静岡のハンバーグといえばさわやか！人気の評判グルメを堪能しよう！

炭火でこんがり焼かれた外側、ピンクの断面、ほとばしる肉汁。ハンバーグの概念を覆した静岡のソウルフード「げんこつハンバーグ」。さわやかの看板メニューです。ウマすぎる!と評判を呼び、今では有名芸能人がツイッターなどで紹介するほどその人気はとどまるところを知りません。グルメをうならせる炭焼きさわやかの魅力に迫ります。

静岡県浜松市内の炭焼きさわやかのお店。注文して10分、厨房で炭火（備長炭）で焼かれたハンバーグが、熱々の鉄板に乗せられて運ばれてきます。一番の人気メニュー「げんこつハンバーグ」です。オーストラリア産牛肉100％の挽肉250gを調理したハンバーグの形は、まさに大人のこぶし。高さが5㎝以上あってダチョウの卵のようです。

客席に運んできた、店の認可を受けたスタッフが、ハンバーグを縦半分にカットします。適度な焼き加減になったところで客の好みを聞いてオニオンソースかデミグラスソースをかけます。客席には岩塩と黒胡椒のミルが置かれ、お客は先にこちらを使い、後でソースを楽しむのもおすすめですから、その旨スタッフに伝えます。

２つにカットされたハンバーグの中身は超レアで、肉汁があふれ出しています。スタッフが赤い部分を鉄板皿の面にあてて、上から大判型に押さます。お客は、飛び跳ねるソースと脂を、自分の前に紙のマットを立ててよけながら、立ち上る香ばしい煙を胸いっぱいに吸い込みます。グルメをうならせ、食欲をそそる見事なパフォーマンスです。

炭火で焼かれカリカリ感のある外側と、肉の旨み・甘味が広がる柔らかい中身、その絶妙なコラボが口の中で弾けます。オニオンソースの甘酸っぱさが、肉の旨さを引き立てます。お店の天井から吊り下げられたパネルに「中身が赤い程度＝肉汁たっぷりがおいしく召し上がれます」と大書してあります。レアがお店のおすすめなのです。

牛100％の挽肉ハンバーグ、しかも赤味たっぷりのレアの焼き加減が大人気です。お客さんからの熱烈な支持を支える裏にはどんな秘策があるのでしょうか。静岡県内に建設した自社工場で徹底した衛生管理のもとで製造する態勢や食の安心・安全への強いこだわりが浮かび上がってきます。

さわやかには、食の安全に限りないこだわりがあります。使う牛肉は、世界で最も安全と評価されるオーストラリア産です。オーストラリア南東部の指定した牧場で、安全な穀物を与え、健康に育てます。世界基準の衛生管理が認められた現地の食肉加工場で、まず炭焼きハンバーグ用の部位が大腸菌ゼロであることを確認します。

日本での製造拠点は、2004年に静岡県袋井市北部に建設した「さわやか本社工場」です。緑に囲まれた6000坪の広い土地にある本部機能を備えた加工場です。広重の浮世絵に描かれている袋井宿は旧東海道五十三次27番目の宿場で、江戸の日本橋から数えても、京都三条から数えてもどまん中。東西の真ん中に工場があるのは奇遇です。

この工場は、宇宙食の安全確保のためNASA(アメリカ航空宇宙局)が構想した衛生管理・安全性の国際規格(基準)ISO22000の認証を2007年に取得しました。ハンバーグ製造では国内初です。加工ラインはすべて手術室レベルのクリーンルーム内に設けられ、徹底した衛生管理のもとで肉の美味しさを求め、肉繊維を大切に加工しています。

毎日3時間かけて清掃した工場では、管理責任者がまず原料と加工工程、品目別製品の検査で大腸菌ゼロと0157ゼロを確認します。さらに責任者が毎日必ず試食と検査をして、形・重量・香り・食感などを評価、パスしたハンバーグがチルド配送で各店舗へ運ばれます。今日作ったハンバーグは今日中に静岡県内の「さわやか全店」へ届きます。

お客さんが食べた牛肉や米などの産地がどこか分かるように、店のホームページに主要食材の原産地一覧を載せ、アクセスすればPDFですぐ確認できます。食材はライ麦、エビ、レモンなど33品目。また栄養成分・アレルギーもハンバーグやデザートなど15分類について卵、小麦、そばなど7項目のデータを公開しています。

グルメもうならせる炭火で焼かれた人気のハンバーグを、静岡県内の店舗だけで提供する「炭焼きさわやか」ってどんな会社でしょうか。その成りたちや歴史、コンセプトなどを、同社が2017年に公式ウェブサイト(採用情報ページ)で公開した漫画『さわやか物語』などをもとにみてみましょう。

2017年に創業40年を迎えた静岡のさわやかは、会社の成り立ちや苦難の歴史、会社のコンセプトなどを漫画で紹介する『さわやか物語』を公式ウェブサイト(採用情報ページ)で公開しました。「創業編」「天使からの手紙編」「工場設立編」の3部構成で各部5ページ、全15ページです。会社全体のことがよく分かると評判です。

サラリーマン時代から体が弱かった富田重之・創業社長は、戦後の食糧難から結核を3回患い、10年間闘病生活を強いられます。病状が安定した時、自分の唯一の楽しみが食べることだと気づき、なけなしのお金で食べ歩いた結果、食べることは生命を支える原点と思いつきます。生きる力を与えてくれた両親や自然への感謝の心も持ちます。

感謝を形にと1977年40歳の時、静岡県菊川町(現菊川市)にコーヒーショップを開店。体は弱くても、さわやかな男に、の願いを込めて店名を「さわやか」にしました。「爽やか」の「爽」は「メ」「一」「大」から成り、「メ」を「人」に替えると「人＝ 」の集まりが「 番 きくなる」という「 」の字に。これがシンボルマークです。

好調で拡大路線を続ける裏でさわやかは、サービスの低下などから客足が遠のき、元気のない店に変わっていきます。1992年、富田社長あてに一通の手紙が届きます。「私が小学生の頃行ったさわやかは、夢のあるおとぎの国のような楽しいお店でした」で始まり、「大好きだったお店をどうかもう一度作って下さい」と訴えていました。

手紙でピンチをチャンスにしようと、げんこつハンバーグなどを投入し業績が上向いて間もなく、会社存続の危機に見舞われます。0157問題やBSE(牛海綿状脳症)による風評被害で客が激減します。しかし、これまでプラス思考で数々の困難を乗り越えてきた経験から2004年に静岡県袋井市に自社工場を建設して徹底した衛生管理で再び客足を戻すことに成功しました。

さわやかのコンセプト(基本理念)は、喜びややりがい、期待、真心、感動、自信などポジティブな言葉であふれています。中でもお客さんから「おいしかったよ」「また来るよ」などと言ってもらう度に“元気とやりがいをいただいている”と、感謝しています。

そして、お客さんがさわやかに対して抱く強い期待以上のもてなしをすることでお客さんにお返しをしたい、と考えています。一口で言うとさわやかは、食材が持つ生きる力に感謝して愛情たっぷりの料理をお客さんに提供し、いきいきと元気が広がる地域一番の店を目指す、ということです。

静岡県浜松市中区が本社の「さわやか株式会社」が運営する静岡県内だけにチェーン店を置くステーキ、ハンバーグレストランです。浜松市内の11店をはじめ静岡市4店、掛川市、富士市各2店など西は湖西市から東は御殿場市まで県内に31店を展開(2017年11月現在)、一番新しいのは2017年10月1日オープンの沼津学園通り店(沼津市)です。

炭火で焼いたげんこつハンバーグの人気や、0157問題、BSE騒動の克服などで来客者はうなぎ上りに増え続けています。さわやか本社のホームページによると2010年に377万人だった来客者が、翌2011年には392万人、2013年に460万人、2016年には542万人と大幅に増えています。驚異的な伸びといえます。

さわやかの店の駐車場は県外ナンバーの車が目立ちます。東京をはじめとする首都圏や名古屋などの中京圏、さらに関西圏ととどまるところを知りません。これほど人気のあるハンバーグ店の出店がなぜ静岡県内だけに限られているのでしょう。県外には出店しないのでしょうか。誰もが思う疑問を追います。

さわやかで使用されるハンバーグは、静岡県袋井市の本社工場からお店に毎日出荷されています。牛肉100％で賞味期限が短いため、お店に届いたハンバーグは工場から届いた日に使い切るのが原則となっています。工場から直送できる範囲に限度があるため、お店は静岡県内のみとなっています。工場から一番遠い店舗は静岡県東部の御殿場店です。

本社工場からの時間距離の関係で、これまで出店は静岡県富士市以西に限られてきました。しかし2012年4月に新東名高速道路(御殿場JCT―三ヶ日JCT間162㎞)が開通して静岡県内を横断する高速道路が二重化されました。これに伴って高速道路の交通量が分散化して、本社工場から静岡県東部地区への時間距離が大幅に短縮されました。

2015年、ついに神奈川県境の静岡県御殿場市に御殿場IC店がオープン。首都圏でもさわやかファンのグルメが多いと言われますが、東京から高速1時間でさわやかのハンバーグが食べられるようになりました。2016年に静岡県長泉町に長泉店、2017年に沼津学園通り店(静岡県沼津市)と東部での出店が続きます。人材の育成次第で県外出店も視野に、と言われます。

「げんこつハンバーグ」の名前が全国に広まるきっかけになったのは、静岡県磐田市出身の人気女優・長澤まさみさんの話です。2007年にテレビで、(帰省した時に食べる)げんこつが一番美味しく、さわやかになって帰れる、と紹介。これが人気に火をつけました。社内では「天使からのラブコール」と呼んでいるそうです。

2017年12月公開の映画『リベンジgirl』で主演の女優・桐谷美玲さんが10月に撮影で訪れた静岡県浜松市内の店でげんこつハンバーグを楽しみ、その模様をInstagramの動画で報告しています。「念願の #さわやか#げんこつハンバーグ」のコメント付きで、ハンバーグを前に笑顔がアップされ、テンションが上がっている様子がうかがえます。

彼女にとってげんこつハンバーグは「念願」だったようで、店員の説明に耳を傾けながら喜ぶ動画に「かわいすぎる」「癒しです」といったコメントが寄せられています。地元静岡のファンも大喜びで、「県民としてめちゃくちゃ嬉しい」と歓迎、中には「塩コショウでどうぞ」とグルメな食べ方をすすめる声もあります。

「さわやか」のおすすめと言えば「げんこつ」と答えるほど、広く世に知れ渡ったげんこつハンバーグですが、人気メニューはげんこつだけではありません。炭火で焼いたハンバーガーや、さわやかステーキ、梅しらす雑炊、ひとくちステーキ、季節のパフェなどグルメおすすめの逸品ぞろいです。

もう一品におすすめなのが、炭火で焼いた炭焼きハンバーガー。げんこつハンバーグをパンにはさんで食べる究極の贅沢。値段もげんこつハンバーグよりリーズナブルで、同伴者とシェアするのもアリです。炭焼きバーガーと炭火で焼いた炭焼きチーズバーガーの2種類あり、チェダーとパティの相性抜群のチーズバーガーがグルメおすすめです。

ガッツリ系のハンバーグ類が多い中で、地元静岡産しらすと紀州産南高梅のあっさりしたコラボが受けて、グルメ絶賛のおすすめメニューです。梅としらすに青海苔とわさびがしっかり効いて上品な旨みを出します。玄米茶が付いています。げんこつハンバーグなどの後、もう一品として楽しむグルメも多く、おすすめです。

リブロースの柔らかい部分だけを抽出して、食べやすい一口サイズにカットしたもので、わさび漬けとポン酢でいただきます。柔らかい肉が炭火の絶妙な焼き加減で焼かれ、ちょうどいい一口サイズで食べられるので、お年寄りから子どもまで安心して楽しめ、おすすめです。ピリ辛のわさびはお代わりができます。

さわやかおすすめのデザートは、バナナミルクなどの定番メニューと、静岡県産のイチゴやブドウなどその季節に一番美味しいフルーツを使った季節メニュー。夏に人気のバケツ氷は、アイスピッチャーに入った氷にあずきなどが乗っていて、グルメおすすめの一品です。氷の多さにギブアップする人もいますが、インスタ映えします。

100％の牛肉や炭火によるレアな焼き加減などで人々を魅了してきた「炭焼きさわやか」。げんこつハンバーグなどの美味さを実現するのに、どんな努力をし、してきたか、少しは分かっていただけたと思います。老若男女どなたにもリーズナブルに楽しめておすすめの炭火で焼いたさわやかのハンバーグ、どうぞ召し上がってみてください。