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京都が誇る日本三大祭の「祇園祭」をとことん楽しもう!
歴史ある京都の中でも特に古くから伝えられてきたもの、それが祇園祭です。 1100年あまりの歴史を持つ祇園祭は、京都人にとって夏の風物詩として知られています。 祇園祭には「前祭」と「後祭」があり、今回は魅力的な祇園祭の後祭についての情報や日程、宵山や山鉾巡行の楽しみ方、また交通規制について紹介します。
京都が誇る日本三大祭の「祇園祭」は前祭と後祭で楽しめる!
穏やかな人柄の強い京都人もこの時だけは強さや逞しさを全面的に解き放つ祇園祭。2014年から大船鉾が150年ぶりに復活し、後祭も50年ぶりに再会しました。それによってお祭りはより厚みが増したのは言うまでもありません。祭は前祭と後祭の2部構成となったことで、前祭と後祭で楽しみ方のバリエーションが増えました。
京都における祇園祭の歴史
前祭?後祭ってなに?という人のために、少し祇園祭の歴史についておさらいしておきましょう。祇園祭の起源は平安時代の869年までさかのぼります。当時はまだ医療法が確立しておらず、京都をはじめとする日本全国に疫病が蔓延したことで、素戔嗚尊の祟りであると信じられ、八坂神社に3基の神輿を送り、病魔退散を祈願した祇園御霊会が行われたのです。
それが現代まで受け継がれ、無病息災を祈念するお祭りに姿を変えていきました。祇園祭は京都の八坂神社(祇園社)における祭礼で、7月1日からおよそ一か月の日程で開催されます。9世紀から続く京都の伝統的な儀式として欠かせないイベントであり、日本の三大祭として知られている有名なお祭りです。
祭行事は八坂神社主催のものと山鉾(やまぼこ)町主催のものに分かれています。一般的に山鉾町が主催している行事のことを「祇園祭」と呼び、お祭りにおける山鉾行事は国の重要無形民俗文化財に指定されているので、当日は京都府警察署を総動員して大幅な交通規制が敷かれます。四条通や烏丸通をはじめとする通りは歩行者天国となり見物客に開放されます。
京都の祇園祭における前祭と後祭の違いとは
祇園祭は1966年から2013年まで、山鉾巡行などの祭り行事は17日の日程でまとめ開催されていました。本来の祇園祭山鉾巡行は前祭と後祭に分けて開催されていたことから2014年から2度に分けた日程を組むようになりました。祇園祭の山鉾巡行は、祇園祭の主神である八坂神社にいる神様が通る道を作るために行われます。
17日からの前祭でするのは八坂神社から神様を乗せた神輿を四条の新京極寺町商店街の御旅所へ出迎えることです。そして24日からの後祭では八坂神社に神輿を返す神輿渡御を行います。つまり祇園祭における前祭と後祭の違いは、神様をお迎えする前祭、反対に神輿を返しに行く後祭、ということです。
前祭と後祭の違いはおおまかには露店が出ない、山鉾の数が半分以下の10基となるくらいです。前祭とくらべ後祭は規模が小さく、見物客も少ないです。それにちなんで「後の祭り」という言葉が定着しました。しかし祭り行事としては後祭も前祭もかわりません。ちまきを販売する浴衣姿の子供たちも各町会所にいて祇園祭の雰囲気を楽しむには十分です。
祇園祭(後祭)における宵山の楽しみ方とは
京都の祇園祭は祭り行事的には前祭と後祭りでかわりはありません。代表的な見所のひとつが宵山です。山鉾巡行を筆頭に、各町自慢の山鉾たちが提灯を明るくして立ち並び、3日間の日程でスタンバイしています。この提灯のほのかな灯りに照らされた山鉾が、昼間目にする山鉾とはまるで違う幻想的な雰囲気で、思わず言葉を忘れて見入ってしまいます。
灯りのともった駒方提灯と夕暮れに染まった空の色が非常に風情があり、絶好のシャッターチャンスといえるでしょう。この日ばかりはお囃子も山鉾から降りてきて、傍らに立って演奏します。和をかんじさせるお囃子を間近で見たり、山鉾に登ることもできたりと楽しみ方は人それぞれです。
宵山の見所といえばなんといっても提灯落としが有名ですが、後祭の宵山は賑わいが前祭ほどありません。前祭が20万人の人出で後祭はおよそ1万人。露店も姿を消してしまいます。ただし後祭には後祭の楽しみ方があるのです。それは間近で宵山鑑賞できるところです。なぜなら人出が少なく交通規制もゆるくなり、前祭ほど混雑しないからです。
祇園祭(後祭)における山鉾巡行の楽しみ方とは
そして祇園祭で宵山と並び見逃せない祭行事の一つが山鉾巡行です。山鉾巡行で先陣を切る長刀鉾は「動く美術館」と呼ばれていて、ゴージャスな金箔の鯱鉾と水引が正面屋根に飾られています。後方には江戸時代にその名をはせた画家・伊藤若沖のデザインによる鳳凰が描かれていて、大迫力の山鉾が通るとフラッシュが次々と炊かれます。
祇園祭でよく聞く山鉾ってなんのこと?
そもそも「山鉾」(やまぼこ)とはなんでしょうか。これは神社の祭礼などで引かれる山車のことを指しています。山鉾町主催の諸行事の中で特に盛り上がる山鉾行事は、山鉾が設置される時期によって前祭と後祭の2つに分かれるのです。山鉾行事は前夜祭の「宵山」と市街地を巡行する「山鉾巡行」が祇園祭における最大の目玉行事となっています。
山鉾巡業最大のハイライト・辻回し
見所はなんといっても辻回しです。辻回しとは鉾・曳山・船鉾を交差点で90度に方向展開する作業のことです。重さ10トンを超える神輿を回転させるために、道路に青竹を敷いて水を撒き、引き網を横から引くことで山鉾を男たちが90度に方向転換させるのです。その力強さと息遣いが息をのむほど美しく、山鉾巡行におけるハイライトとなっています。
豪華絢爛な山鉾が、力強い人々によって動かされ、まるで大きな城を動かしているような迫力に圧倒されてしまいます。辻回しは時間がかかるため、後続の山鉾が後ろに連なっていくのも非常に絵になる光景です。角度をかえるたびに歓声が沸き、山鉾が90度に回りきると、大勢の見物客から拍手がまきおこります。
辻回しの場所は、非常に混雑する四条河原町交差点と、河原町御池交差点、そして新町御池交差点の3か所となっています。辻回しの見せ場をみたいのであれば、3時間前には場所取りの確保が必要です。後祭は前祭ほど人出がないため見やすいですが確実にベストポジションで鑑賞したいのであれば有料観客席から見る楽しみ方もあります。
祇園祭は後祭のほうがおすすめの理由
しっかりカメラにおさめたい、祇園祭の宵山・山鉾巡業を間近で鑑賞したいのであれば人出が少ない後祭のほうがおすすめです。しっとりとした祇園の情緒を楽しみたい人は後祭に足を運びましょう。人波に押し流されることも山鉾が見れずイライラすることもなく、ゆっくり立ち止まり豪華な山鉾や宵山をじっくり鑑賞できる楽しみ方ができるからです。
京都の祇園祭(後祭)には露店がない?
後祭は交通規制がないため露店が出ませんが、食事は京都芸術センターグラウンドにおいて、プラスチックのリユースできる食器を使った飲食物が提供されています。祭といえば露店。そこで食事を楽しむのも風情があっておすすめです。2018年のエコ屋台村は開催期間が短縮される情報もあるため、事前に主催者のホームページを確認しておきましょう。
2018祇園祭の後祭の日程は
それでは祇園祭の詳しい日程を確認しましょう。例年通り祇園祭は7月1日(日曜日)から31日(火曜日)まで開催されます。前祭の日程は7月17日(火曜日)から、そして後祭の日程が7月24日(火曜日)からとなっています。後祭の山鉾巡行は24日の9時30分から出発し、巡行コースは神輿を返しに行くため、前祭と逆方向に巡行していきます。
祇園祭は花傘巡行も開催されている
祇園祭はもともと前祭と後祭を別々に行っていたので山鉾巡行も別々でした。2013年までは山鉾巡行を17日にまとめて行っていたのです。しかし神輿渡御が本来の目的なので、神様が神輿で帰る道を清める必要があります。そのため2013年までは山鉾巡行のかわりに花傘巡行が行われていました。
花笠巡行とは色鮮やかな子供神輿のことです。祇園太鼓や花笠、馬長稚児など約1000人にも及ぶ華々しい行列が山鉾巡行のように町を巡行していきます。特に人気の高い見所は花傘巡行と山鉾巡行のルートが重なる河原町通です。四条河原町交差点では辻回しもみることができるので非常に混雑しますが席さえ確保すればベストスポットになります。
しかし京都の祇園祭は前祭と後祭が復活したので、花傘巡行がなくなってしまうのではないかと危惧されていました。しかしこれまでのところ花傘巡行もも継続して行われています。日程は24日の午前10時から、八坂神社を皮切りに、四条寺町、御池通り、河原町御池、そして四条寺町を東にすすんで八坂神社に帰ります。
祇園祭(後祭)の楽しみ方:屏風祭
山鉾巡行や宵山も見所の祇園祭ですが、屏風祭も京都ならではの夏の風物詩です。祇園祭屏風祭は毎年21日から23日まで開催され、山鉾長の旧家・老舗が屏風・書画・美術品・調度品などを虫干しを兼ねて飾り付け、祇園祭後祭を楽しむ人々に披露します。日程は7月21日(土曜日)から7月23日(月曜日)まで開催される予定です。
山鉾巡行が「動く美術館」と呼ばれているのに対し、屏風祭りは「巡る美術館」と呼ばれています。京都出身の女流画家・上村松園は屏風祭りを歩いて巡り、縮図帳に模写を繰り返すことで女性初の文化勲章を受章するほど画力を磨いたことで知られています。山鉾巡行や宵山の前に、京都ならではの芸術を肌で感じるために屏風祭りにも足を運んでみてください。
祇園祭(後祭)は山鉾の御朱印集めをして楽しもう
宵山の期間中には各山鉾町の町会所に宝物が展示されています。御神体人形にちなんだ独自のお守りやちまき、手ぬぐいが販売されています。これらは縁起物で、悪霊払いの厄除け、お祓いの効能があるとされています。玄関に飾って悪霊が悪さをしないようにするのです。祇園祭に行くのであれば必ずちまきを購入しておきましょう。
京都の祇園祭(後祭)の注意点
そんな京都祇園祭ですが、注意点もあります。まず絶対気を付けなくてはいけないのが熱中症対策です。暑い中混雑した状態で待っていると人込みによってまるでサウナのように蒸してきます。毎年何人もの人が熱中症で倒れて病院に運ばれます。せっかく祇園祭におとずれたのに熱中症で山鉾巡行もみれなくなってはそれこそ後の祭りです。
日差しよけのため、帽子や飲み物を携帯しておきましょう。うちわは人込みに引っかかってしまうためあまりおすすめできません。折りたたみ式の扇子が風情があり、機能的にもおすすめです。また、梅雨時期での開催となるので、急な雨や雷雨を避けるためにも折りたたみ傘もあったほうがいいでしょう。
祇園祭(後祭)の熱中症対策でおすすめの見学場所
体調が心配な人は四条河原町交差点での見学をおすすめします。ここにはアーケードがあるため日差し除けができること、また近くに高島屋があるため何かあったときは冷房の効いた店内に避難できます。もちろん同じことを考えた人が大勢つめかけるので、はやめの場所取りが必須となります。
京都の祇園祭へのアクセスは
祇園祭にアクセスですが、開催される場所は八坂神社と四条御旅所となっています。八坂神社へのアクセスはJR京都駅から市バスの206に乗車し「祇園」ですぐ近くに到着します。京阪電気鉄道祇園四条駅からは徒歩約8分で到着します。名神高速京都東ICからは7kmの距離約20分で到着します。なお車の場合周辺の交通規制によって混雑するので注意しましょう。
京都の祇園祭(後祭)における交通規制について
前祭は15日と16日の二日間歩行者専用道路の歩行者天国となり、四条通を中心に大規模な交通規制が敷かれます。後祭りに関しては露店の出店がないため歩行者天国がありません、したがって交通規制は一部山鉾巡行に伴う四条通や御池通など京都中心部での実施となります。
祇園祭(後祭)は前祭ほど交通規制がキツくない
主な車両通行止めの時間帯は四条通の木屋町から烏丸間が午前9時50分から午後1時まで、烏丸から堀川間における交通規制が午前10時50分から午後1時までとなります。当日の道路状況によって交通規制の時間帯もかわることがあります。詳細は京都府警ホームページに載っていますので、当日の交通情報をこまめにチェックしましょう。
京都の祇園祭はなぜここまで人々の心をうつのか
なぜ祇園祭はこうも人気があるのでしょうか。もちろん歴史を感じさせる山鉾行事を見るという単純な楽しみ方もあるでしょう。その他にも踊りやお囃子が見られるところにも理由があります。風情ある光景と和を感じさせるテンポのいいお囃子が心に響き、ただの喧騒的な祭と違い仕事に疲れた人々を和やかで優しい気持ちにさせてくれるのです。
京都の祇園祭は後祭のほうがおすすめ!
人出が多い前祭のほうが祇園祭を楽しめるイメージがありますが、人出が少なく交通規制が敷かれない後祭のほうがじっくり楽しむためにはおすすめです。間近でみられる山鉾は後祭ならではの楽しみ方。京都を、日本を代表するお祭りである京都祇園祭。落ち着いた雰囲気を味わうために是非後祭にも注目してみてください。
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