昭和新山をご紹介！世界ジオパークにも登録された絶景を堪能！

かつては田園地帯だったという昭和新山は、有珠山の噴火によって生まれた火山です。昭和新山や有珠山、洞爺湖を含む洞爺湖有珠山ジオパークは、日本で最初の世界ジオパークとして登録されています。火山活動によってできた雄大な絶景や、そんな自然とかかわる遺跡群など、昭和新山とその周辺のおすすめ観光ポイントをご紹介します。

有珠山の山麓に位置する昭和新山は、1943年から1945年までの2年間で17回もの噴火を繰り返して誕生しました。噴火が起きる前はのどかな田園地帯でしたが、この活発な火山活動によって消滅し、当時通っていた鉄道も崩壊するなど甚大な被害と爪痕を残しました。現在は温度低下や浸食などによって、少しずつ小さくなっているのだそうです。

地質や地形、火山などの世界的に貴重な自然を保護して、地域の観光や教育に活かされていることを基準に、世界ジオパークネットワークで厳しく審査され世界ジオパークとして認められます。適正な条件や活動が行われているか、4年ごとに調査する再審査もあるようです。昭和新山は、2009年に洞爺湖有珠山ジオパークとして認定されました。

新千歳空港から車を利用する場合、道央自動車道新千歳空港インターチェンジから入り伊達インターチェンジで降ります。伊達インターチェンジから昭和新山までは15分足らずです。JRを利用する場合は、苫小牧方面からなら洞爺駅から道南バスで洞爺湖温泉で乗り換え、昭和新山までのバスがあります。

昭和新山から有珠山山頂へはロープウェイが繋がっていて、片道6分で絶景を眺めながら簡単にアクセスすることができます。ロープウェイ山頂駅すぐ横には洞爺湖展望台があり、昭和新山や洞爺湖を望む絶景ポイントなので、記念撮影するのにもおすすめです。四季折々の花々や紅葉や雪景色など、季節ごとに違う彩りも楽しめます。

ロープウェイの往復運賃は、中学生以上が1500円小学生以下は750円です。ロープウェイの運行時間は季節によって様々で、始発便は早い時期なら午前8時15分、遅い時期なら午前9時からで、最終便の早い時期は午後4時、遅い時期は午後6時45分となっています。天候によって変わることもあるので、事前に確認するのがおすすめです。

ロープウェイの山麓駅でもある昭和新山には、地元のグルメを味わえるレストランや、ご当地名物などがそろうお土産売り場も並んでいます。ルーを溶岩に見立てた溶岩カレーや、ピリッと辛口の真っ赤な火山ラーメンなど、火山ならではのオリジナルメニューも楽しめます。ロープウェイを楽しんだ後は、美味しいグルメもどうぞ。

住所:北海道有珠郡壮瞥町字昭和新山184-5 電話番号:0142-75-2401

ロープウェイの山頂駅から階段を降りていくと、噴火口を間近に見下ろせる火口原展望台があります。さらにその先には有珠外輪山展望台まで続く有珠外輪山遊歩道があり、ロープウェイ駅から有珠外輪山展望台を往復すると3kmあまりで、歩くと2時間ほど。世界ジオパークならではの、大パノラマの絶景を眺めながらの空中散歩が楽しめます。

有珠山ロープウェイの奥には、約100頭ものヒグマがいる熊牧場があります。ヒグマ用のクッキーが用意されていて、ヒグマに見せるとツイートのようにかわいいアピールをして楽しませてくれます。入場料は、中学生以上が850円、6歳以上が500円です。車の場合、入場料とは別に昭和新山の駐車料500円が必要になります。

昭和新山ロープウェイに併設するガラス館では、国内外の美しいガラス製品が並んで見ているだけでも楽しいので、女性に人気を集めています。ツイートのように、お土産にもぴったりのかわいいお手頃価格のものから、バカラやベネチア、スワロフスキーなどの高級品、グラスやアクセサリー、小物雑貨まで多彩な品揃えです。

昭和新山駐車場入ってすぐにある記念館は、昭和新山の誕生を個人的に観測し続けた、三松氏の残した膨大な記録が展示されています。当時は壮瞥郵便局長だった三松氏は、火山の保護のために昭和新山を買取り、現在でも個人の私有地です。三松氏の残したスケッチをまとめた新山隆起図は、世界でも評価されミマツダイヤグラムと命名されました。

昭和新山の北側にある洞爺湖は、洞爺湖町と壮瞥町にまたがっている日本で3番目の大きさのカルデラ湖です。ほぼ円形の湖畔を、ぐるりと一周できる道路も通っています。周辺には温泉街やキャンプ場が点在していて、観光の拠点としても便利な施設が整っています。釣りやカヌーなどのアクティビティも楽しめます。

火山の恩恵ともいえる2つの温泉。洞爺湖畔南岸の西側に洞爺湖温泉街、東側に壮瞥温泉街が広がっています。洞爺湖温泉は、先ほどご紹介した昭和新山の成長を記録した、三松正夫氏他3名によって大正6年に源泉が発見されたとされています。イベントなども盛んに行われていて、近年ではコスプレイヤーの集うアニメフェスタが大盛況のようです。

温泉街には、洞爺湖を湖上から楽しむことができる遊覧船があります。洞爺湖の真ん中に浮かぶ中島を巡る遊覧船や、ロングラン花火大会期間中限定の花火観賞船、特製のお弁当を食べながら湖上の絶景も堪能できるランチクルーズといったプランがあり、昼と夜違った洞爺湖の表情を見ることができます。

住所:北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉29 電話番号:0142-75-2137

遊覧船以外に、ゆっくりと水上散歩を楽しめるレンタルボートも用意されています。昔ながらの手漕ぎボートから元祖足漕ぎボート、ポピュラーなスワン型足漕ぎボートに、進化した2馬力エンジン搭載のスワンボートといった4種類のラインナップ。エンジン付きのボートは、北海道でこのお店だけなのだそうです。

住所:北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉7−9 電話番号:0142-75-2525

ビジターセンターは、洞爺湖周辺や有珠山についての資料や展示物があり、辺りの自然について知ることができます。観光する前に立ち寄っておけば、より世界ジオパークが楽しめるのではないでしょうか。センター内には火山科学館もあり、これまでの有珠山の火山活動をリアルに感じられる、シアターや体感装置の展示がされています。

住所:北海道虻田郡洞爺湖町洞爺湖温泉142-5 電話番号:0142-75-2555

洞爺湖の真ん中に浮かぶ、4つの島の総称を中島といいます。いちばん大きな大島には、全長8kmほどの遊歩道が整備されているので、手つかずの自然やエゾシカなどの動物を楽しみながら、自分のペースに合わせて散歩することができます。中島へは、洞爺湖温泉からの遊覧船で30分足らずで到着します。

温泉街の賑わいから少し西にある、遊歩道や巨大な顔などの彫刻が配置され、美しい芝生が整備された静かな公園。広大な洞爺湖に浮かぶ中島や、天気のいい日には羊蹄山まで見渡すことができる絶景を楽しみながら、のんびりと散策や休憩するのにおすすめの場所です。紅葉シーズンは特に美しく、駐車場やトイレもあるので使い勝手もよさそう。

洞爺湖から海沿いを走る国道37号線を、30分ほど南へ向かった伊達市の黄金町にある縄文時代の遺跡群。5つの貝塚や住居跡、多数の人骨や石器などが発掘保存されていて、貴重な遺跡の見学をすることができます。入館料は無料ですので、約7000年前から4500年前もの昔の生活に触れ、古代に思いをはせてみるのもいいのではないでしょうか。

住所:北海道伊達市北黄金町75 電話番号:0142-24-2122

洞爺湖から湾岸沿いを西へ30分ほど走った、豊浦町の茶津崎にあるカムイチャシ史跡公園。駐車場から135段の階段を登っていくと、チャシコツといわれる壕や展望台、遊歩道が整備されています。展望台からは内浦湾の眺めがすばらしく、左には豊浦の町並みや有珠山の絶景が広がり、天気がよければ駒ケ岳まで見えることもあります。

日本一の秘境駅といわれる小幌駅から、さらに歩くこと20分ほどにある小幌洞窟。数百万年前の噴火で堆積した溶岩や火山灰の層を、波が削ってできたのだそうです。縄文時代からの遺跡や、山が鎮まるようにまつられたという円空仏などが残り、古い歴史と火山への脅威に対する思いを感じることができる場所です。

有珠山の麓にある有珠善光寺は、噴火にあいながらも江戸時代に改築されたという本堂などは被害を免れ、有珠山についての記録も多く残されているのだそうです。境内には、ツイートのような溶岩の塊や樹齢200年を超える桜の巨木があり、春は桜、夏はアジサイの名所としても知られ、四季折々の花を見に訪れる観光客も多いようです。

住所:北海道伊達市有珠町124 電話番号:0142-25-2722

1977年から1978年の噴火によって、病院の地下に断層ができて崩れてしまった建物が保存され、公園として一般公開されています。当時この病院には230人の入院患者がいたそうですが、皆さん無事に避難できたようです。有珠山の噴火によって残された、被害の恐ろしさが伝わる貴重な場所です。

2000年に有珠山の北西山麓で起きた噴火で、火口から600mほどにあった幼稚園は大きな被害を受けました。噴石の直撃によって建物には大きな穴が開き、園庭は地殻変動で隆起やひび割れ、あちこちに噴石も散らばっています。天井や壁、床を突き破る大きな穴や、所々にある地割れが火山の怖さを物語っています。

旧とうやこ幼稚園の北東に位置するビジターセンターの南側周辺は、2000年の有珠山噴火の熱泥流で、町営住宅団地や町営浴場、町立図書館と小学校、民家などが泥流に埋まりました。当時の国道230号や町道に架けられた橋も流され、砂防施設内にそのまま残され噴火遺構として公開されています。火口の展望台まで続く散策路もあります。

世界ジオパークの情報発信基地でもある道の駅は、観光情報館や火山防災学び館が併設されているので、周辺の道路や観光情報、火山の災害や防災を知ることもできます。壮瞥特産のオリジナルジャムやリンゴジュースなど、ここでしか手に入らない商品もあり、新鮮な果物や野菜などもそろっています。

住所:北海道有珠郡壮瞥町字滝之町384-1 電話番号:0142-66-2750

伊達市の大滝区にある三階滝公園は、落差は少ないですが大きく三段に岩肌を流れ落ちていく滝が、季節によって違う表情を楽しませてくれます。水量の多いときには荒々しく雄々しい姿、最も美しい紅葉の時期には、色づいた木々に彩られた景観が観光客の人気を集めています。野鳥が多いバードウォッチングのスポットでもあります。

洞爺湖の西岸にあるサイロ展望台は、洞爺湖と中島、有珠山や昭和新山などが一望できる絶景ポイントです。展望台には、広々とした眺めのいいレストランや、アイスクリームなどを作る料理体験、ジャガイモを掘る農業体験、ホーストレッキングなど様々な体験プログラムも用意されています。

壮瞥町から登別市へ抜けるオロフレ峠は、黄渓駐車場が絶景ポイントになっています。雪のない季節には、旧道頂上部のオロフレ峠展望台へ行くこともでき、天気のいい日には倶多楽湖や太平洋、洞爺湖に羊蹄山などを、きれいに見渡すことができます。11月から4月までの夜間は、通行止めになります。

壮瞥公園からは、約300本の梅林でも知られる絶景ポイントです。画像のように、5月中旬ころには薄桃色の梅と絡めて、中島や羊蹄山が洞爺湖に反射して、得も言われぬ美しい風景を堪能することができます。反対方向には、有珠山や昭和新山の眺めも最高です。残雪の残った蝦夷富士と梅林の組み合わせは、ため息ものです。

世界ジオパークとして認定されている、昭和新山や有珠山、洞爺湖周辺の情報をまとめてみましたが、いかがでしたか?美しい絶景も素晴らしいですが、火山ができた歴史や噴火による地殻変動や被害を間近に見ることで、地球の偉大な自然の力をしっかりと感じ取ることができます。あなたも世界ジオパークで、貴重な自然に触れてみませんか?