台湾・草嶺古道の見所は？トレイルしながらススキで癒される！行き方は？

台湾・新北市にある草嶺古道は、台北市内からも日帰りで行ける場所にあります。ススキの草原が有名な草嶺古道は、約10Kmの距離でトレイルにも最適です。台湾観光で最近話題の草嶺古道について、見どころなどをご紹介します。

台湾本島の東北部にある新北市貢寮区遠望坑から宜蘭県縣頭城鎮大里への二つの行政エリアにまたがる古道です。「草の嶺」を通るので草嶺と呼ばれます。新北市では人気のトレイルコースの一つで、130年以上の歴史があります。全行程を3～4時間で踏破することが出来ます。

草嶺古道は1800年代に清国が、統治のために開いた官道の一つです。その昔、台北周辺を「淡水庁」、宜蘭地域は「噶瑪蘭庁」と呼んでいました。台北と宜蘭を往復する「淡蘭古道」がいくつか作られました。草嶺古道はそのうちの一つになります。近年、健康志向の高まりから整備され、新北市の人気のトレイルコースになりました。

台湾鉄呂宜蘭線（ぎらんせん）・福隆駅と大里駅の１区間にまたがっています。福隆駅から歩くコースは階段が多く、大里駅から歩くコースは比較的なだらかな道が多いので楽です。福隆駅からの場合は、「遠望坑親水公園」を目指します。大里（だいり）駅からの場合は大里遊客中心または大里天公廟を目指します。こちらのコースは約50分かかります。

台北市からは電車で1時間かかります。福隆駅の隣の、貢寮（こうりょう）駅から草嶺古道を目指すルートもあります。貢寮駅で下車し途中、新北市の田園風景を楽しみながら遠望坑親水公園を目指します。休日はシャトルバスが運行されています。貢寮駅から徒歩だと登山口まで約1時間かかります。

遠望坑親水公園は、古道の入り口から約1.1Kmのところにある公園です。元々は農場でした。蓮池や涼亭があり、地元の子供達には、真夏の水遊び場としても人気です。整備された駐車場もあります。トイレと自動販売機があるので、利用してから登山を開始することをお勧めします。

「雄鎮蠻煙」は1867年、山の魔物を鎮めるために「雄鎮蠻煙」と印したといわれる石碑です。3級古跡に指定されています。昔、この場所はよく深い霧が発生するため旅人が遭難する場所といわれていました。鎮台総兵劉明燈はこの石碑で山の魔物を鎮めようとしたといわれます。

「虎字碑」は、ススキの穂を筆として印したものとされています。山道脇にあり高さ1.2m、幅約2.1mの石碑です。草書体で「虎」と刻まれています。海抜330ｍの場所に立つ石碑は、暴風を鎮めようとして記したといわれています。歴史的古跡として3級古跡に指定されています。

「大里駅（だいり）」に向かうと、古道ですが自動車も通れる道があります。道の途中には、昔の宿屋、「旧盧宅跡」があります。石材が多く散らばっていて、少し平坦な場所で豚や鶏を飼っていたようです。下りは急な階段が多くなります。

「大里天公廟」は正式には「慶雲宮」といい，1836年に建てられました。道教の最高神である玉皇大帝を祀っています。台湾の信仰の重要な場所とされています。普段から、線香の煙が絶えることのない場所ですが、年末年始になるとさらに参拝客で賑わいます。大里駅から歩いて約10分ほどの場所にあり、境内からは亀山島を見ることもできます。

草嶺古道は一面のススキでも有名です。草嶺古道のススキの見頃は、例年11月から12月です。ススキの白い花が満開のシーズンになる、毎年11月頃にはススキフェスティバルが開催されます。この季節は、爽やかな気候なので、トレイルにも最適です。カメラ愛好家が多く訪れる季節でもあります。

草嶺古道の山頂は、一面のススキに覆われています。風が強いため高い木はほとんどありません。天候によっては風が強く吹く場所です。歩道はきちんと整備されているので歩きやすくなっています。右手に大里の街並み、左に亀山島がみえます。

草嶺古道から灣坑頭山へ繋がっています。トレイルにも人気のコースです。標高616ｍの山頂からは太平洋が見えます。灣坑頭山へは、大里駅から登る吾居吾墅步道ルートもあります。こちらのルートは上級者向けコースになります。

灣坑頭山から桃源谷へのルートも人気のトレイルコースです。桃源谷へ行くルートは４つあり、草嶺古道啞口から桃源谷へは約4.5㎞です。桃源谷では、30度の傾斜が3㎞続きます。草原が広がり、牛が放牧されています。草原で寝っ転がって空を見上げてみるのもいいですし、頂上からの見晴らしは絶景です。

観音山は、山の輪郭が観音様の横顔に似ていることからそう呼ばれています。観音山の山頂の名は「硬漢嶺」とよばれ標高は616mと低い山です。途中までは、石段も整備され家族連れでも登りやすいと人気です。また、台湾古代文化発祥の地として有名です。石觀音寺ラインとして大里駅へ繋がっています。

觀音山は、新北市八里にあります。台北からは地下鉄で「蘆洲駅」まで行きます。バスで橘20系統の「観音山遊客中心」で下車します。平日は、「凌雲寺」までの運行になります。登山道は6つあり、福隆山、牛港稜、硬漢嶺、尖山、楓櫃斗湖および牛寮埔登山歩道となります。楓櫃斗湖歩道は、傾斜が急なので初心者には向きません。

金字碑古道は、三貂嶺を越えると草嶺古道につながる古道です。付近に猴硐神社があります。この神社は日本統治の時代からの歴史的古跡です。古道の上り坂を過ぎてから20分程歩くと、金字碑が見えてきます。

MRT木柵線に乗車します。木柵駅で下車し、台北客運の16番バスに乗車します。「平渓」で下車し、台湾鉄道東部幹線に乗り換え、猴硐駅を目指します。かつて、猴硐駅は平渓線の主要基地となっていました。そのため独特な鉄道文化が発達しています。

台北市の地下鉄の動物園駅のすぐ近くにあるロープウェイに乗ります。ロープウェイからは台北市が一望できます。猫空は茶の産地として有名です。猫空駅から樟山寺や銀河洞まで歩いていくことができます。足下がガラスばりのクリスタルゴンドラと普通のゴンドラがあります。たくさんのお茶屋さんがあります。

銀河洞は台北市と新北市をまたいだ所にあります。銀河洞越嶺步道という歩道があります。約100年前に発見された銀河洞には滝があり、滝の裏側にはお寺が築かれています。標高約350mの道を登っていくと、指南茶路步道へとつながる道になります。バスを利用する場合、本数が少ないです。

樟山寺は台北市にあり、1931年に創建されました。観音菩薩を祀っています。見晴らしのよい境内で、付近にハイキングコースが3つもあることから、休日には登山者が大勢訪れます。日本人の観光客はあまり多くありません。猫空ロープウェイに乗って近くまで行くことができます。

雲林県･古杭郷（ここうきょう）華山は、台湾では有名なコーヒー豆の産地です。栽培の歴史も古く、17世紀には始まったとされています。アラビカ系の苦みを抑えたフルーティーなコーヒーが楽しめます。古杭郷華山には華山コーヒーレジャー風景区があり、毎年11月頃には「台湾コーヒーフェスティバル」が開催されます。トレイルの疲れを癒してくれます。

古杭郷は台湾大地震や台風の大きな被害を受けました。檳榔の木が植えられていた場所には、コーヒーの木が植えられ、復興への大きな足がかりとなりました。とくに被害の大きかった古杭郷華山は、現在では台湾コーヒーの起点となっています。

古杭郷にはコーヒー店がたくさん存在します。その数は、約100店舗あるといわれています。カフェスタイルだったり、農場の一角を開放してのお店など個性豊かなお店で、コーヒーをいただくことができます。レジャー農場として、宿泊設備の整った農場もあります。

台湾・新北市の草嶺古道は、日帰りでトレイルが楽しめます。秋にはススキの花が咲く草原を、歴史を感じながら歩くことができると、人気のトレイルコースです。トレイルの後は古杭郷のコーヒーで疲れた体を癒しましょう。古杭郷のコーヒーの栽培の歴史は古く、古杭郷華山には、喫茶店が100件近く存在します。草嶺古道のトレイルをしてみませんか？