広島の方言はかわいい？特徴や意味などを標準語と比較して徹底解説！

グルメはお好み焼き、プロ野球はカープと何かと話題の広島県ですが、広島の方言はご存知ですか。広島出身の芸能人も多く、近頃ではテレビなどでも耳にする機会が増えています。広島の方言はかわいい、いや怖いなどいろいろ言われていますが、果たして本当でしょうか。今回は広島の方言を標準語と比較しながらご紹介します。

広島といえば、ここ最近ではプロ野球で話題になったことが多いかと思います。広島には広島東洋カープという球団があり、最近では20数年振りのリーグ優勝もありテレビでも多く報道されました。では盛り上がりを見せている広島では一体どのような方言がつかわれているのでしょうか。

広島の方言は語尾に特徴のあるものが多く、男女問わず使われるもの、どちらかが使うことが多いものどちらも存在しています。また広島独特の方言もあれば、隣り合わせの都道府県である山口県や岡山県など、中国地方全体で使われている方言も見受けられます。広島県に行くとそのような方言を使った広告などを多く見つけることができます。

また広島の方言は全国の方言の中でもかわいいと言われることが多いのも特徴の一つです。ある統計などではかわいい方言のベスト5に入る実力を持っているそうで、女の人が使うと良い武器になりそうです。ではここからは本当に広島弁はかわいい方言なのか、そしてどのような方言があるのかを詳しくみていきましょう。

広島の方言1つ目は「わし・うち」です。これは一人称の言い方で、「わし」が標準語で「僕・俺」などの意味で、「うち」が「わたし」という意味になります。うちは若い女の子が使うことも多いですが、わしは若い人よりは少し年配の方が使うことが多い印象です。わし、うちを方言で使う都道府県は他にも存在しています。

広島県のお隣である山口県、岡山県、遠く離れたところでは青森県などの東北地方の都道府県でも、この方言は使われているようです。岡山県といえばお笑い芸人の千鳥がよくネタやトークの中で「わし」などの方言を使っているので耳にすることが多いのではないでしょうか。広島、また中国地方などでよく使われる特徴のある方言です。

広島の方言2つ目は「〜じゃけん」です。この方言は語尾や言葉の途中のつなぎ言葉で使われます。標準語では「〜だから」の意味になります。これもわし、うちに続いてテレビなどでもよく紹介される特徴的な方言です。使用例としては広島弁で「じゃけん言うたでしょうか」＝標準語で「だから言ったでしょう」などがあります。またじゃけんの語尾はじゃけえなどに変化するという特徴もあります。

活用例としては広島弁で「わしは広島出身じゃけえ東京のことはようわからん」＝標準語で「僕は広島出身だから東京のことはよくわからない」などがあります。語尾のじゃけんは若い人をはじめ年齢が上の人にも幅広く浸透している印象を受けます。特に女の人が使うとかわいい雰囲気になることもあるようです。語気を強めれば怖い雰囲気も感じます。

広島の方言3つ目は「〜しんさい」です。この言葉の意味は標準語で「〜しなさい」になります。これは女の人が使うかわいい言葉というよりかは、お母さんが子どもを叱るときなどに使うことが多い方言です。例えば広島弁で「はよ学校行きんさい」＝標準語で「早く学校に行きなさい」であったり、広島弁で「はよしんさい」＝標準語で「はやくしなさい」という意味で使われたりします。

このように何かを注意したり、何かを促したりするときに使われることが多い方言です。お母さんが語気を強めて「はよ行きんさいや！」などと言うと少し怖い印象です。どちらかというと女の人が使うことが多いイメージです。あまりかわいい方言ではない、と書いてしまいましたが、言い方によってはこの方言もかわいく聞こえるのかもしれません。

広島の方言4つ目は「いけん」です。ここでは「行けない」という意味でなく、「〜してはだめ」という意味です。例えば広島弁で「それはいけん」＝標準語で「それは（しては）だめ」といった風に使われます。広島弁では語尾に「じゃ」をつけることが多いので合わせると、「それはいけんじゃろ」つまり標準語では「それは（しては）いけないでしょう」などと言うこともあります。

さらに「いけん」の意味を調べていくと「いけない」の意味もあります。「行けない」とは別物です。例えば広島弁で「はよせんといけんのんじゃろ」＝標準語で「はやくしないといけないのでしょう」という意味になります。なんだかややこしいですが、「いけん」は複数意味があり便利な広島弁です。

その他にも特徴的な広島の方言はたくさん存在しています。木のささくれなどが手の指に刺さってしまったとき、その刺さってしまったものをなんと言うでしょうか。標準語ではよく「トゲ」といわれますが、広島の方言では「すいばり」といいます。「すいばりがささった！」といって相手に通じたら、相手の人は広島出身かもしれません。

高いところにあるものを取りたい、でも手が届くか届かないかと言うとき、広島弁では「届く」を「たう」、「届かない」を「たわない」ということがあります。「手がたわん」と言われたら「手が届かない」という意味です。また体がしんどいとき、広島弁ではしんどいことを「たいぎい」と言います。これは武士などがねぎらいで使う「大儀であった」が語源ではないかと言われる特徴的な方言です。

その他にもいまではあまり使われませんが、語尾で「〜でがんす」という広島の方言もあります。今ではほぼ使われることはありませんが、広島出身の人であれば一度くらいは聞いたことのある言葉です。これらの方言が通じた際は、その人は広島県出身、もしくは中国地方出身の人かもしれません。

では広島の方言は果たしてかわいいでしょうか、それとも怖いでしょうか。これははっきり言って方言の言い方、語気の強さなどが大きく関係していると思われます。例えば有名な映画・仁義なき戦いでは舞台が広島のため、強面で怖い俳優の方々が揃って「じゃけえ」などの広島弁の語尾で喋ります。テレビなどで広島弁を紹介する際もその場面が使われることが多々あります。

広島弁が怖いと言われるのは、そういった映画などのイメージの影響もあると言えるでしょう。たまにスポーツ観戦など熱くなる場面では語気が強まり怖い広島弁が聞けることもあります。かわいいにも同じことが言えるでしょう。言い方などによってかわいい雰囲気が出ることもあります。かわいいや怖いといった意見は言い方やイメージが大きく影響しているからと言えるでしょう。

近頃では広島出身の有名人も多く、まれにテレビで広島の方言を聞くこともできます。例えば3人組のアーティストであるPerfumeは特にあ〜ちゃんが広島弁をしゃべることが多いです。あ〜ちゃんの方言は聞いていてとてもかわいいです。その他にも方言をあまり聞くことはないですが、多くの有名人がいらっしゃいます。

奥田民生、綾瀬はるか、吉川晃司、島谷ひとみ、アンガールズなどなど、調べてみるとアーティストの方が多い印象を受けました。アーティストの方になると、コンサートやライブで故郷の広島弁を使うことがあるかもしれません。もしかしたら、応援している人が広島出身ということもあるかもしれません。気になった方はぜひ調べてみてください。

いかがでしたか。広島の方言はいまでも使われているものが多く、中国地方など広い範囲で共通のものも多くあります。語尾の言い方や語気の具合によってはかわいい、怖いと同じ言葉でも全くことなる雰囲気を感じることができるなんとも味のある方言です。広島に行かれた際は地元の人がしゃべる広島弁にもぜひ耳を傾けてみてください。