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愛宕念仏寺へのアクセス方法は?1200体の羅漢さんは必見の価値あり!

愛宕念仏寺へのアクセス方法は?1200体の羅漢さんは必見の価値あり!
投稿日: 2017年10月22日最終更新日: 2020年10月8日

愛宕念仏寺は嵯峨野にあり、1200体もある羅漢さんが特に有名な寺院です。しかし、嵐山から少し離れていることもあって、まさに観光の穴場ともいえるところです。そこで、愛宕念仏寺へのアクセス方法や見どころなどについて調べてみました。

愛宕念仏寺を知っていますか見出し

京都にはたくさんの寺社があり、中には珍しい特徴を持つ寺社もあります。たくさんの羅漢が並ぶ愛宕念仏寺も他にはない、不思議な雰囲気を持つ寺として知られており、特に紅葉シーズンには多くの参拝者が訪れます。そこで愛宕念仏寺へのアクセスや見どころについて紹介します。

愛宕念仏寺はどこにある?見出し

さて、愛宕念仏寺ですが、「おたぎねんぶつじ」と読みます。京都市右京区嵯峨野にあり、愛宕山の参道の入口に位置します。次のアクセスのところで詳しく紹介しますが、有名な嵐山から愛宕山に向かって登る途中にあるため、嵯峨野めぐりをする時の出発点になることが多い寺です。

愛宕念仏寺へのアクセス見出し

では、愛宕念仏寺へのアクセスを紹介しましょう。奥嵯峨野と呼ばれるこの地は、前述したとおり、位置的には嵐山から愛宕山の山麓の入口にあるので、嵐山の駅からだと登っていく形になります。そのため、最寄り駅周辺からバスで上がったほうが楽にアクセスできます。

そのバスですが、京都バスの清滝行です。このバスは四条河原町から三条京阪前、烏丸御池、二条駅前などを通り、阪急嵐山駅前、嵐山天龍寺前(嵐電嵐山駅前)を通過します。最寄りバス停は「愛宕寺前」です。ですから、今書いた駅まで電車で移動し、そこでバスに乗るのが時間的にはいいでしょう。

具体的に言うと、京阪電車を利用するなら三条京阪、京都市営地下鉄を利用するなら烏丸御池、JR利用なら二条駅などが乗り換え駅となります。このほか、JR嵯峨嵐山駅まで行って「野々宮」のバス停から乗るのも近くて便利です。JR京都駅から直行できるバスもありますが、60分ほどかかるので、時間的にはもう少し近くまで電車を利用しアクセスするほうが早いでしょう。

なお、JR嵯峨嵐山駅、嵐電嵐山駅から歩くとすると、徒歩で35分程度はかかります。行きは登りになりますが、足に自信のあるならチャレンジしてみてもいいかもしれません。車で行くことも可能ですが、駐車場は10台分くらいしかないので、混雑している日は駐車するのが少し大変かもしれません。

愛宕念仏寺の由緒見出し

さて、愛宕念仏寺というと、苔むした羅漢が並ぶ情景が有名で、さぞかし古い歴史のある寺なのだろう、とおもってしまいます。がしかし、愛宕念仏寺が現在の嵯峨野の寺となったのは、実は比較的新しく、1922年のことなのです。

もともと愛宕念仏寺は東山にありました。現在の六波羅密寺の近くで、寺があった東山の地域が当時愛宕郡だったため「愛宕」と付くようになったのです。8世紀ごろ、聖武天皇の娘に当たる称徳天皇がここに「愛宕寺」(おたぎでら)を建てました。このころは真言宗東寺派の末寺となっていました。

ところが平安時代の初め、鴨川が洪水となった時に堂宇が流れ、衰退してしまいました。そこで、千観内供(伝燈大法師)という天台宗の僧侶が、醍醐天皇の命を受けて、この寺の復興をすることになります。

この僧侶は天台宗の僧侶だったのですが、空也上人に会い傾倒し、いつも念仏を唱えていたそうです。そのためこの寺は天台宗の「愛宕念仏寺」となりました。醍醐天皇の勅願によるものだったことから、勅願寺としての体裁が整えられたと言われます。

ところが愛宕念仏寺はこの後も興廃を繰り返し、最終的には本堂、地蔵堂、仁王門のみが残るという状態になってしまいます。この本堂は鎌倉中期に再建された古いものであり、なんとか後世に遺したいということで、1922年、愛宕山の信仰と関係する現在地に移転し、現在に至っています。

しかしその後、1925年の台風の際に被災したことから、再び廃寺同然となります。1955年、天台宗本山からこの寺の復興を命じられたのが西村公朝氏で、仏師として全国を周りながら、本堂や仁王門などの再建を果たし、現在に至ります。

ちなみに、移転前の愛宕念仏寺の場所は、本堂が重要文化財になった時の告示に住所があるため、現在もその場所に石柱があります。また、有名な羅漢はさらに最近になってからのものですが、後で詳しく紹介します。

愛宕念仏寺の見どころ見出し

仁王門

現在の仁王門は江戸時代中期に作られたものです。名前の通り、両横には仁王像(金剛力士像)がありますが、この仁王像は古く、鎌倉時代のものであり、京都市指定文化財となっています。小ぶりな門ですが歴史の古さを感じさせる見どころです。

本堂

本堂は鎌倉時代中期に再建されたもので、国の重要文化財となっています。本尊は千手観音で、平安時代から厄除け観音として篤く信仰されていました。二重折上げ小組格天井は、鎌倉時代の様式を今に伝えており、美しい曲線が描かれているところは見どころと言えます。

ふれ愛観音堂

ふつうのお寺にある仏像は触れることができませんが、ここにある観音は手で触れることができるものです。目の不自由な方に仏との縁を結んでもらうために歴史的に初めて生まれた観音です。目が見える方も不自由な方も触れることで心身を癒してくれるそうです。

愛宕念仏寺のご利益見出し

次に、愛宕念仏寺のご利益を紹介します。先ほど愛宕念仏寺の由緒のところで、千観内供という僧侶が出てきましたが、この僧侶は大衆の苦しみを救うためさまざまな奉仕活動に身を尽くした人とされています。そのため、厄除けや縁結びのご利益があるとされました。

そして、愛宕念仏寺の地蔵堂にはあたご本地仏である火除地蔵尊が祀られています。もともと愛宕山は京都の火伏の地として知られており、そのご利益である火難除けのご利益が知られています。こちらも平安時代から信仰されており、ここの「火之要慎」のお札は火災除けのお札として知られます。

また、愛宕念仏寺にある虚空蔵菩薩は、宇宙からの無限の福を授けてくれるものとされています。また智慧をつかさどるとも言われており、十三参りや受験合格祈願のご利益があると言われます。受験生はもちろん、学業成就を願う人には見どころです。

愛宕念仏寺の羅漢見出し

さて、愛宕念仏寺の見どころとして忘れてはならないのが、たくさんの羅漢像です。別名「千二百羅漢の寺」と呼ばれるほどです。境内のあちらこちらにある羅漢は「羅漢さん」と呼びたくなるほど、何とも言えない親しみを感じるものです。

この羅漢には次のような話があります。先ほど紹介した西村公朝氏が兵士として中国にいたとき、睡魔に襲われ、何千体もの壊れた仏像を夢に見ました。「修理するから早く日本に帰してくれ」と願ったところ、夢から覚めたのだそうです。

西村氏は1981年に愛宕念仏寺の仁王門の修復を行った際、境内を羅漢像でいっぱいにしよう、と考えたのだそうです。そこから10年、現在その石仏の数は1200体になります。1200という数字はどこから出たのかというと、①釈迦の涅槃の時に集まった羅漢が500人だった(五百羅漢)、②100年後に勉強会を開いた際に700人が集まった、この二つを足したものです。

五百羅漢を祀る寺院は他にもありますが、これだけの数の羅漢がある寺は他にはありません。しかもこの羅漢は「昭和の羅漢彫り」と言われ、一般の人々の手彫りなので、素朴でいろいろな表情のものがあります。どれもそれぞれの人の心にある「仏」を石に彫り出したものとしてとても味わい深いものとなっています。

愛宕念仏寺の紅葉は有名見出し

愛宕念仏寺は四季を通じて美しい植物が彩りを添えます。中でも人気が高いのは紅葉の時期です。愛宕念仏寺は嵐山から少し離れており、ちょっとアクセスが遠い面があるので、比較的のんびりと紅葉を楽しむことができるスポットとなっています。

紅葉は境内の至るところで見ることができます。鎌倉時代の古い本堂や羅漢との組み合わせは静寂な秋の雰囲気を漂わせます。例年の場合、紅葉が始まるのが11月中旬ごろからで、見どころは11月下旬から12月上旬となっています。市内よりも心持ち紅葉は早めと考えるといいでしょう。

愛宕念仏寺のある嵯峨野周辺は、他にも紅葉の見どころスポットが多くあります。愛宕念仏寺は嵯峨野めぐりの始点ともなっていますし、嵯峨野、嵐山周辺の紅葉をともに楽しむのもおすすめです。

愛宕念仏寺の周辺観光スポット見出し

化野念仏寺

同じく嵯峨野にあるお寺で、愛宕念仏寺から降りてきたところにあります。東山にある鳥辺野や洛北の蓮台野とともに、風葬の地として古くから知られており、約8000体にも及ぶ石仏が特殊な雰囲気を醸し出します。

なお、化野念仏寺のそばには嵯峨野の鳥居本にある重要伝統的建造物群保存地区があり、町並み保存館などもあります。ここの町家が立ち並ぶ風景も情緒があるので、こちらもあわせて行くのもいいでしょう。

祇王寺

『平家物語』の中で、平清盛の寵愛を受けた白拍子、祇王と仏御前が出家した寺として知られています。ここも愛宕念仏寺から降りてきたところにあり、嵯峨野観光のスポットとして知られています。『平家物語』を読む機会があったらぜひ訪れてみたいところです。

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愛宕念仏寺の羅漢を見に行こう見出し

愛宕念仏寺は多少アクセスは遠いものの、たくさんの羅漢が迎えてくれる珍しい寺院です。羅漢はどれも表情が違い、いくら見てても飽きないほどです。ぜひ静寂な雰囲気の中で羅漢とゆっくり語り合ってみてください。

投稿日: 2017年10月22日最終更新日: 2020年10月8日

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