谷津干潟で野鳥を観察しよう！豊かな自然に施設も完備！潮干狩りも！

谷津干潟は「ラムサール条約登録湿地」のひとつ。「ラムサール条約」とは1971年2月2日にできた条約です。この条約は国境を越えて行き来する野鳥（特に水鳥）の生息地としてだけでなく、湿地の生態系が壊されないように保全し賢明な利用(ワイズユース)を進めていくことを目的としています。そんな重要な役割をもった場所です。

そもそも干潟とは、潮の満ち引きで海面が沈んだり、現れたりする砂泥の場所のこと。これがなぜ重要なのか。そこには多くの生き物がいます。そして汚れた水を砂粒で浄化→バクテリアが有機物を分解。魚介類や野鳥が海をきれいにしてくれます。干潟では水質浄化機能が優れていると評価されているんです。

谷津干潟に限らず、バードウオッチング初心者の方やお子さんにおススメなのが、谷津干潟自然観察センターです。谷津干潟はもちろん立ち入り禁止ですので、このセンターで備え付けの望遠鏡で観察するのが一番。寒い日も暑い日ものんびりバードウオッチングができますよ。しかも"レンジャー"と呼ばれるスタッフが、干潟や自然プログラムの案内をしてくれます。

湿地と言っても訪れたことがない人にはピンとこないでしょう。動画で谷津干潟の野鳥たちが休んだり、エサをとったりしているところを観てみてください。きっと谷津干潟に行って野鳥を見てみたくなることでしょう。バードウォッチングにはぴったりの場所ですよ。

入館料は、大人（高校生以上）：370円、子ども（小・中学生、未就学児）：無料、65歳以上：180円です。館内には谷津干潟が一望できる野鳥観察スペースが1ＦとB1の2カ所にあり、キッズコーナーも完備。カフェもありますが、持参のお弁当を食べるコーナーもあります。駐車場駐輪場は無料です。予算は少なくて済みそうですね。

なかなか一人では野鳥を探すのは大変そうですね。谷津干潟自然観察センターでは、「谷津干潟でバードウオッチングをはじめよう」というイベントを時どき行っています。ホームページのイベント情報に載るのでのぞいてみてください。バードウオッチングは大人向けと保護者同伴の子ども向けがあります。最初から独学でバードウオッチングを始めるのは難しいので、こんな機会を利用するのもいいですね。

望遠鏡や双眼鏡は無料で貸してくれますよ。また平日は一日2回「館内ガイドウォーク」土日祝日は「ミニ観察会」や工作をするプログラムがあります。周辺には「淡水池観察壁」があり、間近に野鳥をみることができるかも？気候のいい時季には遊歩道で、野鳥を見つけるのも楽しいですね。一周1時間半ほどでまわれます。

子どもたちのプログラムも充実しています。「渡り体験ゲーム」「紙芝居」「絵本の読み聞かせ」貝殻や葉っぱなど自然の素材を使う「季節のあ～と」劇仕立ての観察会「ソロモンの指環」など1日中楽しめます。その間に大人は「ミニ観察会」で野鳥観察を体験。（もちろんお子さんも参加できます）いかがですか？

谷津干潟自然観察センターでは、団体ならではのプログラムもあります。約30分かけて案内してくれる「館内ガイドウォーク」「ビデオ上映」ゲーム感覚で野鳥観察できる「谷津干潟ビンゴ」など。谷津干潟自然観察センターでは事前に相談すれば、いろいろなプログラムをうまく組み合わせて楽しく観察させてくれます。

谷津干潟周辺で1年間に確認される野鳥の種類は110種類以上です。そのうち70種類は水鳥ですが、その中でもシギ・チドリ類と呼ばれる鳥の中にはシベリアやアラスカから、オーストラリア・ニュージーランドまで旅するものもいるのです。その長旅の途中で羽を休めるのが中継地。まさに谷津干潟はその大切な中継地なのです。

日本の谷津干潟が「中継地」なら、故郷はどこなのでしょう。それはシベリアやアラスカの北極圏です。ここで親鳥は卵を産んで育てます。それで「繁殖地」と言われます。そしてもう一カ所大事な地点が「越冬地」。繁殖地が凍るような時期を迎えるころには冬を越すため越冬地のオーストラリアやニュージーランドへ移動します。

その距離なんと12000km。それでも一気に移動する渡り鳥もいますが、エネルギー補給や休息のために谷津干潟のような湿地に来る野鳥たちも多くいます。湿地には渡り鳥たちが食べるゴカイやカニ、昆虫などがいます。こうして無事渡り鳥が生きていくためには、繫殖地と中継地、越冬地にあたる国々のお互いの協力が必要です。

谷津干潟への交通アクセスは、①JR京葉線でのアクセス：新習志野駅から徒歩約20分・南船橋駅から徒歩約20分②京成電車でのアクセス：京成谷津駅から徒歩約30分③JR総武線でのアクセス：津田沼駅、南口バスのりばから「谷津干潟行き」に乗車、終点「谷津干潟」下車、徒歩1分(センターまでは約10分）または「新習志野駅行き」に乗車、「津田沼高校」下車、徒歩約5分（センターまでは約15分）の三とおりのアクセスがあります。

＜自動車でのアクセス＞①東関東自動車道からのアクセス：谷津舟橋ICから約1分②京葉道路からのアクセス：花輪ICkから約10分です。＜駐車場＞料金：無料、時間：8:30～17:30、台数：普通車100台、ご注意：駐車場への出入りは国道357号下り線からになります。センターの正面入り口には駐車場はありません。駐輪場も無料です。ただし公園内への乗り入れはできません。また土日などは駐車場がいっぱいになることもあるので、公共交通機関でのおでかけをお勧めします。

谷津干潟の近くには、潮干狩りができるところがあります。干潟から約3.5kmの「ふなばし三番瀬海浜公園」です。潮干狩りできる日時が決まっているので、ホームページで必ず確認してからお出かけくださいね。潮干狩り用のクマデは現地で貸してくれます。アサリの持ち帰り料金は100gにつき税込み80円です。

料金は大人（中学生以上）：税込み430円、子ども（4才以上）：税込み210円です。潮干狩りの他にも、4月からは芝生広場にBBQエリアがオープンするそうです。持ち込みOKで、レンタルプランもたくさんそろってますよ。また2月中旬と10月下旬の年2回には運が良ければ「ダイヤモンド富士」が見られるかも！もちろんバードウオッチングもできます。

＜ふなばし三番瀬海浜公園へのアクセス＞JR船橋駅南口（京成船橋駅）、京葉線二俣新町駅より京成バスシステム「船橋海浜公園」行き終点下車。駐車場は普通車：500円、大型：2,160円（マイクロバス含む）土日などお休みの日は駐車場が空いていないこともあるので公共交通機関でのお出かけをお勧めします。

谷津干潟は最初から今のようなきれいな干潟だったわけではありません。東京湾は戦後工業用地のために埋め立てが始まりました。高度成長期には冨津から浦安までのほとんどが埋め立てられ、京葉工業地域が開発されました。そしてとうとう谷津干潟のある習志野市も埋め立てが始まったのです。

住民が中心となって反対運動が始まり、やがて地域あげての運動となりましたが、埋め立ては行われてしまいました。谷津干潟が残ったのは、その40haだけが国の所有地で千葉県では埋め立てができなかったからです。その後も高速道路の計画が持ち上がるなどの危機もありました。そうするうちに干潟はどんどん汚れていきました。

東京湾につながる二本の川が谷津干潟をかろうじて守ったのです。そんな谷津干潟でも渡り鳥が飛来し、野鳥が住みつくように。その後は「千葉県の干潟を守る会」「千葉県野鳥の会」など多くの人が谷津干潟を守る運動を続けました。そしてラムサール条約登録湿地に登録されるような、バードウオッチングができる現在のきれいな谷津干潟になったのです。

谷津バラ園は谷津干潟のすぐそばにあります。交通アクセスは①京浜谷津駅下車で徒歩5分②JR総武線だと津田沼駅下車→京浜バス「谷津干潟行き」→「谷津南小前」下車徒歩3分で着きます。入園料は時季によって違います。5月1日～11月15日は高校生以上：370円、65才以上180円、小・中学校：100円ですが、それ以外はそれぞれ180円、90円、50円です。

谷津バラ園には世界各国のバラが咲いています。その種類は800種類、7500株。面積は12600㎡になります。いろいろなコーナーがあり、薔薇の名前の由来から「皇室・王室コーナー」「有名人コーナー」。「新品種コーナー」「高松宮コーナー」「青バラコーナー」などがあります。珍しい「ハンカチの木」もありますよ。

バラの名前には、「プリンセスミチコ」「ダイアナプリンセスオブウェールズ」「グレースドゥモナコ」「マルコポーロ」「カトリーヌドヌーブ」「ザ・マッカートニーローズ」などの皇室、王室、有名人の名前が付いています。また長さ60m、幅4mのツルバラのトンネルも見事ですよ。駐車場は20台、臨時駐車場が100台用意されてます。

谷津干潟は野鳥にとってとても大切な場所です。それと同時に野鳥観察や潮干狩りができるような、人間にとっては楽しい場所に、野鳥にとっては過ごしやすい湿地として守っていくことが欠かせません。観るものを癒してくれる野鳥たち。いつまでもきれいなまま谷津干潟を守っていきたいですね。