日光が誇る名瀑布「華厳の滝」
華厳の滝は「日本三大瀑布」「日光三大瀑布」「奥日光三名瀑」に選ばれており、誰もが認める名瀑布として多くの人が観光に訪れています。その大きさは落差97メートル、幅7メートル、滝つぼの深さは4.5メートルあります。落ちてくる水の量は平均約3トンと言われており、多い時には100トン、少ないときは0.3トン以下になります。
高い所から白い布を垂らしたように直下する水の流れの事を「瀑布」言います。華厳の滝は瀑布という言葉を体現したといっても過言ではありません。華厳の滝は日光の厳しい寒さに負けることなく一年を通して轟々と音を立てながら水が直下に流れ続けています。
華厳の滝の周囲にある岩壁からは12の小さな滝が流れ出ています。この小さな滝は十二滝と呼ばれており、一年を通して枯れる事がありません。華厳の滝と十二滝、そして周囲の自然が見せる絶景は訪れた人々に神秘的な印象を与えます。そんな魅力あふれる華厳の滝を、今回はご紹介していきます。
日光・華厳の滝の歴史豆知識
成り立ち
男体山の噴火で堰き止められた中禅寺湖が、華厳の滝と十二滝の水源になっているんです。一説には大昔の華厳の滝は、今ある所から800メートル程下流だったとも言われています。崩れやすい男体山を激しい水流が少しずつ削り取り、今の位置にたどり着いたと言われてるんですよ。
華厳の滝は今から1200年程前、日光を開山した「勝道上人(しょうどうしょうにん)」が発見したのが始まりと言われています。華厳の滝は発見当初「江尻川」と呼ばれていたそうで、干ばつの際には雨ごいの祈祷の場として利用されていました。
華厳の滝と呼ばれるようになった由来は様々です。天台宗の仏教径典「華厳経」から取られた説、かつて存在していた華厳寺の近くにあった滝だったから華厳の滝になった説、日光の春の風物詩の一つ「ヤシオツツジ」が岩上で華麗に滝を飾っている姿から名づけられた説があります。
日光の観光名所になるまで
華厳の滝が日光の観光できるようになったのは、1900年に星野五郎平が7年の歳月をかけて華厳の滝の滝つぼ近くに茶屋を開設したのが始まりです。以後、岩盤の崩落によって景観を変えながらも日光を代表する観光名所として名を馳せています。
絶景を守り続ける人々
現在は日光の名所である華厳の滝の景観を崩さぬよう、長年にわたって補強工事が行われています。その方法は華厳の滝の裏側から岩盤を引っ張るという高い技術力が必要な工事です。日光へ観光に訪れる人に補強工事されている事を悟られぬよう岩盤の崩落を食い止めています。
日光・華厳の滝を間近で見る方法
華厳の滝には無料展望台が用意されていて、お金をかけずとも絶景を楽しむ事ができます。無料展望台からは滝を見下ろす形で鑑賞する形になり、滝つぼは見えませんが十二滝や周囲の自然が滝を包み込む姿を確認できます。自然と調和した華厳の滝の姿は絶景と言えるでしょう。
有料のエレベーターに乗れば華厳の滝を間近で見ることができます。華厳の滝を下から眺められる展望台では水しぶきが飛び散ると共に、無料展望台とは全く異なる轟音が鳴り響き、名瀑布の凄まじさを肌で感じることができます。豆知識ですがこのエレベーターは開業されたのはなんと昭和5年なのだそうです。
日光・華厳の滝が夏でも涼しい理由
日光は「関東の冷蔵庫」と呼ばれており、湿度が少なく夏でも最高気温が25度以下です。日光の市街地と華厳の滝とでは標高差が約500メートルあり、気温も市街地と比べ華厳の滝周辺は5度程低いと言われています。夏の避暑地としては最適ですが、冬は非常に寒さが厳しく雪はもちろんの事、平均気温が氷点下になる程寒くなります。
日光・華厳の滝が心霊スポットと呼ばれる理由
美しい景観を持つ華厳の滝ですが、なぜ心霊スポットと呼ばれるようになったのでしょうか。心霊スポットと呼ばれるようになったきっかけは、明治時代に夏目漱石の教え子である「藤村操(ふじわらみさお)」という男性が滝の天辺で木に遺書を彫り込んで亡くなったのがきっかけと言われています。
藤原操が生きていた当時の世の中は「出世こそが成功」という考え方でした。藤原操は飛び級をする程のエリート学生として日々を過ごしていましたが、17歳のある日華厳の滝の木に遺書「巌頭之感(がんとうのかん)」を彫り込み亡くなりました。巌頭之感には藤原操が抱いていた悲壮感が記されており、当時の人々に大きな影響を与えました。
藤原操の一件から4年の間に185人が後を追おうとしました。未遂で終わった人が殆どですが、何名かの人は帰らぬ人となってしまったそうです。この事がきっかけで華厳の滝は「心霊スポット」として一躍有名になってしまいました。今では滝つぼ周辺は水しぶきが飛び、日が当たらず薄暗く独特の雰囲気があるため、幽霊が映り込んだと勘違いする人も多いんだそうです。
華厳の滝には妖怪「滝霊王」を見たという噂もあるそうです。滝霊王は不動明王の姿をした妖怪、あるいは不動明王そのものと言われており、諸国の滝つぼに現れます。華厳の滝は水圧が非常に高く滝行は不可能と言われています。そんな中、滝つぼに人が立っているのを見かけたらそれは滝霊王なのかもしれません。
現在は柵が設けられているため華厳の滝で亡くなる人はいません。華厳の滝が心霊スポットのきっかけになった藤村操の遺書「巌頭之感」ですが、なんと華厳の滝の売店でポストカードとして売られています。心霊スポットに来た記念として購入してみてはいかがでしょうか。
日光・華厳の滝の四季ごとの絶景
華厳の滝は訪れた時期によって装いを変えるため、日光に訪れる度に来ても楽しめる場所です。春から夏にかけては緑に染まった日光の大自然が華厳の滝を覆い、自然と瀑布の調和を楽しむことができます。6月頃には沢山のイワツバメが滝周辺を飛び回る姿を確認できます。
どちらがお好みでしょう? シャッタースピードを替えて2種類撮ってみました。大きな滝なので水量が分かりやすいようにと、初めは短めで撮ってみたけど、仕上げてみたら長めのシルキーも捨て難い。#華厳の滝 #紅葉 #群馬 pic.twitter.com/o36Gf8ttFi
— おけら (@nophoto__nolife) November 9, 2016
夏には緑色だった草木も、秋になると紅葉し様々な色が滝を囲みます。華厳の滝周辺は10月中旬から下旬が紅葉の見頃とされています。春から夏にかけての緑と瀑布の調和も美しいですが、様々な色のコントラストを楽しめる秋の華厳の滝もお勧めです。
冬は日光の厳しい寒さで華厳の滝を囲む十二滝が凍り付き、流れる水とはまた違った美しさを楽しむことができます。滝つぼ周辺が雪で白く覆われ、その中を流れ落ちる華厳の滝の姿は真冬の日光に訪れてでも見たくなる程の絶景です。
日光・華厳の滝にかかる虹を見る方法
大雨の後の晴れた日は、華厳の滝観光の絶好のチャンスです。早朝に華厳の滝に向かえば、朝日が滝に当たり美しい虹のアーチがかかっているかもしれません。大雨で水量が増し迫力満点の華厳の滝と、水煙に浮かび上がる虹の美しさが織りなす光景はぜひとも写真に収めたい所です。
日光・華厳の滝と水源を一枚の写真に収める方法
着いた先は日光。今日はまず中禅寺湖方面へ。明智平ロープウェイで展望台から華厳の滝と中禅寺湖が綺麗に見えました:eyes: pic.twitter.com/mUQ3fZhI7j
— Tanuki Cembalo (@tanuki_cembalo) April 16, 2017
明智平展望台へ上ると、華厳の滝とその水源である中禅寺湖を一枚の写真に収める事ができます。3/1~3/15は休業していますが、それ以外は9時~16時まで営業しています。巨大な瀑布と水源だからこそできる豪快な写真を収めてみてはいかがでしょうか。
日光・華厳の滝へバスでお得に行く方法
華厳の滝へ行く方法の一つにバスがあります。バスはJR東武日光駅から「東武バス中禅寺温泉行」か「東武バス湯元温泉行」に乗ります。日光駅からバスに40分程揺られた所にある「中禅寺温泉」で下車し、歩いて5分程で華厳の滝に到着です。
日光駅から世界遺産めぐりバス。1日乗り放題500円です。 pic.twitter.com/8F7m9ede9i
— keiko CC (@keicolfer) August 19, 2016
ここでお得な豆知識です。バスで華厳の滝へ向かう場合、日光の観光名所を巡る「世界遺産めぐりバス」を利用するとお得です。こちらもJR東武日光駅から出ていて「表参道」で下車すると華厳の滝はすぐそこです。事前に500円のフリーパス券を購入すれば一日何度でも乗り放題になります。
日光・華厳の滝のお得な駐車場
車で日光の自然を楽しみながら華厳の滝へ向かうのも一興です。車の場合は日光宇都宮道路の清滝インターチェンジで降り、そこから華厳の滝まで15分程かかります。いろは坂を超えた後のT字路が目的地付近の目印で、T字路を右折すると華厳の滝に到着します。
華厳の滝周辺には大きな駐車場が2つあります。一つ目は「華厳の滝駐車場」です。200台駐車可能で華厳の滝までは徒歩3分程で到着できます。二つ目は湖畔駐車場です。276台駐車可能で、華厳の滝までは徒歩10分程で到着できます。料金営業時間は共通となっています。料金は普通車が310円、二輪車が100円で、営業時間は4月頭~11月末までは7時~22時、12月頭~3月末までは8時~21時までとなっています。
豆知識を詰め込みいざ日光・華厳の滝の旅へ
知ってると得する物から歴史まで幅広く日光・華厳の滝に関する豆知識をご紹介しました。華厳の滝の絶景を楽しみながら、ここでご紹介した豆知識を思い出して楽しんでいただければ幸いです。四季によって姿を変える日光・華厳の滝へ、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
もっと日光の情報を知りたいアナタへ!
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