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根魚に効果的なダウンショットリグにトライ!
多くの釣り人たちの間で様々な方法が考案され、日々進化する釣りの世界。今回は、ボトムに潜む根魚を狙う仕掛けのひとつ「ダウンショットリグ」を紹介します。ダウンショットリグの構造と作り方、ラインの結び方を解説するとともに、おすすめのシンカーやワーム、フックを紹介します。さらに、ダウンショットリグの基本アクションもレクチャーします。
ダウンショットリグとは?
ダウンショットリグとはルアーフィッシングの一種で、バス釣りのカリスマとして有名な村上晴彦氏が考案した仕掛けです。「この仕掛けで釣りをすると常に吉と出る」というほど良く釣れることから「常吉リグ」の愛称でも親しまれています。
ダウンショットリグは、ボトムと呼ばれる水底付近にいる魚を釣るために考案された仕掛けです。1990年代後半のバス釣りブームでバサーの間に広まり、今やバス釣りには欠かせないリグのひとつとなっています。
インターネットが今ほど普及していなかった当時は、釣りの仕掛けや釣り場の情報は釣り専門誌やテレビの釣り番組からしか入手できなかった時代。そんな中、よく釣れるダウンショットリグは釣り場で注目を集め、口コミで広まっていったそうです。
ダウンショットリグがよく釣れる理由
ダウンショットリグの大きなメリットは、もちろんよく釣れることです。なぜそれほどよく釣れるのかというと、ワームと呼ばれる疑似餌が水の流れや竿のアクションによって本物の虫のように動くことから、魚が騙されやすいのです。
ワームをつけた仕掛けをただ投げるだけでは、緻密なワームのアクションは実現できません。それを可能にしているのは、ラインの先端についているシンカーと呼ばれるおもりです。シンカーが水底に落ちることでポジションが固定され、流され過ぎず止まり過ぎない絶妙なワームの動きが可能となるのです。
また、シンカーがあることでワームをターゲットが気づきやすい場所に確実に届けることができるのも、ダウンショットリグがよく釣れる理由の一つです。
レイクのダウンショットリグで狙えるターゲット
ダウンショットリグは、元々バス釣りのために考案されたリグです。湖に生息するブラックバスを釣るにはダウンショットリグが有効です。
ちなみに、ブラックバスという呼び名は特定の魚種を指す名前ではなく、8種類のバスを総称した名前です。日本ではオオクチバス、コクチバス、フロリダバスの3種類が外来種として記録されています。
ゲームフィッシングのターゲットとしてアメリカから持ち込まれたブラックバスですが、日本の在来種を侵略することからそれぞれの釣り場でルールが設けられています。
ブラックバスのリリースが禁止されている釣り場もあれば、反対に持ち出しが禁止されている釣り場もあり様々なので、事前に確認しておきましょう。
海釣りのダウンショットリグで狙えるターゲット
ダウンショットリグは海釣りでも有効です。堤防や護岸付近の浅場に生息する根魚を狙えるリグとして人気があります。
海釣りで狙いたい代表的な根魚と言えばヒラメです。ヒラメは砂に隠れてじっとしているイメージですが、アジなどのエサを見つけると素早く捕食するフィッシュイーターです。ダウンショットリグなら、ボトムにいるヒラメから見えやすい位置にワームを落とすことができます。
また、ヒラメによく似た根魚のカレイもダウンショットリグで釣ることができます。カレイがヒラメと異なる点は、カレイは口が小さく吸い込むようにエサを食べること。そのため、ワームの形状をカレイの口に合ったものにすると釣れやすくなります。
カレイは産卵のために、冬から春にかけて浅場に集まります。ダウンショットリグで堤防からカレイを狙うおすすめの時期となります。
また、海釣りの根魚の大物として人気のアイナメもダウンショットリグでよく釣れます。アイナメは秋から冬にかけての産卵期に浅場にやって来るので、陸から狙うならその時期がチャンスです。
アイナメはカサゴの仲間に分類されます。カサゴ類の根魚の中では引きがパワフルで、やりとりが楽しめる魚として人気があります。また、食用にもおすすめです。
ダウンショットリグは、海釣りでも長い時間同じ場所にワームを漂わせることができるので、低活性の根魚を根気よく狙いたい時におすすめの仕掛けです。
ダウンショットリグにおすすめの場所
ダウンショットリグはどのような場所で使えるのでしょうか。湖のバス釣りから生まれたダウンショットリグですが、波や潮の流れがある海でも抵抗を受けにくいので海釣りにも使えます。
ダウンショットリグはキャスティングで飛距離も出せるので、浅場から深場まで幅広く使うことができます。ただ、広範囲を探るには不向きで、ピンポイントを狙うのに向いています。周囲に障害物がある場所でも、狙ったポイントにシンカーを落としてじっくりとターゲットを狙うことができます。
ボトムの地形は平らであることがダウンショットリグには適しています。アップヒルやダウンヒルでは、根掛かりが起こりやすくなったり不自然な上下の動きが出てしまったりします。
ダウンショットリグの構造
バスや根魚を狙えるダウンショットリグは、どのような構造になっているのでしょうか。ダウンショットリグは、ラインの先端にシンカーというおもりをつけます。そして先端のシンカーからおよそ20cm上の位置にワームをつけたフックを結びつけるというものです。
このように、ワームから20cmほど下に離れた位置にシンカーがついている点が、ダウンショットリグの大きな特徴になります。
ダウンショットリグのシンカーの種類
ダウンショットリグのシンカーは、おもりの役割だけでなくボトムの地形を探るツールにもなります。シンカーは様々な形状があり、海釣りでも湖でもターゲットやボトムの地形に応じて使い分けることができます。ここでは、ダウンショットリグでよく使われるシンカーをご紹介します。
オーソドックスな丸型【ラウンドタイプシンカー】
オーソドックスなシンカーは、丸型のラウンドタイプシンカーです。表面積が大きいので水の抵抗を受けやすく、水面からゆっくりとターゲットのいる場所まで落とすことができます。
ラウンドタイプシンカーの丸い形はボトムを取るのに適しています。その反面、障害物の多い場所では根掛かりしやすく、海釣りでの岩の多い場所などでは注意が必要です。
スリムな形【スティックタイプシンカー】
細長いスティックタイプシンカーは、ラウンドタイプシンカーとは対照的な特徴があります。空気抵抗や潮の抵抗が少ないので、優れた飛距離と沈下速度を実現させています。
細長い形状は根掛かりしにくく、海釣りで岩に隠れた根魚をピンポイントで狙いたい時や障害物の多い場所で威力を発揮します。一方で、ボトムの地形は分かりにくいと言えます。
バランスが良い【ティアドロップタイプシンカー】
ラウンドタイプとスティックタイプの長所を合わせたのが、ティアドロップタイプシンカーです。ナス型とも呼ばれ、ボトムの取りやすさと根掛かりのしにくさのバランスが程良く使いやすい形状のシンカーです。同じティアドロップタイプでも、細さや底の丸さの具合はメーカーにより様々です。
シンカーの素材
おもりの役割を果たすシンカーは鉛で出来ているものが主流でしたが、近年では環境に優しいとされるタングステン製のシンカーも多く発売されています。
鉛のシンカーはコスパに優れているのに対し、タングステンのシンカーは高価な傾向があります。鉛は柔らかい素材のため、ダウンショットリグで長く使い続けるとボトムの障害物に当たることで変形することもあります。
タングステンのシンカーは比重が重い分小さくて済むので、魚に見つかりにくいというメリットがあります。一方で、硬質なタングステンのシンカーは障害物に接触した時の音が鋭く、魚を散らしてしまうという説もあります。
ダウンショットリグのワームの種類
ダウンショットリグで使われるワームは合成樹脂やラバーなどのソフトな素材です。しなやかな動きが本物の小魚や虫のように表現でき、バスや根魚にアピールします。
ワームの種類は様々な形状があります。ターゲットにする魚の口に合わせた形状や、普段エサとしている生き物に似た形状のワームを選ぶと良いでしょう。
ワームはアクションでターゲットを喰いつかせるためのものですが、ワームの中にはガルプと呼ばれる匂いや味のついた種類も販売されています。ガルプは海釣りに適したものと淡水向きのものがあります。
ガルプはワームに喰いついても違和感を感じてすぐに吐き出してしまうショートバイトを軽減する効果があり、特に冬の根魚などがなかなか釣れない時に奥の手として使う人もいます。一方で、ガルプは本来のルアーフィッシングの醍醐味に反すると考える人もいて賛否両論です。
ダウンショットリグのフックの種類
ダウンショットリグのフックは、大きく分けてオフセットフックとマス針の2種類があります。この2つはどのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、オフセットフックとマス針それぞれの特徴やメリットを見て行きましょう。狙いたい根魚やバスに適したフック選びが大切です。
初心者でも扱いやすい【オフセットフック】
オフセットフックとは、ワームにすっぽり埋め込むように通すハリのことです。フックアイの下部分がクランクしているのが特徴で、この形状によりワームにフックポイントを隠すことができます。
フックポイントがワームに隠れているので根掛かりを軽減できるのが、オフセットフックの大きなメリットです。根掛かりのトラブルが多いダウンショットリグ初心者にはおすすめです。
オフセットフックのゲイプは、使うワームの幅の1.5倍から1.8倍を目安に選ぶのがおすすめです。ゲイプ幅とワームのサイズが適正なら、ターゲットがワームに喰いついた時にフックポイントが露出して刺さりやすくなります。
フッキング性能が高い【マス針】
マス針は元々ニジマス釣り向けに作られたフックで、バスフィッシングにも多用されています。マス針は細軸で小型の形状が特徴です。
マス針は細く出来ているので、口周りの硬いブラックバスにもしっかりとフッキングさせることができるほどフッキング性能が高いことがメリットです。また、小型で軽量なので魚のちょっとした吸い込みにも抵抗なく口の中に入っていくのも利点です。
ダウンショットリグの作り方1【フックをつける】
ダウンショットリグの作り方はシンプルで、ラインの結び方をしっかり覚えておけば釣り場で手間取ることもありません。ダウンショットリグの作り方や結び方は事前に確認しておくと良いでしょう。
ダウンショットリグの作り方は、まず始めにフックをつけます。ダウンショットリグで使うフックは、アイと呼ばれる輪がついているものを選びましょう。
フックのアイにラインを通して、ラインの先端から長めに余りを残してフックを結びます。余りとなるラインは余裕をもって、40cm程度取っておくとこの後の作り方が楽になります。
フックを結び付けるときに大切なのは、フックポイントが上を向いていることです。フックポイントが下を向いてしまわないように注意しましょう。
ダウンショットリグの作り方2【シンカーをつける】
ダウンショットリグの作り方の次の行程は、シンカーをラインの先端に結びつけます。シンカーも先ほど余らせておいたラインをアイに通して結びますが、シンカーとフックの距離が15cmから20cmになるようにシンカーの位置を調節しましょう。シンカーを結んだ後、余ったラインは短くカットします。
なお、シンカーとフックの間隔は目安です。なかなか釣れない場合は、その場の状況に応じて長さを調整してみましょう。
ダウンショットリグの作り方3【ワームをつける】
ダウンショットリグの作り方の次なる行程は、フックにワームをつけます。フックの種類によってワームのつけ方は変わり、釣果にも影響するので、使うフックの種類と作り方をよく確認しておきましょう。
オフセットフックの場合の作り方は、ワームの根元からちょうどフックのアイが出るようにフックを掛けます。そしてフックポイントがワームにぴったり沿うように、ゲイプ側がはみ出すようにします。
ワームに対してフックが長すぎるとワームの可動部分が短くなり、ワームの自然な動きを妨げてしまうので、ワームとフックの長さのバランスには注意しましょう。
マス針を使う場合は、ちょん掛けと呼ばれるワームの根元に軽くフックを引っ掛ける作り方をします。もしくは、ワームの中央部分にフックを掛けるワッキーも動きが良くおすすめです。仕掛けの作り方で言えば、マス針の方がオフセットフックより作り方が簡単です。
ダウンショットリグのフックの結び方
釣りのラインの結び方は様々な種類があり、結び方ひとつ取っても奥が深いものです。釣り場へ出掛けて慌てることがないように、ラインの結び方はしっかり覚えておきましょう。
ダウンショットリグで使うフックにはアイがついています。アイつきのフックにおすすめの結び方は、ユニノット、クリンチノット、パロマーノット、ハングズマンノットなどが抜けにくく人気があります。
それぞれのノットの結び方は、インターネット上の動画で解説されているものが多く見つかるので、速く結べて強度のある結び方を色々試してみましょう。
ダウンショットリグのシンカーの結び方
シンカーもアイがついているので、結び方は金具とラインを結べる方法で探してみましょう。シンカーはボトムに直接触れるので、結び方にも強度が必要になります。強度のあるおすすめの結び方はダブルクリンチノットや漁師結びです。
結び方の種類だけでなく、丁寧なノットを作ることも大切です。きれいに結べていると強度が増して抜けにくくなります。
ダウンショットリグの基本アクション1【シェイキング】
ダウンショットリグが出来上がったら、いよいよ実際にキャストしてみましょう。ダウンショットリグはキャストしてただ待つだけでなく、アクションを加えることでより効果を発揮します。
ワームを動かしてターゲットにアピールするアクションは様々な方法があります。基本的なアクションのひとつはシェイキングです。手首を使ってロッドを小刻みにシェイクさせることで、ワームが自然に動きます。この時、シンカーはボトムについた状態にします。
シェイキングはリズミカルにトントンと軽く行いますが、ずっと続けるのではなくたまに休みを入れるとターゲットが喰いつきやすくなります。
シンカーの重さは海釣りでも湖でも、ボトムの感触が伝わる程度の重さにしましょう。風の強い日や海釣りでの潮の流れの速い場所では重めにすることがおすすめですが、通常の場合はできるだけ軽い方が自然なキャストになります。
ダウンショットリグの基本アクション2【ズル引き】
ダウンショットリグの基本アクションのもう一つに、ズル引きがあります。ズル引きは文字通り、シンカーをボトムにつけた状態で引きずり、障害物や地形の変化をじっくり探るアクションです。
根魚もバスも、ボトムの何もない場所よりも物陰にいることが多いです。ズル引きによって障害物が見つかったら、そのポイントでシェイクをすると効果的です。
ダウンショットリグでズル引きをする時には、感度の良いロッドや伸張性のないPEラインを使用すると、ボトムの感触もアタリも取りやすくなります。
ズル引きのポイントは、リールを巻いてリグを引き寄せるのではなく、ロッドを使って引き寄せること。ロッドからボトムの感触が伝わりやすくおすすめです。リールはラインのゆるみを調整するのに使います。
ダウンショットリグの基本アクション3【リフト&フォール】
ダウンショットリグのアクションは他にも、リグを上げ下げするリフト&フォールもターゲットに効果的にアピールします。海釣りはもちろん、冬のバス釣りで低活性のバスを狙いたい時におすすめです。
リフト&フォールは、シンカーをボトムにつけた後、ロッドを縦にしゃくり上げてリグを上下させるアクションです。リグを引き上げる時よりも落ちる時の方が喰いつきが良いようです。
ダウンショットリグのアクションは、水のない場所でもロッドを使って練習することができます。インターネットで公開されている動画などを見ながら練習しておくのもおすすめです。
ダウンショットリグで注意したいポイント
バス釣りにも海釣りにも使えてよく釣れると人気のダウンショットリグですが、注意しておきたいポイントもあります。
ダウンショットリグでありがちなトラブルをあらかじめチェックしておくと、釣り場で実際にダウンショットリグを使う時に慌てなくて済みます。
シンカーが根掛かりする
フックの根掛かりが少ないダウンショットリグですが、その一方でボトムについているシンカーが根掛かりしてしまうことがあります。ズル引きのアクションでは、障害物があると引っかかることもしばしばあります。
ただ、フックと違ってシンカーの形状は何かに引っかかってもすぐに抜けやすくなっています。シンカーが根掛かりしていると感じても、ラインを張ったり緩めたりする動作で外れることが多いので、慌てずに対処しましょう。
リグが絡みやすい
ダウンショットリグは、ラインの先端と途中に仕掛けがついている構造です。パーツが多い分、キャストする時にカバーの枝に引っかかったり、移動の時にシンカーがロッドに絡まってしまったりすることが起こりがちです。
移動中のロッドへの絡まりを回避するには、ロッドに輪ゴムやヘアゴムをつけておき、そこへリグを挟んで固定するという方法があります。
シンカーに喰いつく
ダウンショットリグはボトムにシンカーがあり、喰いつかせたいワームはボトムから少し上にあるものですが、ターゲットがワームではなくシンカーに喰いついてしまうことがあります。
もちろん、シンカーにはフックがついていないので引っかかることはなく、ターゲットはシンカーを吐き出して逃げてしまうことになります。一度は釣りかけた魚を逃してしまうのは悔しいものです。
ダウンショットリグは、ボトムから少し上の位置にあるエサを食べる魚をターゲットにする仕掛けですが、もしワームではなくシンカーの方に喰いつくのであれば、そこにいる魚はボトムにいるエサを探していることになります。
この場合はダウンショットリグにこだわらず、ボトムを狙えるテキサスリグやネコリグなどに変えて試してみましょう。
ダウンショットリグで根魚を狙おう!
海釣りでの根魚やレイクのバス釣りにおすすめのダウンショットリグをご紹介しました。作り方が簡単でよく釣れるダウンショットリグは、常に吉と出ると言われる人気のリグです。ダウンショットリグをまだ使ったことがないという人は、一度試してみてはいかがでしょうか。
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