全州韓屋村を観光しよう！見どころ満載のおすすめスポット！

朝鮮王朝時代の景観が保存された人気観光地「全州韓屋村」には韓国の文化遺産に指定される歴史的建造物をはじめ、伝統家屋「韓屋」が建ち並んでいます。さらに様々な体験ができておいしい全州料理も味わえるので、とても注目されているんです!今回は、観光・グルメ・伝統体験、見どころ満載の全州韓屋村のおすすめスポットを紹介します!

全羅北道(チョルラプクト)の行政・教育・文化の中心地である全州は、韓国の首都ソウルから南へおよそ230キロに位置する、人口620万人の都市です。三国時代には全国九州に数えられ、後百済の首都として栄えました。また李氏朝鮮王朝の発祥の地でもあります。

現在、「歴史の街」として注目を集める全州には、国内外からたくさんの観光客が集まります。全州を訪れた観光客におすすめなのが「韓屋村(ハノクマウル)」です。韓屋村には700軒におよぶ韓国の伝統家屋が立ち並び、朝鮮王朝時代の景観が保存されているんです!

しかし、韓屋村のおすすめは、景観ばかりではありません!韓屋村の敷地内には伝統工芸品展示館、全州伝統酒博物館、全州伝統韓紙院、全州韓屋生活体験館など、韓国の伝統文化を学んだり、体験したりすることができる施設が盛りだくさん!宿泊体験やツアーなど、観光客も楽しむことができるんです!

韓国語で「村」は「マウル」と言います。マウルには集落という意味もあります。1977年に韓国政府から韓屋保存地区に指定された全州の一部集落が「全州韓屋村」となり、現在では全州を代表する観光地に発展しました。もともと集落だったので、韓屋村で生活している人もいるんです!

韓屋(ハノク)は韓国の伝統的な家屋のことです。多くの韓屋は背水臨水、四柱推命などの風水や地理理論に基づいて建てられました。韓屋の柱と枠組みは木を使用、壁は土と草で作られます。さらに窓や床に、油を染み込ませた韓紙を貼っています。伝統的なオンドルという暖房設備があります。

韓屋の外観の特徴は屋根です。屋根裾が上空へ反り上がっているのがポイントです。ゆるやかな曲線を描く屋根が連なる光景は、まるで韓国時代劇の世界にタイムスリップしてしまったかのようです。慶基殿、梧木台、全州殿洞聖堂などの重要文化財もあり、実際に韓屋村では多くの韓国時代劇の撮影が行われました。

韓屋村の入口にあたる「梧木台(オモッテ)」は、朝鮮王朝太祖・李成桂の祖先である穆祖が住んでおり、住んでいたところで、500年後、朝鮮王朝第26代皇帝高宗によって「太祖高皇帝駐畢遺址碑」が設置されました。朝鮮王朝を建国した太祖が戦勝を祝して宴会を催した場所とも言われ、現在では全羅北道記念物第16号に指定されています。

梧木台(オモッテ)は高台にあり、階段が続いています。途中に韓屋村を一望することができる人気の撮影ポイントがあります。ここで、全州韓屋村到着記念に、写真を撮影してもいいかもしれません。梧木台には観光案内所があります。日本語で書かれたパンフレットを配布していたり、韓屋村を案内するツアーの受付も行われています。

1410年創建の慶基殿は、朝鮮王朝を建国した太祖を描いた肖像画「御真(オジン)」を奉安するために建てられました。慶基殿は国の指定史跡第339号、全羅北道有形文化財第2号に指定されています。御真の他にも、朝鮮王朝の歴史書を保管する全州史庫、朝鮮王朝第8代国王睿宗のへその緒と胎盤が保管される「胎室」があります。

歴史ドラマの撮影によく使用される慶基殿は、青丹で彩色された鮮やかな梁が美しい立派な正門をはじめ、敷地内の建造物もどれも美しく見どころがたくさんあります。韓国の貴重な文化財に触れながら、美しい景観を楽しめます。敷地内には自然も多いので、散策しながらほっと一息つくこともできます。

全州郷校は現在の地方国立大学といえる教育機関でした。朝鮮時代になると、地方在住の両班(貴族)の子弟を教育するため、地方各地に卿校が設置されました。1354年に設置された全州郷校はとても大規模な施設で、敷地内には全部で99棟もの建物があり、大成堂は、全羅北道の有形文化財7号に指定されています。

敷地内には樹齢400年を超える巨木をはじめ、たくさんの銀杏の木が植えられています。銀杏の木には虫がつかないことから、科挙(当時の官吏登用試験)に合格し、官吏となってからも不正をせず清廉潔白な気持ちを持ち続けようという願いを込めて植えられたそうです。当時、敷地内には生徒たちが教科書を読み上げる声が響いていました。

現在では人気ドラマの撮影地として知られてます。ロケ地巡りのために訪れる観光客も多くいます。一方、全州郷校では伝統結婚式の式場として利用されたり、子どもたちの伝統教育の場として活用されています。タイミングがよければ、韓国の伝統的な結婚式の様子を見ることができるかもしれません。

全州殿洞聖堂(チョンジュ・チョンドン・ソンダン)は「韓国で最も美しい建物」と言われる韓屋村のシンボル的な建造物です。全州殿洞聖堂は1971年の辛亥迫害、1801年の辛酉迫害の度重なるキリスト教迫害運動によって儒教した信者たちを称えるために1914年に完成しました。太祖通りを挟んで、慶基殿の向かい側にあります。

聖堂はロマネスク様式を基調としながらもイスタンブールの「アヤ・ソフィア大聖堂」に代表されるビザンチン様式も取り入れられています。アヤ・ソフィア大聖堂と同じように、特徴的な丸いドームを持っています。ミサが行われていない時間帯なら内部も見学可能。見事なステンドグラスには韓服姿の女性信者が描かれたものもあります。

全州工芸展示館では、全州を代表する様々な伝統工芸品を展示し、韓国人から観光客にまで映像資料や模型を使ってわかりやすく紹介されています。全羅道の工芸品「螺鈿漆器」、製紙だけでなく工芸品や建築物にも多様される「韓紙」、日本にも多大な影響を与えた陶磁器など、無形文化財にも指定される貴重な作品を見ることができます。

さらに全州工芸展示館では、様々な体験プログラムが実施されています。外国人観光客向けのプログラムもたくさんあり、韓国伝統の工芸品を実際に作ることができます。名品館では韓国式パッチワーク「ホジャギ」や、茶碗やお皿など日本の家庭でも使えるような食器、アクセサリーやポーチなど、全州の伝統工芸品を手軽に購入でき、おみやげにおすすめです。

韓国全州には自家製の酒を醸造し、客人を迎えて祭祀を執り行った「家醸酒(カヤンジュ)」という伝統があります。全州伝統酒博物館では、朝鮮時代の酒造りを再現、醸造過程をビジュアル的に学ぶことができ、お酒の種類についても詳しく紹介されています。熟成室がある館内は、芳醇なお酒の香りが漂っています。

麹づくり、全州名物のマッコリづくりなど、様々な体験プログラムがあります。韓国のお酒のマナーも学べます。館内に併設されたショップでは、マッコリやソジュをはじめ珍しい地酒まで、たくさんのお酒が販売されています。お酒好きもそうではない人も、全州伝統酒博物館は入場料無料なので気軽に立ち寄ることができます。

全州は1000年前から良質な韓紙の産地として栄えました。現在では伝統的な韓紙が使用されることも減りましたが、それでも全州市内だけで10カ所以上の韓紙工房があります。全州伝統韓紙院では、伝統的な韓紙作りを見学することができます。書道用、水墨画用、工芸用など用途に応じた韓紙を購入することも可能。

全州韓屋村にある韓屋生活体験館は、朝鮮時代の両班(貴族)の屋敷を再現した宿泊施設です。韓屋に宿泊しながら、品数の豊富な全州の朝食を楽しみ、韓国の昔の遊びを体験することができます。シーズンによって、様々な体験プログラムも行われています。全州のシティーホテルに泊まるのもいいですが、生活体験で韓屋に宿泊してみるのもおすすめです。

全州韓屋村には全州韓屋生活体験館の他にも、韓屋民宿を営んでいる宿泊施設が多数あります。韓国ならではの生活儀礼、韓国茶道、ヨガ、韓国の民謡や伝統楽器の「パンソリ」「ガヤグム」の体験プログラムなど、宿泊施設によって様々な取り組みが行われています。全州郷校内の「養士堂」では一人でも宿泊が可能です。

全州韓屋村には韓服のレンタルショップがいたるところにあり、色とりどりの韓服がディスプレイされています。韓屋村を歩くと、チマ・チョゴリを着た女性をたくさん見かけます。外国人観光客はもちろんですが、韓国国内から訪れている韓国人観光客もよく利用しています。韓服のレンタルショップでは韓服に合わせてヘアセットもしてくれます

全州韓屋村の入口「梧木台」にある観光案内所では、全州韓屋村を案内してくれるツアーの受付が行われています。全州韓屋村を案内するツアーと国の指定史跡「慶基殿」を案内するツアーは毎日無料で開催されています。慶基殿ツアーは日本語での案内も行われています。観光案内所も日本語での対応が可能。ぜひツアーに参加してみましょう。

直行便が多くある大都市ソウルや、九州からフェリーで行くことができる釜山は、日本人にも人気の観光地として知られていますが、朝鮮王朝発祥の地である全州の韓屋村にも見どころがたくさんあります!全州韓屋村で韓国の歴史や文化に触れ、おいしい全州グルメを堪能する旅もおすすめです!