一幸庵で本物のわらび餅を！海外のパティシエも魅了する和菓子の名店をご紹介！

東京の茗荷谷駅付近にある和菓子店一幸庵をご存知でしょうか。この和菓子店は日本の和菓子好きに愛されていることはもちろん、海外のパティシエも勉強に来るほどの名店として知られています。見た目のきれいさや上品な味わいが堪能できるので何度でも訪れたくなるお店です。今回は一幸庵の和菓子と店主の水上さんについて紹介致します。

一幸庵は創業40年を超える和菓子店で、和菓子好き、甘味好きの人が1度は訪れるという茗荷谷にある和菓子の名店です。有名な和菓子職人である水上力さんの見た目も味も絶品な和菓子を堪能することができます。水上さんの作るおしゃれな見た目と上品な味の和菓子は、日本のみならず海外のメディアでも取り上げられるほどの人気店です。

一幸庵の店主である水上力さんには和菓子職人の父がいましたが、和菓子については父からは学ぼうとせずに、京都と名古屋の和菓子店で5年間の修行を積み、28歳の時に一幸庵を創業しました。創業してから売れない時期が10年ほどあったものの、水上力さんの創業してからも技術を磨き、今では日本を代表するほどの人気の名店となりました。

40年以上和菓子職人を続けている水上さんですが、近年では洋菓子の方が当たり前のように食べられていて、和菓子を食べることが非日常的となっていることに危機感を感じ、どのようにすれば和菓子を食べることが当たり前になるようになってくれるかを考えているそうです。普段から甘いものを口にし、新商品の開発へ余念がありません。

そのため一幸庵ではクリスマス、ハロウィン、バレンタインなど一見和菓子と関連がなさそうなイベントにも限定の和菓子や普段からある和菓子の飾りつけをクリスマスツリーや雪ダルマ、ジャックオーランタンに変えたり、バレンタインで渡すようにラッピングや中に万葉集の恋愛を綴った歌のメッセージカードなどの工夫がされています。

一幸庵で最も人気な和菓子はわらび餅です。わらび餅1つ400円程度となっていますが、わらび餅を食べた人はもう1度食べたい、知人に食べてもらいたいと、何度でも買いに来てしまうほど絶品です。わらび餅はわらび粉の保存が難しい等の理由より、一般的にサツマイモや葛を原料として作られますが、一幸庵ではわらび粉が使用されています。

一幸庵のわらび餅は持ち上げてみると柔らかく、どこまでも伸びていきそうになりながらも、千切れずに弾力を保っており、いざ食べてみると柔らかく滑らかで口の中で溶けていくようです。さらに中にある餡もわらび餅と合わさり、口の中で消えていくような食感を堪能できます。この感覚が癖になり、何度でも味わいたくなる人が多いです。

一般的にわらびを使用しないのには理由があり、わらびが高額であること、わらび粉はわらびからわずか3%程度しか入手できないこと、わらびはあまり保存できないことと、コストパフォーマンスに問題があるためです。しかし水上さんの美味しいわらび餅を食べてもらいたいという熱意により、厳選されたわらびを原料として作られています。

一幸庵といえばわらび餅というイメージがありますが、わらび餅の他にも魅力的な和菓子が多くあります。最中や栗きんとん、水羊羹のようなオーソドックスな和菓子はもちろんのこと、栗蒸し羊羹や花びら餅といった和菓子店ではなかなかお目にかかれない和菓子もあります。様々な和菓子のある一幸庵の中でも人気な和菓子を紹介致します。

一幸庵のあざぶ最中は1つ1つの皮と餡が別々に包装されており、食べる時に自分で餡を皮で挟みます。皮は焦がしの香りがしてパリパリとした食感で、中の餡は羊羹のように固形化されていて甘さが控えめで、この2つが合わさることによって、和菓子特有の繊細な味わいが堪能できます。自分で挟むことに面白さを感じ再び買う人も多いです。

大きな栗の入ったくり羊羹とふんわりした蒸しパンを1度に食べられる一幸庵オリジナルの人気和菓子の1つです。大きな栗を蜜煮し、羊羹の中にたっぷり加えた甘みの強い栗羊羹にふわふわの蒸しパンの違った食感が絶妙にマッチします。他の和菓子よりも濃厚な甘さを堪能できる和菓子となっているので、甘いものが好きな人にはおすすめです。

期間限定で販売されている花びら餅です。販売期間1/31までとなっております。オリジナルの和菓子の多い一幸庵ですが、その中でも牛蒡や味噌を使用した一風変わった和菓子です。柔らかい生地に小豆汁を合わせて作った桜色と白い生地で、2本の牛蒡と白味噌仕立ての餡を包んだもので、風味、食感、味と全てが新感覚な和菓子です。

一幸庵が40周年を迎える際にIKKOANという本が出版されました。IKKOANは2015年の11月に出版され、七十二候という日本古来の暦をテーマにして、72通りの和菓子で表現しており、水上さんの40年以上の和菓子職人としての技術が詰まっている本です。この本を読むと一幸庵への理解が増え、また変わった味わいができるようになります。

風が氷を溶かす東風解凍という2月の暦から始まり、寒さのなかで雌鶏が卵を産み始める鶏始乳という時期といった日本独特の季節の移り替わりについて、1つ1つの時期の事象や風景のを和菓子で表現しています。和菓子を日本画や俳句、和歌のように日本の伝統として伝えることで、和菓子の現在の厳しい状況を変えられると考え作られました。

今回のIKKOANというブランドブックを企画したのは一幸庵の店主である水上さんではなく、一幸庵の和菓子が幼いころからのファンだった南木隆助さんというクリエイターによって企画されました。水上さんの和菓子の未来を考えた結果、和菓子の美しさを伝える、和菓子の姿を後世まで残すという目的のためにIKKOANが出版されました。

水上さんは人とお話をするのが好きで、お客さんに和菓子の作り方や技術についてお話をしてくれます。お客さんとのお話をしているときに、ここの和菓子を彼女へのプレゼントとして贈りたいというお話をした際には、伊勢物語にある旅先で大切な女性を思い起こすという意味の和歌に登場するかきつばたをおすすめしてくれたといいます。

一幸庵の和菓子は自らが食べるだけでなく、家族や友人、恋人へのお土産としてもおすすめです。水上さんの作る和菓子は味はもちろんのこと見た目もおしゃれに仕上がっているので、喜んでもらえると人気があります。さらに一幸庵では上記の通り季節ごとのイベントも行っているので、和菓子をお土産にしたいなら一幸庵がおすすめです。

一幸庵から茗荷谷駅の距離は300mもないので、徒歩で向かうことがおすすめです。一幸庵は茗荷谷駅から徒歩5分で着くことができます。都営バスで茗荷谷駅に向かった場合は徒歩3分となっています。池袋や文京区立第一中学校やテニスコートや文京区立竹早公園、などが近くにあるため、ふとした帰りに寄ってみるのもいいかもしれません。

住所:東京都文京区小石川5丁目3-15 電話番号:03-5684-6591

今回は茗荷谷にある名店一幸庵について紹介してきましたがいかがでしょうか。今回紹介した以外にも栗きんとんや水羊羹などの和菓子も人気で、さらに水上さんは常に新しい和菓子を研究している人なので、ふらっと立ち寄ってみるとまた新しい和菓子が増えているかもしれないので、機会があればぜひ一幸庵に立ち寄ってみてください。