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大浦天主堂はもうすぐ世界遺産?見所や所要時間などを調査!お土産も!

大浦天主堂はもうすぐ世界遺産?見所や所要時間などを調査!お土産も!
投稿日: 2017年5月28日最終更新日: 2020年9月6日

大浦天主堂は長崎にあり、美しいステンドグラスなどで有名な教会です。しかしそれ以上に大浦天主堂は日本のキリスト教の歴史の中では欠かせない場所であり、現在世界遺産登録に向けて動いています。今回はそんな大浦天主堂について調べてみました。

一度は行ってみたい大浦天主堂見出し

長崎には異国情緒あふれる建物が多くありますが、大浦天主堂もその一つです。修学旅行などで訪れたことがあるという方もいるかもしれません。でもあの雰囲気をゆっくり味わうならば、やはり大人の旅の観光スポットとして時間を取りたいところではないでしょうか。

今回はこの大浦天主堂について、その歴史や見どころ、アクセス、料金などを調べてみました。美しいステンドグラスやマリア像、そしてここならではのお土産など、逃せない魅力がたくさんあるようです。

大浦天主堂とはどんな教会?見出し

一般的に大浦天主堂と呼ばれていますが、正式名称は日本二十六聖殉教者堂と言います。長崎県長崎市にあるカトリックの教会堂ですが、できたのは1865年。江戸時代の終わりの時期に当たります。もちろん、日本に現存するものの中では最古の教会堂ということになります。

大浦天主堂がどのような理由で建てられたのかについては後述しますが、2007年には世界遺産の暫定リストに載り、さらに2016年には日本で初となる、小バシリカに認定されました。バシリカとはローマ教皇から認められるもので、一般教会堂よりも格が高いと認められたものです。日本国内でもトップクラスの教会堂ということになります。

大浦天主堂の歴史見出し

さて、大浦天主堂が建てられた理由について見ていきますが、その前に忘れてはならないことがあります。それが大浦天主堂の正式名称にもある「日本二十六聖殉教者」という言葉です。二十六聖人殉教というのは1597年、豊臣秀吉によって出された禁教令によって長崎西坂の丘で26人のキリシタンが処刑された事件です。この後、日本ではキリスト教が禁止され、キリシタンが厳しい迫害を受けたということはご存知の通りです。

その後、1853年のペリー来航とそれに続く1854年の日米和親条約締結、1858年の日米修好通商条約の締結などをきっかけにして開国となり、貿易商らとともに宣教師が日本にやってきます。その中で1862年末、横浜にいたフランスのパリ外国宣教会宣教師でフランス人司祭のフューレが長崎に赴任しました。フューレは翌年の夏に長崎に来たプティジャン神父とともに司祭館と教会堂の建築を行います。

ちょうど1862年、前述した26人の殉教者が当時のローマ教皇により聖人に列せられます。そのことからこの教会堂はこの26聖人に捧げられる教会として造られました。1865年2月、天主堂が完成し、献堂式が行われます。日仏修好通商条約により大浦天主堂はフランス人の礼拝堂として造られたことから、パリ外国宣教会日本管区長ジラール神父、フランス領事、そしてフランスやロシアなどの軍艦艦長が参列しました。

建設当初は「フランス寺」と呼ばれ、殉教の地である西坂を向いて建てられました。翌3月、大浦天主堂に浦上の隠れキリシタンが訪れ、信仰告白を行います。これは「信徒発見」と呼ばれ、当時の教皇は「東洋の奇蹟」と言ったと伝わります。これをきっかけにして大浦天主堂には長崎各地にとどまらず九州各地から信徒が訪れるようになりました。

明治維新後、1873年ごろまでに事実上禁教令が廃止されることで、大浦天主堂にはたくさんの信徒が集まるようになり、最初の天主堂は手狭になりました。そのため1875年から1879年にかけて改築が行われます。

最初に作られた大浦天主堂は熊本県天草出身の棟梁、小山秀(秀之進)により施工されたもので、ゴシック風の建築様式でありながらバロック風の壁面を持ち、壁は漆喰で塗られた特殊な建物でした。それがこの改築によってゴシック風のレンガ造りの建物になります。1879年当時、九州初のレンガ造りの建物として献堂式が行われます。

その後、1945年の長崎原爆投下の際には、爆心地から離れていたことで焼失をまぬがれ、1953年、洋風建築としては初めての文化財保護法による国宝指定を受けました。その後、観光客が増加したため、1975年に隣地に大浦教会が建てられ、ミサはこちらで執り行うようになって現在に至ります。

大浦天主堂は世界遺産?見出し

さて、このように日本のキリスト教の歴史には不可欠ともいえる大浦天主堂ですが、現在ユネスコ世界遺産登録にむけて動いているところです。2007年、「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を構成する文化財の1つとしてユネスコ世界遺産の暫定リストに登録となりました。

その理由は日本のキリスト教が伝来、繁栄、そして激しい弾圧と長い潜伏、奇跡の復活という、他の国にはない歴史を持つためで、これらはそれを示すものだからです。しかし、その後の審議の過程で国際記念物遺跡会議(ICOMOS)から「禁教時代に特化すべき」とする助言が入り、それにならう形で構成遺産を組み直し、テーマも「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に変更になりました。

現在、政府は2018年の第42回世界遺産委員会に、大浦天主堂を含めたこの遺産群を再推薦することを決定しています。2007年に暫定リストに載ったものは「富士山」や「富岡製糸場と絹産業遺産群」などがあり、この2つは世界遺産に登録されました。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」も世界遺産登録になることが期待されます。

大浦天主堂へのアクセス見出し

ここで、大浦天主堂へのアクセスについて確認します。大浦天主堂は長崎市南山手町にあります。駐車場はないので、公共交通機関を利用してのアクセスとなります。最寄り駅はJR長崎駅で、そこから電車もしくはバスを利用します。徒歩では35分ほどかかるので少し遠いです。

まず電車でのアクセスの場合ですが、長崎の路面電車を利用します。まず長崎駅から「正覚寺下」行に乗り「築町」で降ります。ここで「石橋」行に乗り換えて「大浦天主堂下」で下車します。ここからは徒歩5分程度です。電車の時間はそれぞれ約10分程度です。

バスでのアクセスの場合は最寄りバス停は「グラバー園入口」になります。有名なグラバー園は大浦天主堂のそばにあるのです。こちらも徒歩5分ほど。いずれも拝観料金を支払う場所まで坂道をあがった後、さらに石段を上っていくことになります。いずれもアクセスとしてはそれほど不便ではないので、あまり心配はいらないでしょう。

大浦天主堂の見学料金見出し

まず、大浦天主堂の拝観時間ですが、年間8時から18時までとなっています。ただし、拝観の受付は閉館15分前までとなっています。ですから17時45分までに行かなくてはなりません。もちろんこの時間になると中をゆっくり見るにはギリギリの可能性もありますので、時間に余裕をもって行くといいでしょう。なお、所要時間は30分から1時間程度あったほうがよさそうです。

なお、拝観の料金ですが、大人600円、中高生400円、小学生300円となっています。ただし、20人以上の団体の場合は割引料金があるほか、修学旅行などの場合は小グループの場合でも団体割引料金で入ることができます。そのほか、障がいのある方などの場合も割引料金があります。料金に関して細かい点などについては公式サイトを確認してみてくださいね。

大浦天主堂の見どころ見出し

ステンドグラス

やはり大浦天主堂と言えば見逃せないのが美しいステンドグラスではないでしょうか。大浦天主堂の代表的なステンドグラスは、正面の祭壇奥にある『十字架のキリスト』像です。これは1865年に大浦天主堂が建てられた時にフランスの修道院より寄贈されたもので、日本で最も古いものと言われていました。

しかし、1945年の原子爆弾投下の際に破損してしまい、現在のステンドグラスは戦後の復旧工事の際にパリでつくられたものとなっています。中央に十字架上のキリスト、周囲にマリアと使徒ヨハネ、マグダレナ・マリアが描かれています。

また、側廊や高窓にも色とりどりのガラスで装飾されたステンドグラスがはめられており、まさに目を見張る美しさがあります。また、現在までに3度ほど修復されており、同じ色でも少しずつ違いがあるとか。特に晴れている日はきれいに見えるとのことなので、ぜひじっくり時間をとって鑑賞したいものですね。

マリア像

大浦天主堂のマリア像は非常に歴史的価値が高く、ステンドグラスと同様に見逃せないものと言えます。1つは入り口中央に置かれている白いマリア像で、「日本之聖母像」と呼ばれるものです。これは日本の隠れキリシタンの存在を知り、フランスから送られてきたもので、天主堂の改築の際に現在の場所に据え付けられました。

もう1つは天主堂の右側の小祭壇に飾られているもので、創建当初にフランスから来たものです。このマリア像は前述した信徒発見の際にプティジャン神父と信徒がこの前で告白をしたことから、「信徒発見のマリア像」と呼ばれています。いずれも周囲には神聖な空気が流れ、訪れる人の心をいやしています。

キリシタン資料室

大浦天主堂の隣にある旧羅典神学校の中にあります。ちなみに建物は重要文化財です。中にはフランシスコ・ザビエルのキリスト教布教に始まるキリスト教の歴史に関する資料がたくさん展示されており、訪れた人はだれでも見学することができるようになっています。

大浦天主堂のお土産見出し

大浦天主堂周辺は観光地ということもあり、たくさんのお土産屋さんがあります。どうせなら大浦天主堂や長崎にまつわるものがほしいという方におすすめのお土産をいくつか紹介します。

まず、大浦天主堂ならでは、といえるのは「オラショの店」。大浦天主堂の敷地の中にあり、正確には信心に関する道具を販売するお店です。キリスト教関係のグッズが売られているので、信者の方などが多く利用していますが、興味がある方はのぞいてみるといいかもしれません。

また、同じく大浦天主堂のバス停そばにある「グラスロード1571」はガラス細工のお店です。ガラス細工は長崎の名物でもあり、美しいのでお土産にも喜ばれます。また、絵付け体験もできるので、時間があったら世界に一つの作品を作るのもいいですね。

また、オランダ坂の近くにある「オランダ物産館」はカステラをはじめとするさまざまなお土産を探すほか、レストランでの食事もできます。いろいろ見てお土産を決めたいという方にはここもおすすめです。

大浦天主堂周辺の観光スポット見出し

大浦天主堂の敷地内には、前述した旧羅典神学校のほか、旧大司教館、伝道学校(司祭館)などが建てられています。中を見学できるのは神学校だけですが、外観は見ることができるので、ぜひ見学したいところです。

また、近くにはグラバー園があります。大浦天主堂を観光したらこちらもお忘れなく。なお、このうち旧グラバー住宅はユネスコ世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成文化財の1つとなっています。

大浦天主堂でキリシタンの歴史を知ろう見出し

大浦天主堂は日本のキリスト教の歴史にとって、欠くことのできない重要な教会堂です。アクセスもしやすく、またゴシック様式の建物はもちろん、ステンドグラスやマリア像など、見逃せないものがたくさん。ぜひゆっくり時間をとってキリシタンの歴史に思いをはせてくださいね。

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長崎県出島は、鎖国から明治の日本に影響を及ぼした西洋文化の発信地として、歴史の教科書にも登場します。江戸時代の建物群を再現した新しい出島は、オランダとの貿易や蘭学の資料を展示する観光地となり、出島ワーフなどのグルメスポットは観光客にの人気があります。

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投稿日: 2017年5月28日最終更新日: 2020年9月6日

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