魚を美味しくする「活け締め」の締め方を覚えよう!
釣った魚を美味しく食べたいと思った時に、やっておきたいのが「活け締め」(いけしめ)で、昔から行われている方法です。
活け締めは、何のために、どのような手順で作業をするのかをご紹介!活け締めのメリットや魚が美味しくなる理由も合わせてご紹介します。
「活け締め」をするメリット
釣ったばかりの魚を「活け締め」にすることで、いくつかのメリットがあります。それは、「新鮮さを長持ちさせること」「魚の旨味成分を増やす」「微生物の繁殖を防ぐ」があげられます。
活け締めは、最初は難しいかもしれませんが、様々なメリットがあるので、挑戦してみてはいかがでしょうか。
新鮮さを長持ちさせる
鮮度を保つには様々な方法がありますが、基本的には旨味成分を熟成させるために血抜きをしっかりすることです。さらに鮮度を保つ方法として、「神経締め」をして、さらに鮮度を落とさないようにする方法があります。
釣った魚を放置する時間が長いと、暴れる時間も長くなってストレスがかかります。ストレスがかかると、あっという間に鮮度が落ちてしまいます。
暴れた時に身体をあちこちぶつけると身割れやうっ血も起こり、鮮度が落ちる原因になるので、長時間放置するのは控えましょう。
魚の旨み成分が増える
魚の旨味成分は、魚の死後に蓄積されていくことが分かっています。旨味成分の材料となるのが「ATP」という物質で、死後に分解されていくことで、旨味成分が生成されていきます。
この旨味成分は、「イノシン酸」といい、ATPという物質が多いほど、この旨味成分が増えるということです。
ATPは、魚が暴れる時間が長くなったり、ストレスを感じることで、どんどん減っていきます。魚が暴れることで、疲労物質が増えてしまい、味の劣化が進んでいくのです。
微生物の繁殖を防ぐ
しっかりと血抜きをすることで、臭みを防ぐことができ、内出血を抑えることができるので、見た目もキレイになります。
魚の中の血が残っていると、微生物が繁殖してしまい、臭みや腐敗のもとになるので、魚の大きさが大きいほど、しっかりとした血抜きが必要になります。
魚の心臓が動いているうちに締める必要があり、完全に心臓が止まった状態になると血抜きができないためです。
魚の締め方には、いくつかあり、「神経締め」と「氷締め」があります。神経締めと氷締めの違いが分かると、釣れた魚の大きさや量によって、対処できるのではないでしょうか。締め方の違いを比べてみましょう。
「活け締め」と「神経締め」の違い
魚の締め方には「活け締め」と「神経締め」があります。活け締めと神経締めの違いが分かると、釣れた魚の大きさや量によって、対処できるのではないでしょうか。締め方の違いを見てみましょう。
「神経締め」は更に鮮度が長持ち
釣れた魚を締める方法の中に「神経締め」という方法があります。神経締めは、魚の頭に穴をあけて、そこからワイヤーを通していき、脊椎を壊していくことで、死後硬直を遅らせる方法をいいます。
そのため、旨味成分の元である「ATP」の減りを遅らせることができ、熟成を進ませることができます。熟成は死後硬直の後に始まり、「旨味を出すために寝かす」意味があります。
一般的な刺身は、熟成をする前に劣化してしまい、腐敗が始まってしまうのですが、神経締めをした場合は、身の劣化を遅らせることができるので、旨味に違いが出てくるようです。
一番シンプルなのは「氷締め」
氷締めは、シンプルな締め方で、最も簡単にできる方法です。海水に氷を入れて海水氷を作り、釣れた魚を入れて凍死させることで、腐敗を抑え、鮮度を保つ方法。
氷締めは、小魚をたくさん釣った時に向いている方法です。その場で活け締めをすることが難しい場合に氷締めをしておくことで、ある程度、鮮度を保つことができます。すぐに神経締めができない時におすすめの方法です。
「活け締め」の方法①準備
活け締めをするには、ある程度の準備が必要になります。活け締めに必要な道具を準備したり、手際よく作業を進めるために必要なことを調べてみました。しっかりと下準備をして、鮮度のある美味しい魚を頂きましょう。
活け越し
活け越し(いけこし)というのは、獲ってきた魚を生きた状態で2日から3日くらい置いておくことです。活け越しをすることで、胃の中の物や排泄物が無くなって、臭みが取れていきます。
魚自体のストレスも減るので身が締まるメリットもあります。絶対に活け越しをしないとならないわけではありませんが、活け越しができる状態ならやっておくことをおすすめします。
活け越しをする期間が数日というのが無理な場合は、数時間だけでもやっておくと、活け越しをしない場合と比べて違いがあるようです。
手袋・スポンジを用意
魚に手の体温を伝わらせることがないように、手袋をすることをおすすめします。直接魚を触って、手から体温が伝わることで、魚がストレスを感じてしまうことを防ぐためです。
魚の身体を傷つけないようにするために、活け締め用のスポンジやマットなど、柔らかいものを用意しておくと良いでしょう。魚を水中から出して、締めるまでの間に、暴れて身体を傷つけないようにするために使います。
魚は、思っているよりも繊細で、ストレスや傷にとても弱いです。できるだけストレスを与えず、傷つけないようにし、鮮度を落とさないようにしましょう。
「活け締め」の方法②やり方
活け締めは、その言葉の通り、活きたまま締める(生きたまま絶命させる)ことを言います。どのように作業を進めていくのかをチェックしておきましょう。慣れるまでは時間が必要ですが、チャレンジしてはいかがでしょうか。
延髄と動脈を断つ
魚が暴れて身を傷つけないようにするために、まず、延髄を壊しておきます。魚の眉間に向かって、先端の鋭利な刃物を差し込んで、脳を壊して絶命させるのです。
血抜きをするために、魚の一番大きな血管を切りますが、気を付けることがあります。エラの内側の膜を破ってから、血管を切ることです。エラを傷つけないように気を付けましょう。
完全に絶命するまで少しの間は心臓が動いているので、その動きを利用して血抜きをします。完全に絶命した後では、血抜きをするのは難しいです。
血抜きの仕方
大きな血管を切ったら、それで終わりではなく、血が出ている魚を冷水(海水)に頭から入れます。魚を冷水に入れる際に気を付けることは、絶命しているかどうか。絶命していないと、魚にストレスがかかり、鮮度が落ちていきます。
血抜きができているかどうかを確認するために、水から魚を出してみて確かめます。魚の大きさによって、血抜きの時間に違いがありますので、目安は水から出した時に血が滴り落ちなければ、完了しているサインです。
締めた魚の保冷方法
活け締めした魚の保存方法ですが、ただ冷やせばよいというわけではないのです。保冷の仕方は、魚の身を「直接氷を当てないようにする」こと。頭やヒレなどは、直接氷を当てても問題はありません。
魚の身を冷やし過ぎるのも、旨味成分を半減させてしまう原因となりますので、冷蔵庫の温度管理に気を付けましょう。
「活け締め」した魚の美味しい食べ方
活け締めをした魚を、さらに美味しい状態で食べたいと思いませんか?そこで、美味しい魚を頂くためのポイントをご紹介します。「熟成させること」「食べごろを見分けること」が、大切になるのではないでしょうか。
数日間置いて熟成させる
鮮度が命でもある魚の身。釣ったばかりの時の方が美味しいと言われることが多いのですが、意外にも「熟成させる」ことで、旨味成分が蓄えられて、美味しい魚を食することができるのです。
その熟成期間というのは、2日から3日くらいが目安とされています。熟成させるために必要なことは、「水と空気が直接当たらない状態」を保ち、管理することです。
できるなら、釣った後にすぐ食べたいと思ってしまいますが、魚の旨味を良い状態で食べるのであれば、熟成させることをおすすめします。コリコリとした食感を味わうのであれば、熟成をしなくても良いでしょう。
食べ頃の見分け方
活け締めをして熟成をさせた時、目安になる状態を知っておくと、食べ頃を逃さずに美味しい状態で頂くことができます。
食べ頃を判断する目安ですが、透明感のある透き通った状態から、少し色が変わってきている状態になっても、まだ透明感が感じられる状態になった時が食べ頃でしょう。
釣った魚は「活け締め」して美味しく食べよう!
釣った魚の活け締めするメリット、活け締めにする方法や違いなどをご紹介しました。活け締めにすることで、鮮度を保ち、熟成を進ませることで、美味しい魚を頂くことができます。
最初は戸惑いもあるかもしれませんが、経験値を上げることで、手早く作業ができるようになっていきます。思い切って、活け締めにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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