棒ノ折山は紅葉登山がおすすめ！アクセスや人気コースをまとめて紹介！

「棒ノ折山」または「棒の領」とも呼ばれていて、鎌倉時代の武将、畠山重忠が山を越えるために使っていた石杖がこの地で折れてしまったことが名前の由来だそうです。東京都奥多摩郡と埼玉県飯能市との県境にあり、山頂からの見晴らしのすばらしさに加えて棒ノ折山は標高差が少ないので気軽なハイキングとしても大人気の山です。渓谷にそって歩くルートがおすすめですので見どころもたくさんあるのでご紹介します。

白谷橋登山口には登山届のポストがありますので必ず記入してください。私が登った時は入り口に警察の方がいて登山届を書いてくださいと呼びかけていました。低山とはいえ事故も起きているようなので届はきちんと記入し、家族や知り合いにも棒ノ折山に行くことをきちんと伝えておきましょう。

棒ノ折山のメインとなる登山ルートは白谷橋登山口からゴンジリ峠を経由し、山頂へと登るルートです。登山口までのアクセスや駐車場などはのちほど詳しくご説明しますので、ここでは登山口から棒ノ折山山頂までのルートを紹介します。まずは名栗湖沿いの道を5分ほど歩いて入山。

棒ノ折山山頂までは3.3ｋｍの道のりです。最初は紅葉に囲まれてなだらかな道をを行きます。しばらく進むと水の音が聞こえてきます。このルートは沢沿いを登っていくルートで、時には水の中を横切って行く所もありますので防水加工の登山靴は必須です。大きな石も多いので注意しながら登るようにしましょう。

白谷橋登山口からのルートには3つの名前の付いた滝があります。「藤懸の滝」「天狗の滝」「白孔雀の滝」です。水量がある時期は滝の流れる音が大きく聞こえ、ますます冒険心を掻き立てます。季節によっては岩肌がコケにおおわれて幻想的な光景が見られます。岩は大変滑りやすくなっているので注意して歩くようにしましょう。

棒ノ折山のこのルートにはゴルジュと呼ばれる両側の岩壁に挟まれたような谷があり、下から見上げると高度感があり大迫力に圧倒されます。どうやって登ればいいのかと思うほどに急な登りに見えますが、きちんと足が置けるようなルートになっているのでご安心を。

ちょっとしたアスレチックのようで振り返れば急な所を無事に登ったという安心感と、紅葉と落ち葉で山肌一面が美しく彩られた景色が見れて大満足することでしょう。滝のマイナスイオンも浴びて気分もすっきりします。

黄色や緑のコントラストが最高にきれいです。紅葉も終盤になると上から落ち葉が降ってきてそれもまた美しいです。風景に見とれてしまいますが足元が滑りやすく岩も多いので転ばないように立ち止まって眺めるようにしましょう。日が当たりにくく滝もあってひんやりしますので防寒対策もしっかりしてください。

前半戦最後の鎖場です。ちゃんと足を置けるスペースがあるので落ち着いて登れば大丈夫です。登りはともかく、下りにこちらのルートを使う方は滑落に注意して安全登山を心がけてください。

前半戦の沢沿いのルートを抜けると林道を渡り一旦広い場所に出ます。ここで水分補給もかねて小休止。目にも鮮やかな紅葉が一面を覆いつくす山を見上げてもう一度気合を入れなおします。見上げるほどの急登ではありますが階段状になっていて登りやすいのでゆっくりと高度を上げていきましょう。登りきると今度は横ばいに景色を眺めながらお散歩です。紅葉した景色を眺めながら歩くと岩茸石という大きな岩が現れます。

前から見ると絶壁ですが裏側から簡単に登れます。写真を撮るには良いスポットですのでぜひ記念写真を撮ってみてください。下山ルートを滝の平尾根を選んだ方はこの岩の左側をすり抜けて行くとルートが続いています。見落とさないようにしてください。

この岩茸石を20分ほど歩くとゴンジリ峠という場所に出ます。漢字では「権次入峠」と書きます。こちらからはしばらく平坦な道になり、ゆっくりと景色を楽しめると思います。そしていよいよ山頂へのビクトリーロードへと進むわけですが、ここが中々登りごたえのある道。疲労した足腰を駆使して山頂へ到着です。

広々とした山頂はお昼時ともなると人がたくさんで賑やかです。あちらこちらでいい匂いが漂っていますよ。それに見渡す限りの絶景が疲れを吹き飛ばしてくれます。空気が澄んでいる秋の晴れた日は遠くに日光連山や筑波山まで見え、街並みまで見渡せて紅葉も美しく、もう最高です。

秋はこの抜けるような空が本当に気持ちがいいです。棒ノ折山山頂にはベンチもありますがたくさんの人がいて空いてるかどうか分からないので敷物があると便利です。また山頂にはトイレはありませんので必ず登山口で済ませておきましょう。

山頂で景色を堪能した後はいよいよ下山するのですが、登ってきたルートを引き返すという方法もありますが違うルートを使うこともできます。岩茸石までは来た道を戻り、岩茸石の横をすり抜けると「滝の平尾根」という下山ルートがあります。こちらは林道を何度も横切り、背の高い木々の根が入り組んだ道にはなりますが到着する場所は「滝の平登山口」でさわらびの湯の駐車場付近になっています。

登山の後は温泉へ行くという方にもこちらの下山ルートをおすすめします。木々に覆われていて暗く感じるので遅くても午後3時ごろには下山できるように計画してください。紅葉の時期は特に日没が早いので気を付けるようにしてください。※道に迷いやすいので木についてる目印を良く確かめて下山してください。

ここでは人気のルート紹介しましたが、棒ノ折山には他にも登山ルートがあります。奥多摩の方から登り、高水山や黒山を経て縦走が出来るコースもあり、こちらも利用する方が多いようです。ゴンジリ峠が分岐点になっているので奥多摩の方へ下山することも可能です。

棒ノ折山は登山口から山頂までの標高差が700ｍ程の山ですので休憩を含めて5時間ほどで往復できます。もちろんのんびり登山をすることは良いのことですが少し時間が空いたらぜひ立ち寄ってほしいおすすめの場所がありますのでそちらを紹介します。

白谷橋登山口へ行くときに必ず通る名栗湖は昭和61年に作られた人工湖です。湖の周囲を一周できる道路が整備されていてサイクリングやツーリングに訪れる方も多い観光名所です。特に紅葉シーズンは彩られた木々が湖に映って見事です。紅葉の見ごろは10月下旬から11月中旬だそうです。登山の前に是非足を止めてゆっくりと眺めてください。

続いてのおすすめは下山後のお楽しみの温泉です。こちらの温泉は疲労回復や筋肉痛に効果があります。浴室にはシャンプー・ボディーソープも備え付けられていて荷物も少なくて済みます。館内は木のぬくもりを感じる造りになっていて広々とした開放感のある空間です。お土産コーナーもあり、棒ノ折山の山バッジもこちらで買うことができます。※館内には食事処はありません

登山に行く時、一番気になるのがアクセスの良さや駐車場があるかどうかです。棒ノ折山が人気なのはこのアクセスの良さも関係しているかもしれません。電車でも車でも行きやすく駐車場の駐車スペースも広いので安心です。トイレも完備されていてありがたいです。

西武池袋線の飯能駅で下車し、飯能駅北口の2番国際興行バス乗り場で「名栗車庫行き」「名郷行き」「湯ノ沢行き」それぞれ、さわらびの湯を経由するのでそのバスで45分ほどで到着します。1時間に1～2本程度の本数で片道運賃は620円です。帰りの時刻表も確認し、乗り遅れないように余裕をもって下山しましょう。

圏央道狭山日高ICから県道347号・国道299号を経由して県道70号を名栗方面へ。駐車場はさわらびの湯の駐車場が150台分あり無料で停められます。駐車場から棒ノ折山登山口までは歩いて30分程です。名栗湖を見ながらのんびり歩くのがおすすめ。

ご紹介してきたように、週末の日帰り登山にも最適な棒ノ折山。色んな季節で様々な表情を見せてくれます。どの季節も素敵ですが特に綺麗な紅葉の山を登る時期がおすすめです。少し肌寒いぐらいが登山をするにはちょうど良く、紅葉した山をゆっくり散策しながら楽しめるからです。棒ノ折山の山頂は遮るものがないため防寒具をしっかりと準備して温かい飲み物を飲んだり食べたりしながら絶景を堪能してください。