御前山登山の日帰りコースや所要時間！難易度や駐車場もチェックして計画的に！

東京都の奥多摩の山岳地帯で奥多摩三山の一つである御前山。今回は奥多摩三山の一つ御前山登山についての情報をお届けします。カタクリの自生地としても知られる山です。おすすめのコースや難易度をご紹介しますので、自分に合った登山ルートやその所要時間、難易度、駐車場情報などをチェックして、御前山の登山をぜひ満喫してみてください。

東京都西多摩群奥多摩町の檜原村の境界に位置する御前山。東京都、神奈川県、山梨県を流れる多摩川の南岸にある大岳山、三頭山、そして御前山は奥多摩三山と呼ばれています。今回ご紹介する御前山は標高約1405m、四季折々の自然を楽しめる山として登山者に人気の東京都奥多摩の山です。

多摩川の南岸に並ぶ奥多摩三山で真ん中にあるのが御前山です。御前山の山懐に広がる都民の森は歩道も整備されており、自然体験ができるエリアです。登山コースは、奥多摩湖からのコースがポピュラーなコースですが、都民の森からも登山口があり、小河内ダムから登るブナ尾根コースもあります。 その他にも利用者は少ないですが、奥多摩駅を起点としたコースなどもあります。

山頂はあまり広くありませんが、登山途中の眺望がすばらしいと人気です。隣接する山は鋸尾根、大ブナ尾根、惣岳山、小河内峠などがあります。場所によっては奥多摩湖を見下ろせ、晴れた日は富士山の美しい姿が望めるエリアもあります。御前山はカタクリの自生地としても有名で、早春の頃はカタクリの花が美しく咲き誇ります。

御前山はカタクリの自生地とご紹介しましたが、そのことは「花の百名山」にも紹介されています。「花の百名山」とは山を愛した脚本家であり著作家であった田中澄江氏（2000年3月没）が100点紹介している花のエッセイ集で、その中に御前山のカタクリも紹介されているのです。このエッセイ集は1980年に読売文学賞を受賞しています。

カタクリの花の見ごろは、その年によって見ごろの時期が早くなることもありますが、ほとんどが3月中旬から4月上旬が見ごろです。カラクリの花はその時期の暖かい日に一気に開花し、天気の悪い時や夜には花を閉じてしまいます。花の姿が可憐なのでスプリングエフェメラル（早春の妖精）とも呼ばれている花です。御前山では惣岳山からの登山道の脇から季節になると咲き始めます。

御前山へのアクセスは車のほか電車やバスなどの公共交通機関を利用してアクセスすることができます。車の場合は圏央道青梅ICから国道411号線で国道45号線の小河内ダムのコース（時間は青梅ICより約1時間）。もしくはあきる野ICから国道411号で都道7号線の都民の森に向かうコース（時間はあきる野ICより約1時間）です。

電車やバスなど公共交通機関を使用する場合はJR青梅線「奥多摩駅」下車西東京バス奥多摩湖行き「奥多摩湖バス停」下車（奥多摩駅からの時間約15分）、JR五日市線武蔵五日市駅下車西東京バス数馬行「数馬」下車連絡バスで「都民の森」下車（武蔵五日市駅からの時間約75分）、JR青梅線「御嶽駅」西東京バス「滝本駅」下車ケーブルカーで「御岳山駅」下車などがあります。

車でアクセスされた場合、登山コースに便利な駐車場は、奥多摩湖から御前山の登山コースを利用するときは小河内ダム駐車場を利用すると便利です。駐車可能台数は74台と大きな駐車場で料金は終日無料です。また三頭山からの登山コースを利用するときは都民の森駐車場が便利です。約100台駐車可能でこちらも料金は終日無料です。

その他、大岳山と御前山の間にある山道に約10台駐車可能のスペースがあります。駐車場のわきから御前山の登山道が続いています。また奥多摩近辺にいくつかの駐車場がります。季節によっては小河内ダム駐車場も都民の森駐車場も混雑する場合がありますので、奥多摩周辺の駐車場をご利用ください。

御前山の登山コースによって、登り始める登山口とは違う場所に下山するコースもあるので、車を利用してアクセスしたときは、自分の計画したコースの下山場所を確認しておきましょう。登山口と下山する場所が違うコースを希望されるときは公共の交通機関を利用してアクセスすることをおすすめします。

御前山の登山は奥多摩湖からか都民の森からの登山口を利用するのがポピュラーですが、コースによって下山する場所が奥多摩町の境橋であることがあります。境橋付近には駐車場がなく、都心に戻るには西東京バスを利用してJR青梅線奥多摩駅へ向かうのが一番早い方法です（乗車時間約6分）。奥多摩駅から奥多摩湖に続く系統の路線です。

御前山へは奥多摩湖から登山するコースがごく一般的です。所要時間は長いコースで7時間ちかいコースもあります。選択するコースによって登山の時間は異なります。また平均斜度も歩行距離もコースによります。難易度は初級コースから上級者向けのコースがありますが、どのコースもよく人に歩かれているようで迷うことのないコースです。

難易度は登山用語でいうなら日帰りの初級コースは総合難易度はLV.20、中級コースはLV.42程度、上級コースになるとLV.48と言われます。コースによってアップダウンがあったり途中に樹林帯のあるコースもあります。また急な階段が続いている個所もあり、登山者を飽きさせないコースがある山です。適度な間隔でベンチの用意がされています。

難易度は初級から中級程度の日帰り登山コースです。奥多摩湖バス停からサス沢山を通り、惣岳山から御前山に登ります。ここでＵターンし、惣岳山から奥多摩湖に戻るコースです。登山の時間は約4時間半。歩行距離は約9kmです。健脚コースと言われますが、意外に急登が続くコースでもあります。

このコースはたくさんの登山者が利用する人気のコースです。サス沢山付近は平らで歩きやすい道が続き奥多摩湖を見下ろすことができます。そこを通り過ぎ惣岳山に向かう大ブナ尾根付近はブナが立ち並び、岩が露出している個所や、倒木、斜面を横切らなければならない箇所があり少々険しい場所もあります。下山は来た道を戻ります。

難易度は中級レベルの日帰りのコースです。奥多摩湖バス停から御前山までの登りはコース1と同じコースですが、下山するときは栃寄ノ大滝から栃寄そして境橋に抜けて下山するコースです。御前山から栃寄ノ大滝を過ぎて階段を上ると林道にでて、急坂を通り過ぎると避難小屋の前に出ます。林道を出たところで自然観測などを体験でいる体験の森へ続く道と間違えないようにしてください。

栃寄大滝は岩の上を絵に描いたように流れている長い滝です。この滝を越えるとしばらく岩道が続きます。足場が悪く、急斜面となっているので気を付けて歩行しましょう。しかし自然の景色は美しく、大きな岩の割れ目から流れる滝やわさび田を観賞することができます。ここを抜けると境橋に出ます。境橋の反対側が奥多摩駅です。

御前山までの登りは日帰りコース1と同じですが、下山はクロノ尾山を通り鞘口山から大ダワに下り鋸山を通り奥多摩駅に下山します。登山の時間は5時間40分程度。歩行距離は約11kmです。難易度は中級者からやや上級者クラスのコースです。下山は緩やかな下り坂なのですが、鋸山に向かう尾根は登りのサス沢の尾根とは比べものにならないくらいアップダウンがきつい道のりです。

せっかく山頂にたどり着いても、御前山の山頂は広いエリアではありません。休憩は山頂から避難小屋に向かい休息する人が多いです。この鋸山を通る下山のコースは岩場の道が多いので足元には十分注意して下山しましょう。途中、天聖神社周辺はハシゴや鎖場につかまって階段で下るコースもあります。愛宕神社からは長くて急な石段に注意してください。少し歩くと奥多摩駅にでます。

都民の森のからの登山口から鞘口峠を通り、標高1365m地点の三頭山を通過し、御堂峠で折り返し三頭山から鞘口峠、風張峠、月夜見山、月夜見第２駐車場を通って小河内峠、惣岳山を登り御前山へ。そして栃寄ノ大滝から栃寄と通過し境橋へ下山するコースです。登山の時間は約7時間15分。歩行距離は約17km。日帰り御前山の登山を存分に堪能できる難易度は上級者向けのコースです。

このコースは三頭山へ行く最も短いコースです。天気が良ければ山頂から富士山も望めます。ブナの自然林が気持ちの良い歩きやすきコースでもあります。しかし月夜見山手前の車道を歩く場所や月夜見山を越えて車道を横切る場所は車の通行が多いので気を付けて通行してください。後半に入り足も疲れている上、栃寄大滝からの急な下り道も気を抜かず下山してください。

奥多摩町の境橋の登山口から御前山に登り、鞘口山、鋸山、大岳山、御岳山からみたけさん駅に下山する御前山の日帰りコースです。細かいルートは境橋、栃寄、栃寄ノ大滝、御前山に登り、鞘口山、大ダワ、鋸山、大岳山、大岳神社、鍋割山分岐、御岳山そしてみたけさん駅に出ます。登山の時間は約8時間、徒歩距離17km。難易度は上級者向けのコースです。

境橋の登山口から登り始めると栃寄沢を何度となく木橋を渡りながら登っていきます。その後急登になり、栃寄ノ大滝が見えてきます。ここからは御前山山頂までは緩やかな道が続きます。カタクリの花の季節には紫色の花を観賞しながら歩けます。御前山から鋸山までは日帰りコース3と同じコース。アップダウンの多い道のりです。

馬頭刈尾根の分岐を越えると鎖場を伝わりながら歩かなければならない岩場の登坂もあり難易な道のりですが、登りきると大岳山到着。士山や丹沢の山々を望むことができます。岳山からは岩場の急坂を下らなければなりませんが、大岳山神社へ出ると整備された登山道となり、御岳山までゆるやかな尾根道です。山頂に武蔵御嶽神社があり境内を通って下山します。

快適な安全な登山をするにはその山の気候情報もチェックして計画しましょう。四季折々の自然が楽しめる御前山の平均気温は1月-4℃、2月-3.5℃、3月-0.3℃、4月5.4℃、5月9.9℃、6月13.3℃、7月16.8℃、8月18℃、9月14.3℃、10月8.6℃、11月3.3℃、12月-1.5℃です。東京都と言え冬は氷点下。雪が積もる季節です。

登山上級者は雪山も魅力でしょう。一般に御前山を登るのに最適な季節は3月初旬から6月下旬、9月上旬から11月下旬だと言われます。初春はカタクリの花が綺麗で、秋は山々の紅葉が見ごろを迎えます。7月、8月の夏真っ盛りの時期も山の最高気温は23℃程度です。山に清涼を求めに出かけるのもよいかもしれません。

登山をするときは転んだり、身近にない植物に触れてしまいかぶれてしまう心配もあるので、季節を問わず長袖のシャツを着用するようにしましょう。半袖やハーフパンツ、サポートタイツは避けてください。また日よけや落石などの心配からキャップやハットが必要です。冬場は防暖のためにニット帽がおすすめです。

山の気温は変わりやすいので7、8月以外はフリースやセーターを用意しましょう。春先はウインドブレーカーもおすすめです。また4月から11月の登山は急な雨に備えてレインウエアも持参するようにしてください。冬場はダウンジャケットを着用するとよいでしょう。春先も気温が下がるときがりますのでダウンベストを着用すると便利です。

大岳山、三頭山そして御前山と奥多摩三山の中の一つである御前山は難易度の低い箇所から上級クラスのコースまでたくさんの登山者が楽しめる山です。カタクリの自生地で有名でなので早春はきれいなカタクリの花が見られることと思いますが、色々な登山コースによって四季折々の自然が楽しめる御前山。ぜひ登山計画を立てトライしてみてください。