糸数アブチラガマは戦争の悲惨さが残る洞窟
沖縄県南部に位置している南城市。その南城市にあるのが「糸数アブチラガマ」であり、年間10万人以上が訪れている洞窟です。心霊スポットとも言われていますが、単なる観光名所として見学するだけではもったいない、沖縄戦を今現在に伝えてくれる場所という貴重な洞窟です。そんな糸数アブチラガマについてご紹介していきましょう。
バスでのアクセス方法
まずは糸数アブチラガマへのアクセス方法についてご紹介します。糸数アブチラガマは沖縄県の南部に位置しており、那覇空港からはバスや車で約1時間ほどで到着します。
まずはバスを使ったアクセス方法ですが、那覇バスターミナルから市外線の51・53系統を利用して約60分ほど、糸数入口バス停で下車します。そこから徒歩で10分ほどの場所に糸数アブチラガマがあります。
車でのアクセス方法
続いては糸数アブチラガマへの車でのアクセス方法についてです。沖縄空港から1時間ほどで糸数アブチラガマへは到着します。国道330号線から国道507号線に入っていきそのまま県道48号線へと進みます。県道48号線にある糸数の交差点からアブラチガマ方面へ進んでいくと到着します。
糸数アブチラガマでは、普通車の他にも大型バスも駐車することができます。沖縄の旅行に行かれる方は様々な場所にアクセスしやすいレンタカーを利用される方も多いでしょう。糸数アブチラガマへは車でのアクセスが便利です。
糸数アブチラガマの「アブチラガマ」とは?
まずは、「糸数アブチラガマ」の名前の由来からご紹介しましょう。聞きなれない言葉である「アブチラガマ」ですが、これは沖縄の言葉です。
アブチラガマの「アブ」は「深い縦の洞窟」のこと、「チラ」は「崖」のこと、「ガマ」は「洞窟やくぼみ」のことです。そのアブチラガマに地名である「糸数」がついて糸数アブチラガマと呼ばれています。
糸数アブチラガマの歴史
糸数アブチラガマの歴史を知ることによって、沖縄戦争当時のことが非常によくわかるといわれています。糸数アブチラガマに行かれる場合には、ぜひ前もって歴史を知っておくと、沖縄についてより深く考えることができることでしょう。そこで、糸数アブチラガマの歴史を紐解いていきましょう。
昭和19年に築かれた
もともとアブチラガマは集落の住民たちが避難するための指定壕でした。しかし、米軍が沖縄に上陸する前年である昭和19年に日本軍の陣地壕や倉庫として利用され始めました。糸数アブチラガマは整備が進んでいき、昭和20年4月下旬には南風原陸軍病院の分室となったのです。
軍医・看護婦・白梅学徒隊が従事した
戦地が南下していくと、南風原陸軍病院の分室となった糸数アブチラガマには軍医や看護婦・白梅学徒隊が従事しました。
糸数アブチラガマは全長270メートルですが、その中には600人以上の負傷者で埋め尽くされたと言われています。
病院が撤退した後は置き去りになる患者が出た
昭和20年の5月25日に発令された南部撤退命令により、糸数アブチラガマから病院が撤退しました。その際に、多くの方も撤退しましたが、自力で歩くことができない重症患者は置き去りにされました。その他にも、糸数の住民や日本兵などは残っていたため、糸数アブラチガマは雑居状態となりました。
米軍の投降勧告まで内部に留まる人が出た
糸数アブチラガマはその後も米軍から攻撃を受けました。そのため、残された人々の多くの命が失われていきました。最終的には昭和20年8月22日の米軍の投降勧告に従って住民と負傷兵は糸数アブチラガマから出ることとなりました。糸数アブチラガマでは多くの命が失われたことを忘れてはなりません。
糸数アブチラガマの見学方法
それでは、糸数アブチラガマを見学するにはどのようにしたらよいのでしょう。糸数アブチラガマを見学する際には予約が必須です。予約なしで勝手に入ることはできません。糸数アブチラガマには修学旅行などで訪れる方も多く、細かい規制がありますので行かれる予定がある方はしっかりとチェックしましょう。
専属ガイトを頼むのがおすすめ
糸数アブチラガマの見学にはガイドが必須となっています。そのため、前もってガイドを申し込みしておく必要があります。専属ガイドの料金は、人数によって変わります。1名から9名で1000円・10名から19名で2000円・20名から40名で3000円・41名から45名で5000円となっており、入場料と別で支払う必要があります。
糸数アブチラガマを回っている間、専属ガイドが糸数アブチラガマの歴史や見どころをしっかりと話してくれます。非常にリアリティがあり、当時のことが目の前に浮かんでくるようです。
入壕申込書で予約が必要
糸数アブチラガマの見学をするには、まず「入壕申込書」にて予約をしておく必要があります。この申し込みは、見学予定日の6か月前からFAXにて行うことが出来ます。専属ガイドを申し込む場合には同時にガイド依頼書もFAXしておきましょう。
入壕申込の受付が完了すると、結果が送信されます。もしキャンセルをする場合には、3か月前までに確定捺印の申込書を送信する必要があります。
入場料と見学時間
糸数アブチラガマの見学時間は9時から17時までの間の1時間ごとです。入る時間は前もって決められていますので、スタートの15分前には到着しておくようにしましょう。年末年始以外は営業しています。
糸数アブチラガマへの入場料は、個人と団体で変わります。個人の場合は、大人(高校生以上)の入場料は250円・小人(中学生・小学生)の入場料は100円・減免対象者の入場料は50円です。団体の場合は、大人の入場料は200円・小人の入場料は100円です。
運動靴や雨靴・懐中電灯などがあると安全
糸数アブチラガマの中は非常に暗くなっています。というのも、当時のままで保存されているので、明かりもなく通路も整備されていない状態です。
そのため、サンダルや草履などでは入ることができません。運動靴や雨靴で入るようにしましょう。また、入る際にはヘルメットの着用が義務付けられています。その他、懐中電灯や軍手を持参するようにしましょう。
雨が降っている場合には、傘をさすことはできません。そのため、カッパを用意しておくと便利です。足元に気をつけてすすんでいきましょう。
住所 | 沖縄県南城市玉城字糸数667-1 |
電話番号 | 098-852-6608 |
糸数アブチラガマでの心霊体験談
内部まで完全に光が届かない糸数アブチラガマ。懐中電灯を消してしまうと真っ暗になってしまい、目の前物すら見えないほどです。そんな糸数アブチラガマは、現在心霊スポットとしても有名になっています。
上でご紹介した通り、糸数アブチラガマの中では多くの人の命が失われました。そのような歴史もあるため糸数アブチラガマが心霊スポットと呼ばれるのは当然のことでしょう。ただし、遊びで行くのはおすすめできません。興味本位で行くようなところではないのです。
ただし、実際に糸数アブチラガマでの心霊体験をしたという口コミも実際に見られます。どのようなものがあるのかご紹介しましょう。
心霊写真がとれた
糸数アブチラガマで記念撮影をすると、そこには無数のオーブがうつっていたという口コミがあります。実際に目では見えないけれど、写真にとるとしっかりとうつっているとのこと。
どのような心霊写真が撮れるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。しかし、糸数アブチラガマの内部では写真の撮影は禁止となっているのでご注意ください。
幽霊の目撃証言がある
糸数アブチラガマを見学している最中に、幽霊を見かけたという目撃情報が多数あります。軍医の恰好であったり、おばあさんだったり小さい女の子だったりと姿は様々です。
霊感が強いという方は幽霊に話しかけられた、というケースもあるようです。糸数アブチラガマの中で亡くなった方が成仏できていないのでしょうか。
遺品を持ち出すと熱が出た
糸数アブチラガマにある遺品などは絶対に持ち出してはなりません。以前に遺品を持ち出した学生が、翌日から原因不明の高熱を出したということがあったそうです。
熱が何日も下がらなかったので、持ち出した遺品を糸数アブチラガマに返したら熱が下がったとのこと。決して持ち出さないようにしましょう。
体が動かなくなる人が出た
糸数アブチラガマを見学中に、誰かに手を引っ張られる感覚があり動けなくなったという口コミも見られます。
そこには誰もいないにも関わらず、確実に人間の手で、強い力で引っ張られるので動きたくても動けない、という状況になるようです。
糸数アブチラガマは沖縄にある歴史的に重要な場所
心霊スポットして有名な沖縄の糸数アブチラガマ。しかし、沖縄戦の歴史を語る上では外せない非常に重要な場所です。糸数アブチラガマを訪れる際には、前もってしっかりと歴史について学んでおくことをおすすめします。多くの方が犠牲になったということを忘れることなく、敬意をもって訪問しましょう。
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