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神社と寺院の違いや見分け方を理解して参拝しよう
日本人は無宗派の人が多いと言われてはいますがいまだに『神社』や『寺院』に参拝する文化は根強く残っています。ただ、ふと「神社と寺院の違いって何ですか?」と聞かれて正確に答えられる人は意外に少ないのではないでしょうか。今回は私たち日本人にすごく身近な存在でありながら実際にはよくわかっていない『神社』と『寺院』の違いを解説します。
神社と寺院の違いや見分け方1:崇拝対象
日本では古来から山や草木や岩石などの万物に魂が宿ると信じられており、それを「八百万の神」と呼んで崇拝してきた歴史があります。その「八百万の神」を祀っている建物が『神社』であると言われています。山のなかをはじめとしてそれぞれの神様が宿っている場所に神殿を建て、それが社殿や本殿に発展していったものが現在の『神社』だとされています。
これに対して、私たちが「お寺」と呼んでいる『寺院』はブッダを開祖としています。日本には538年に大陸から仏教が伝わったと言われていますが、その仏教の教えに従って建設されたのが『寺院』です。この『寺院』にはその国を護り鎮めるための場所という役割が仏法的には与えられており、国家鎮護の祈願をする場所として全国に普及していきました。
神社と寺院の違いや見分け方2:定義
辞書を引くと各単語の定義的な意味がずらっと並んでいるわけですが、この『神社』に関しては「神様が住む場所」となっています。先ほども説明したように日本では「八百万の神」に対する崇拝があり、それらの神様が生活をしている場所に『神社』を建ててきたわけですから言われてみれば当然の話です。ですから『神社』ごとに住んでいる神様も違います。
一方で『寺院』の辞書的な意味は「僧侶が住み込みをしながら教義等を学ぶ場所」となっています。つまりストレートに解釈すると『寺院』には神様は住んでいないことになります。実際日本全国にある『寺院』を訪れてみるとすぐ近くに僧侶の人たちが生活する寮のような建物があったり、さらには「僧侶募集」の貼り紙が貼られていたりすることもあります。
神社と寺院の違いや見分け方3:所属
ちなみに『神社』の所属は神道になります。神道(しんとう)とは日本独自の宗教観で、ほかの宗教と違って教典や具体的な教えはありません。同時に開祖もありません。神話や「八百万の神」に基づく多神教です。そのため日本には数多くの『神社』があるわけですが、具体的な信仰対象がない分だけ垣根を超えていろいろな人が参拝に訪れるのも特徴です。
反対に『寺院』の所属は言うまでもありませんが仏教です。ちなみに『寺院』は先ほど「僧侶が修業をする場所」とお伝えしましたが、その目的は悟りを開くことにあります。仏教では私たちの暮らす世の中は「苦しみ」とみなされているのですが、悟りを開くと未来永劫続くとされる輪廻転生の輪のなかから抜け出す(脱却)ことができると考えられています。
神社と寺院の違いや見分け方4:聖職者
また『神社』と『寺院』では聖職者も違います。『寺院』における聖職者は神職や巫女になります。神職は「神主」と呼ばれることもあります。神主は『神社』にお仕えをして歳事や社務や祈祷といった仕事をするのが役割です。そしてその神主を補佐するのが巫女です。ほかにも巫女は『神社』の神事の際に神楽を踊って奉仕するのも重要な仕事となっています。
これとは違い『寺院』における聖職者は僧侶になります。僧侶以外にも尼さんや住職も『寺院』の聖職者です。この僧侶の『寺院』での主な仕事はお経を唱えたり説教をしたりすることになります。これ以外にも葬儀の際にお経を唱えたり墓地を管理したりするのも仕事です。ちなみに「和尚」は教えを説く、「住職」は『寺院』に住み込むお坊さんを指します。
神社と寺院の違いや見分け方5:教典
宗教には欠かせないもののひとつが『教典』です。この教典に対する考え方に関しても『神社』と『寺院』では違います。まず『神社』ですが、こちらは前述したように具体的な教典を持ち合わせていません。神道の世界観はさまざまな神様の力を借りることで成り立っているというイメージで、それらの神々の力を借りるという方法論を教義とする面が強いです。
一方で『寺院』では釈迦(シャカ)、つまりブッダが説いたとされる教えを記録した経典を『教典』としています。ただ一言で仏教といっても細かな宗派がたくさんあります。具体的な教典に関してはそれぞれの宗派で微妙に違い、それもある意味では『寺院』の特徴のひとつと言えるでしょう。とは言え個々の教典はもとをたどるとブッダの教えに行きつきます。
神社と寺院の違いや見分け方6:宗教施設
『神社』と『寺院』の宗教施設にも当然違いがあります。まず『神社』の方はさまざまな神様が祀られていることから参拝をする場所という意味合いを持っています。そのため参拝をするために必要な機能が『神社』の施設には付いています。簡単に言うと『神社』は鳥居と参道と社殿の3つで構成されます。一般的な『神社』ではまず入り口に鳥居があります。
そして『神社』の鳥居をくぐると本殿へと続く参道が現れるわけですが、その参道の脇には手や口を清める手水舎が設置されています。そしてその先にあるのは神様が暮らしている本殿です。これに対して『寺院』は僧侶たちが修業をする場所ですから参拝をするための機能は備わっていません。ただ少しずつブッダが神格化されて『寺院』は形を変えていきます。
例えば日本にある『寺院』を訪れると仏塔や仏像が収められています。ちなみに現在では『寺院』の入り口に山門があるのが一般的です。そして敷地内にはブッダを表しているとされる仏塔が、さらに本尊の仏像を安置する金堂が内部に置かれています。日本にある奈良の東大寺のように大きな大仏が収められている『寺院』にはこのような背景があるわけです。
神社と寺院の違いや見分け方7:参拝方法
ここまで『神社』と『寺院』のいろいろな違いを紹介してきましたが、私たちが最も気を付けないといけない違いは参拝方法でしょう。これを間違えると神様に失礼にあたるのはもちろん、ほかの参拝客から白い目で見られる原因にもなるため注意が必要です。まず『神社』の参拝方法ですが、こちらは本殿で二拝二拍手一拝をするのが基本的なルールです。
『神社』の本殿で鈴を鳴らしお賽銭を入れたらまずは2回礼(お辞儀)をします。そして手を2回「パンパン」と叩いてさらにもう一度頭を下げます。一方で『寺院』は合掌をするのがルールです。『寺院』でお賽銭を入れたら「パンパン」とは叩かずにそのまま手の平をあわせて合掌します。特に『寺院』に訪れた際には手を叩かないように注意しましょう。
神社と寺院の違いや見分け方8:願い事
いまでこそ『神社』や『寺院』にいくと個々が自由にお願い事をしますが、古くはお願いする内容がそれぞれきちんと決まっていました。例えば『神社』の方は「現世での幸せを願う」のが通例でした。この『神社』へ参拝する目的のひとつに「自分の身体に付いた穢れを清めること」があり、つまりは『神社』へ足を運ぶことにはお祓いの意味があったのです。
『神社』で身を清めて心機一転の決意を表明するわけです。そのため「お金持ちになりたい」といったお願いは本来の趣旨からは外れます。これに対して『寺院』では仏教の考えに従って「死後に極楽浄土へ行けること」をお願いします。もちろん『神社』と同じように現世での幸せを願うこともあったようですが、意味合いとしては前者の方が強いです。
神社と寺院の違いや見分け方9:御神体
ほかにも『神社』と『寺院』ではご神体に対する考え方が微妙に違います。例えば『神社』ではご神体は公開されておらず、秘匿されているのが普通です。これに対して『寺院』では大仏などの仏像は常時だれでも拝観することが可能です。ちなみにいま流行の御朱印がもらえるのは基本的には『寺院』ですが、なかに御朱印のある『神社』もあります。
違いを意識しながら参拝したい神社と寺院!
現在日本にある『寺院』は75000以上、そして『神社』に至っては80000以上あると言われています。もともとは穢れを祓ったり極楽浄土を願ったりするのが目的の場所でしたが、最近ではパワースポットのひとつとしてより身近な存在になりつつあります。ここでは日本全国にある『神社』や『寺院』のなかから特に訪れておきたいおすすめの場所を紹介します。
せっかくなのでここで御朱印の正しいもらい方を解説します。現在御朱印を集めることがブームとなっていますが、そもそも御朱印とは「参拝した証」ですのでふらっと行ってスタンプラリーのような感覚でもらうことはできません。当然参拝することが御朱印の最低条件です。まず『神社』や『寺院』で御朱印をもらいたい場合には事前に御朱印帳を用意します。
普通のノートに御朱印をもらおうとする人がたまに見られますがマナー違反です。最近はそれぞれの『神社』や『寺院』で限定の御朱印帳が発売されているのでそれを利用するのも手でしょう。御朱印帳を用意したらまずはそれぞれの作法に倣って参拝します。その後、社務所などに行って「御朱印をお願いします」と神職さん等に言うと御朱印をもらえます。
一度は訪れたいおすすめの神社1:出雲大社
日本にある『神社』のなかでぜひ訪れたいおすすめの場所が"出雲大社"です。島根県にある"出雲大社"には毎年10月になると全国から神様がやってくることでも有名です。神様がみんな出雲へ行ってしまうことから日本では10月のことを「神無月」と言いますが、今回おすすめしている"出雲大社"のある島根だけは神様が集まることから「神有月」と言います。
島根の"出雲大社"は縁結びの神様が祀られており、現在は年配の方だけでなく若いカップルの参拝客も少なくありません。ちなみに"出雲大社"の本殿は1744年に建てられたもので、日本のなかでもかなり古い歴史をを誇る木造建築です。国宝にも指定されています。また『神社』の参拝方法は二拝二拍手一拝が普通ですが、"出雲大社"は二拝四拍手一拝です。
住所:島根県出雲市大社町杵築東195
電話番号:0853-53-3100
一度は訪れたいおすすめの神社2:伊勢神宮
『神社』と言ったら三重県伊勢市にある"伊勢神宮"もおすすめです。三重県の"伊勢神宮"と言えば天照大御神を祭神としており、ご神体は三種の神器でおなじみの八咫の鏡です。また"伊勢神宮"は五十鈴川のほとりや神路山のふもとと自然が豊かな場所にある『神社』でもあります。特に初夏からはおすすめで、生い茂った林のなかの参道を歩くと身が引き締まります。
ちなみに"伊勢神宮"には専用の無料駐車場があるので自動車での参拝が便利です。ただ、日本屈指の人気の『神社』だけに公共の交通機関も充実しているので電車やバスで行くのも非常に簡単です。この"伊勢神宮"は日本全国に数多くある『神社』のなかでも特に歴史のある場所のひとつなので、時間があったらぜひ一度足を運んでおきたいところだと言えます。
住所:三重県伊勢市宇治館町1
電話番号:0596-24-1111
一度は訪れたいおすすめの寺院1:龍安寺
京都は歴史の要所だっただけに数多くの『寺院』があります。そんななかでおすすめなのが"龍安寺"です。世界遺産のひとつである"龍安寺"は石庭で人気の『寺院』です。歴史ある由緒正しき『寺院』なので"龍安寺"は日本人にも当然おすすめなのですが、外国人観光客にもぴったりの場所と言えます。実際「禅の空気感にひたれる」と連日多くの人が来訪します。
京都の"龍安寺"は金閣寺などがある北山エリアにあります。ご存知の通り"龍安寺"の最大の魅力は大小15個の石が並んでいる石庭です。ちなみに"龍安寺"の石庭は5個・2個・3個・2個・3個ずつのかたまりに分けられているのですが、この石の配置の意味は現在でもわかっていません。そのためいろいろな解釈のできる答えのないミステリアスな魅力があります。
住所:京都府京都市右京区竜安寺御陵下町13
電話番号:075-463-2216
一度は訪れたいおすすめの寺院2:浅草寺
東京でいま最も外国人観光客が集まるエリアと言っても過言ではないのが"浅草寺"です。この"浅草寺"は大きな「雷門」という文字が書かれた赤い提灯が特徴的ですが、1400年以上の歴史を持つ東京では最古の『寺院』でもあります。実際"浅草寺"の雷門の前はいま流行のインスタ映えにぴったりのスポットということもあって連日多くの人でにぎわっています。
東京の『寺院』である"浅草寺"でぜひ足を運んでおきたいのが仲見世通りです。ここ"浅草寺"の仲見世通りは雷門から本殿へと続く約250mの商店街で、伝統工芸品を取り扱う土産物店や人形焼などの美味しいお菓子を販売している甘味処などが多数軒を連ねています。意外と知られていませんが仲見世通りでは食べ歩きが禁止です。店頭で座って食べましょう。
住所:東京都台東区浅草2-3-1
電話番号:03-3842-0181
日本人なら神社と寺院の違いや見分け方を学ぶべし
日本全国には数多くの『神社』と『寺院』があるわけですが、よく見てみると建物の造りも全然違いますし務めている聖職者の方たちも違います。違いを知らなかったからといってバチが当たるようなことはありませんが、きちんとルールを理解した上で参拝した方が気分がいいのも事実です。ぜひ違いを知って『神社』と『寺院』の良さを体感してみてください。
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