梨花洞の路上美術館「壁画村」とは？インスタ映えするアートな街をご紹介！

ソウル中心の繁華街から少々離れたところに位置する梨花洞。小高い丘のようなところに位置する梨花洞は別名「壁画村」とも呼ばれ、街の至る所に様々なアート作品が描かれたインスタ映えも抜群のフォトジェニックな街として人気を集めています。今回はそんな壁画村とも呼ばれる梨花洞の見どころからアクセスなど、気になる情報をまとめてお伝えします。

フォトジェニックな街として人気を集め、 “壁画村”との異名を持つ梨花洞。そんな梨花洞の街の中で壁画が描かれている地区は「路上美術館」と呼ばれ、愛らしいものからトリックアートのようなユニークなものまで様々なアートが施されていることから話題となり、数多くのドラマや映画、雑誌の撮影地としても利用されています。

現在では観光地として人気を集める梨花洞ですが、かつて街は“タルトンネ”と呼ばれ、小高い丘のような急こう配に囲まれた中で貧しい人々が暮らす地区として知られていました。そんな街を変えたのが2006年に始まった「駱山プロジェクト」というもの。住民の生活環境改善を目指すべく始まったこちらの計画により、約70人ものアーティストや住民の手で街には壁画が施され、梨花洞はアートな街として再生を遂げました。

様々な壁画が描かれた梨花洞の路上美術館は、数多くのドラマや映画のロケ地として使用されていることでも知られています。一例を挙げると、東方神起の元メンバーでもあるJYJのユチョンが主演したことで知られるドラマ「屋根裏部屋の皇太子」もここ梨花洞の路上美術館で撮影されたものですが、こちらで撮影されたドラマや映画はその数を挙げたらきりがないほどです。

ちなみに梨花洞の路上美術館からほど近いところに位置する駱山公園も、ドラマや映画のロケ地としては非常に有名な場所となっています。有名なものとしては「華麗なる遺産」「相続者たち」「パリの恋人」などが挙げられ、ドラマや映画のロケ地巡りをする際には欠かせない場所となっています。梨花洞の路上美術館と併せてこちらを訪れてみるのもおすすめです。

街の至る所にアートが施され、“壁画村”との異名をも持つ梨花洞の路上美術館。しかし美術館とはいっても、何かコンセプトがあるわけではなく、作品はアーティストや住民によって自由に描かれたもの。そんな路上美術館を観光する際には、宝探しのような気分で街を歩いてみるときっとお気に入りのアートが見つかったり、また一度訪れたことのある方でも新たな発見に出会えるのではないでしょうか。

梨花洞の街は愛らしいアートに施されているのみならず、レトロな雰囲気漂う街でもあります。梨花洞ではそんな雰囲気にぴったりな昔懐かしい学生服をレンタルすることも可能で、観光客の間からは密かに人気を集めています。レンタル料も5000ウォン、日本円にして500円ほどからとお安いので、町の雰囲気に合う服装で観光されたい方にはこちらもおすすめです。

それではここからは梨花洞の路上美術館のアートの中でも観光客から特に人気の高いものを幾つかご紹介しましょう。まず梨花洞の路上美術館を訪れたら絶対に抑えておきたいのがこちらの翼の壁画。韓国の人気番組「1泊2日」でイ・スンギがこれを前に写真を撮ったことで一気に知名度が上がったこちらの壁画は、前に立って写真を撮れば天使の翼が生えているかのように見えてとっても素敵です。

さらに翼の壁画と併せ、梨花洞の路上美術館で最も知名度の高い人気作品の一つが椅子のトリックアートです。こちらは韓国の人気ドラマ「屋根部屋のプリンス」でパク・ユチョンとハン・ジミンが訪れたことで知られています。さらに椅子の壁画の上に描かれている紫陽花の花などもトリックアートであり浮き出ているように見えるので、こちらもポイントとなっています。

梨花洞の路上美術館のアートの中で人気なものの一つには、住民の自宅の壁いっぱいに薔薇の花が描かれた壁画もあります。こちらの薔薇の中にはブランコも描かれており、こちらに座って撮影するのが観光客の間では人気。薔薇の花に囲まれる中、ロマンティックな気分でインスタ映えする写真が撮影出来てしまうおすすめスポットです。

路上美術館の作品の中には人や動物を描いたアートも数多くありますが、そんな中でも人気なのは絵本のようなタッチのもの。絵本に出てくるキャラクターのような優しいタッチで描かれた人のアートと一緒に写真を撮れば、絵本の世界に迷い込んでしまったかのようなちょっと不思議な気分になれます。

“壁画村”との名で知られる梨花洞の路上美術館ですが、アート作品はなにも壁画だけなわけではなく、街のあちらこちらにはオブジェも見受けられます。中でも有名な遊歩道沿いに設置された紳士と犬が空中散歩をしているかのようなオブジェは芸術性が高いとして観光客からも人気。オブジェの目の前に広がる公園の木々とソウルの街を前に、一枚写真を撮られてみてはいかがでしょうか。

梨花洞のオブジェの中でも最も人気の撮影スポットの一つとしては、風船のオブジェも挙げられます。こちらは絵で描かれた風船でありながら立体的なオブジェのような作品となっており、階段とその下に広がる町をバックに写真を撮影すれば素敵な一枚になること間違いなしです。

実は梨花洞の路上美術館の壁画の中には消されてしまったものも存在します。中でも観光客から最も人気が高かった作品の一つであったにも関わらず消されてしまったのが階段に描かれていた見事な花と金魚のアート。こちらは非常に芸術性が高く写真の撮影スポットとしても人気だったのですが、観光客が押し寄せたために近隣住民から抗議が殺到し、その結果住民によりアートが消されてしまう事態に至ってしまったそう。

そもそも街の活性化として始まった路上美術館のプロジェクトですが、時間を問わず騒ぎ立てたりごみを捨てたりするマナーの悪い観光客が増え、また住宅の敷地内に足を踏み入れたりしてしまう人などもおり、住民の生活圏は脅かされてしまうことに。その結果せっかく描かれたアートが消されてしまうのでは非常に残念なので、梨花洞を観光する際にはマナーを守って観光するように気を付けたいところです。

梨花洞へのアクセス情報です。ソウル中心からも近い梨花洞へのアクセスは、東大門周辺を観光しながら行きたいという場合には徒歩でのアクセスも可能です。しかし最もわかりやすい方法としては、地下鉄4号線からのアクセスとなっており、こちらに乗車し「 ヘファ駅」(恵化)の２番出口で下車すれば徒歩10分ほどで梨花洞の壁画村へとアクセスすることが出来ます。

ヘファ駅2番出口を出た後は、マロニエ公園を通り駱山公園方面へと向かっていくと、道の複数個所に壁画村のマップが設置されており、こちらを見ながら歩くと人気スポットに簡単にアクセスすることが出来ます。ただ梨花洞へのアクセスの際は迷ってしまう方も多いので、急こう配を無駄に歩いてしまうのを避けたい方はあらかじめ地図を持参して行った方がよいでしょう。

街のあちこちに美しい壁画が施された梨花洞ですが、こちらを訪れる際に忘れてはならないのが町は観光地である一方、いまだ多くの人が暮らす住宅地でもあるということ。街の活性化のために始められた路上美術館ですが、観光客が増えたために騒音やごみまでが増加し、住民からは苦情が絶えないそう。街を散策する際にはくれぐれも早朝や深夜の住宅街で騒いだりごみを捨てたりしないよう心がけましょう。

さらにもう一点気を付けたいのが、小高い丘のような位置にある街にはとにかく階段や急こう配が多いということです。階段や坂にもアートが施されており、そのような場所も観光客からは人気の撮影スポットとなっていますが、ヒールなど歩きにくい靴を履いていると途中で疲れてしまうことも。梨花洞観光の際にはそのことを念頭に、歩きやすいスニーカーなどで訪れるのがおすすめです。

映画やドラマのロケ地として韓国では知られる一方、繁華街から離れたところに位置する梨花洞は観光客にとってはまだまだメジャーな観光スポットではないかもしれません。しかしこれだけ芸術性の高いアート作品が住宅街いっぱいに施された街は世界的にもあまり例がないのではないでしょうか。ソウル観光の際には定番の観光スポットだけではなく、そんな梨花洞へもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。