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毛越寺の庭園は絶景!平泉の世界遺産を訪れよう!秋の紅葉もおすすめ

毛越寺の庭園は絶景!平泉の世界遺産を訪れよう!秋の紅葉もおすすめ
投稿日: 2018年1月15日最終更新日: 2020年10月8日

岩手県平泉には、毛越寺を含む5つの資産で構成される世界遺産があります。その毛越寺には、仏教の浄土思想を具現化する伽藍群が残されており、特にその中心を成す浄土庭園は、浄土思想が目指す理想世界を表現しているとして、世界遺産委員会に高く評価されています。

毛越寺の庭園は浄土思想を示す理想世界見出し

岩手県平泉にある天台宗別格本山の毛越寺には、四季折々の花が咲き誇る浄土庭園があります。その毛越寺浄土庭園を含む伽藍群は、仏教浄土思想の理想世界を残しており、世界遺産として高く評価されています。ここでは、その浄土思想が目指す理想世界を紐解くべく、岩手県平泉にある見事な文化遺産の見どころの数々を紹介していきます。

毛越寺を含む世界遺産を生んだ平泉の歴史見出し

平安時代の中期以降に、豪族安倍氏と清原・源頼義連合軍の合戦、清原家衡と藤原清衡・源義家連合軍の合戦を経て、平安時代後期、奥州100年の栄華の基礎を築いたのは、藤原清衡に始まる4代に渡る藤原家です。戦乱の時代を経て平和な国造りを目指し、中尊寺を始めとする伽藍群のほとんどが、この岩手県平泉を中心に築かれました。

平泉に拠点を移した藤原清衡は、平和な国造りを目指し、幾多の戦で亡くなった全ての人の霊を弔うために中尊寺の建立を行いました。二代目基衡の代には、毛越寺の建立、さらにはその基衡の妻が造ったとされる観自在王院庭園、そして三代目秀衡の代には、無量光院の建立を行い、ここに平泉の都市100年の栄華が完成しました。

藤原清衡、基衡、秀衡と三代続いた藤原家平泉の栄華は、4代目泰衡の代で終わりを遂げます。京都から優れた技術者を呼び寄せ財力の限りを尽くして造られた伽藍群の数々を見ると、京都に対抗する都をこの東北の地、平泉に造り上げようとしていたのかも知れない、という思いがするほど、見事な建築美、自然造形美の数々が点在しています。

世界遺産は毛越寺を含む構成5資産見出し

世界遺産の正式名称は、「平泉ー仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺産群ー」といい、毛越寺を含む5つの資産で構成されています。藤原4代で成し遂げようとした浄土思想の考え方に基づく理想郷の世界が、寺院、庭園及び自然遺跡群として完璧に近い状態で保存されており、他に類のないものとされ世界遺産に認定されています。

世界遺産として登録されているのは、金色堂、金色堂覆堂、経蔵、大池伽藍跡を含む「中尊寺」と庭園、常行堂を含む「毛越寺」、それに「観自在王院跡」、「無量光院跡」、「金鶏山」の5つの仏堂、浄土庭園資産などで構成されていて、12世紀初頭の日本独自の仏教浄土思想による極楽浄土を表現した見どころあるものとなっています。

毛越寺庭園の大泉ケ池見出し

毛越寺庭園には、州浜や築山、出島石組と池中立石が配されており、大泉ヶ池を中心に極楽浄土を地上に表現しています。その大泉ヶ池は、東西約180m、南北約90m。池には玉石を敷いた中島が築かれ、荒磯風の出島には水辺から水中へと石組が突き出し、その先端の飛島には約2mの景石が据えられるなど、見どころある景観となっています。

大泉ヶ池の築山は、水際から山頂近くまで大小形の異なる石を立てて、岩山の風景を造り出しています。全体的に明るい雰囲気のする庭園の中で、唯一重厚な翳りを漂わせる箇所となっています。植えられている松の木の枝の傾斜が水面に映り込み、日本最古の作庭書「作庭記」の思想や技法を伝えて見どころある景観を造り出しています。

築山と対照的に造られた砂州は、美しい遠浅の海岸線を表現しています。世界的なユング心理学の権威で元文化庁長官の河合隼雄氏をして「大泉ヶ池の前に立っていると人工的な構築物がまるで見当たらない」と言わしめるほど、虚構の浄土なのに虚構ではなく紛れもない自然美の世界に見え、心洗われる見どころある美しさに出会います。

毛越寺庭園の遺水見出し

平安時代の庭造りの様式を残す遺水は、池に水を取り入れるための水路です。水底に玉石を敷き詰め、なだらかな曲線を描く角の部分や水路の出口付近には、水切り、水越し、水分けなどの石組みが施されています。毎年新緑の頃になると、庭園の遣水に盃を浮かべ流れに合わせて和歌を詠む平安時代の優雅な歌遊び「曲水の宴」が行われます。

毎年5月第4日曜日に開催される毛越寺曲水の宴は、男性は、衣冠、狩衣、女性は、袿、十二単という装束をまとい水辺に座ります。催馬楽に合わせて若女の舞が奉納され、盃をのせた羽觴を流し、水辺の歌人達が和歌を詠み短冊にしたためながら、流れてくる杯を傾けるという一大絵巻の宴が再現され平泉観光の見どころのひとつとなっています。

毛越寺の常行堂見出し

毛越寺の常行堂は、天台宗において90日間念仏を唱えながら阿弥陀様の周りをまわり続ける常行三昧を修法するお堂で、法華三昧を修法する法華堂と渡廊下で結ばれていました。1597年に焼失しましたが、その後1732年に再建され現在に至っています。宝冠阿弥陀如来と4菩薩が本尊に配置され、奥殿には守護神の摩多羅神が祀られています。

毎年1月20日には、この常行堂において常行三昧の修法が行われ、国の重要無形民俗文化財である「延年の舞」が奉納されます。田楽躍、路舞、祝詞、老女、若女、児舞など曲趣は様々あり当時の流行の諸芸が尽くされます。当時の伽藍群のほとんどが焼失再建される中、この無形文化財だけは800年の時を超えて今もなお伝承されています。

毛越寺庭園周辺の秋の紅葉見出し

毛越寺庭園の紅葉は毎年10月下旬から11月中旬にかけて見頃を迎えます。大泉ヶ池を中心とする浄土庭園には、真っ赤な紅葉が色づき、水面までも真っ赤に照らし出します。さらに夜にはライトアップも行われ、より一層幻想的な世界が広がります。池中立石を正面に捉えると左右対称に配置された紅葉が一際色鮮やかに映されています。

大泉ヶ池の水面に垂れ込める紅葉の葉がさらに水面を赤く染めていきます。紅葉の木々を眺めると、眩いばかりの深紅、鬱金色が重なり合って神秘的な世界が広がっています。また秋だけではなく四季折々にその色合いを変化させていく様は、実に計算され尽くされながら、それでいて自然美の調和を整えている浄土世界を表現しています。

毎年、岩手県平泉では、この秋の紅葉に合わせて「秋の藤原まつり」が行われます。平泉駅前を始め各所で行われる郷土芸能や一番の見どころである中尊寺の能の舞など、必見のイベントが期間中繰り広げられます。秋の岩手は平泉の世界遺産と合わせて、紅葉も鑑賞出来ることもあって多くの観光客が訪れ、一年で最も賑わいを見せます。

秋の藤原まつりに合わせ、中尊寺白山神社では、一番の見どころである能の舞が披露されます。白山神社の能舞台は、正統的な規模と形式の舞台をはじめ、橋掛、鏡の間、楽屋などから出来ており、本格的な能の舞を鑑賞することができます。この時期、岩手県平泉へ訪れたならば是非とも鑑賞すべき必見のイベントです。

850年に創建された毛越寺本堂見出し

岩手県平泉町の毛越寺は、中尊寺と同じく850年の創建と伝えられており、二代目藤原基衡が造営に着手し、三代目秀衡時代に完成しました。往時には堂塔40、禅房500の規模を誇り、中尊寺を凌ぐほどの規模と華麗さを誇っていました。平成元年に再建され、本尊の薬師如来、脇士の日光月光両菩薩、本尊守護の四天王が安置されています。

毛越寺庭園を散策しながら紹介している動画です。ほとんど動きがないのでスチール写真の構成のように見えますが、すべて動画撮影されています。それだけ静寂な中にただ自然美の景観が広がっています。池のほとりに立ち尽くすと、藤原三代の栄華によって建立されたこの浄土世界の世界が眼前に迫ってきます。

平泉駅から世界遺産へのアクセス見出し

東北本線JR平泉駅から世界遺産のある毛越寺庭園までは、県道31号線を西へ一直線約850m、徒歩約10分の距離にあります。中尊寺までは、北西へ約2.6km、車で約10分の距離にあります。平泉町巡回バス「るんるん」を使えば、1回150円、1日フリー乗車券なら1日何回乗っても400円で利用でき、岩手県平泉の観光地を巡回でき便利です。

毛越寺庭園に息づく極楽浄土見出し

芭蕉が詠んだ有名な句「夏草や兵どもが夢の跡」。芭蕉は、源義経が居城していた高館に登り、平泉の歴史と地勢を見事に描写しています。栄華を誇った平泉の繁栄は藤原一族の滅亡とともに散っていきますが、今もなおその栄華を極めた浄土思想による極楽浄土の世界は、ここ毛越寺を始めとする世界遺産に脈々と息づいています。

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投稿日: 2018年1月15日最終更新日: 2020年10月8日

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