たこ梅（梅田）は日本一古いおでん屋！老舗の絶品メニューを堪能しよう！

大阪たこ梅は、江戸時代末期の1844年創業という老舗店で、日本一古いおでん屋さんとしても知られる人気店。しかしながら、おでんだけでなく様々な特徴･こだわりがあるお店で、蛸や鯨のことのほか、お酒を提供するための錫製品や、おいしいビールを提供するための手法など、その詳細を以下にご紹介します！

創業は江戸時代末期の弘化元年(1844年)という長い歴史を持つ老舗店。その創業者は岡田梅次郎で、その地はグリコのネオンサインでも有名な大阪ミナミの道頓堀。その伝統は21世紀へと引き継がれ、現在の店主である岡田哲生で5代目を数えるに至っており、｢日本一古いオデン屋」(関東煮屋)とまで呼ばれるようになっています。

｢親から子へと、さらにはその子へと、時を紡ぐ場所をつくり、伝えていきたい｣というのがたこ梅のコンセプト的なものであり、この姿勢が100年以上続くお店へとつながっています。ちなみに、池波正太郎･田辺聖子･開高健など多数の有名作家作品にもたこ梅は登場しており、このことからもお店に対する支持の高さが伺えるはずです。

1844年の創業以来、瀬戸内海でとれた新鮮で品質の良い真だこを使用し、お店秘伝の出汁で炊き上げるたこ甘露煮。当時から変わらない味を引き継ぎ、今なお多くのお客さんからの支持を集め、たこ梅を訪れた全員がオーダーするといっても過言ではない。そんなお店の名物で、定番人気メニューとなっているのがたこ甘露煮です。

たこ梅という店名は、このたこ甘露煮が由来すると想像している人が多いようですが、実はそうではありません。たこ梅の店内にはコの字型カウンター席が設けられていますが、この中で店主が四方八方へ手を伸ばしてサービスする姿が｢たこ｣のように見える。そして創業者である梅次郎の｢梅｣を組み合わせて｢たこ梅｣と名付けられたようです。

｢さえずり｣は、たこ梅が出願して特許庁に認められた登録商標です。それだけたこ梅が大事にしている名前ということが容易に想像できるはずですが、実際、たこ甘露煮と並ぶたこ梅の名物･定番人気メニューとなっており、日本一古いオデン屋さんという名前にふさわしい独特の深い味わいのおでんを生み出すことにも貢献しています。

｢さえずり｣とは何かといえば｢鯨の舌｣のことで、創業者である岡田梅次郎が初めて使って以来、その独自の仕込み方法と味わいが今なお受け継がれてきているものです。ちなみに、なぜ｢さえずり｣と名付けたかといえば、噛むとクチャクチャと音がするのですが、それが｢小鳥のさえずりのようだ｣という印象に由来しているそうです。

最近は｢錫の容器に入れるだけで水の味がおいしく変化する｣といったことがテレビなどのメディアでもよく紹介されています。なぜおいしくなるのかは、正確にはまだよくわかっていないところもあるようですが、水の分子が錫のイオンの力で通常よりも細かくなり、それがまろやかな味わいへと変化させているといわれています。

それは水だけでなく酒においても同じで、｢錫の容器で飲むとお酒の等級が一級上がる｣ともいわれています。たこ梅でもその効果に昔から注目しており、燗をする酒タンポも、日本酒だけでなく焼酎のロックを提供するコップなども、創業した江戸時代から今現在の平成に至るまで、たこ梅では錫製のものが継続して使用されています。

元々、たこ梅は江戸時代に上等のお酒を上手く燗をつけて出すお店｢上燗屋｣として誕生。その流れをくんで、おいしいお酒を出すことに情熱を注いだ三代目店主が、大正時代に上燗コップ考案して特許も取得。それは中空の二重構造になっており、せっかくのお酒が冷めにくいようにと魔法瓶のような保温性が高い容器に仕上げられたものです。

たこ梅では、おいしいビールを出すことにも情熱を注いでおり、アサヒビールからインストラクターを迎えて毎年講習を実施。そのキーワードが｢エンジェルリング｣というもの。それは、ひと口飲むごとにジョッキへと残っていく泡の輪っかのことで、ジョッキやサーバーの洗浄･温度管理･注ぎ方などが徹底していないとできないものだそうです。

上にも紹介した｢さえずり｣のほか、多彩なメニューが取り揃えられており、たとえば、｢ころ｣は油を抜いて仕上げた鯨の皮で、しかもマッコウクジラの厳選された最高の部分だけを使用しています。また、これもたこ梅の登録商標である｢もちころ｣は、独自の技法でひげ鯨の本皮を仕上げ、鯨の旨味をモチモチの食感とともに堪能できる逸品です。

特に女性の高い支持を集めているのが、コラーゲンたっぷりの｢鯨すじ｣で、その鯨すじと贅沢にもたっぷりのネギと組み合わせた｢鯨すじねぎ袋｣も一度食べたら病みつきになると大人気です。もちろん、大根･厚あげ･じゃがいも･こんにゃく･たまご･竹輪などのおでんで定番といえる数々のメニューも取り揃えられています。

季節ごとの新鮮でおいしい旬の食材を積極的に取り入れているのもたこ梅の特徴で、たとえば、牡丹の花のように大ぶりの牡蠣だけを厳選して使用した｢牡丹牡蠣｣は、噛むと牡蠣の旨味たっぷりジュースがあふれ出すことでも人気の名物メニュー。肉厚の｢椎茸｣は、おでんの出汁をたっぷりと吸ってビールにもよく合うと人気です。

焼き鳥屋ではなくおでん屋さんのたこ梅にも｢ねぎま｣が用意されていますが、ねぎの間に挟まれているのなんと｢まぐろ｣です。また、｢いわしだんご｣にはハモのすり身が混ぜ合わされています。さらには、極寒の北の海で育った｢ほたて貝｣は、とても大きな貝柱とともに卵も味わえることで人気となっています。

上にも紹介したたこ梅の名物メニューであるたこ甘露煮には様々なバリエーションメニューが用意されています。たとえば、夏季1か月程度の期間限定メニュー｢たこの子甘露煮｣。真だこの卵を職人技で甘露煮に仕上げた珍味で、ねっとりという言葉がピッタリ当てはまるようなその濃厚な味わいで人気となっています。

2月から4月頃に期間限定で提供されているのが｢いいだこ甘露煮｣。いいだこは、その卵が米粒にそっくりであることから｢飯蛸」(いいだこ)と呼ばれているわけですが、ちょうどこの春を迎える時期が卵をいっぱい抱える季節であり、その旬のいいだこを甘露煮に仕上げた見逃せない逸品です。

｢さえずり｣については既に紹介しましたが、たこ梅には調査捕鯨の鯨を仕入れる独自ルートがあり、鯨を使ったバリエーションメニューも用意されています。たとえば、｢さえずり造り｣。それは、さえずりを仕込む際に、茹でるだけでなく、たこ梅秘伝の技法で仕上げたひげ鯨の舌のお造りで、さえずりとは異なる食感･味わいを楽しめる逸品です。

10月から翌5月頃までの期間限定で提供される｢サラシ鯨｣は、生鯨の本皮から作られるもので、鯨の旨味を堪能できる逸品として人気。その他にも幅広いメニューが取り揃えられており、鯨ベーコン･鯨たんカツなどのほか、鯨赤身造り･鯨赤身叩き･鯨赤身ステーキなども味わえる貴重なお店です。

たこ梅では、店内での食事はもちろんのこと、お持ち帰りもできます。そのメニューは、名物人気メニューの｢たこ甘露煮｣に加え、真だこを丸ごと1匹使った｢たこ甘露煮の姿煮｣も用意されています。また、おでん12品と特製出汁のセットのほか、上にも紹介した上燗コップなどの錫製品の購入も可能です。　

また、たこ梅のホームページには、お取り寄せネット通販のページも用意されています。利用できるのは、お持ち帰りメニューと同じく、たこ甘露煮･おでん12品と特製出汁のセットのほか、上燗コップなどの錫製品も購入できるようになっています。ちなみに、たこ梅のロゴネームがプリントされたTシャツやエプロンなども用意されています。

日本一古いおでん屋さんとして知られるたこ梅の情報はいかがでしたでしょうか？おでんだけでなく、蛸や鯨などをおいしいお酒とともに満喫できるというのは非常に魅力的。この中の情報も参考にしながら、大阪を訪れた際には旅の疲れも日頃のストレスもぜひたこ梅で発散してください！