鯖街道とは？福井・京都間を結ぶルートをツーリングやドライブしよう！

福井と京都を結ぶ鯖街道は今でも昔の名残が残っているところがたくさんあります。現在では道路が整備されて、ドライブやツーリングで訪れる人が多くなりました。交通量がそれほど多くないところが多いので、快適に走行することができるのが人気の理由です。ここではドライブやツーリングで人気の鯖街道のルートを中心に紹介します。

鯖街道というのは、若狭の海と京の都を結ぶ街道のことを指します。どうして鯖街道と呼ばれるようになったかは、海産物の宝庫である福井県若狭地方はよく鯖がとれました。若狭地方にある小浜は飛鳥・奈良時代の頃に朝廷に塩漬けした魚介類を献上していました。若狭から運ばれた鯖が京都でちょうど良い塩加減になったことが由来です。

小浜から京都までは約70キロあり、その間にはとても険しい道がたくさんありました。鯖街道を通って来た鯖は京都に着いたら、京懐石などに使われ、とても豪華な料理になります。鯖街道を利用して運んだものは鯖だけではなく、様々な文化や習わしを伝え、人と人との縁をつなぐ道でもありました。鯖街道は本当に重要な道だったのです。

琵琶湖ルートは小浜から琵琶湖北西岸の今津へ抜けて、琵琶湖の水運を経由して大津まで行き、京都へ至るルートです。現在の国道27号線から国道303号線に入り、国道161号線と交わるまで進みます。国道161号線と交わるところが今津になり、そこから国道161号線を南下すると大津になります。大津から京都は目と鼻の先です。

琵琶湖ルートの最大の見どころは琵琶湖が見られるということです。鯖街道は山ばかりというイメージがありますが、琵琶湖も立派な鯖街道の一部なのです。景色が山から湖に変わるということでは、ドライブやツーリング向きのルートと言えます。現在の国道161号線は高島バイパスができたので、非常に走りやすくなりました。

若狭街道・敦賀街道は小浜から保坂で南に折れ、比良山地の西側の谷沿いを進み、途中で峠を越えたら京都に入ります。大原からは高野川で舟運となりました、舟ではなく、陸で行きたい場合は大原から市原で鞍馬街道に合流します。陸づたいであれば、小浜から京都へ向かう最短ルートとされています。

若狭街道・敦賀街道は現在の国道27号線から国道303号線に入り、保坂で国道367号線に入ります。国道367号線の途中の峠を越えたら、京都府です。大原からは府道40号線に入り、ずっと進むと京都市中心街に着きます。京都から小浜へ向かうオーソドックスなルートです。山道ばかりですが、走りやすくなっているのがツーリング向きです。

鞍馬街道は小浜から遠敷川沿いを上り、根来坂峠を越え小入谷から針細川沿いを経て、経ヶ岳を越えたら京都です。現在のルートで言うと、福井県道35号線をずっと進み、上根来に来る辺りからかなり細い道になります。バイクならば通行できるかもしれませんが、乗用車は通行できるかどうかはなんとも言えません。

小入谷に来た辺りからは滋賀県道781号線を道なりに進みます。平良に来たくらいで、車でもバイクでも行けない経ヶ岳になります。完全に徒歩コースとなり、久多川沿いの細い道に出ます。そこから京都府道110号線になり、府道38号線まで行けば、京都市街は目前です。かつては最短ルートだったですが、今はかなり道が険しいです。

雲ケ畑街道は小浜を出発しておおい町内の国道162号線で名田庄から五波峠か地蔵峠を越えて京都に入ります。京都に入ったら芦生を過ぎ、佐々里峠を越え廃村八丁、京北を経て雲ケ畑に至ります。このルートも現代の道に直すとかなりの難所となっています。バイクでも街道全部を行くのは不可能と言えるルートです。

現在の道に直すと、小浜から国道162号線を進み、おおい町に入ったら県道224号線に入ります。そこから道なりに進むと五波峠になりますが、ここがかなり道幅が狭いです。五波峠を越えると府道38号線になり、佐々里で府道370号線に入り、進むと徒歩しか無理な道になります。そこを抜けて府道61号線を進むと雲ケ畑になります。

小浜街道は名田庄から八ヶ峰の知井坂を越え、深見峠を経て、狭間峠を越えます。山国神社付近で桂川を渡り、天童山から岩屋山を越えて洛中に至ります。山越えがほとんどですが、とても景色がきれいなところもあり、ドライブやツーリングにも向いている道と言えます。ただし、途中車もバイクも通れない区間がある可能性があります。

現在の道に直すと、名田庄から県道224号線を走り、八ヶ峰を越えると府道369号線にぶつかります。府道369号線を走り、国道162号線に合流します。しばらく走って、府道366号線に入り、狭間峠を越えます。ここから再び国道162号線に入り、そのまま道なりに走ると京都市街です。鯖街道と呼ばれる前からあったルートです。

高浜街道・周山街道は高浜町を起点としています。福井県道16号線を進み、頭巾山を越え、京都側では周山街道と呼ばれる道を進みます。現在の国道162号線が周山街道と呼ばれる道です。鯖街道の中では最も西側を通るルートのため、西の鯖街道と呼ばれています。鯖街道の中ではとても走りやすいルートでドライブ・ツーリングに良いです。

周山街道は2016年に制定された京都丹波高原国定公園における自然と人間の共生を示す文化的要素として顕彰されています。とても自然豊かな道で、特にツーリングでは自然の風を感じながら走ることができるので、とても心地よい気分になれます。鯖街道の中でも福井から京都へのルートで最も行きやすいルートの1つでしょう。

西近江路は今津から琵琶湖西岸を通って行くルートです。現在の国道161号線が西近江路に該当する道で、前述した高島バイパスがあり、志賀バイパスもあり、本当に走りやすい道です。バイパスを通らない湖沿いを走る道もありますが、景色を優先するのであれば、バイパスを通らないルートをおすすめしたいです。

国道161号線沿いには街が広がっていますが、中には昔の街道の名残をのこしたお店などもあります。そういった昔の名残を楽しみながら、走るのも楽しいです。今ではとても交通量が多い道となり、渋滞も発生します。こういった道を昔の街道と思うのは難しいかもしれませんが、鯖を運んだ道という知識を頭の片隅に置いてもらいたいです。

熊川宿は鯖街道を利用する人たちの多くが立ち寄ったところです。福井と京都を結ぶ宿場町として整備されました。熊川宿は江戸時代には鯖街道随一の宿場町として栄えました。現在は若狭町熊川宿伝統的建造物群保存地区という名前で重要伝統的建造物群保存地区として選定されました。

ドライバーやツーリング客の多くが立ち寄る場所として道の駅若狭熊川宿があります。熊川宿をイメージして造られた道の駅で、特産品販売所や地元の味が味わえるお食事処、鯖街道の歴史を紹介している資料館があります。鯖街道の歴史を知りたい人には是非訪れてもらいたいところです。鯖街道に行く時は熊川宿は外せません。

鯖街道に行くならば、是非小浜で鯖寿司を食べていくなり買っていくなりして下さい。鯖寿司は鯖を用いて作る棒寿司の一種です。鯖街道の出発地である小浜には鯖寿司食べ比べクーポンというものがあります。このクーポンを1000円で購入し、鯖寿司店2店と和菓子店1点で利用できます。お店によって鯖寿司がいくつもらえるか決まっています。

小浜には数多くの鯖寿司店がありますが、なかなか複数のお店を食べ歩くのは難しいですが、鯖寿司食べ比べクーポンがあれば、複数のお店でも行けます。鯖街道の出発地ということで、鯖寿司を持ち帰りにして、ドライブやツーリング途中で小腹が空いた時に食べるのも良いでしょう。鯖街道イコール鯖寿司と考えても良いです。

紹介してきたように、鯖街道には7つのルートがあり、現在は走りやすいルートもあれば、徒歩しか行けないようなルートもあります。福井から京都に行く際に鯖街道を忠実に走ってみるのもおもしろいかもしれません。鯖街道は景色が良いところが多いので、ツーリングやドライブに適していると言えます。是非一度鯖街道を走ってみて下さい。