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京都の「浄瑠璃寺」は秘仏のいるパワースポット!アクセスや御朱印の情報も!

京都の「浄瑠璃寺」は秘仏のいるパワースポット!アクセスや御朱印の情報も!
投稿日: 2017年10月27日最終更新日: 2020年10月8日

浄瑠璃寺は京都と奈良の境近くにあるお寺ですが、平安時代の浄土思想を今に伝える寺であり、古い仏像がたくさんある、お寺好きには外せないところです。この浄瑠璃寺の秘仏について、またアクセス方法や御朱印、ご利益などについて調べてみました。

浄瑠璃寺の吉祥天を見たい見出し

よく寺院のことを調べていると、「秘仏」という言葉が出てきます。その名の通り、なかなか見ることができない仏様で、どれも由緒がある素晴らしい仏像です。その秘仏の中でも浄瑠璃寺の吉祥天像は美しいことで有名なのだそう。そこで浄瑠璃寺の吉祥天像のアクセスやおすすめポイントなどを紹介します。

浄瑠璃寺はどんなお寺?見出し

その吉祥天像があるのは小田原山浄瑠璃寺というお寺です。このお寺は真言律宗のお寺で、本堂には9体の阿弥陀像が安置されていることから、別名九体寺とも呼ばれます。浄瑠璃寺という寺名は創建された時の本尊が薬師如来だったことから、薬師如来が住んでいる「東方浄瑠璃世界」から名づけられました。

浄瑠璃寺はどこにある?見出し

さてこの浄瑠璃寺、京都府木津川市加茂町というところにあります。木津川市は京都府の最南端の市で、隣は奈良市になります。古く聖武天皇の時代、740年に恭仁京という都が置かれた地でもあります。

浄瑠璃寺のアクセス見出し

ですから、浄瑠璃寺は地名としては京都府なのですが、アクセスは奈良方面から、ということになります。最寄り駅は合計3か所あり、その駅からバスを利用してアクセスするというルートです。

まずは奈良交通バスを利用してアクセスするルートです。最寄り駅は近鉄奈良駅とJR奈良駅で、奈良交通バス急行浄瑠璃寺行を利用します。本数は9時から15時台までで1日6本あり、駅からはバスで約25分かかります。バスの時間にあわせて出発時間を調整しましょう。

もうひとつのルートはJR大和路線加茂駅からコミュニティバスを使うルートです。こちらは加茂駅東口から約20分かかります。JRの時間に合わせる形で1時間に1本ずつバスがあります。こちらも時刻を確認し、接続できるJRを利用するといいでしょう。

どちらのバスも「浄瑠璃寺前」で下車するとすぐ到着となります。JR、近鉄どちらを利用してもいいのですが、もし京都など関西の各方面から浄瑠璃寺に来る場合、近鉄の「奈良・斑鳩1Dayチケット」を利用すると、浄瑠璃寺がフリー区間に含まれているため、オトクにアクセスすることができます。この場合は近鉄を利用することになります。

浄瑠璃寺の由緒見出し

前述したように、浄瑠璃寺のあるこの地域は、古く都が置かれた場所であり、周辺には当尾石仏群とよばれる石仏が点在する地域があるなど、古くから信仰が盛んに行われたことがうかがえる場所でもあります。浄瑠璃寺の由緒については箇条書きで書かれたものが伝わっています。

それによると、1047年、当麻出身の義明上人によって本堂が建立されました。檀那は阿知山大夫重頼という人物だそうです。しかしながら、義明上人、阿知山大夫重頼のどちらも、どういった人物なのか、はっきりわかっていません。

1107年、本堂の薬師如来を「西堂」にうつしたという記述があります。この「西堂」がどこなのかは不明なのですが、別の記録に旧本堂を取り壊したこと、そして新本堂を建立して翌年に開眼供養をしたことが記載されています。前述した、創建されたときの本尊が薬師如来だったこと、寺名の由来はここからわかります。

1157年には、この本堂を西岸に「壊渡」したという記述があります。「西岸」というのは池の西岸であり、まさに現在本堂がある場所が「西岸」になるので、今の場所に移動したと考えられています。以後中世から近世にかけて、浄瑠璃寺は興福寺一乗院の末寺として存続し、明治初期の廃仏毀釈の際に真言律宗となり、西大寺の末寺となり、現在に至ります。

浄瑠璃寺の見どころ見出し

浄瑠璃寺は山間にひっそりとある寺院です。しかし、中心に池がある庭園は浄土式庭園と呼ばれるタイプのもので、池の東岸にある三重塔と西岸にある本堂との組み合わせで、平安時代に流行した浄土信仰を今に伝えるものとして、文化財的価値が高いお寺です。

本堂

国宝です。寄棟造で現在は瓦葺ですが、もともとは檜皮葺きでした。奥に9体の阿弥陀仏が安置されていることから九体阿弥陀堂とも呼ばれます。11世紀から12世紀の院政期を中心とする時期には1020年に藤原道長が建てた無量寿院阿弥陀堂など、多くの九体阿弥陀堂が作られました。この本堂もその時期のものとされています。

九体阿弥陀堂は最盛期には記録に残るだけで30以上ありましたが、現存しているのはこの浄瑠璃寺の本堂のみです。また、当時の九体阿弥陀堂は、藤原道長などの有力貴族や天皇などが作ったものがほとんどで、地方の豪族によって建立されているという点でも珍しいものです。

木造阿弥陀如来像9体

国宝です。前述したように、本堂の中に安置されており、平安時代のもので現存するのはこの浄瑠璃寺のものだけです。中尊像は丈六像よりやや小さい周丈六像、他8体は半丈六像です。『観無量寿経』の「九品往生」をあらわすものであり、すべて寄木造となっています。

造立年代についてはいくつかの説がありますが、1047年の創建時、もしくは1107年の新本堂建立時のいずれかに作られたものとされます。金色に輝く仏像が一列に並ぶ姿はまさに極楽浄土が目の前にあらわれるかのような威厳を放ちます。

木造四天王立像

国宝です。現在4体のうち、持国天と増長天が本堂内に安置され、他の2点は東京と京都の国立博物館に寄託されています。寄木造で、平安時代後期に作られたものとされています。多聞天以外のものは名前が入れ替わっているとする説があります。

三重塔

国宝です。1178年に京都一条大宮から移建されたと言われています。浄瑠璃寺に移築された後、初層内部に薬師如来像が安置されました。この薬師如来像は重要文化財に指定されており、平安時代の作とされ、建立当時の本尊はこれであったという説があります。薬師如来像は秘仏であり、決められた日にしか見ることはできません。

また、三重塔の壁面には絵画が描かれているのですが、この十六羅漢像などは平安時代の図像として貴重なものとされ、重要文化財に指定されています。また柱には鎌倉末期のものである八方天立像が描かれています。

浄瑠璃寺庭園

史跡、特別名勝に指定されています。中心の池は興福寺の恵信が掘ったもので、中央の祠には弁財天が祀られています。池の東岸に三重塔、西岸に本堂がありますが、これは三重塔にある薬師如来が東方浄瑠璃世界に住み、本堂の阿弥陀仏が西方極楽浄土にいることを象徴していると言われます。

ちなみに、池の反対側から本堂を見たときには、阿弥陀如来の顔は廂に隠れて見えないのですが、池に映る姿を見るとそこには阿弥陀如来の顔が映ります。池に映すことで極楽浄土の姿を見ることができるという仕掛けになっているのです。ぜひ池の姿を見ることをおすすめします。ご利益がたくさん得られるかもしれません。

浄瑠璃寺は吉祥天が有名見出し

このように浄瑠璃寺は国宝や重要文化財が多くあり、平安時代の極楽浄土の姿を今に伝える貴重なお寺です。でもこのお寺で何といっても有名なのは、吉祥天像ではないでしょうか。ご利益もあるとされており、ぜひタイミングをあわせて参拝することをおすすめします。

吉祥天像は重要文化財に指定されており、本堂内に安置されています。1212年に本堂に安置されたという記録が残ります。ふだんは阿弥陀仏の中尊像の左側に置かれた厨子の中に安置されていて、年3回扉が開かれ、その美しい姿を見ることができるのです。

吉祥天像が公開されるのは、1月1日から15日まで、3月21日から5月20日まで、10月1日から11月30日までとなっています。ちなみにこの期間内に前述した薬師如来像が見られる日もありますので、もし計画を立てるなら、両方が見られる日を選ぶことをおすすめします。

檜材割矧ぎ造という方法で作られていて、『大吉祥天女念誦法』に「身色白にして十五歳の女の如く」とある姿を体現するかのように、美しい彩色が施されています。2014年の雑誌で「一度は見たい、日本の秘仏5選」に選ばれており、秘仏であるがゆえに保存状態がよく、美しい姿が今に伝わっています。

また、鎌倉時代以降の吉祥天像と違って、装飾品なども木製であり、平安時代の特徴が残っていると言われます。さらに衣袖と裳裾の雲型に巻き上がる文様は、中国の宋代の影響を受けた新しいものと言われ、それが融合している点も見どころとしておすすめです。

浄瑠璃寺のご利益見出し

ここまで書いてきたように、浄瑠璃寺は極楽浄土をあらわす寺院です。ですから、お寺そのもの、仏像そのものがご利益を体現していると言っていいくらいなのですが、その中でも特にご利益があるとされている仏像がいくつかあります。

まずは前述した吉祥天像です。吉祥天は毘沙門天の妻と言われており、繁栄と幸運のご利益があるとされています。美しいだけではなく、ご利益もあるというのは何ともありがたいことではないでしょうか。ぜひ日程を合わせて公開されているものを参拝することをおすすめします。

もう一つ、本堂中央の右側に安置されている地蔵菩薩立像は「子安地蔵」と呼ばれており、安産のご利益があるとされています。袈裟の中に腹帯を巻いているのが見えるとのことなので、ぜひ参拝しておきましょう。

浄瑠璃寺の御朱印見出し

次に浄瑠璃寺の御朱印についてですが、その前に、浄瑠璃寺には参拝の仕方があります。浄瑠璃寺に行ったらまず三重塔に行き、薬師如来像を拝みます。その後、振り返って池越しに本堂の阿弥陀如来像を拝むのです。

なぜこうするかというと、薬師如来像は現実の苦悩を救ってくれる仏であり、阿弥陀如来像は極楽浄土に連れて行ってくれる仏様だからです。つまり「現世のご利益があるようお願いしたあとで、極楽浄土に行けるように願う」という意味があるのです。

参拝が済んだら、御朱印をいただきに行きます。浄瑠璃寺でいただくことができる御朱印は4種類あります。浄瑠璃寺は西国薬師四十九霊場 第三十七番札所であるとともに、関西花の寺霊場 第十六番札所、仏塔古寺十八尊霊場 第十番札所でもあります。

ですから、浄瑠璃寺の「九体仏」の御朱印のほかに「瑠璃光」「阿弥陀如来」などの御朱印もあり、合計4つの御朱印がいただけるということになります。札所めぐりの御朱印帳を持っているのであれば、そちらにそれぞれ御朱印をいただくことをおすすめします。

また、御朱印を初めてもらうなどの場合は、全部一気にいただいてもいいですが、まずは「九体仏」のものをいただくといいでしょう。行くたびに御朱印をいただくというのも、また楽しみがあっておすすめです。

浄瑠璃寺でパワーをいただこう見出し

浄瑠璃寺は京都府内ではありますが、アクセスの面では奈良からのアクセスが便利なところにあります。行政的には京都、文化的には奈良の影響を受ける地域と言えるでしょう。ですから京都のお寺を多く参拝した人でも、浄瑠璃寺は知らないという人もいるかもしれません。吉祥天像をはじめとして多くの古い仏像があるお寺なので、ぜひ一度参拝してみてください。

投稿日: 2017年10月27日最終更新日: 2020年10月8日

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