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美しいドイツの天空の城「ホーエンツォレルン城」
南ドイツに、ドラゴンや囚われのお姫様がいてもおかしくないような、まるでロールプレイングゲームに出てきそうなお城があります。その名もホーエンツォレルン城。山頂に凛と聳え立ち、雲海に浮かぶその姿は幻想的で美しく、天空の城とも呼ばれています。今回はドイツのホーエンツォレルン城の行き方や歴史、料金や見どころについてご紹介します。
ドイツの三大名城とは
ドイツにはおとぎ話から出てきたようなお城がたくさんありますが、その中でも「三大名城」又は「三大美城」と呼ばれる有名なお城が「ノイシュバンシュタイン城」、「エルツ城」、そして「ホーエンツォレルン城」の3つです。美しい古城が多いドイツにおいても、特に美しいと評判で、歴史も古く見どころも多いとあって多くの観光客で賑わっています。
シンデレラ城のモデル「ノイシュバンシュタイン城」
ドイツで一番人気と言っても過言ではないノイシュバンシュタイン城は、シンデレラ城のモデルと言われていて、山頂に聳える美しい白亜のお城は、まさにおとぎ話の中のお城そのものです。日本人にとってもドイツの観光名所として有名で、毎年140万人以上の観光客が訪れます。
ノイシュバンシュタイン城を見るにはマリエン橋からの景色が最も絶景と言われていますが、冬場は雪で橋への道が通行止めになることもあります。
ノイシュバンシュタイン城への行き方は、日本から直行便の出ているミュンヘンから電車でフッセンへ移動。そこから更にバスに乗り、ノイシュバンシュタイン城の麓にあるホーエンシュヴァンガウ村に行き、そこからは徒歩、もしくは馬車でノイシュバンシュタイン城へ行きます。日本からのツアーも多い人気のお城です。
難攻不落の「エルツ城」
モーゼル川近く、人里離れた深い森の奥で観光客を出迎えるのは、長い歴史の中、一度も侵略を許したことがないという難攻不落の城「エルツ城」。
最寄駅からは約90分のハイキングコースがあり、景色を眺めながらゆっくりとお城に向かう方法もありますが、アクセスしにくい場所にあるので、週末限定のバスを利用する他、現地ツアーを利用して観光するのもおすすめです。
エルツ城への行き方は、日本から直行便の出ているフランクフルトから電車でモーゼルケルン駅に移動。そこからエルツ城まで5kmの道のりを歩くかバスを利用するかになります。
ホーエンツォレルン城への行き方
ホーエンツォレルン城はドイツ南部のシュヴァーベン高原にあるお城です。日本人が耳にするドイツの街と言えば、フランクフルトやミュンヘンですが、ホーエンツォレルン城が建つシュヴァーベン高原はどの町にあり、どう行けばいいのか、すぐ思い浮かぶ人は少ないと思います。
せっかくドイツに行ったなら、ぜひ観てみたいドイツ三大名城。日本からの直行便の有無も含め、ホーエンツォレルン城への行き方をご紹介します。
日本からの直行便は出ていない
まず、日本からホーエンツォレルン城があるドイツの町への行き方をご紹介します。ホーエンツォレルン城に最も近い空港があるのはドイツ南西部の中心地、シュトゥットガルト空港になりますが、残念ながら日本からの直行便は出ていません。
日本からホーエンツォレルン城への行き方はとしては、まず直行便のあるフランクフルト空港かミュンヘン空港経由になります。そこからは空路でシュトゥットガルト空港へ行くか、ドイツ高速鉄道ICEを利用してシュトゥットガルトへ行く、この行き方が最もストレートな行き方となります。
最寄駅からはバスかタクシーで移動
シュトゥットガルトから更に移動してホーエンツォレルン城へ向かいます。ホーエンツォレルン城の最寄り駅はヘッヒンゲン駅で、シュトゥットガルト中央駅から直通の快速電車で約1時間30分です。
ヘッヒンゲン駅からホーエンツォレルン城へ向かうには、バスを利用します。行き方として、駅からの公共交通機関アクセスはバスのみになり、時間が合わなかったり乗り過ごした場合にはタクシーでの移動になります。
ヘッヒンゲン駅からホーエンツォレルン城までバスで約20分程かかります。歩けない距離ではありませんが、事故防止の為にもバスかタクシーの利用をおすすめします。
バスを利用する際には注意が必要
ホーエンツォレルン城への行き方としてバスを挙げましたが、このバスを利用する際に注意することがあります。駅からホーエンツォレルン城に向かう路線バスは平日は1日に2本のみ、土日祝でも1日に4、5本しか運行していないので、乗り損ねないよう注意して下さい。
基本的に、ヘッヒンゲン駅に向かう電車も1時間に1本程度という本数なので、バスの時間ギリギリに到着するよりも、少し余裕を持って早めに到着しておけば安心です。又、海外の公共交通機関の運行は必ずしも時間通りとは限らず、多少の遅れは日常茶飯事なので、復路の時間も余裕を持って移動計画を立てることをおすすめします。
バスの料金やドイツでの移動に便利なチケット
バスの料金は大人片道2.4ユーロ、日本円で約311円です。バスの1日券は4.2ユーロ、日本円で約544円ですので、バスで往復すると考えると、1日券を購入した方がお得になります。
シュトゥットガルトから鉄道とバスでホーエンツォレルン城へ向かう場合は、鉄道とバスどちらにも使えるバーデンヴュルテンベルグ州乗り放題で料金が1人24ユーロ、日本円で約3111円というお得なチケットもありますので、ぜひ利用してみて下さい。
ホーエンツォレルン城の駐車場に着いたら次に目指すはお城の入口
ヘッヒンゲン駅から乗車したバスやタクシーは、ホーエンツォレルン城の駐車場に到着します。そこから入口までの行き方は2つあります。
1つ目はハイキングがてら徒歩で向かう行き方です。標識があり、徒歩で25分程と書いてありますが、体調に問題のない大人の足で行けば15分から20分程で到着します。
2つ目は有料のシャトルバスを利用する行き方です。急な坂道や階段が続くので、足の悪い人や体調が万全でない場合はシャトルバスがおすすめです。駐車場から入口までを往復運航していて、運行時間は9時から17時30分で冬季は10時から17時30分です。料金は大人片道2.2ユーロ(日本円で約285円)で、往復3.3ユーロ(日本円で約427円)です。
ホーエンツォレルン城観光には現地ツアーも便利
旅行慣れしている人はまだしも、初めて行く場所に不安を覚える人には、現地ツアーも便利でおすすめです。フランクフルトやミュンヘン集合で、英語ドライバーガイド付きでホーエンツォレルン城の観光ができます。ネット検索すると、滞在ホテルへの送迎付きの現地日帰りツアーがたくさん出てくるので興味がある人は調べてみて下さい。
山城ならではのホーエンツォレルン城の絶景
標高800m超えの山の上に建つお城とあって、ホーエンツォレルン城観光の最大の見どころは、何と言ってもその景色です。遮るものは何もなく、360度見渡せる周囲の景色はまさに壮観の一言です。ホーエンツォレルン城自体もドイツ三大名城の一つと謳われる美しさで、緑歌かな周囲の景色に凛と佇む美しい古城は、ただただ絶景としか言い表せません。
ホーエンツォレルン城の美しい建築様式
ホーエンツォレルン城の歴史は古く、建設された時期は大体11世紀頃と言われていますが、正確な記録は残っていません。1423年にシュヴァーベン自由都市から来た舞台に包囲、占拠され、完全に破壊されてしまいます。その後修復を重ね、現在のホーエンツォレルン城は三代目となります。
ホーエンツォレルン城の所々に見られるネオゴシック様式の美しい造りの他、現存する15世紀の建物もあり、美城と呼ばれる所以の見どころもたくさんあります。
跳ね橋と門で幾重にも守られる造り
最初の城門であるプロイセン王国の鷲の紋が彫られた「鷲の門」を潜ると、カーブを描きながらなだらかな坂道が続きます。そして、ファンタジー映画に出てくるような歴史を感じる小さな跳ね橋のある2つ目の門、2人の番人の像が守る3つ目の門、最後の門となる城門棟と、坂道を三周ほどぐるぐると回るとホーエンツォレルン城上部に着きます。
お城の上部へ続くこの坂道は、跳ね橋と門で幾重にも守られている造りになっていて、19世紀の城塞建築技術の名作として高く評価されています。
カーブは楽に上る為のポイント
城門からホーエンツォレルン城上部へと続く道が階段ではなくカーブになっているのは、山城ならではの理由があります。鷲の門からホーエンツォレルン城上部までは約25mの高さがあり、建築当時の交通手段である馬車や荷物を運ぶ為の荷車がその傾斜をより楽に上ることができるよう、計算されて楕円形に回りながら上る形に作られています。
唯一残った15世紀の建物
ホーエンツォレルン城の外観を眺めていると、一か所だけ他の部分と色が違う建物に目が留まるはずです。それこそが、ホーエンツォレルン城の歴史を今に伝えるカトリック教会です。
ホーエンツォレルン城は15世紀に破壊、再建を経てその後荒廃していき、廃墟化しましたが、このカトリック教会だけは唯一15世紀の姿のまま現存する、ホーエンツォレルン城最古の建物です。
ホーエンツォレルン城の歴史
ホーエンツォレルン城の歴史は11世紀まで遡ります。13世紀にはシュヴァーベン地方の城の中で最も豪華な城郭であると記録されていますが、先述した通り、一代目のホーエンツォレルン城は1423年にシュヴァーベン地方の内戦で完全に破壊されてしまいました。
1454年に強固な城を作るべく、二代目となるホーエンツォレルン城が再建されました。ハプスブルク家、フランス軍、再びハプスブルク家と所有者が変わり、1798年にオーストラリア人の最後の所有者が去った後は放置され、廃墟となりました。
プロイセン王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の命で再びホーエンツォレルン城の再建が行われました。ベルリンの優れた建築士フリードリヒ・シュテュラー監修の下、イギリスやフランスのゴシック様式の建物に基づき、15年をかけて修復作業を行い、1867年10月3日にネオゴシック様式の豪華で印象的な三代目のホーエンツォレルン城が完成しました。
ホーエンツォレルン城は歴史に名を遺すプロイセン王やドイツ皇帝をも輩出したドイツ屈指の名門ホーエンツォレルン家の居城でした。現在の所有者もドイツ最後の皇帝ヴィルヘルム2世の直系子孫が所有、管理をしていて、城博物館として一部を公開することで、その歴史を後世に伝えてくれています。
まるでタイムスリップしたような気分に!ホーエンツォレルン城の美しい中庭
最後の門である城門塔を潜った先に広がるのが、中庭です。この中庭をぐるりと囲む形で建物が建っています。先の尖った幾本もの塔にあちこちにツタの絡まる様子は、中世ヨーロッパを思わせます。薔薇の季節になると、中庭の美しさを更に華やかに彩ります。
ホーエンツォレルン城の中庭はその美しさから、映画の撮影に使われることもあるそうです。又、ユニバーサルスタジオジャパンのハリーポッターエリアはドイツの古城をモデルにしているとされ、ホーエンツォレルン城の中庭を見てハリーポッターの世界を思い浮かべる日本人観光客も多いようです。
中庭には実際に使われていたという小ぶりの大砲もあり、大砲の付け根部分にはプロイセン王家を表す鷹のモチーフが施されています。
中庭の中心に立ち、周囲を見渡してから塔を見上げると、まるでタイムスリップしたような感覚が味わえます。建物や大砲の土台の腐食、金具の錆にさえも歴史を感じ、美しいとさえ感じられます。
城内の見学はガイドツアーのみでの見学
城内の見学は有料のガイドツアーのみでの見学となります。料金は入場チケット購入時に同時に支払ってガイドツアーに参加するシステムです。基本的にドイツ語でのガイドとなりますが、日に何度かは英語でのガイドも行われます。
又、フリーウォークの日も設けられていて、各部屋にスタッフがいて説明をしてくれる上に日本語のガイドブックの貸し出しもあり、自分のペースで自由に見て回れます。
ホーエンツォレルン城の見どころ1:門のレリーフ
ホーエンツォレルン城の見どころはたくさんありますが、まず最初の門である鷲の門を見上げてみて下さい。颯爽と馬に乗ったブランデンブルク選帝侯フリードリヒ1世のレリーフは美しく、今にも動き出しそうな躍動感があります。
更にその上にはプロイセン王国の鷲の紋と「岸壁から海まで」という文字が彫られています。これは851年に定められたホーエンツォレルン王家から与えられる勲章に書かれている標語だそうです。
ホーエンツォレルン城の見どころ2:城下に広がる絶景
次に紹介するホーエンツォレルン城の見どころは、ヴィルヘルム2世が「ホーエンツォレルン城からの眺めはまさにここまで旅をする価値がある」と称賛した、城下に広がる絶景です。見晴らしの良い稜堡から眺める田園風景は素晴らしく、快晴時はツェラー・ホルン山や「黒い森」と呼ばれるシュヴァルツヴァルト地方まで見渡すことができます。
自然の風景の美しさは、移り行く時間の中で表情を変える様子も見どころです。特に、西の空が赤く染まるのに合わせて刻々と変化していく夕刻の景色は、思わず涙が浮かぶ程、幻想的な光景です。西日を受けて輝くホーエンツォレルン城も美しいので、時間が許すのであれば、ぜひホーエンツォレルン城から夕景を眺めてみて下さい。
ホーエンツォレルン城の見どころ3:城内の豪華な広間
次に紹介するホーエンツォレルン城の見どころは、ガイドツアーで見学できる城内の煌びやかな広間の数々です。管理するヴィルヘルム2世の直系子孫の一族が現在でも一時滞在や晩餐会に利用するとあって、内部は撮影禁止となっています。又、大理石保護の為にフェルト製のスリッパを履いて見学するので、転ばないよう注意が必要です。
壁を埋め尽くす「家系樹の間」
まず入って圧倒されるのが、玄関ホールの巨大な壁一面に樹のように描かれている家系樹、つまり家系図です。ガイドでは1027年のフリードリヒから現在に至るまでのホーエンツォレルン家の家系図の説明が受けられますが、ドイツ語が分からなくてもホーエンツォレルン家の壮大な歴史を感じることができます。
シャンデリアが美しい「伯爵の大広間」
祝賀の間とも呼ばれる伯爵の大広間は、ホーエンツォレルン城で最も広く豪華な部屋で、青と金の装飾が美しく、栄華の息吹を感じられます、床はホーエンツォレルン家の紋章の色である白と黒で飾られています。高い天井で一際目を惹く大きなシャンデリアは現在でも祝賀会やコンサートの際、ろうそくに火が灯されるそうです。
青で統一された「王妃の間」
王妃の為にと作られたこの部屋は全ての調度品が青で統一されているので、「ブルーサロン」とも呼ばれています。美しい手彫りの彫刻が施された天井や壁紙には金がふんだんに使われていて、床の模様も五種類の木材を組み合わせて美しい模様を描いています。壁にはホーエンツォレルン家出身の選帝侯妃たちの肖像画が飾られています。
ホーエンツォレルン城の見どころ4:宝物館
ホーエンツォレルン城所蔵コレクションとして歴史的価値の高い美術品を展示している宝物館も、必ず訪れたいスポットです。
特に見どころなのが、160個のダイヤと大粒のブルーサファイアで飾られた豪奢な王冠です。ドイツ最後の皇帝ヴィルヘルム2世のもので、他に類を見ない美しさです。
もう一つの見どころは、フリードリヒ2世の軍服と嗅ぎ煙草入れです。クネルスドルフの戦いで銃弾を受けたが、ポケットに入れていた嗅ぎ煙草入れが銃弾を跳ね返し、奇跡的に助かったという逸話があります。展示されている軍服は実際に着ていたもので、銃弾を受けた際に空いた穴があり、生々しく歴史を伝えてくれます。
ホーエンツォレルン城の見どころ5:2つの礼拝堂
ホーエンツォレルン城には中庭を挟んで左右に2つの教会があります。その背景には、フリードリヒ・ヴィルヘルム4世が提案した再建プロジェクトがあります。
元々カトリック教会は残っていたのですが、現在の姿となる再建事業の莫大な費用を分家したプロイセン王家とシュヴァーベンの2つの侯爵家とで負担することになりました。その際持ち上がった宗教上の違いの問題を、カトリック、プロテスタント両方の教会を作ることで決着をつけたとされています。
実は、ホーエンツォレルン城には3つの教会があります。1つ目はカトリック教会、2つ目はプロテスタント教会、この2つは内部の見学が可能ですが、3つ目のロシア正教会は内部非公開となっています。
カトリック教会・聖ミヒャエル礼拝堂
教会の礼拝堂はそれぞれ見学が可能です。15世紀から残っている、ホーエンツォレルン城最古の建物であるカトリック教会はやや小ぶりで、聖ミヒャエル礼拝堂はゴシック様式の簡素ながらも厳かな雰囲気の礼拝堂です。祭壇中央のステンドグラスは南ドイツ最古のもので、竜と戦う聖ゲオルグの像やホーエンツォレルン家最古の紋章等もあります。
プロテスタント教会・キリスト礼拝堂
カトリック教会の反対側に位置する大きな建物が、プロテスタント教会です。キリスト礼拝堂の内部は聖ミヒャエル礼拝堂とは対照的に、豪華なステンドグラスと装飾で、明るく華やかで、いかにも王室の礼拝堂という雰囲気です。
ホーエンツォレルン城の教会では結婚式を挙げることもでき、豪華でまさに王室ゆかりの教会という雰囲気のプロテスタント教会のキリスト礼拝堂は、特に人気があるそうです。日本でもホーエンツォレルン城でもウェディングプランを提案しているブライダルサロンがあるので、海外挙式を考えているカップルの方々は検索してみて下さい。
ホーエンツォレルン城の見どころ6:地下室とガセマッテ
ホーエンツォレルン城は元々王族の豪華な居住用のお城として建てられたのではなく、戦闘用のお城「ブルク」として建てられました。お城の入り口の橋が狭いのも砦や要塞として敵が侵入しにくい造りにしてある為で、最初の鷲の門からホーエンツォレルン城上部へ長く続くカーブの道沿いには、捕まえてきた捕虜の一時収容に使われていた牢屋も続いています。
戦闘用のお城「ブルク」とあって、地下には地下室とガセマッテ(装甲室)があります。地下へ続く階段を下りていくと、ひんやりとした地下室は備品倉庫になっていて、今では祝宴用の金銀細工やガラスの器、陶磁器等が展示されています。地下には近年発見されたという戦火の窮地を救った秘密の地下道があり、その地下道を通って地上に出られます。
地下室を更に下りていくと、お城が包囲攻撃されている間の守備隊の防護室、ドーム型のガセマッテがあります。囚人を収監する牢獄もあり、現在は観光用にライトアップされていますが、実際は真っ暗な地下空間となり、低い天井もあってかなりの圧迫感、閉塞感を感じる空間となっています。足元に十分注意して見学して下さい。
ホーエンツォレルン城の散策に疲れたら売店で一休み
ホーエンツォレルン城の散策に疲れた時には、中庭にある売店やセルフ式のカフェテリアで一休みして下さい。
売店にはポメスと呼ばれるフライドポテトや焼いたソーセージにケチャップやカレー粉をまぶしたカリーブルストといった軽食や、りんごジュースの炭酸割りであるアプフェルショーレやビールもあり、中庭のテーブルやベンチは持ち込みも可能です。
又、ホーエンツォレルン城内にはレストランもあり、本格的なドイツ料理を堪能することができます。レストランは予約可能なので、屋内できちんと食事をしたい場合は予め城内のレストランを予約しておくことをおすすめします。
ホーエンツォレルン城の営業時間や入場料金
ホーエンツォレルン城の営業時間や入場料金についてご紹介していきます。ドイツの古城を観光に行く際、気を付けなければいけないのが、冬季のオフシーズンです。オフシーズン期間中は開館時間が変更されているので注意して下さい。
同時に、ドイツでは鉄道やバスの遅延が日常茶飯事なので、せっかくホーエンツォレルン城のまで足を伸ばしたのに、閉館時間や復路のバスに間に合わないということが起こらないよう、移動には余裕をもって観光して下さい。
ホーエンツォレルン城の休館日はクリスマスイブのみ
ホーエンツォレルン城の営業時間は3月16日から10月31日までは10時から17時30分、冬季オフシーズンに当たる11月1日から3月15日までは10時から16時30分です。時間短縮日の営業時間は9月1日が10時から14時、12月31日が10時から15時、1月1日が11時から16時30分となっています。
ドイツではクリスマスイブは半祝日扱いで、お店に関しては午後若しくは夕方に閉店するのが一般的です。そして、12月25日のクリスマス当日は祝日扱いで完全休業します。
博物館や美術館は逆に、12月24日は閉館していて12月25日は営業しているので、ホーエンツォレルン城も12月24日のクリスマスイブは休館、12月25日のクリスマス当日は営業しています。
入場料はカテゴリー別
ホーエンツォレルン城の入場料金についてご紹介します。入場チケットはホーエンツォレルン城の駐車場、又は最初の城門である鷲の門横のチケット売り場で購入します。
入場料金はカテゴリー別となっていて、城敷地内のみのカテゴリー1が大人料金7ユーロ(約902円)、6歳から17歳までの子供料金が5ユーロ(約644円)です。城敷地内に城内の見学がついたカテゴリー2が大人料金12ユーロ(約1547円)、子供料金が6ユーロ(約773円)です。年金受給者、障害者、学生の料金は10ユーロ(約1289円)です。
ホーエンツォレルン城でクリスマスマーケットが楽しめる
ドイツにとってクリスマスマーケットは世界最大のものから最古のものまで、全国150ヶ所で開かれる一大イベントです。ホーエンツォレルン城でも、賑やかなクリスマスマーケットが開催されます。
ホーエンツォレルン城では毎年12月の第1、第2金曜日から日曜日にクリスマスマーケットを開催しています。開催時間は11時、若しくは14時から20時頃までとなっています。開催期間中はヘッヒンゲン駅から30分間隔で臨時のシャトルバスが運行されます。シャトルバスの料金込みで入場料は10ユーロ(約1289円)です。
クリスマスマーケットはイルミネーション輝く夜に最も賑わいます。古城のクリスマスマーケットとあって雰囲気も良く、ついつい長居してしまいがちですが、最終バスに乗り遅れないよう楽しんで下さい。
雲海に浮かぶホーエンツォレルン城が見たい場合は
ホーエンツォレルン城が天空に浮かぶ古城と呼ばれるのは、ただ山頂に建っているというだけでなく、山に雲海がかかればホーエンツォレルン城が空に浮かんでいるように見えるからです。その幻想的な光景はよく絵葉書にもなっていて、雲海に浮かぶホーエンツォレルン城の様子に観光を決める人も多くいますが、いつでも見られるというわけではありません。
日本の天空の城「竹田城」も同じですが、雲海が立ち込める時期と時刻が合わなければ雲海に浮かぶホーエンツォレルン城を見ることはできません。ホーエンツォレルン城が建つシュヴァーベン山に雲海が発生するのは、主に2月と11月の早朝です。
雲海に浮かぶホーエンツォレルン城の絶景を見る為には、ホーエンツォレルン城から南南東にあるツェラーホルン山の山頂の展望台に上る必要があります。ホテルZellersteighofからはなだらかな上り坂を30分ほど上れば絶景ポイントに着きます。早朝に雲海を見るなら、ホテルZellersteighofに前泊しておけば見逃すことはありません。
もちろん、雲海が発生する時期以外にツェラーホルン山の絶景ポイントに上がっても、緑豊かな山に凛と聳える美しいホーエンツォレルン城を見ることができます。展望台にはベンチもあるので、ゆっくりと絶景を楽しんで下さい。
実はホーエンツォレルン城は穴場の名所?
ドイツ三大名城の一つであり、雲海に浮かぶ幻想的な天空の古城ホーエンツォレルン城は歴史も古く、見どころもたくさんあるのに、日本ではあまり知られておらず、日本人観光客の姿もあまり見かけることはありません。
その最大の理由は、南ドイツの観光名所からやや離れていて、アクセスしにくいという点にあります。ノイシュバンシュタイン城のように日本からのツアーもあまり組まれておらず、穴場の観光名所でもあります。
しかし、行き方はドイツの主要都市から電車とバスを乗り継ぐのみです。確かに電車もバスも本数は少ないので移動時間はかかりますが、個人でもアクセスは可能です。
ドイツ三大名城ホーエンツォレルン城で絶景を楽しもう
以上、ドイツ三大名城の一つであるホーエンツォレルン城についてご紹介しました。雲海に浮かぶ幻想的な姿は時期と天候に恵まれた人のみが体験できますが、お城自体も美しく、お城からの眺めも見応えがあり、見どころもたくさんあるので、足を伸ばす価値は十分にあります。ドイツ旅行に行った際には、ぜひホーエンツォレルン城の絶景を楽しんで下さい。
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