ロープの簡単なまとめ方・片付け方を紹介!
アウトドアシーンのキャンプや登山などで役立つのがロープ。テントやタープを張ったり、濡れたものを乾かす洗濯紐を張ったり、さらには人命救助にも役立つのがロープです。
結び方ひとつで色々な使い方ができるロープは、その方法を知っているかどうかで使い勝手が倍増します。今回は、そんなキャンプや登山で役立つロープの使い方の基本となる、まとめ方や片付け方、選び方についてご紹介します。
ロープのまとめる方法の選び方は?
使い終わったロープをまとめて収納しておきたいと思った時、ただ丸めたり、ごちゃっと固めたままでおいておくと、次に使う時にすぐに使うことができません。
絡まっていれば、それを1本のロープにするまでに時間がかかり、先端がわからなければ、先端を探すことから始めなければなりません。
ロープをきちんとまとめていれば、すぐに先端を発見することができ、ほどいて使うことができます。
ロープのまとめ方にはいくつかの方法があり、ケースバイケースで使い分けるのがおすすめです。ロープのまとめ方や片付け方の選び方、また結び方の選び方も要チェックです。
①おすすめロープまとめ方「棒結び」
棒結びは、キャンプや登山のアウトドアシーンだけでなく、日常的にも使える覚えておきたい簡単な片付けのまとめ方です。何度か練習することで、コツを抑えてスッキリと簡単にまとめることができるので、ぜひマスターしてください。おすすめロープのまとめ方、棒結びをご紹介します。
「棒結び」の特徴は?
棒結びは、ロープをまとめて片付ける時に使う結び方です。仕上がりの見た目がコイルのようなので英語ではコイリングロープともいわれています。特徴は、かさばらずコンパクトに収納でき、ほどくのがとても簡単なことです。
テントやタープに使用するガイロープなどをまとめる時におすすめで、テントを張るときにもたもたせずにすぐにロープを準備することができます。
ストップウォッチの紐も最初は棒結びの状態で販売されていて、身近な紐をまとめておくのにも覚えておくととても便利な結び方です。
「棒結び」のまとめ方
まずは、ロープの両端を持って半分に折ります。さらにもう一度半分に折ります。4本のうち、端のある1本を手から離して垂らし、束になっている方をさらに半分に折り返します。
ロープの長さによって収納しやすいサイズまで折り返しを繰り返します。折り返しながらまとめた方が適度な長さになったら、1本残しておいたロープを、束ねたロープの先端側から下側に向かって、軽く締め付けながら巻きつけていきます。
この時、巻き始めは折り返した部分がずれないように、クロスさせるのがポイントです。下まで巻き付けたら、束ねたロープが輪になっている部分にロープの先端を通し、反対側のロープの先端を引っ張ると、最後に通した輪のうちのひとつが締まりしっかりまとまりすっきりと片付けられます。
「棒結び」のほどき方
棒結びの特徴のひとつが、簡単にほどけるという点です。棒結びをほどく時には、最後に輪に通した端を輪から抜き、反対側の端を引っ張ります。そうするとあっという間にまとまっていたロープがほどけます。
②おすすめロープまとめ方「ねじり式」
次にご紹介するのは、ねじり式という片付けに便利なロープの簡単なまとめ方です。ねじり式は、カラビナを使ってロープをまとめる方法です。カラビナとは開閉できるゲートがついた金属のリングです。
本来は銃をベルトに下げるための器具ですが、現在は登山などで使われることが一般的です。登山用品店はもちろんですがホームセンターや東急ハンズ、通販などでも購入することができます。
「ねじり式」の特徴は?
ねじり式は、カラナビを使った簡単なロープのまとめ方です。片付けた時の見た目をスマートにするためにロープの末端処理が少々面倒ですが、まとめ方自体はとても簡単です。急いでロープを片付けたい時におすすめのまとめ方です。
「ねじり式」のまとめ方
ねじり式は、ロープをまとめる前に端と端を合わせて引き解け結びで小さめの輪を作っておきます。全体の長さがある程度の長さになるまで半分に折ることを繰り返し、ちょうど良い長さになったら最初に作った輪と輪のある方の片側のそのほかの紐をカラナビでまとめます。
カラナビで止めたら、止めた方と反対側をねじります。何度かねじって紐全体がまとまってきたら、半分に折り返しカラナビに通して完成です。すっきりと片付けられます。
③おすすめロープまとめ方「チェーンノット」
チェーンノットはテント設営に役立つ結び方です。自宅のドアノブなどを利用して練習できるので、ぜひ何度か練習してかっこよくまとめられるようにしてみてはいかがでしょう。おすすめロープのまとめ方、チェーンノットについて説明します。
「チェーンノット」の特徴は?
チェーンノットは、ロープを鎖状に編み込んでまとめる結び方です。テントやタープの張り綱をまとめておくのにつかわれます。結び方はとても簡単で、ほどき方もあっという間なので、テント設営などの時短になる、キャンプ前には覚えておきたい結び方です。
張り網はそのまま垂らしておいても良いのですが、チェーンノットでまとめておくと、カッコよくすっきりと見せることができます。
「チェーンノット」のまとめ方
最初にロープが長すぎる場合は、何度か2つ折りして、ある程度の長さにまとめておきます。また、あまり短すぎるとチェーンのようにかっこよくまとまらないので程よい長さからまとめ始めます。
まずはループを作り、そのループに長い方のロープを引き解け結びの要領で引き込んで新しいループを作ります。新しくできたループに再び長い方のロープを引き込んでループを作ります。
残りのロープが短くなり、ループが作れなくなったら、最後のループにロープを通し、両端を引っ張り完成です。
「チェーンノット」のほどき方
チェーンノットをほどく時には、最後のループに通した端をループから抜き、両端を引っ張ると全体がスルスルと解けていきます。すべての結び目が引き解け結びになっているので、次にロープを使うときにもすぐに準備することができます。
ロープをまとめる際のコツを紹介
登山やキャンプで一度使ったロープは次に使うまでは、片付けて自宅で保管しておく必要があります。
次に使いたい時に、ロープが絡まって、ほどくのに手間がかかるといった無駄な時間を増やさないために、まとめ方にはちょっとしたコツがあります。ひと手間かけることでロープ作業や選び方が楽になる片付ける時のポイントをご紹介しましょう。
目印をつける
登山やキャンプで使ったロープはいったんまとめ片付けてしまうと長さがわからなくなって、選び方も難しくなってしまいます。まとめた時の塊の大きさで、ロープ同士を比較することはできますが、具体的な長さを把握するのは困難です。
ロープに長さがわかるような目印をつけておくと、使う時に迷わず選び方も簡単です。自在金具やテープなどにロープの長さを記載し、ロープにつけておくのがおすすめです。
巻き終わりを折り返す
ロープをまとめて片付ける時には、巻き終わりの先端を折り返してとめておくと、ほどく時に先端がすぐにどこかわかります。先端を引っ張るだけでほどけるため、ほどく時に便利なだけでなく、まとめて片付けておく際に間違ってほどけないような役割も果たします。
登山・キャンプに使えるロープワークって?
ロープワークとは、ロープの用途に応じた結びの技法のことを言います。登山やキャンプのどんな場面でどんな結び方やまとめ方をすればよいのか、その選び方なども含まれます。ここでは、選び方も含めた基本的なロープワークについて紹介します。
基本的なロープワークを紹介!
ロープワークで基本中の基本となるのが、ロープの末端を固める、索端止めです。ロープの末端部分はほつれが生じやすく、ロープが破損する原因にもなります。そのため、ビニールテープや接着剤を使って末端部分を固めたり、火であぶって溶かし固めたりします。
ビニールテープを使用する場合は、あらかじめテープをある程度の長さに巻き、巻いた部分の中間を切断することで綺麗に仕上がります。本格的な索止めは、糸で縛ったり縄を編み込んで処理します。
ロープワークの中心となる結びは、掛け、巻き、しばりという三要素からなっています。そして、結びは結節、結合、結着の3種類に分類して考えることができます。
簡単に言うと、結節はロープの中間にコブを作ること、結輪は、ロープで輪を作ること、そして結合は簡易的に紐の継ぎ足しをする際の結び方です。
ここでは、基本的なロープワークの中からキャンプや登山で使える結び方や、どんな選び方をすればよいのかをご紹介していきます。ちなみに、登山やキャンプなどのアウトドアで使用するロープは構造上、三縒りロープと編みロープのふたつに分類することができます。
素材は、天然繊維と化学繊維の2タイプありますが、天然繊維の方は熱や摩擦、紫外線に強く滑りにくく、化学繊維の方は強度や耐久性が高く、軽量でしなやかです。
現在、アウトドア用としては、化学繊維のロープが多く使われていますが、環境への影響などから近年は天然繊維のロープも注目を集めています。
①固結び
固結びは誰もが一度はやったことのある基本中の基本の簡単な結び方です。止め結びやひとつ結びと言われることもあり、キャンプで使う結び方はすべてこの固結びが基本になっています。
固結びは、ロープの端と端を持ち、結びたい位置にループを作ります。片方の端をループにくぐらせ、両端を引っ張れば完成です。
②もやい結び
もやい結びは、ボーラインノットともいわれるキャンパーにはお馴染みの結び方です。特徴は、強いテンションがかかっても作った輪が縮まらないことで、簡単に結べて強度があり、ほどくときにもサッとほどけます。
選び方としては、登山やキャンプでは、タープを張る時にポールの先端に引っ掛けるための輪を作るときや、ガイドラインを張る時におすすめです。
また、輪が小さくならないので、重いものを吊り下げる時などにも便利です。応用範囲が広い結び方なので覚えておくと色々なシーンで役立ちます。
ひとことでもやい結びと言っても、実はもやい結びには色々なバリエーションがあります。変形型や強化型など基本のもやい結びを応用した結び方を覚えておくと、さらに便利です。上級キャンパーを目指したい方はぜひチェックしてください。
基本のもやい結び
- まずはロープをつなぎたいものに引っ掛けます。木とつなぎたい場合は、木の幹を一周させ、タープの場合はループにロープを通します。
- 次に輪を固定させたい場所に小さめのループを一つ作ります。この時、ループに近い先端につながるロープが下に来るようにします。
- ループができたら、近い方の先端をループの上から通します。
- 次に、ロープの先端を、最初に作ったループの始点になっているロープを巻き込みながら下から上に通します。
- 通し終わったら、両方のロープを引っ張り完成です。
次にご紹介するのは、強化もやい結びです。強化もやい結びは、どの方向から力が加わっても決してほどけない、さらに頑丈な結び方です。キャンプシーンではあまり必要ないかもしれませんが、登山などでは命を守るために使われる大切な結び方のひとつです。
強化もやい結び Part1
- 通常のもやい結びを作ります。
- 完成したもやい結びのロープの先端を出来上がっているループの下から通し、先端を引っ張って完成です。
強化もやい結び Part2
- 通常のもやい結びを作ります。
- 完成したもやい結びのロープの先端を出来上がっているループの下から通し小さなループを作ります。
- 出来上がったループに先端を下からくぐらせ先端を引っ張ってギュッと固結びして完成です。
強化もやい結びをもう一つご紹介します。結び目が変形しているちょっと変わったもやい結びです。結び目を作るのにも、ほどくのにも時間がかかる結び方で、実践向けではありませんが、すっきりとした見た目がちょっとおしゃれです。
強化もやい結び Part3
- 末端部分を長めに残した通常のもやい結びをします。
- もやい結びで作ったループの外側から末端ロープを内側に回し入れます。
- すでにできているもやい結びの結び目を緩め、緩めてできた小さな輪に末端ループを上から通します。
- もともとのロープと平行に並んで同じ巻き方になったのを確認したら、結び目をきつく締めて完成です。
キャンプでもやい結びをする場合、あらかじめもやい結びを作っておくことが多いのですが、実はロープを引っ張りながらもやい結びをすることもあります。そんな時は、逆もやい結びが便利です。逆もやい結びの方法をご紹介します。
逆もやい結び
- 引っ張りながらロープを固定するイメージで、ロープでU字型を作ります。
- 先端側のロープが上に来るように輪をつくり、先端を下から上に通します。
- 小さなループができたら、元のロープを巻き込みながら先端部分を上から下に向かってループを通します。
- 最後に先端を引っ張り、ギュッと結べば完成です。
二重もやい結びは、チェアノットとも呼ばれる人命救助の場面で活躍する結び方です。キャンプでは、ハンモックなどを設営する時に役立つ、丈夫な結び方です。丈夫なロープを使えばそれだけ頑丈な仕上がりになります。
二重もやい結び
- ロープを折り返して二本になっているところからスタートします。
- まずは輪を作ります。上になっているロープの先端を輪の下から上に向かって通します。ここまでは通常のもやい結びと同じです。
- 次に輪に通したロープのループを広げて、ここまで作ってきたもの全体を包み込むように上から一周させます。
- 最後は輪と長いロープを引っ張り、ギュッと結んで完成です。
③自在結び
自在結びは、ロープの長さを自在に調節し、調整した位置で止めることができる便利な結び方です。選び方としては、結んだロープが緩みすぎたり、きつすぎたりした場合の結び方です。
通常、キャンプのテントやタープ用のロープには長さが調節できる自在金具がついていますが、この金具が破損したときや、紛失してしまった時にも代用として使える結び方です。
テントやタープのロープを張った後でも自由に長さを調節することができ、もやい結び同様に結ぶのも、ほどくのも簡単なのでぜひ覚えておきましょう。
自在結び
- まずは、ペグにロープを引っ掛けてスタートします。
- 先端をロープの下を通し、さらに下を通すことによって輪を作ります。
- 次に、最初に輪を作った位置から30cmほど離したところに先ほどと同じ要領で2回輪を作ります。
- さらに、先端をもう一度ロープの下をくぐらせて輪を作り、先端をロープの両方を引っ張り強く締めたら完成です。
- 自在結びしたロープを調整する時は、ペグから遠い1本になっているロープを引っ張り紐を緩ませます。ペグ側の輪になっているロープを引っ張るときつく締まります。
④二重8の字結び
二重8の字結びは、ダブルフィギュアエイトノットと言われる結び方で、強度が高く、破断しにくい信頼性の高い結び目なので、登山の命綱として用いられています。また、物体を吊り下げたり、牽引する時にも使われています。
例えば、傷んでしまったロープを使わなければならない時など、傷んだ箇所がループの途中の部分になるように結び目を作ると、ロープに負荷がかかった場合でも、傷んだ箇所に張力がかからないため、安全に使うことができるので、傷んだロープを使うときの選び方としても最適です。
二重8の字結び Part1
- まずはロープの先端を折り返し、2本の状態にします。
- 次に2本そろえたまま、ロープの折り返し部分が上になるように輪を作り、折り返し部分を巻き付けるように本体の下を通します。
- 下を通したロープを、そのまま折り返して最初にできた輪の上から通し、ロープの両端を引っ張れば完成です。
輪の部分に目的物を通す場合の結び方もあります。登山やキャンプで、立ち木など輪を通すことができないものに対しては、違った方法の二重8の字結びがあるので覚えておきましょう。こちらもとても丈夫な結び目ができます。
二重8の字結び Part2
- 1本のロープを先端が上になるように輪を作ります。
- 先端を元のロープの下を通し、最初にできた輪の上からくぐらせます。
- 結び目は緩めたまま、先端を目的物に一回りさせ、8の字になっている結びめのうち、対象物に近い方の輪を下からくぐらせます。
- 本体ロープの下を通し、8の字を描くように、元のロープをたどって2つの輪を通します。
- 2つの輪を通し終わって、先端が本体ロープと同じ向きになったら両側から2本ずつになっているロープを引っ張り締めれば完成です。
⑤中間者結び
中間者結びは、ロープの中ほどに固定した輪を作る結び方のひとつです。輪に大きな負荷がかかってもほどけにくく、水に濡れた場合でもほどきやすいので、選び方としては、登山で3人以上のパーティーの中間者をつなぐ時に使います。
キャンプやテントでは、ロープを張って中間者結びによって輪をつくり、そこに小物などをぶら下げることができるので、とても便利です。また、1つのロープに沢山中間者結びを作ることによって、縄梯子として活用することも可能です。中間者結びの2つの方法をご紹介します。
中間者結び
- まずはロープを2つ折りにします。
- 折り返した部分を持ち、360°ねじることによって、2つの輪を作ります。
- 外側のループを持ち折り返し、さらに折り返して2つ目のループの交点の下をくぐらせそのままループから外に出します。
- 両端のロープを引っ張って結び目を作り完成です。
中間者結び
- ロープを手のひらに掛けます。
- 手の甲側にあるロープを持ち、手のひらに巻き、さらにもう一度巻き、手のひらに3本ラインができている状態にします。
- 3本あるロープのうち、真ん中のロープを左側のロープの下を通してつまみ出し、左のロープの上を通って右方向へ引っ張ります。
- 右手で持っているロープをそのまま左手に持ち替え、輪を通すような形で引き抜きます。
- そのままロープを引っ張って結び目を締め、ロープの両端に手を持ち替えて、横方向にテンションをかけ結び目を締めて完成です。
ロープのまとめ方をマスターしてアウトドアを楽しもう!
いかがでしたでしょうか。ロープワークは登山やキャンプといったアウトドアを愛する人はもちろん、そうでない人も知っているといざというときにとても役立つ簡単な技術です。
たくさんある結び方やまとめ方の中から場面に応じた選び方をマスターして、アウトドアを楽しんでみてはいかがでしょう。
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