華厳の滝は飛び降り自殺で有名な心霊スポット！事件・事故や驚愕な体験談とは？

華厳の滝(けごんのたき)は栃木県日光市にある日本有数の観光地で、雄大な自然が楽しめる人気観光地ですが、実は飛び降り自殺や事件、事故が多い場所であったことから心霊関係の体験談が多く聞かれる場所でもあります。今回は華厳の滝の心霊スポットとしての側面についてご紹介します。

日本だけでなく世界から観光客が訪れる華厳の滝。日光市内にあり、アクセスも比較的容易なことから紅葉シーズンなどには周辺では日常的に渋滞ができるほどです。心霊スポットとしての華厳の滝についてご紹介する前に、まずは華厳の滝とはどのような滝なのかについてご紹介しましょう。

華厳の滝の水は中禅寺湖から流れてきます。中禅寺湖は日本一高いところに位置する湖で、噴火で出来上がったとされています。そして華厳の滝は、その日本一高いところにある湖から流れているので、高さはなんと97メートルにも及びます。

華厳の滝の上部では幅が約10メートル、水量は1秒間に約3トンにもなり、華厳の滝の近くに行くと落下してくる水の迫力は言葉では表現できないほどです。そして華厳の滝の水は大谷川へと流れます。

また、華厳の滝をよく見ると周囲の岩盤からは小さな滝が流れ落ちているのに気が付きます。小さな滝の数は12にもなり、総称して十二滝と呼ばれています。

そんな華厳の滝は、和歌山県にある那智の滝、茨城県にある袋田の滝と合わせて日本3大名瀑に数えられています。また、日光は滝が多い土地でもあることから、華厳の滝、湯滝、竜頭の滝と合わせて奥日光3大名瀑にも選ばれています。

ちなみに日光は華厳の滝以外にも観光名所が多くあり、その中でも華厳の滝を併せて訪れる人が多いのが日光東照宮です。

徳川家康が祀られていたり、世界遺産にも登録されていたり、見ざる言わざる聞かざるの存在などもあり、世界的にも有名です。華厳の滝から日光東照宮は車でアクセスすると約30分の距離にあります。

日光にあるこの美しい滝が華厳の滝と呼ばれるようになったのには諸説ありますが、現在一番強く支持されているのは華厳経が名前の由来であるという説です。

時代は奈良時代から平安時代にまで遡ります。当時、日光のこの地で修業をしていたのが勝道上人(しょうどうしょうにん)という名の僧です。上人は修行の一環で日光山に登ることを決意し、その登山の途中で滝に出会いました。

その滝のあまりの美しさ、荘厳さに感動した上人は、上人が信仰していた華厳経にちなんで華厳の滝と名付けたのです。ほかには滝の近くに以前あった華厳寺にちなんだ説、ヤシオツツジと呼ばれる花が滝の周辺に咲いていたからという説などがあります。

そんな華厳の滝が今のような観光地となったのは、1900年に星野五郎平という人が滝の近くで茶屋を始めたのがきっかけです。

滝の近くにある展望台まで行くと、滝の水しぶきを感じられるほど大自然を全身で感じられる華厳の滝。これだけ有数の観光地ながら、華厳の滝は心霊スポットとしても広く知られています。どのような経緯があって華厳の滝が心霊スポットとして注目されるようになったのでしょうか。

華厳の滝が心霊スポットとして知られるようになったのは、飛び降り自殺が多かったからだと言われています。事件については後の項目で詳しくご紹介しますが、華厳の滝での飛び降り自殺が初めて大きなニュースになったは明治時代の藤村操の自殺事件です。

有名人の夏目漱石に近いところにいた藤村操が飛び降り自殺をした場所として華厳の滝が知られ、後追いの飛び降り自殺もかなりあったとされています。

その後も飛び降り自殺や事件、事故が多発していたことから、いわくつきの場所として心霊スポットとされるようになりました。

華厳の滝の立地にも心霊スポットと呼ばれる理由があるとされています。避暑地としても人気がある日光は、夏でも湿度が比較的低く、最高気温が25度に満たないぐらいです。そのことから別名「関東の冷蔵庫」とも言われます。

そんな日光の中でも標高がかなり高いところにある華厳の滝ですので、日光市内に比べて気温が5度ほど低いです。華厳の滝に近づくと冷気が体を包むように漂っており、ぞくぞくっと寒気を感じる体験と飛び降り自殺事件が相まって、心霊スポットとなりました。

日本全国には心霊スポットが多くありますが、それらの多くはそこで事件や事故があったとされるが事実は不明だったり、特に事件は発生していなくても廃墟が恐ろしい雰囲気だから何かが出てきそうだという心霊スポットが多いです。

それに対し、華厳の滝は単にその冷気によって何か恐ろしいことが起こりそうだと思われているわけではなく、実際に事件や事故が発生しているのが注目したい点です。

華厳の滝が心霊スポットになったきっかけとして一番広く知られている事故、事件は藤村操の飛び降り自殺事件です。1903年(明治36年)に、藤村操は華厳の滝で飛び降り自殺をしました。

藤村操の年齢がわずか17歳の旧制一高の学生であったことはもちろんですが、日本を代表する作家である夏目漱石も関係していたことから飛び降り自殺の衝撃は瞬く間に日本全国に広まったのです。

藤村操は北海道出身です。大変裕福な家庭の出身で、飛び級をするほどの頭の良さもあり、旧制一高に入ってからは夏目漱石から直々に英語を習っていたほどでした。

超エリートコースを歩んでいた藤村操がどうして17歳という若さで飛び降り自殺をしてしまったのかについては謎のままですが、失踪する直前に夏目漱石に叱責されていたという目撃証言があり、それが直接の引き金になってしまったという説があります。

また、哲学的な理由により命を絶ったとするもの、失恋したので自殺をしたというものなどさまざまな説が語られていますが、真実のほどは誰にもわかりません。

藤村操の飛び降り自殺の理由は謎のままですが、実は飛び降り自殺をする直前に華厳の滝のそばに立っていたミズナラの木に遺書らしきものを残しています。

それが巌頭之感(がんとうのかん)と呼ばれるものです。ミズナラの木の表面をナイフで削り、そこに墨字で書き残してありました。

内容を要約すると「岩の上で深く考えてみたが、自然は雄大、時間は無限、小さな体で考えても真実は不可解である。恨みを持ち、悩んで苦しんだ挙句に死ぬことを決意し、岩の上に立つと、心には何の不安もなく、大いなる悲観は大いなる楽観であると知った」というものです。

現在では、この遺書とも言えるメモを元に、飛び降り自殺の原因は藤村操の哲学的な人生観によるものであるという説が一番有力視されています。

華厳の滝の側にこのミズナラの木はあったのですが、巌頭之感は事件直後に警察によって削り取られてしまいました。ミズナラの木自体も後に伐採されており、現在では写真として残っているだけです。

華厳の滝の売店には、この巌頭之感の写真を使ったポストカードが発売されており、心霊スポットを訪れた記念として人気のお土産です。

北海道からわずか12歳で単身上京するほどのエリートであった藤村操が飛び降り自殺を図った衝撃はかなり大きく、華厳の滝では後追いの自殺が多発してしまいました。

飛び降りの件数は、未遂も含めると藤村操の飛び降り後の4年間でなんと185名にも及びました。特に、藤村操と同じ年代の若者の自殺が多かったとされています。

飛び降り自殺や事件、事故が華厳の滝であまりに多くなったことから地元警察も見過ごすことはできず、周辺にはしばらく警官が配置されていたほどです。しかし、約40名ほどが実際に飛び降り自殺をしてしまったと言われています。

藤村操の飛び降り自殺とその後追い自殺という衝撃が、華厳の滝が飛び降りの名所と広く知られてしまうようになった一番大きなきっかけです。

そして、これだけの事件、事故が起こってしまうのは藤村操の霊が引き寄せているからだという話もいつからか広まり、心霊スポットとして華厳の滝が注目されるようになりました。

事件や事故が多発し、飛び降り自殺の名所として知られるようになった華厳の滝。明治以降も残念ながら飛び降り自殺を図る人や、それにまつわる事件、事故が頻発していました。

近年でも、2019年10月には埼玉県の高校生が華厳の滝で飛び降り自殺を図ってしまいました。これに対応する処置として、現在では飛び降り自殺ができないように華厳の滝には防護設備がほどこされています。

華厳の滝の水が流れ落ちるところにはフェンスが張り巡らされているほか、周辺には自殺を思いとどまるように促す看板が多数立っています。

飛び降り事件や事故が多発している華厳の滝。肝試し等で心霊体験を求めて足を運ぶ人も多く、心霊にまつわる噂や体験談もSNSなどで多くシェアされています。ここからは華厳の滝に関する心霊の噂や体験談をいくつかご紹介しましょう。

華厳の滝で一番多い体験談は心霊写真です。もともと風光明媚なスポットである華厳の滝ですので、訪れた人は必ずと言っていいほど華厳の滝を写真に収めます。

フィルムカメラ、デジカメ、スマホなど時代によって撮るカメラは異なりますが、撮った写真を見てみると、そこにあるはずもないものが写っているという体験談です。

華厳の滝で撮られた心霊写真には、滝つぼの水面に無数の顔が写っているというものがあります。旅行で訪れたカップルが華厳の滝をバックにして写真を撮ったら、滝つぼに無数の顔が写っており、大騒ぎになったという体験談です。

飛び降り自殺が多かった華厳の滝ですので、滝つぼに落ちて亡くなった人の霊が写り込んでしまったと感じ、この心霊写真を撮ってしまったカップルはお寺に持ち込んで心霊写真を供養してもらったようです。

日本全国には多くの心霊スポットがあり、そこでは心霊写真が撮れることは珍しくありません。しかし、華厳の滝特有の心霊写真として挙げられるのが、知らない足が写り込んでしまうというタイプです。

例えば、4人で写真を撮ったので足は合計8本のはずなのによく数えてみると10本あるなど、実際にはありえない足が写り込んでしまうのです。

さらに恐ろしいことには写り込んでいる足をよく観察すると現代の服装というよりも、自殺が多発した明治時代の服装をしているように見えます。このことから、これらの足は藤村操が飛び降り自殺をした時代に華厳の滝で亡くなった人の足ではないかと言われています。

時には足だけでなく、体の一部や顔も心霊写真に写り込むこともあります。事件や事故で亡くなってしまったものの、まだ華厳の滝に留まってしまっている人たちが写り込んでいるのでしょうか。

華厳の滝は日光を代表する観光地とあり、修学旅行や社員旅行などで訪れる人も珍しくありません。そして、滝をバックにして集合写真を撮る風景も日常です。

この集合写真が心霊写真だったという体験談が数多くあります。一例を挙げると、華厳の滝に修学旅行で訪れた40人のクラスが集合写真を撮りました。現像してみるとなぜか41人写っており、この増えた生徒がどのようにして写り込んだのか経緯はまったく不明だったという体験談です。

クラスの集合写真ですので自分の隣に知らない人が立っていたり、別のクラスの生徒が紛れ込んでいたとしたらすぐに気づくはずです。したがって、この増えた生徒は華厳の滝での事故か事件で亡くなってしまった人の霊ではないかと言われています。

華厳の滝を訪れた後に写真を確認してみたら心霊写真だったという体験談のほかには、実際に華厳の滝にいるときに何かが起こったというタイプの心霊体験談もあります。

その中でもなぜかよく似ている体験談があり、その一つが華厳の滝に行ったら老婆がついてきたというものです。仲の良いグループで心霊スポットを巡っていたとき、華厳の滝を楽しんだ後に車に戻ると急に霧が出てきました。

周囲が見えなくなるほどの霧だったので事故を起こしてはならないと思いしばらく車の中に留まらざるを得なかったのですが、霧が晴れてきてもなぜか車のエンジンがかからなかったのです。

ほぼ新車だったので無事故だったはずなのにどうしてこのタイミングでエンジンがかからなくなったのかは不明です。しばらくすると無事にエンジンがかかって帰路につこうとしたら、なんと後ろから老婆の霊が追いかけてきたという体験談です。

このように老婆の霊が車のあとをついてくるだけでも恐ろしい体験談ですが、中には滝から駐車場まで歩いている最中に老婆の霊が後ろからついてきたという心霊話もあります。

観光で日光を巡っていた夫婦が華厳の滝で写真を撮った後に車を停めているところまで歩いていました。ふと気配を感じて後ろを振り返ると霧が立ち込めており、いなかったはずの老婆が歩いてくるのです。

はじめは単に観光で訪れている老婆かと思っていましたが、どうみても観光客とは思えない明治時代のような服装をしていたり、どこまでも後をついてくるので怖くなって車まで走っていったという心霊体験談がシェアされています。

華厳の滝での心霊体験には、滝霊王を目撃したという体験談も多くあります。滝霊王というのは妖怪の一種で、不動明王の姿をしている妖怪という説、不動明王そのものであるという説があります。

日本だけでなく世界の滝つぼに現れるとされている妖怪で、特に人間に対して危害を加えるようなタイプの妖怪ではないとされています。

華厳の滝は高さが97メートルもあることから、いわゆる滝行を行うのは不可能です。したがって、水が流れてくるところに人影が見えるはずもないので、もし滝つぼに人影があったらこの滝霊王と呼ばれる妖怪が出現しているのかもしれません。

華厳の滝に関連する心霊の噂としては、自殺者が華厳の滝にとどまっているというものがあります。一般的に、病気などで死んでしまった人の魂は成仏できるのに対し、自殺で死んでしまった人の魂は成仏できず自殺を図った場所にとどまらざるをえないという話があります。

そのため、飛び降り自殺の名所である華厳の滝には、ここで自殺を図ってしまった人の魂がどこに行くことも出来ずにとどまっているという噂です。

また、このようにとどまっている自殺者の霊は、新たな自殺者を呼ぶとも言われます。人生について悩んでいるときに華厳の滝を訪れると、自殺者の霊に導かれるように飛び降りをしてしまうのです。

栃木県日光市にある華厳の滝。心霊スポットとして注目を集めている華厳の滝ですが、もちろんその絶景を求めて訪れる人も多く、日本人はもちろん海外からの観光客も多いです。

東京から華厳の滝までは約180キロの距離がありますが、日光有数の観光スポットということもあり、公共の交通機関でも車でもアクセスはしやすく、華厳の滝には駐車場も完備されています。

華厳の滝周辺には紅葉の人気スポットや日光東照宮などの観光地も多いので、ぜひ華厳の滝と併せて訪れてみてください。紅葉の名所であるいろは坂を通って華厳の滝に行ける車でのアクセスが特におすすめです。

華厳の滝は遠くからでもその絶景を眺められますが、華厳の滝の近くまで行くとマイナスイオンを感じられるのでおすすめです。華厳の滝には、滝を間近で眺められる展望台「観瀑台」があります。展望台自体は無料ですが、展望台まで行くエレベーターは有料です。

展望台へのエレベーターの料金は大人570円、小学生340円です。エレベーターの営業時間は基本午前9時から午後5時までとなっていますが、季節や当日の天候によって多少異なりますので華厳の滝に行く前には公式ウェブサイトでの確認がおすすめです。

エレベーターは、華厳の滝近くの岩盤の中を100メートルほど一気に降りていきます。所要時間は1分。1930年から稼働しているエレベーターはそれ自体もアトラクションとして人気です。

華厳の滝まで公共の交通機関でアクセスする場合の最寄り駅は、JRならば日光駅、東武鉄道ならば東武日光駅です。それぞれの駅から華厳の滝まではバスでのアクセスが可能です。

駅から東武バスの中禅寺温泉行き、もしくは湯元温泉行きに乗り、中禅寺温泉バス停で下車しましょう。駅から中禅寺温泉バス停までは約45分、バス停から華厳の滝までは徒歩5分ほどです。

華厳の滝へ車でアクセスする場合は、日光宇都宮道路清滝インターチェンジが最寄りとなります。インターチェンジで降りてからは、国道120号線を走って華厳の滝まで約15分です。途中には日光の名所いろは坂を通ります。

日本有数の観光地である日光ということもあり、特に紅葉のシーズンには訪れる人が多く、交通渋滞が日常的に発生します。ハイシーズンに華厳の滝を訪れる場合は時間に余裕を持って訪れるのがおすすめです。

華厳の滝には第1駐車場と第2駐車場があり、どちらも華厳の滝から徒歩で5分以内のところにあるので非常に便利です。

駐車料金はどちらも普通車が320円、バイクが100円です。第2駐車場にはレストランなどの施設が併設されているのでハイシーズンには早い時間に満車になることが多いです。

風光明媚な場所ながら心霊スポットとしての知名度も高い華厳の滝。実際に明治時代に藤村操が飛び降り自殺を図ったことをきっかけとしており、自殺者数が多い点で訪れた際の恐怖感もさらに増します。日光市内からのアクセスも便利なので、ぜひ足を運んでみてください。