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クンストカメラはサンクトペテルブルクにある博物館!ロシアの人気スポット!

クンストカメラはサンクトペテルブルクにある博物館!ロシアの人気スポット!
投稿日: 2017年8月31日最終更新日: 2020年10月7日

かつて、ロシア帝国の首都であり、ソ連時代はレニングラードと呼ばれていたサンクトペテルブルク。そこには、クンストカメラと呼ばれる、ロシアで最も古い自然科学博物館があります。クンストカメラは「自然と人間による珍奇かつ稀覯なもの」を展示していることで有名です。

「驚異の部屋」という意味のクンストカメラ見出し

大航海時代の15世紀ごろ、イタリアのお金持ち達は世界各地の珍しいものを収集し始めました。これが今回紹介するクンストカメラの元と言われています。今ではピョートル大帝の個人的な収蔵品を拝見できるロシア最古の博物館となり、サンクトペテルブルクの中でも人気の観光スポットになりました。今回は、人によってはぞっとする、収蔵品を展示するクンストカメラの魅力を紹介します。

サンクトペテルブルクという都市見出し

先にも書いていますが、クンストカメラとはピョートル大帝が収集・所蔵が目的として建てられました。当初のクンストカメラは「自然と人間による珍奇かつ稀覯なもの」蒐集することを目的としていたそうです。

さて、サンクトペテルブルクというのは、ロシア帝国の首都でもあり、ヨーロッパに最も近いことから、開かれた窓として重要な都市でした。サンクトペテルブルグには世界的に有名な美術館でもある、エルミタージュ美術館あることでも有名です。

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クンストカメラの正式名称は「ピョートル大帝記念人類学・民族学博物館」見出し

ロシアで最も古い博物館であり、サンクトペテルブルクの観光スポットで有名なクンストカメラですが、これは通称で正式名称は「ピョートル大帝記念人類学・民俗学博物館」といいます。ピョートル大帝の名前を冠しており、彼の偉大さを感じさせます。ピョートル大帝は身長が213センチもあり、手先が器用でした。

なので、ものつくりを愛し、船大工から花火師といった14もの手仕事を習得したと言われています。そして、厄介なことにピョートル大帝は自身を優れた外科医であり、歯科医だと自認しており、よく側近たちを練習台にしたそうです。クンストカメラのコレクションも皇帝の人柄を表すようなものも多く、当然、医学に興味があったので、人や動物の標本を収集しているのも納得します。

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クンストカメラはピョートル大帝の偉業の一つ見出し

ピョートル大帝はコレクションを収集し、クンストカメラが創設して5年たったころ一般公開されました。当時は入場料は無料で、クンストカメラを一般公開し理由の一つが啓蒙活動でした。

文化都市であるサンクトペテルブルクに相応しい博物館は、近代ロシアの象徴でもあったのです。ちなみに、もはや現代のロシア皇帝と言っても差し支えないプーチン大統領は、ピョートル大帝を敬愛しているそうです。

クンストカメラの民族関連資料見出し

クンストカメラは人間や、動物の標本を展示してあることで有名です。なかなかそのような標本は見れないので、観光スポットとしても人気があるのも納得します。しかし、人類・民俗学博物館でもあるため、今ではギョッとするような展示物や蒐集品を見ることができます。ピョートル大帝は外国文化に非常に興味があったようで、世界各国の民族衣装や興味深い民族品などが数多く展示されております。幅広いアジア諸国もその対象になっています。

結構日本についてのブースは大きくとってあるらしく、陶器や刀といった定番のものから、巫女装束や位牌、雛人形など、日本人から見ればギョッと驚くようなものもあり、このようなに海外ではあまり見ることのできない品物が、展示されているのも人気の秘密なのかもしれません。

クンストカメラを有名にした「人間による珍奇かつ稀覯なもの」見出し

クンストカメラの最も人気がある展示物というのは、先にも書きましたが人体や動物、胎児などの標本です。奇形児といったグロテスクな標本の展示を行っている博物館として、ロシアだけではなく、世界的に有名です。クンストカメラの展示物は当初、奇形を持つ人や、規格外に大きな人、小さな人といった、珍しい容姿や症状がある人物を生きたまま展示していたそうです。

珍しい彼らは展示終了後、埋葬されることなく標本処理され、引き続きクンストカメラに展示されました。現代では考えられません。しかし、当時そのような先天性の奇形児が生まれることは、不吉なことが起こる前触れと信じられており、医学的に起こることだと知ってもらうためこのように展示したそうで、ロシア全土から奇形児を蒐集したといも言われてるそうです。

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クンストカメラの人気の展示物は人体標本見出し

さて、クンストカメラ内で最も人気のスポットは人体標本ですが、その標本はオランダの解剖学者のフレデリック・ルイシュが手掛けたものです。この方は17世紀の公開解剖で腕を振るっていたところ、ピョートル大帝の目に止まり、人体標本のコレクションを見せたところ、気に入って丸ごと買い取り、クンストカメラに収められたといわれています。

その他の人体標本も同じオランダ人の薬理学者、アルベルト・セーバから購入したものもあり、彼は哺乳類や鳥、貝類、魚、蛇、爬虫類といった当時にしては珍しい標本のコレクションをピョートル大帝に売り渡しました。クンストカメラではこれらの標本を、コレクションのブースに詳細な解説付きで展示されています。

クンストカメラの人体標本は元々フレデリック・ルイシュのもの見出し

人によっては身の毛のよだつ人体標本。生々しくグロテスクな人体標本が、クンストカメラを人気スポットとしていることは明らかです。これらを提供したフレデリック・ルイシュやアルベルト・セーバは共にオランダ人で、当時のオランダにあるライデン大学は医学に長け、公開解剖を行ったりしていました。

公開解剖が定着したころ、人体を信仰と切り離し科学的にアプローチする考えが顕著になってきました。人体を科学的な素材として扱うようになり、このような考えから人体を保存し、展示するという専門分野が確立されていきました。

ちょうどその時代に生きていたのがフレデリック・ルイシュです。彼は人体の静脈に薬品を注入し、乾燥しても干からびない方法を完成させました。フレデリック・ルイシュ自身もクンストカメラのような、「解剖学陳列室」という驚異の部屋を持っていました。その時代には各地にあった驚異の部屋ですが、道徳的な非難にあってしまい、フレデリック・ルイシュが所持していた部屋はもう存在していません。しかし、彼の標本コレクションはクンストカメラに展示されています。

クンストカメラでぞっとする収蔵品見出し

気軽に人体標本を拝見できることで名高いクンストカメラは、サンクトペテルブルグだけではなく世界的にも有名で人気です。そのクンストカメラで最もぞっとする収蔵品と言われているのが、ピョートル大帝の妻である、エカテリーナ1世の愛人ウィレム・モンスの頭部と、彼の妹であるアンナ・モンスの頭部のアルコール漬け標本と言われています。

兄のウィレム・モンスがアルコール漬け標本になった経緯は、ピョートル大帝が妻であるエカテリーナ1世の浮気に激怒し、処刑し標本にされました。その経緯に皇帝の私怨を感じぞっとします。アルコール漬けにした頭部は、エカテリーナ1世の寝室に飾られたといわれています。

余談ですが、ウィレム・モンスの妹であるアンナ・モンスの頭部も標本にされたと書きましたが、兄の浮気のとばっちりで処刑されたわけではなく、彼女はピョートル大帝の愛人で兄が処刑される前に病死しているそうです。標本にした理由は、彼女が名残惜しかったのかもしれません。兄妹共に結果は同じですが、経緯が全く異なります。

元々クンストカメラの展示物は人体標本だけじゃない見出し

クンストカメラはサンクトペテルブルグの文化事業でもありました。よって、人体標本だけではなく、幅広い展示物がありました。現代では人類学・民俗学博物館だけあって、先にも紹介したように、民族や人種の風俗的なことも紹介しています。当時のロシアが諸外国をどう見ていたのかというのもわかります。

その一方で、クンストカメラには今でも天文に関する貴重な展示物があります。クンストカメラには当初、鉱物の展示室がありましたが、所蔵品がどんどん増えていき、その後はサンクトペテルブルクを離れ、モスクワのフェルスマン鉱物博物館が引き継ぐような形となりました。

クンストカメラはエルミタージュ美術館とネヴァ川を挟んで向かい合っています見出し

クンストカメラとエルミタージュ美術館はサンクトペテルブルクの中でも相反する存在ですが、両者とも今では人気の観光スポットです。そして、興味深いことに両方とも同じ時代に開館しました。それぞれ、当時からの価値観を引き継ぎ、今でもその価値観に引き付けられ、立派な観光スポットになりました。

クンストカメラで医学と偏見の歴史を知る見出し

クンストカメラの開館当時の価値観は現代では、理解しがたいという見解もあります。しかし、展示されている奇形児の標本は、医学的に起こりえることを示唆し、偏見をなくす手助けをになっているようにも思えます。

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