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薬師寺は見どころも多く御朱印人気も高いおすすめ観光スポット
遷都に伴う移転より1300年という節目を迎える奈良の名刹薬師寺。西国四十九薬師の第一霊場でもあり、1998年に世界遺産にも登録されています。その薬師寺で体験できる貴重な仏教文化遺産や、写経道場、更に人気の御朱印、また薬師寺へのアクセス方法などについてご紹介します。
1300年の歴史を誇る奈良薬師寺には見どころが盛りだくさん
同じ奈良県奈良市にある興福寺と並び、法相宗大本山である薬師寺。その創建は今から1340年近く前の680年という歴史のある古刹です。現在の薬師寺は藤原京から平城京への遷都に伴い718年に移されたものであり、国宝に指定されている東塔は中でも東寺の建築様式を今に伝える貴重な建築物となっています。
東塔以外にも日本でも指折りの日本画の大家である画家の平山郁夫が描いた大唐西域壁画や、玄奘三蔵の遺骨が祀られている玄奘三蔵院伽藍、休ケ岡八幡宮、西塔、金堂や大講堂などのたくさんの見どころがある薬師寺。壮麗な仏教美術の中で非日常感覚と精神の安らぎを感じることができる人気の観光スポットです。
住所:奈良県奈良市西ノ京町457
電話番号:0742-33-6001
奈良薬師寺の見どころ1:金堂
薬師寺の金堂は1528年にいったん焼失した後、長くに渡って仮の金堂でしたが今から42年前の1976年4月に建立時の白鳳時代様式を踏襲した金堂が再建されています。また金堂の本尊の薬師瑠璃光如来、日光菩薩、月光菩薩の薬師三尊像は、国宝に指定されている白鳳時代を象徴する歴史的にも名高い仏像です。
400年前に消失した建物の再建であり、昭和期最大の木造建築物である薬師寺金堂の再建にはさまざまな困難が伴いました。5年もの歳月を要したその再建はNHKのプロジェクトXでも「幻の金堂・ゼロからの挑戦」と採り上げられるほどのもの。日本古来からの伝統技術の復活の証でもある金堂は薬師寺でも指折りの見どころです。
奈良薬師寺の見どころ2:休ヶ岡八幡宮
薬師寺の南大門の南に位置し駐車場からもすぐの、休ヶ岡八幡宮。現在の社殿は江戸時代に豊臣秀吉の三男であり、大阪夏の陣で亡くなった豊臣秀頼により建てられたものです。ご神体とされる神功皇后、僧形八幡神、仲津姫命の三体は平安時代初期に作られた現存する木彫神像としては最古の部類とされ国宝に指定された歴史的にも貴重なものです。
休ヶ岡八幡宮は薬師寺を守護するための神社とされているため、薬師寺に参詣する場合はまずこちらでお参りをすませてから、が正しい参詣順序と言われています。また、休ヶ岡八幡宮では薬師寺の御朱印と並んで人気の八幡宮の御朱印の授与や、人気のお守りなども販売されているので立ち寄った場合にはぜひお見逃しなく。
奈良薬師寺の見どころ3:大講堂
間口41m、建物の奥行20m、高さ17mの薬師寺大講堂。2003年に再建された薬師寺境内で最大の床面積を誇る建物です。その建築様式は、この地に薬師寺が建立された当時の白鳳文化の仏教建築を今に伝えるものとなっています。再建に当たっての基本設計を担ったのは薬師寺金堂や西塔も手がけた名宮大工の西岡常一です。
奈良薬師寺の見どころ4:西塔
昭和56年に金堂を手がけた西岡常一の手によって復興された薬師寺西塔。裳階部分に設けられた連子窓の青色と、柱や扉などのいわゆる赤土色である丹色の対比が目にも鮮やかな美しい塔です。歌人佐々木信綱が詠んだ「ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲」に歌われている塔は現在解体修理中の東塔ですが、西塔もそちらに負けない見どころです。
奈良薬師寺の見どころ5:東塔
薬師寺境内の建物の中で、唯一創建当時より現存しているのがこの東塔です。その高さは約34メートルあります。同じ奈良市内にある興福寺五重塔の約50メートルや、京都東寺の約55メートルには高さでは及ばないものの、その独特の優美さや荘厳さで人気のある木造塔です。
現在その東塔は平成21年度より平成の修理として解体修理中となっています。昭和期の修理は部分修理であったため、解体修理は明治期よりおおよそ111年ぶりの着手となっています。完成予定は2020年が予定されており、現在は残念ながら覆屋の中のため目にすることができなくなっています。
奈良薬師寺の見どころ6:玄奘三蔵院伽藍
孫悟空で知られる「西遊記」。その西遊記に登場する三蔵法師のモデルで、中国唐時代に歴史上実在した僧侶が玄奘三蔵です。この玄奘三蔵は薬師寺の法相宗の開祖である窺基の師に当たります。その玄奘三蔵の遺骨が分骨されたことから建立されたのが玄奘三蔵院伽藍です。
この玄奘三蔵院伽藍内には、日本を代表する日本画家の1人である平山郁夫が手がけた大唐西域壁画と称する玄奘三蔵求法の旅の様子を描いた全13枚からなる壮大なスケールの大壁画と、仙人と呼ばれた名仏師の大川逞一が出かけた玄奘三蔵像が安置されています。
この玄奘三蔵院伽藍は、例年1月1日から1月15日、3月1日から6月30日、8月13日から8月15日、9月16日から11月30日までの期間限定の公開とされています。またこちらの玄奘三蔵院伽藍で授与される御朱印も人気となっていますが、御朱印も公開期間中のみの授与となっていますのでご注意下さい。
奈良薬師寺への主なアクセス方法は
奈良市西部にある薬師寺。その薬師寺への公共交通機関を利用しての最寄り駅は近鉄電車の西ノ京駅ですが、JR線の利用や車でのアクセスも可能です。また、国内各地から薬師寺を始めとする奈良の観光スポットへの旅行に訪れる際に、関西空港を利用する場合の奈良中心部へのおすすめアクセス方法なども併せてご紹介します。
奈良薬師寺へJR利用でアクセスするには
奈良薬師寺にアクセスする方法としてJR利用を選択する場合、京都や大阪方面からはJR奈良駅が最寄り駅となります。JR奈良駅からは奈良交通の63、72、78番系統バスの奈良県総合医療センター行きに乗車して、最寄の薬師寺バス停で下車して下さい。バス停から薬師寺までは迷うことなく到着することが出来ます。
奈良薬師寺へ近鉄電車利用でアクセスするには
奈良薬師寺に公共交通機関を使ってアクセスする場合、最も利便性が高いのは近鉄電車でのアクセスです。最寄り駅は近鉄橿原線の西ノ京駅となるため、京都や大阪方面から近鉄奈良線でアクセスする場合は、大和西大寺駅で乗り換えが必要ですが、西ノ京駅から薬師寺までは歩いて約6分ほどでアクセス可能です。
奈良薬師寺へ関西空港からアクセスするには
国内各地から関西へのアクセスとして関西空港を利用する場合、薬師寺を始めとする奈良方面へのアクセス方法としては、JR線や南海電車を利用しての大阪を経由する方法ではなく、直接奈良へのリムジンバスに乗車するのが便利です。関西空港から近鉄奈良駅行きのリムジンバスの乗車時間は約1時間半、料金は大人片道2050円です。
奈良薬師寺へ車でアクセスするには
奈良市の中心部である近鉄奈良駅から車で20分ほどの薬師寺。境内の一角には駐車場もあり、車でのアクセスも容易です。薬師寺の併設駐車場の利用時間は午前8時半から午後5時までとなっており、利用料金は普通車で1回500円の前払い制となっています。駐車場は境内のはずれにあり、拝観時間終了と同時に閉鎖されるのでご注意下さい。
奈良薬師寺で写経に参加するには
歴史ある薬師寺では写経することによる勧進が行われており、それらの納経供養料を元に金堂や西塔、玄奘三蔵院伽藍が建立されました。写経を通じて自らの精神統一や癒しを得られるだけでなく、歴史ロマンの再建の一助になることもできる薬師寺の写経体験。国内外からの観光客にも大変人気となっています。
薬師寺での写経道場は宗派を問わず誰でも参加できます。毛筆の扱いに自信がない場合は、鉛筆での写経も可能な上に、道場内には椅子席も用意されているので安心です。さらに遠方の人には、自宅で自由に自分のペースで写経した後に納経できるプランも用意されているので、興味のある人はそちらもチェックしてみて下さい。
奈良薬師寺の拝観料は
歴史ある奈良薬師寺に拝観する際の拝観料は、玄奘三蔵院伽藍の公開時期と非公開時期により拝観料が変動します。年4回の玄奘三蔵院伽藍の公開期の拝観料はそれぞれ、大人1100円、高校生と中学生の拝観料は700円、小学生300円の拝観料となっています。
玄奘三蔵院伽藍の非公開時期には大人の拝観料が800円、高校生と中学生の拝観料が500円、小学生の拝観料が200円となっています。なお現在は通年として解体修理中の東塔は拝観することができません。さらにそれぞれ25名以上の団体での拝観の場合はそれぞれ拝観料が割引適用されます。
また特別公開として平成30年3月1日から6月30日、8月13日から8月15日、9月16日から11月30日までの期間に特別展その1「西塔初層内陣と平山郁夫が手がけた大唐西域壁画、釈迦四相像特別拝観」、特別展その2「食堂特別公開」が用意されており、それぞれ拝観料と別途500円を支払えば拝観できます。
さらに特別展その1とその2両方とも拝観したい場合は、お得な特別共通券が発売されています。それぞれ個別に拝観料を支払った場合、大人2100円になるところを1600円、中学高校生が1700円になるところを1200円の拝観料で見られるお得なチケットなので、期間中に薬師寺を訪れる場合は要チェックです。
奈良薬師寺の期間限定御朱印とは
奈良の薬師寺では様々な御朱印が授与されています。そのうち、玄奘三蔵院で授与される不東の御朱印には玄奘三蔵の姿印が押されます。この不東とは国禁を犯して仏教の真髄を求めにインドへ赴いた玄奘三蔵の、望む地にたどり着けなければ東の自分の国へ引き返すことはしないという並々ならぬ決意を表す言葉です。この玄奘三蔵院の御朱印は公開時しか入手できません。
薬師寺での例年1月1日から1月15日時期と、秋の大宝蔵殿特別公開時期だけに授与されるのが吉祥天女像の印が目を引く吉祥招福の御朱印です。これは光明皇后の姿を写したとされ、独立した画しては日本最古を誇る国宝吉祥天女画像由縁の絵姿であり、招福の縁起も相まって参詣客に人気の御朱印となっています。
薬師寺食堂が公開されている時期にだけいただけるのが「無量光」の御朱印です。この無量光とは阿弥陀仏が発する限りない知恵が周囲にもたらす光のことを指し、食堂の本尊である阿弥陀三尊浄土図に由来するものです。いただける御朱印の中央には阿弥陀仏に関連の深い蓮の絵が押印されており、受験生などにも人気の御朱印となっています。
奈良薬師寺の通年でいただける御朱印とは
薬師寺でいただける御朱印のうち、金堂本尊の薬師三尊像由来の「薬師如来」、薬師寺が西国四十九薬師であるが故の「御詠歌」の御朱印などは特に期間が限定されているものではありませんので、参詣した際にいただくことができます。
また大講堂の本尊弥勒三尊像に由来する「弥勒佛」や、国宝仏足石・並びに仏足跡歌碑に由来する「南無佛」には仏足の印を押していただけます。さらに薬師寺が大和北部八十八ヶ所霊場の第四十九番霊場に当たることに由来する「聖観世音」は、東院堂の本尊であり国宝でもある聖観世音菩薩像由縁の御朱印です。
奈良薬師寺のおすすめ周辺寺院は
京都に並ぶ歴史のある古都奈良には、薬師寺以外にも多くの名刹古刹が立ち並んでおり、どこも一見の価値のあるところばかりです。そこで薬師寺参詣の折にぜひ立ち寄りたい薬師寺周辺のおすすめ寺院や歴史旧跡などをいくつかピックアップしてご紹介します。
奈良薬師寺のおすすめ周辺寺院1:唐招提寺
盲目になるなど数限りない困難に見舞われながらも、日本に仏教を伝えた唐の高僧鑑真が創建した唐招提寺。奈良の大規模な寺院はそのほとんどが帝の勅願によって建立された寺であるのに対して、唐招提寺は鑑真が個人で建立した私寺院です。いずれも国宝の境内に立ち並んだ伽藍は、創建時の姿を今に伝える古刹です。
住所:奈良県奈良市五条町13-46
電話番号:0742-33-7900
奈良薬師寺のおすすめ周辺寺院2:平城宮跡歴史公園
藤原京の後に遷都された平城京の中心だった宮の跡地に作られた平城宮跡歴史公園。2018年3月に観光交流施設など5つの複合施設のある朱雀門ひろばなどがオープンしました。広い公園内にはいにしえの昔をしのぶことの出来る第一次大極殿などもあり、寺院とはまた違った奈良の歴史を感じさせてくれる施設となっています。
住所:奈良県奈良市二条大路南三丁目5番1号
電話番号:0742-36-8780
奈良薬師寺のおすすめ周辺寺院3:東大寺
奈良といえば第一に思い浮かべる人も多い東大寺。現在の寺院の伽藍は江戸中期までに整えられたものが大半であり、その境内には奈良の大仏として名高い盧舎那仏坐像が安置されている大仏殿や創建当時の遺構を残す転害門、法華堂を始めとする数多くの国宝建造物が立ち並んでおり、まさに壮麗荘厳そのもの。1998年には薬師寺と同じく世界遺産に登録されています。
住所:奈良県奈良市雑司町406-1
電話番号:0742-22-5511
奈良薬師寺のおすすめ周辺寺院4:興福寺
薬師寺や東大寺と並ぶ世界遺産登録もされている奈良の名刹の1つ興福寺。猿沢池からの五重塔の図は奈良を代表する光景といっても過言ではありません。境内の興福寺北円堂や南円堂、東金堂などはどれも一見の価値あり。さらに2018年10月20日からは中金堂の一般拝観も開始されるのでこちらも要チェックです。
住所:奈良県奈良市登大路町48
電話番号:0742-22-7755
奈良薬師寺で歴史ロマンに触れてみよう
京都と並ぶ歴史の都である奈良の薬師寺は、広い境内に多くの見どころや非日常感のある写経体験ができるなど、歴史ロマンを感じながら楽しめる人気の観光スポットです。奈良方面にお出かけの際は、四季折々いつ訪れても荘厳な雰囲気の中で新たな発見に出会える薬師寺にもぜひ1度足をのばしてみて下さい。
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