窓は町家ならではの広々とした空間を演出していて、いるだけで楽しい気分になります。箱段や骨とう品の棚の中をよく見ると、あちらにもこちらにもサンプルが!どこにあるのか探すのがまた楽しいです。

食品サンプルはリアルであると同時に、いわゆる「瞬間の表現」でもあります。麺を箸やフォークで持ち上げて動的表現を加えたものなど、多様な表現も楽しいところです。制作工房も併設されているので、いつでもプロの技を実際に見て、触ってみることもできます。

さんぷる工房で作る見出し

せっかくさんぷる工房に来たからには、やはり自分でも食品サンプル作りをしてみたいところですよね。もちろん体験もできます。さんぷる工房では「土間」のところが体験コーナーになっていて、予約をすることで手軽に体験ができます。3種類の体験メニューがあります。

天ぷら&レタス作り体験

食品サンプルというと誰もが思い浮かべるであろう、天ぷら作り。個人の場合は天ぷら3品とレタス、20人以上の団体の場合は天ぷら1品とレタス作りができます。小学生以上が対象です(高温のロウを使うため、幼児はできません)。

まず、好きな天ぷらの具材を選びます。その後、溶かしたロウをぬるま湯の上に落として衣をつけていくのです。最初に工房のスタッフがやり方を教えてくれるので初めてでも安心です。レタスはロウをたらしてからお湯にくぐらせて葉っぱの雰囲気を作ります。できあがったら、パックに詰めてお持ち帰りができます。

カップアイス作り体験

こちらはスタッフとマンツーマンで体験します。保護者同伴であれば年齢制限はありません。バニラ、いちご、抹茶、チョコの中から選んで、すべての材料を混ぜ合わせるだけ。あっという間にかたまってくるので、スプーンをもちあげたり、中身を垂らしたりすると、動きのある食品サンプルが作れます。

スイーツタルト作り体験

難易度が低く、年齢制限もないため、だれでも楽しめる体験メニューです。タルトの台にホイップクリームを絞り、好きなスイーツを盛りつけていくだけ。真ん中にクリップを刺すと、世界に一つだけのメモ立てが完成します。ケースにいれて持ち帰ることができるので、手元に置いて使うともっと楽しいですね。

さんぷる工房の料金見出し

では、このような楽しい食品サンプル作り体験の料金はいくらぐらいなのでしょうか。実はさんぷる工房そのものの入場料金は無料で、体験をする場合にのみ料金がかかるしくみになっています。

まず、天ぷら&レタス作りですが、個人の場合は1200円になります(以下、料金はすべて税別)。天ぷら&レタス作りの団体、およびカップアイス、スイーツタルト作り体験はそれぞれ900円。リーズナブルな料金でこんな体験ができる上、できあがったサンプルが持ち帰れるなんて楽しいですね。

さんぷる工房のお土産見出し

さて、さんぷる工房では、お土産にするための食品サンプルの販売もしています。もちろん、サンプルそのものも販売されていますが、お寿司の爪楊枝立てやペン立て、メモスタンドのほか、携帯ストラップ、ピアス、ヘアアクセサリーなど、日常的に使える商品がいろいろとあります。自分はもちろん、お友達のお土産にいろいろ探してみるといいですね。

そして本館から徒歩5分ほどのところに、2011年4月に北町館がオープンしました。こちらではスイーツのサンプルを中心に、食品サンプルを使ったアクセサリーや、 食品サンプルでデコレーションした日用品など、食品サンプルの店ならではの商品が並べられています。カップアイスのメモ立てなど、お土産にプレゼントしても喜ばれそう。お土産を選ぶだけで楽しい気分になりそうです。疲れたら食べられる本物のソフトクリームで一休みもできます。

さんぷる工房の近くで楽しむ見出し

さんぷる工房のある郡上八幡は日本三大盆踊りの一つ『郡上おどり』で知られており、また中心部には吉田川が流れ、江戸時代につくられた水路が一帯に巡らされています。その水路沿いには、今なお歴史的な古い町並みが随所に見られます。そのさまはまさに小京都と言えるでしょう。 町並みを楽しみつつ、名物を楽しみ、お土産を見て散策するのもいいですね。

また、郡上八幡城は1933年に再建されたものですが、大垣城をモデルにしており、木造再建城としては日本最古のものです。天守閣に鎧や刀、古文書などが展示されているので、こちらも歴史好きにはおすすめです。

さんぷる工房で楽しいひと時を見出し

さんぷる工房は、いろいろな食品サンプルを見て、お手軽な料金でサンプル作りを体験できる、とても楽しい観光施設です。なんといっても食品サンプルは日本独自のものですから、自分のお土産だけでなく、外国のお友達にお土産としてプレゼントするのも喜ばれそう。食品サンプルのすごい技術、ぜひ体験して楽しいひと時を過ごしてください。

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投稿日: 2017年3月12日最終更新日: 2020年10月7日

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