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「口取り」とは何?意味と由来を解説!北海道のお正月には欠かせない!

「口取り」とは何?意味と由来を解説!北海道のお正月には欠かせない!
投稿日: 2017年2月19日最終更新日: 2020年9月6日

北海道ではお正月に「口取り」というお菓子を食べる習慣があります。縁起物をかたどった練りきりの甘い和菓子なのですが、この習慣は北海道と青森県の一部のみで、全国的にはあまり知られていないようです。そこで今回は「口取り」の意味と由来をお伝えしたいと思います。

北海道には美味しいものがたくさん!見出し

毎年、多くの観光客が訪れる北海道。最近は外国人の姿も頻繁に見られるようになりました。せっかくの旅行ですから、心ゆくまで楽しんでもらいたいですよね。ところでみなさんは北海道と言えばどんな印象をお持ちですか?雄大な景色、開拓に関する歴史、そしてやはり美味しい食べ物といったところでしょうか。

真っ先に思い浮かぶのはお寿司という人も多いと思います。身が引き締まった新鮮なネタに感動すること間違いなしです。

生ラムジンギスカンです。今やすっかり全国区の存在になりましたね。

北海道の代表的な鍋料理である石狩鍋。お店でも各家庭でも作られているほど、北海道民にとっては身近な鍋です。それぞれの家庭の味があって郷愁を誘います。

毛ガニです。刺身にしてもよし、カニ鍋やカニ汁で身体を温めるもよし、ぎゅっと身の詰まった毛ガニは絶品です。

北海道に来たのなら限定品を味わっておきたい!見出し

また、北海道でしか味わえない限定品も数多くあります。そこから全国的に有名になった大ヒット商品もあるんですよ。

カップ焼きそばの「焼きそば弁当」です。1975年の発売されてからずっと大人気で、色んな味のバージョンも楽しめます。

乳酸菌飲料の「カツゲン」です。その前身は昭和初期から始まり、今のスタイルになったのは1979年ごろから。さっぱりとした味わいが嬉しい飲み物です。

これはもう説明は要りませんね。知名度抜群でありながら、北海道でしか買えないこともあって、「北海道のお土産と言えばこれ」と言う人も多いのではないでしょうか。

北海道でしか買えないと来れば、サッポロクラシックを外すわけにはいきません。麦芽100%のこのビールは喉越しも爽やかで、ビール党の圧倒的な支持を集めています。

お正月によく食べるものと言えば?見出し

ところでみなさんはお正月に食べるものと聞いて何を連想しますか?おせち料理、お雑煮などが真っ先に思い浮かびますよね。

親戚一同が集まって食べるおせち料理は、見た目も華やか。味ももちろん格別で、思わず箸が進みます。

今も昔も、親戚が一堂に会することは余りないように思われます。お正月はその貴重な機会。その喜びを表す意味としても、おせち料理はこんなに豪勢なんでしょうね。

最近は、料亭やコンビニエンスストアなどにおせち料理を予約して、本格的な味を楽しむという家庭も増えてきているようです。

お雑煮は全国各地ならではの味付けや具があり、とてもバラエティ豊かですね。

北海道のお正月に欠かせない「口取り」見出し

北海道はお正月にも独特の食文化を持っています。みなさんは北海道でお正月によく食べられる「口取り」をご存知ですか?口取りとは、口取り菓子とも呼ばれ、鯛や松竹梅などの縁起物を練り切りでかたどった和菓子のことです。

これが代表的な口取りです。色鮮やかで美味しそうですよね。この甘いお菓子は、実は北海道のお正月には欠かせません。豪華なおせち料理やお雑煮を食べた後、そっと食卓に口取りが並ぶ。これが北海道における一般家庭のお正月の風景なのです。

お正月が近くなると、スーパーでは口取りがこんな感じに並んでいます。

基本的には折り詰めで売っているのが一般的ですが、このように一つからも買えるようです。

どれを食べるか、選ぶ楽しみもありますよね。

どれも食べやすいサイズなので、ちょっとした作業をしながらでもお手軽に食べられるのが嬉しいのです。

「口取り」は全国的には有名ではない?見出し

しかし、この口取りは北海道と青森県の一部を除いて、ほとんど知られていないようなのです。

北海道民ならば、口取りが北海道ローカルの食べ物だと知ると驚いてしまいますよね。

これは青森のねぶた祭りをイメージ。お正月らしい華やかな感じがいいですね。

「口取り」とは何のこと?見出し

元々の口取りとは、甘いお菓子のことではありませんでした。いわゆる「口取り肴」の略で、懐石料理などでかまぼこや魚、鳥、そして野菜などを調理したものを最初にお吸い物と一緒に出します。甘く煮付けたこの口取りは3品から9品の奇数でそろえるのがルールのようです。多くの場合はその場で食べずに折り詰めにして持ち帰るのが一般的で、結婚式の引き出物として用いられた時期もあったそうですよ。

江戸時代に活躍した浮世絵師、歌川国貞の作品にも口取り肴は描かれています。

口取り肴の一例です。北海道の口取りとは随分と趣きが違いますね。

北海道における「口取り」の意味合いとは?見出し

しかし北海道で口取りと言えば、やはり白あんを使った練り切り菓子のことを指します。そして口取りはお正月の前に神棚にお供えをし、食べるときに下ろすという「お供え物」の役割も含まれているのです。場所が変わればその習慣や意味合いも変化するんですね。とても興味深いです。

お供え物ゆえに、口取りの種類はどれも縁起物ばかり。主なものでもタイ、エビ、シイタケ、タケノコ、サクランボなど、なかなか盛りだくさんです。どれから食べたらいいのか迷ってしまいますね。

タイが縁起物である由来は、「めでたい」の「たい」にかかっているのは有名です。しかしその他にも、古くから身体の鮮やかな赤色がめでたいとされていたようです。また、タイは魚にしてはとても寿命が長く、40年生きるものもいるそうです。口取りにタイを加えるのは、家族みんなの長寿を願ってのことなのでしょうね。口取りのタイもその赤がとてもきれいです。

口取りには外せないサクランボ。夫婦円満の願いを込めて必ず二つ連ねます。近くで見るとよりその精巧さが伝わりますよね。

エビは、その姿形から長寿を願う意味があります。これも練り切りで出来ています。エビのプリッとした感じが良く再現されていますね。

この口取りには出汁巻き卵や鮭の切り身もありますね。特に鮭の切り身は焼き目までついて、まるで本物のようです。こんな細やかな作業が施されているのは嬉しいですね。

このように箱詰めにして、新年のご挨拶の贈り物にするのもいいでしょう。

今や「口取り」は多種多様見出し

これまでは割と昔ながらの口取りをご紹介してきましたが、最近はお洒落なものや可愛らしいものなど色々種類が豊富なのです。もうお正月にだけ食べるものにしなくてもいいのにと思ってしまいます。

干支にちなんで、羊がいますね。

こちらは猿と鳥です。

こんな可愛らしいものまで。食べるのがもったいなく感じてしまいますね。

こんな高級感あふれるものまで。右にあるのは栗きんとんを模しているのでしょうか。まるで本物のおせち料理のようです。

とても素敵な色合いです。こうなると、これはもう完全に和菓子ですよね。

とても美しい仕上がりです。職人の技が光りますね。

これも美味しそうです。細部にまで心を配って作ってくれているのが伝わってきます。

甘い口取りはお茶菓子としても最高の相性です。

このようにコーヒーのお供に口取りを楽しむ人もいるようですよ。

そもそも「口取り」の由来とは?見出し

このように北海道で独特の進化を遂げてきた口取りですが、その由来については専門家もよくわかっていないそうなのです。かなり前から存在していたことは間違いないようなのですが、はっきりとした由来は不明なのだとか。しかしそれは仕方ないことなのかもしれません。北海道は日本各地から多くの人が移住し、開拓された土地です。その過程で異なる土地の文化が混じり合い、独特の文化が生まれました。由来というのであれば、北海道の開拓時代の流れの中で形作られたものがそうなのだろうと思います。

そうして考えてみると、口取り菓子は北海道の開拓の歴史を現在に映し出しているのかもしれません。とても意味深いことのように思えてきますね。

北海道の「口取り」に関する一つの仮説見出し

はっきりとした由来は不明ですが、北海道で口取りが習慣になったことに関する一つの仮説があります。やはりお正月にはおせち料理を食べようという思いはあったのだと思います。しかし、北海道は本州とは海を挟んでいます。現在と違って輸送の経路や食材の保存方法も発達していませんでした。おせち料理を食べようにも、その食材を用意するのはとても困難だったことは想像に難くありません。

そこでその代用品として、口取りが広まっていったのかもしれません。古くから栄えていた函館や小樽には、北海道外から砂糖や小豆、もち米などが集まっていたそうです。それを材料におせち料理を再現すると、必然的に甘いお菓子の形態になったのではないでしょうか。

これはあくまでも仮説の一つに過ぎません。でも、厳しい環境の中でも故郷への想いを失わず、懸命に過ごしてきた人々のことを思うと胸が熱くなりますね。口取りの意味をもっと深く知りたくなります。

もっと「口取り」を知ってもらいたい!見出し

いかがでしたか?この可愛らしい口取りも、さっきまでとはちょっと違って見えてきませんか?口取りの由来や意味を考えると、北海道の歴史に興味が湧いてきます。もっと深く調べてみたいです。そんな北海道独特の食文化である口取りですが、ここ最近は食べるご家庭も少なくなってきているようです。お正月にこだわらず、お菓子としても純粋に楽しめるので、残念な気がします。貴重な食文化、何とか将来に残していきたいものですね。

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投稿日: 2017年2月19日最終更新日: 2020年9月6日

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