この記事の目次
日帰りでも楽しめる黒部五郎岳とは?
北アルプスの飛騨山脈にある黒部五郎岳は、標高2840mで山頂所在地は岐阜県高山市です。6月から8月の最高気温14.1度で最低気温は4.6度です。飛騨山脈の立山連峰にある有名な黒部ダムよりもさらに奥深いところにあります。日本アルプスは、南アルプスの赤石山脈、中央アルプスの木曽山脈、北アルプスの飛騨山脈からなります。
「青天井の大伽藍」黒部五郎岳
最近、登山者に人気の黒部五郎岳は、日本百名山にも選ばれています。黒部五郎岳のカールは、氷山が削り取ったごつごつとした山肌が空へと開かれる壮大な馬蹄形の姿です。誠に天上の庭と呼ぶにふさわしく日本百名山の著者、深田久弥(ふかだけいや)氏が「青天井の大伽藍」と賞賛するほど神々しいものです。
黒部五郎岳のカール壁
カールとは登山用語です。これは山頂あたりで生長した氷河が長い年月をかけ、山腹を丸く削りとった浸食作用によってできた地形のことで圏谷(けんこく)とも呼ばれます。そして、削られた岩石は羊背岩とも羊群岩とも呼ばれ、表面はなめらかで縦に裂けめが入っています。夏でも雪が残るカールの底に点在する岩を「迷子石」と言うそうです。
カール底にはモレーン(氷河が作り出した帯状の小さな丘)もあり春になれば涌き水や雪解け水が清らかな流れとなって五郎平へ注ぎ込んでいます。そして、梅雨が明けると五郎平の湿原に点在する池塘(ちとう)の周りには、コバイケイソウの群落が白い花を咲かせ清楚な美しいパノラマを展開します。
黒部五郎岳の山名の由来
黒部五郎岳の山名の「五郎」は、登山用語においての「ゴーロ」に由来していて、ゴロゴロした石が沢山ある所という意味です。「黒部」は、岐阜県黒部村にあることから来ているそうです。さらに岐阜県側の山麓にある神岡での呼び名は中ノ俣岳だそうです。
「黒部五郎岳」と「野口五郎岳」
また、水晶岳や鷲ヶ岳の東にある「野口五郎岳」は長野県大町市野口村にある「ゴーロ」の山と言うことで歌手の野口五郎さんは、「黒部五郎岳」標高2840mよりも「野口五郎岳」の標高が2924mなので、より高みを目指そうと「野口五郎岳」の名称を芸名にしたそうです。
黒部五郎岳まるで高山植物の庭園!
黒部五郎岳の登山の魅力は美しい花々です。人気の登山ルートもいっぱいの花が見られます。コバイケイソウ(小梅蕙草)は白い花を鈴なりに咲かせ、3年から4年に一度しか咲かないそうです。ミネズオウ(峰蘇芳)は地面をはうように淡いピンクの可愛らしい花をつけます。
岩に寄り添うように白い花を咲かせるチングルマ(稚児車)は田中澄江氏の著書「花の百名山」で「黒部五郎岳」を代表する花として紹介しました(写真は綿毛です)。ハクサンチドリ(白山千鳥)はランの一種で薄紫の花が鳥の飛ぶような姿に見えることから名づけられました。タカネヤハズハハコ(高嶺矢筈母子)は淡い朱色の小さな花束のようです。
深山大文字草(ミヤマダイモンジソウ)は小さな長さの違う5つの白い花びらが5、6個まとまって個性的です。その他、ハクサンイチゲ(白山一華)やクロユリ(黒百合)など黒部五郎岳のカールにある全ての高山植物は氷河期の生き残りだそうです。
黒部五郎岳の登山の服装や装備など
日帰りや初心者でもルートによっては登山ができる黒部五郎岳ですが、北アルプスの標高2840mの山ですから本格的な服装や装備で臨みます。服装はピークシーズンの7、8、9月ならば半袖のTシャツの人も多いですが怪我のことを考慮すると、やはり長袖のシャツが良いです。
黒部五郎岳の登山の必要装備
夏山登山のツェルトは、登山のビバーグ(緊急避難)の時にテントの代わりとして使用します。素材はナイロンやウレタンで収納時の大きさは缶ビール350mlくらいで軽くコンパクトです。寒さをしのぐために着たり休憩用に使ったりできます。
GPSを忘れずに!
靴とウインドブレーカーとリュックサックは大事で特に靴は登山用の靴が必要です。装備は、ツェルトとストック、手袋にサングラスは必要です。また、初夏や初秋には軽アイゼンがいるかもしれません。現地で情報を確認して下さい。それとGPSと携帯電話は必要です。
黒部五郎岳の登山届の提出
登山の計画を立てたならば例え日帰りだとしても「登山届の提出」は必須です。北アルプスの飛騨山脈にある黒部五郎岳の登山の場合は、富山県と岐阜県、長野県へ提出します。それぞれ、富山県警察のホームページ、岐阜県北アルプス山岳遭難対策協議会事務局のホームページ、長野県のホームページです。
また、各登山口の新穂高温泉、折立などの登山ポストからも提出できます。そして、おすすめなのはスマホやパソコンの登山携帯アプリ「Compass」で「登山届の提出」が簡単にできます。
黒部五郎岳の登山のマナーと注意点
黒部五郎岳の登山時の注意点は、登山のマナーです。初心者がおかしやすい過ちとしてゴミのポイ捨てとタバコがあります。食品の包みやたばこの吸い殻、使用済のティッシュペーパーも持ち帰りましょう。また、高山植物や動物の採取も厳禁です。
夏山では雷に注意!
夏山では雷に注意です。稜線などで雷に遭遇すると危険なため、しゃがんで雷が過ぎるのを待ちます。しゃがみ方にもやり方があって、まず、踵を浮かし両方の踵どうしをつけます。これは、落ちた雷の電流がつま先からつま先へと流れるようにするためです。次に手は地面につけず両耳を覆うようにします。きつい姿勢ですが、これが雷への対処法です。
黒部五郎岳の4つの登山ルート
登山ルートは、「飛越新道」から「黒部五郎岳」と「雲ノ平」へ至るルート、初心者に人気の「折立」から「黒部五郎岳」を縦走するルート、「新穂高温泉」から「双六岳」と「黒部五郎岳」へ至るルート、上級者ルートの西銀座ダイヤモンドルートの合計4ルートがあります。
登山ルートは、初心者でも登れますが全行程の日帰りは無理で最低でも3日はかかります。しかし、山小屋を起点とした部分的なピストン登山ならば、日帰りも可能です。
黒部五郎岳の登山口へのアクセスと駐車場
日帰り登山や登山初心者でなくとも。帰りに疲れが出て眠くなるかもしれないので、車の運転は避けて鉄道、バスで黒部五郎岳の登山口へアクセスした方がよいでしょう。登山口は3か所あり折立、飛越新道、新穂高温泉です。飛越新道は自動車でしかアクセスできません。
登山口/折立へのアクセス
人気の西銀座ダイヤモンドルートと折立から黒部五郎岳を縦走するルートは登山口が同じ、有峰湖の東にある折立です。自動車でのアクセスと電車、バスを乗り継いでのアクセスもありますので便利です。
自動車でのアクセス
折立まで自動車ならば富山方面からのアクセスは北陸自動車道の立山ICで降り、亀谷料金所から有峰林道、小見線で折立駐車場までです。松本方面からならば国道471号から大規模林道、高山大山線を経て東谷料金所から有峰林道、東谷線で折立駐車場までです。
有峰林道の通行料金は、普通車1900円で林道開通期間は6月上旬から11月中旬までです。夜間は、20時00から6時00まで通行不可です。
電車/バスでのアクセス
鉄道で来たならばJR富山駅からは直通バスがありますが予約が必要です。電車とバスを乗り継ぐアクセスは富山地方鉄道の「電鉄富山駅」で乗車し「有峰口駅」で下車し路線バスの「夏山バス」に乗り換えてバス停「折立」で下車です。なお、高速バスなどを利用してJR富山駅までアクセスする方法もあります。
折立駐車場
折立は薬師岳への一番人気の登山口です。折立駐車場は、駐車台数が100台あり料金が無料でトイレはあります。携帯電話は通じません。公衆電話も宿泊施設もありませんが、キャンプ場があります。夏休みのピークシーズンには停める所が無く路駐の車が目立ちます。
登山口/飛越(ひえつ)新道へのアクセス
登山口の飛越新道までは、自動車でしか行けません。大規模林道高山大山線の飛越トンネル手前にありマイカーで行くのが一般的で北ノ俣岳方面、黒部五郎岳、雲ノ平へ至るルートの登山口です。東京方面からならば長野自動車道の松本ICで降り、国道158号から安房峠道路へ国道471号から飛越新道駐車場までです。
名古屋、大阪方面からは、北陸自動車道の飛騨清見ICで降り、県道90号から県道75号へ国道41号から県道484号で飛越新道駐車場までです。
飛越(ひえつ)トンネル駐車場
飛越トンネル駐車場は、飛越トンネル南西口のにあり道路沿いにあり、駐車台数は、30台以上です。登山ポスト、トイレがあります。また、携帯電話は飛越トンネルからはつながります。登山道はミズバショウなどの花が咲きますが、ぬかるみが多く人気はありません。初心者は避けた方が良いででしょう。
登山口/新穂高温泉へのアクセス
新穂高温泉から双六岳と黒部五郎岳へ至るルートだと新穂高温泉で登山の終わりに奥飛騨温泉郷の新穂高温泉にゆっくり浸かって心身ともに癒すことができます。新穂高温泉まで自動車でのアクセスと電車、バスのアクセスもありますので便利です。鉄道より料金が安い、高速、特急バスならば新宿、名古屋、大阪、富山から直通バスがあります。
自動車でのアクセス
登山口が人気の新穂高温泉ですからアクセスもわかりやすく関東方面からですと中央自動車道ならば高井戸ICから松本ICで降ります。関越自動車道ならば練馬ICから松本ICで降ります。そして、国道158号に入り平湯で国道471号から栃尾で県道475号にて新穂高温泉です。
大阪/名古屋方面から
大阪、名古屋方面からならば名神高速道路の吹田JCT名古屋方面で松本ICで降ります。もうひとつ、名神高速道路の吹田JCT名古屋方面で高山ICで降ります。そして、国道158号に入り平湯で国道471号から栃尾で県道475号にて新穂高温泉です。
電車/バスでのアクセス
東京方面からならば、中央本線で新宿駅から松本駅までです。ここからバス、タクシーにのりかえて新穂高温泉です。長野新幹線ならば、東京駅から長野駅経由松本駅までです。ここからバス、タクシーにのりかえて新穂高温泉です。
大阪/名古屋方面から
大阪、名古屋方面ですと中央本線で新大阪駅から名古屋駅経由松本駅までです。高山本線ならば大阪駅から高山駅までです。北陸本線ですと大阪駅から富山駅経由高山駅までです。駅からはバス、タクシーにのりかえて新穂高温泉です。
新穂高温泉登山口の駐車場情報
「新穂高温泉駐車場」は大、小11の駐車場がありますが、P1は駐車台数は、230台で駐車料金は500円です。登山口一番近くて無料の駐車場は案内マップでP5(登山者用無料駐車場)ですが直ぐに満車になってしまいます。P5からP11の無料駐車場に停められればラッキーです。
「鍋平高原駐車場」
人気の新穂高温泉ですからピークシーズンならば初めから2km離れた「鍋平高原駐車場」に向かった方が早いかもしれません。「鍋平高原駐車場」の駐車台数は、790台で駐車料金は600円です。登山者用駐車場ならば300円です。
飛越新道から黒部五郎岳と雲ノ平まで巡る周回ルート
全行程、50.1㎞ほどで標高差1460m、ルートにかかる時間約31時間45分で2泊3日です。飛越新道は北ノ俣岳までは、ぬかるんでいることが多い樹林の中を歩くので、初心者よりは登山経験者向けです。当然、無理をして日帰りの計画もできませんがその反面、静かにのんびり山歩きができます。
登山口「飛越新道」1日目
「飛越トンネル脇の登山口」から200分で「寺地山」、60分で「北ノ俣避難小屋」、155分で「北ノ俣岳」(上ノ岳)、40分で「赤木岳」、30分で「中俣乗越」です。ここからは道は険しくなり、135分で「黒部五郎岳」(中ノ俣岳)120分で「黒部乗越」(黒部五郎小舎)に到着です。「飛越トンネル脇の登山口」から「黒部五郎小舎」まで12時間ほどかかります。
登山口「飛越新道」2日目
「黒部五郎小舎」から150分で「三俣蓮華岳」に着きます。三俣蓮華岳の稜線からは槍ヶ岳や笠ヶ岳など北アルプスの山々を見渡すことができます。「三俣蓮華岳」から55分で「三俣山荘」です。「三俣山荘」は眺めが良いので貴重な休憩所です。
ここから100分で「鷲羽岳」につづら折りの登山道を登っていきます。山頂から100分で「水晶小屋」、50分で「水晶岳」ですが岩場ですので慎重に登っていきます。ここからは黒部ダムが見えます。山頂から40分で「水晶小屋」、50分で「岩苔乗越」、50分で「祖父岳」から「祖父庭園」を経て85分で「雲ノ平」です。
登山口「飛越新道」3日目
「雲ノ平」からしばらくは木道を歩き「アラスカ庭園」を経て65分で「木道末端」です。ここから一気に下ります。100分で「薬師沢出合」、80分で「左俣出合」ここから針葉樹林の中を105分で「太郎平小屋」に着きます。ここから登り170分で「北ノ俣避難小屋」、50分で「寺地山」、140分で「飛越トンネル脇の登山口」と1日目と同じ道を下ります。
折立から黒部五郎岳を巡る縦走登山ルート
日帰り、泊まりともに黒部五郎岳に行くのに一番人気の登山口です。最初に薬師岳を目指し黒部五郎岳を縦走するルートです。稜線から見渡す景色は最高です。小屋で休憩や食事も取れますので初心者ならば「折立」から登山に臨む方が良いでしょう。
全行程、36.7kmほどで標高差1573m、ルートにかかる時間約23時間5分で2泊3日です。登山口の「折立」から「太郎平小屋」までなら初心者でも日帰りも可能です。また、「太郎平小屋」を起点として薬師岳、黒部五郎岳などへ日帰りピストン登山をします。
登山口「折立」1日目
おおよその目安ですが「折立」から220分で「五光岩ベンチ」、100分で「太郎平小屋」着けます。岩で歩きにくいですが割と整備されていますます。「太郎平小屋」からひとまず下りで30分で「薬師峠」に着きます。「薬師峠」からは大小の岩が目立つ登りです。120分で「薬師岳山荘」ここから70分で「薬師岳」の順です。
「薬師岳山頂」まではガレ場を登ります。ガスで視界が不良な時は迷いやすいので用心しましょう。山頂から折り返して50分で「薬師岳山荘」、90分で「薬師峠」、30分で「太郎平小屋」の順です。
登山口「折立」2日目
「太郎平小屋」より黒部五郎岳へ日帰りピストン登山をします。「太郎平小屋」から木道(もくどう)を歩いて125分で「北ノ俣岳」(上ノ岳)に着きます木道(もくどう)が濡れている場合はスリップに注意です。
なだらかな登山道が続くあたりに高山植物がドラマチックに咲き乱れます。北ノ俣岳を過ぎるとアップダウンを繰り返し40分で「赤木岳」、40分で「中俣乗越」、135分で「黒部五郎岳」(中ノ俣岳)に着きます。中俣乗越からは標高差400mの直登となり、登りきると黒部五郎岳の肩(カールとの分岐点)に出ます。ここから山頂は25分です。
「黒部五郎岳」を堪能!2日目
石がゴロゴロしている急斜面のことをがれ場(ガレバ)と言いますが、そのためリュックサックなどを肩(カールとの分岐点)に置いて往復する人が多いです。黒部五郎岳の山頂からは来た道を戻って「太郎平小屋」に宿泊します。健脚の人は、そのまま「折立」まで下山することもできますが、無理はしないようにしましょう。
「黒部五郎岳」からは110分で「中俣乗越」、50分で「赤木岳」、50分で「北ノ俣岳」、100分で「太郎平小屋」の順で下ります。
登山口「折立」3日目
3日目は、「太郎平小屋」から1日目に登った道ルートを戻るだけですが最後まで気を許さず下山しましょう。「太郎平小屋」から60分で「五光岩ベンチ」、130分で登山口「折立」の順です。
新穂高温泉から黒部五郎岳を巡る縦走登山ルート
人気のアクセスしやすい新穂高温泉からの登山中級者向けのルートです。岐阜県側にある小池新道は山のグレーディングでABCDEの5段階で難易度Cと難しいので初心者には無理でしょう。全行程、約43.5㎞ほどで「双六岳」と「黒部五郎岳」を巡り標高差約1573m、ルートにかかる時間約26時間43分で2泊3日です。43km以上なので装備は軽くしておきましょう。
途中に小屋が多いのでゆったり宿泊できるルートです。見どころは「黒部五郎岳」のカールの他は、「三俣蓮華岳」から稜線ルートを歩き「双六岳山頂」で北穂高岳と南岳を結ぶ大キレットを望むのは圧巻です。このプランは終点が「折立」ですが、「黒部五郎岳」から「新穂高温泉」まで折り返して温泉で疲れを癒すのも良いかもしれません。
登山口「新穂高温泉」1日目
「新穂高温泉」から平坦な道が続きます。70分で「中崎橋」、20分で「笠新道登山口」、20分で「わさび平小屋」に着きます。ここから30分で「小池新道登山口」ですが、だんだん登りがきつくなります。70分で「秩父沢出合」、100分で「シシウドヶ原」着きます。ここから傾斜がゆるやかとなり木道を進み70分で「鏡平」です。
ここからは槍ヶ岳に登る太陽が美しいです。鏡平から弓折分岐(乗越)へは急な登りとなり途中の「花見平」は花が一杯です。そして、70分で「弓折分岐」(乗越)に着きます。弓折分岐からは登り降りしながら80分で「双六小屋」に到着です。
登山口「新穂高温泉」双六小屋2日目
なだらかで広い稜線を進みます。ガスで視界が悪くなることがあるので迷わないよう注意です。「双六小屋」より90分で「巻道分岐」、「双六岳」山頂です。「双六岳」の稜線から振り返る槍、南岳、穂高岳の荘厳で険しい大キレットは必見です。そして85分で「三俣蓮華岳」に着きます。「三俣蓮華岳」から100分で「黒部乗越」(黒部五郎小舎)まで下ります。
天上の楽園!黒部五郎岳カール
壮麗で力強い「黒部五郎岳」のカールは、清らかな水が幾筋も流れ、羊背岩と花々と白い霧が時折流れる過ぎる景色はまさに天上の楽園と呼ばれやさしく心を癒してくれます。そのカールの中を肩まで上がり160分で「黒部五郎岳」(中ノ俣岳)の山頂です。ここから「太郎平小屋」まではプラトーのような稜線でつながり大小のピークを越えます。
「黒部五郎岳」(中ノ俣岳)の山頂から5時間で「中俣乗越」、「赤木岳」、「北ノ俣岳」(上ノ岳)、「太郎山」です。滑らかな感じですが距離があるので身体の調子を見ながら歩きましょう。
登山口「新穂高温泉」3日目
「太郎平小屋」から上がり30分で「薬師峠」です。ここからは岩の多い登山道で上がり120分で「薬師岳山荘」に着きます。ここからがれ場のつづら折りの登山道を上がり70分で「薬師岳」の山頂です。山頂からは来た道を降り50分で「薬師岳山荘」、90分で「薬師峠」、30分で「太郎平小屋」、70分で「五光岩ベンチ」、140分で「折立」に到着です。
人気の西銀座ダイヤモンドルート
初心者憧れの人気の「西銀座ダイヤモンド」ルートです。山のグレーディングで難易度Dですから、登山上級者向けです。しかし、ルートの終わり、「上高地」から「殺生ヒュッテ」までならば初心者でもピストンで日帰りも可能です。
「折立」から「黒部五郎岳」、「双六岳」、「槍ヶ岳」から「上高地」までを縦走する全行程、48.5㎞ほどで標高差1828m、ルートにかかる時間約30時間39分で4泊5日です。1、2、3泊までは上記の「折立」から「黒部五郎岳」「双六岳」までのルートをたどります。
「双六小屋」から「樅沢岳」(もみさわだけ)4日目
「双六小屋」から「樅沢岳」(もみさわだけ)を経て4時間30ほどで「千丈乗越」に着きます。樅沢岳は槍ヶ岳までの西鎌尾根が一望できる撮影スポットです。険しい岩場なので要注意です。「千丈乗越」から100分で「槍ヶ岳山荘」、40分で「槍ヶ岳」の山頂まで急な登りです。
「槍ヶ岳」の山頂から30分で「槍ヶ岳山荘」まで帰ってきたら30分で「殺生ヒュッテ」に着きます。健脚が自慢でしたら「双六小屋」から「槍ヶ岳」の山頂までピストンで日帰りも可能です。
登山口「折立」5日目
「殺生ヒュッテ」から30分で「坊主の岩小屋」、70分で「天狗原分岐」、60分で「大曲」に着きます。整備された登山道です。70分で「槍沢ロッヂ」、40分で「一ノ俣」、60分で「横尾山荘」に着きます。
ここからは遊歩道のようなゆるやかな林道です。60分で「新村橋」、30分で「徳沢」、「70分」で「明神分岐」、70分で「上高地バスターミナル」に到着です。「上高地」から「殺生ヒュッテ」までならば登山初心者でもピストンで日帰りも可能です。
黒部五郎岳の登山ルートの山小屋紹介
黒部五郎岳の登山ルートの山小屋ですが、初心者や日帰り登山で利用できる人気の山小屋を紹介します。山小屋では、朝暗い中に出発する人が多いため、マナーを守り早寝、早起きです。山小屋にもよりますが水は貴重です。トイレも有料と考える方が良いです。混雑する山小屋では置き引きなどに注意です。
黒部五郎岳の山小屋1:太郎平小屋(たろうだいらごや)
高山植物に彩られた花園のような太郎兵衛平にあります。黒部源流から雲の平などの北アルプス奥地への縦走ルートの拠点です。食堂や売店トイレもあり登山者にやさしい人気の山小屋です。
営業は、6月上旬から10月上旬までです。収容人数は150人、近くに「薬師峠キャンプ場」があり、設営数は100張りです(ひとり700円)。宿泊費は、1泊2食9500円で素泊まり6000円です。食事はカレーライス800円、太郎ラーメン800円、うどん700円、お弁当1000円です。
黒部五郎岳の山小屋2:黒部五郎小舎
黒部五郎岳のカールの直ぐ下にあり小屋の周囲は広い高山植物の草原で、笠ヶ岳や薬師岳などが望まれます。夏はコバイケソウ、イワイチョウ、チングルマなどが咲き誇り一きわ綺麗です。また、秋の紅葉もとても美しいスポットです。
営業は、7月10日から9月30日までです。収容人数は60人、テント設営数は30張りです(ひとり1000円)。宿泊費は、1泊2食9800円で素泊まり6800円です。食事はラーメン、うどん、カレーライス、卵丼などです。
黒部五郎岳の山小屋3:三俣山荘
黒部源流の稜線上にあり三俣蓮華岳と鷲羽岳の間鞍部にあり辺りは、柔らかくハイマツが広がり地下水が一年中豊かです。山小屋自慢の見晴らしの良い食堂は北アルプス最奥の山々や槍、穂高連峰の雄大な大パノラマが広がります。のんびりとステイして黒部五郎岳周辺の山々や渓流を巡るのに最適な山小屋です。
営業は、7月1日から10月15日までです。収容人数は80人、テント設営数は70張りです(ひとり1000円)。宿泊費は、1泊2食10000円で素泊まり6000円です。食事はオムライス、パスタ、カレーライス、うどん、ラーメンなどやアルコール類もあります。
黒部五郎岳の山小屋4:水晶小屋
北アルプスのほぼ中央に位置し、水晶岳の南肩、裏銀座の縦走路にあり標高2900mにあります。360度沢山の名山を望む事ができます。晴れた日には玄関からの御来光と裏の赤岳からは富山に沈む夕日を堪能できます。風の通り道のためテント場はありません。
営業は、7月15日から9月30日までです。収容人数は30人、宿泊費は、1泊2食10200円で素泊まり6200円です。食事は岩魚定食やカレーライス(おかわり自由)、昼弁当1100円などやアルコール類も売店にあります。
黒部五郎岳の山小屋5:殺生ヒュッテ
殺生ヒュッテ(せっしょうひゅって) は槍ヶ岳(標高3179m)の鋭い尖峰を目前に遠くは雲海を従えるアルプスの峰々を望む素晴らしい展望です。槍ヶ岳山頂へ40分と近くアルプス銀座縦走の拠点として昔から親しまれています。営業は、6月中旬から10月中旬までです。
収容人数は100人、宿泊費は、1泊2食8500円で素泊まり6000円です。テント設営数は50張りです(ひとり500円)。食事はうどん、カレー、牛丼、缶ビールもあります。飲料水は有料です。
北アルプスの秘湯「高天原温泉」(たかまがはらおんせん)
黒部五郎岳へ登ったらおすすめです。野趣あふれる北アルプスの秘湯、人気の「高天原温泉」(たかまがはらおんせん)は標高約2100mにあり飛騨山脈の水晶岳の麓にあります。「折立」から「高天原」まで登山で約13時間と辿り着くのに大変なことから「日本で一番遠い温泉」と言われています。
温泉沢沿いの露天風呂は女湯を含めて3つあり、源泉かけ流しのぬるめのお湯は白濁して単純硫黄泉とされています。近くのランプの宿「高天原山荘」(一泊2食付9700円)に宿泊して利用します。
黒部五郎岳へ行ってみよう!
いかがでしたか?初心者に人気の「折立」から「黒部五郎岳」へのルートも余裕あれば「高天原温泉」まで足をのばして見るのも良いです。雷鳥が翼を広げてヒナを抱くような「黒部五郎岳」のカールは雲の中の庭園です。羊背岩の間を清純なせせらぎや冷たい霧が過ぎて行きます。そして、氷河期から生き続ける美しい高山植物の花々が咲いています。
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