円通院で数珠作りを体験！御朱印や紅葉時期のライトアップ情報もご紹介！

円通院は、伊達政宗ゆかりの寺院が多く残る宮城県松島町にあります。伊達政宗が再建した国宝・瑞巌寺の隣に建ち、臨済宗妙心寺派の寺院です。こちらでは美しい庭園を見たり、縁結び祈願や自分だけの数珠作り、御朱印を頂いたりと参拝以外でも楽しめるお寺です。そして何と言っても紅葉のスポットでも知られる円通院をゆっくり楽しんでみましょう。

円通院は正保4年（1647年）に仙台藩初代藩主政宗の嫡孫・光宗の霊廟として、正保2年（1645年）9月に開創されました。光宗は19歳の若さで江戸で亡くなり、 その死を悼んだ父・忠宗が開創したものです。そして正保4年（1647年）にお霊屋（三慧殿）が完成しました。

円通院の奥に進むと、大変目を引くお堂が現れます。こちらが伊達光宗を祀る霊廟「三慧殿」（さんけいでん）です。霊屋建築としては宮城県最古と言われ、国の重要文化財に指定されています。厨子には支倉常長がヨーロッパから伝えたと言われるバラやダイヤ、十字架など西洋的な模様が描かれています。ガラス越しに白馬にまたがる光宗の像が見えます。

円通院へ行くには、電車でJR「仙石線松島海岸駅」で下車、徒歩で約8分、JR東北本線「松島駅」からタクシー、また車では、三陸道松島海岸ICから約5分というように大変便利な場所にあります。拝観料は大人300円、高校生150円、小学生と中学生は100円です。

円通院の山門を入ってすぐ左手のところに「縁結び観音」という観音様がおられます。幸せに生きていくためには人と人との良縁が大切だという考えのもと、男性と女性、もしくは今まで縁がなかった人との縁を取り持つ縁結びのご利益があるとされています。

観音様の周りの棚には「縁結びこけし」と呼ばれるこけしで埋め尽くされています。1体500円の縁結びこけしに願いや相手の名前を書き込み、祈願奉納することができるというもの。観音様の周りをずらっと埋め尽くすほどのこけしの数を見ると、かなりの人が縁結び祈願に訪れていることがわります。良縁祈願にいかがでしょうか。

縁結びで有名な円通院では、ご本尊で祈願した数珠玉を使って数珠作り体験ができます。数珠玉の材質は天然石大4000円、小3000円、ガラス2000円、プラスチック1000円の4コースあるます。好きなコースを選ぶと、その数珠玉が入ったトレイを持ってこられます。そして好きな数珠玉を選んでいきます。

天然石を選ぶと完成後に選んだ石の説明があります。自分が直観で選んだ石の説明を聞くと、その石が持つ意味で、今の自分が必要としていることが現れているのだそうです。旅の記念に自分だけのオリジナルの数珠を作ってみてはいかがでしょうか。

御朱印には、本尊の「聖観世音」と書かれています。御朱印を頂くには、先に拝観料を支払う入口で御朱印帳を預けて番号札をもらいます。お参りをしている間に御朱印を作成していただけます。御朱印帳も販売さえていますので、こちらから始めてみてはいかがでしょうか。

円通院の庭園は、仙台藩江戸屋敷にあった小堀遠州が造った庭を移設したものといわれています。境内の庭には石庭、遠州の庭、バラの庭、自然庭園の4か所あります。バラ園は以前住職が広大な院内に色とりどりのバラを植えて西洋風な庭園をつくり、かつてはバラ寺と言われていました。

特にお勧めするのは、心字の池を中心とした石庭です。石庭は約350年前に造庭され、現在もその美しさを留めています。円通院の石庭は白砂が広がり、松島湾を表しています。白砂に浮かぶ岩を七福神に見立てている「天の庭」と、命を表した「地の庭」を天水橋で結んでいるという構成になっています。

石庭は京都にある寺院の庭園を思わせるような凛とした雰囲気があります。枯れ山水というのでしょうか。とても雅な雰囲気が漂い、庭が一つの物語のように思えます。日々手入れがされていることがよくわかります。

四季ごとに周りの景色変化し、その風景とともに石庭も風景に溶け込むように変化していきます。特に秋の紅葉の頃には石庭を囲むようにモミジが赤く色づきます。この辺りは人気の撮影スポットになっています。円通院の紅葉はよく知られているので秋には特に多くの観光客が訪れています。

庭園にある休み処の壁に開いたまるい窓。お寺などでよく見かける、風景を切り取ったように見える窓、日本人の美しさを追求する知恵から生まれた、非日常を感じさせるような異空間。より立体的に見えて何十倍にも美しく見えるようです。

円通院がある松島は、松に覆われた大小様々な島が美しい景色をつくっている景勝地として有名です。そのため松のイメージが強いのですが、秋には美しい紅葉を楽しめる場所が多くあります。こちらの円通院も紅葉の名所として知られています。写真は三慧殿の入口周辺の紅葉です。

さきほどご紹介した庭園にある丸い窓から紅葉を見てみると、紅葉の赤と緑の葉のコントラストがとても美しい風景が目の前に現れます。燃えるような真っ赤な紅葉と、赤く染まるまでの色々な色をした紅葉のグラデーションが鮮やかで、1枚の絵を見ているかのようです。

本堂大悲亭はもとは光宗が江戸で納涼の亭として使用していた建物を移築したものです。奥にはご本尊の松島町指定文化財の聖観世菩薩坐像が安置されています。こちらの建物で数珠作りを体験します。普段はひっそりと佇むといった雰囲気の円通院も、この時期は紅葉を楽しむ観光客で賑わいます。

そして円通院の庭園を覆う真っ赤に染まった紅葉はまた素晴らしい風景です。特に石庭を彩る紅葉と庭園の緑のコントラスト、そして砂に落ちた赤いモミジもまた絵になります。円通院の秋のライトアップはよく知られていますので、日中はさほど混んでいないようです。太陽の光に照らされて輝く自然のもみじに色を見るのもお勧めの楽しみ方です。

円通院の紅葉の一番の見どころと言えば紅葉のライトアップです。夜に光に照らされた円通院の紅葉はまた格別です。参道には柔らかい光のライトが並び、光に照らされて鮮やかに真っ赤に浮かび上がる紅葉は、昼間とは違った美しさがあります。

円通院の紅葉のライトアップで一番人気のビュースポットは、本堂の前にある「心字の池」です。遠州の庭の色づいた紅葉が光に照らされて鏡のように池に映り、幻想的な景色を醸し出し、この世のものとは思えないほどの美しい光景です。

心字の池のほかにも、境内には数種類の色の光でライトアップされたスポットがあります。青のライトをあびて神秘的な光宗公の霊廟、三慧殿が浮かび上がっています。そして三慧殿の周りは禅林瞑想の庭で、杉林の中は自然庭園となっていて、もみじや苔などがあり、また違った雰囲気があります。

うっそうとした竹林が幻想的なグリーンの光に包まれて美しく浮かび上がっています。昼間はうっそうとしたという言葉になってしまうかもわかりませんが、ライトアップされると、光のテーマパークのような雰囲気になり、その美しさに圧倒されてしまいます。

円通院の紅葉は、例年11月中旬から下旬頃が見頃となりますが、奥にある三慧殿付近は11月下旬から12月上旬頃になります。ただし気候により変動しますのでHPを見て予定を立てましょう。ライトアップもその年により変動するのでご確認を。また期間中、境内ではヴァイオリンなどの演奏があり、音楽を聴きながらゆったりと夜の紅葉が楽しめるのも素敵です。

2017年から始まったプロジェクションマッピング。洞窟の墓石に時計台を映すなど楽しいイベントも行われています。青や赤など数種類の光を使った色んな風景が楽しめます。円通院のライトアップは、期間中17時30分から21時まで、入場料は一般500円、小・中学生は200円です。

円通院の紅葉ライトアップと合わせて五大堂をはじめ、瑞巌寺の参道と洞窟群、観瀾亭、福浦橋などの松島の観光スポットも同時期にライトアップされます。また松島湾の夕方と夜のクルーズ、宮城県内で活躍するキッチンカーによる食のイベントなども開催されます。

円通院は見どころも多く、歴史と趣が感じられる場所です。良縁祈願や数珠作り、御朱印など、一年を通して大人の女子旅にぜひお勧めしたい寺院です。特に秋は円通院をはじめとする松島の寺院や参道などのライトアップをはじめ、期間限定のイベントが多数開催されます。この時期しか見られないライトアップされた円通院を堪能しましょう。