毎年春と秋に開催される高山祭を紹介します!!
京都府の祇園祭、埼玉県の秩父夜祭と並んで日本三大曳山祭、また同じくえ日本三大美祭の一つに数えられるのが岐阜県高山市で開催される高山祭です。高山祭は春(4月)と秋(10月)の年2回開催され、豪華絢爛な屋台が市中を賑わせます。その期限は江戸時代の16世紀後半から17世紀といわれており、高山祭屋台23台は国の重要有形民俗文化財に、高山祭の屋台行事は国の重要無形民俗文化財に指定されています。
高山祭の屋台は「動く陽明門」とも評されています。祭の屋台は各町内の屋台蔵に保管されていて、高山市にはいたるところに正面に大きな扉のついた白壁の土蔵のような建物を見かけます。屋台は祭以外のときは、この屋台蔵で大切に保管されます。また、屋台は貴重な文化財であるため、高山祭当日が雨天及び降雨が予想される場合には各屋台蔵で待機となります。その場合は悪しからず。
秋の高山祭(八幡祭)の屋台は交代で、櫻山八幡神社の境内にある屋台会館に移されます。高山祭の開催期間でないときで屋台を見物したい場合には屋台会館を訪れましょう。また、高山市にはたくさんの名所スポットがあるため、祭の期間ではなくても楽しめること間違いなしです。
高山祭が開催される高山市はどんなところ?
高山祭が開催される高山市は岐阜県の北部、飛騨地方にあり、2005年2月1日に周辺9町村を編入合併したことにより「日本一面積が広い」市町村となりました。その面積は香川県、大阪府を抜き東京都とほぼ同じ広さとなっていて、府県より面積が広い市町村は高山市が全国で唯一です。そんな高山市は「日本一広い市」をPRしています。
高山市の玄関口、高山駅
JR東海高山本線の高山駅が中心駅であり、観光地飛騨高山の玄関口として賑わいを見せています。なお岐阜市がある県南部(美濃地方)とは違い、高山市は飛騨山脈の北側に位置し冬は雪が多い日本海側の気候であるため、富山県(越中)との経済的文化的な結びつきが強いです。近代的な駅舎ではありますが、中心市街地では古くから栄えた街並みが保存されています。
飛騨の「小京都」とも呼ばれている高山
高山市の中心市街地は江戸時代の城下町や商家街の街並みがそのまま保存されており、その景観から「飛騨の小京都」と呼ばれています。日本の原風景を残す街として紹介され、国内外から多くの観光客が押し寄せる街となっています。フランスのミシュランの実用旅行ガイドでも必見の観光地として三ツ星の評価をいただいています。そんな一大観光地である高山が特に賑わうのは、春と秋に開催される高山祭のときです。
高山市は日本海側の気候であるため、豪雪地帯となっています。そのため、古い町並みを白く染める雪景色は冬の高山の風物詩となっています。世界遺産に登録されている合掌造りがある白川郷や五箇山とも近いため、近隣地域の観光の拠点として高山を訪れてみるのも良いでしょう。
春の高山祭と秋の高山祭の違い
春と秋の年2回の日程で開催される高山祭ですが、それぞれ例祭とされる神社が違います。春に行われる高山祭は別名「山王祭」と呼ばれていて、旧高山城下町南半分の氏神様である日枝神社(山王様)の例祭として開催されています。開催される時期がちょうどお花見のシーズンと重なるため、満開の桜の下を通り抜ける御巡幸や屋台は見るものを大いに惹きつけます。春に高山を訪れたら是非見物したいお祭りです。
秋に行われる高山祭は別名を「八幡祭」と呼ばれ、旧高山城下町北半分の氏神様である櫻山八幡宮の例祭となっています。澄み切った秋空の下を屋台が駆け巡り、また曳き揃った屋台の姿は迫力満点。お囃子や雅楽も行われ、春の高山祭とはまた違った趣を感じさせるのが秋の高山祭です。
山王祭(春の高山祭)
高山に春の訪れを告げる春の高山祭は、毎年4月の14日、15日の日程で開催されています。日枝神社の例祭となるこの祭の舞台となるのは安川通りの南側・上町であり、神楽台、三番叟、麒麟台、石橋台、五台山、鳳凰台、恵比須台、龍神台、崑崗台、琴高台、大国台、青龍台の計12台の屋台が満開の桜の中を走り抜けます。屋台のうち3台ではからくり奉納を行います。
春の高山祭の御巡幸(祭行列)
高山祭の見所のひとつ、御巡幸は大行列が町を巡ります。その光景は江戸時代の姿を色濃く残しています。行列の人数は数百名であり、獅子舞や闘鶏楽、裃姿の警固たちが神輿を中心として街を巡る姿は見所です。14日の午後に日枝神社を出発し氏子の家々を巡った後、神輿はお旅所で一泊します。そして翌15日の午後、お旅所を出発して日枝神社へ戻る日程で開催されます。
春のからくり奉納
お旅所前では、三番叟・龍神台・石橋台の3台の屋台においてからくり奉納が行われます。からくり人形は数本の縄で操作されており、熟練の縄方の技術はまるで生きているかのような人形の演技が披露されます。写真は石橋台のからくり人形であり、美女が獅子舞に変身し、また美女に戻る演技は見所となっています。
春の夜祭
夜祭もこの祭の見所のひとつです。それぞれの屋台には100個の提灯がついており、夜になると幻想的な雰囲気に包まれます。14日の夜は各屋台がゆっくり市内を巡り、「高い山」という曳き別れ歌を歌いながら各屋台蔵へ帰っていきます。揺らめく光の提灯が灯し出す風景はロマンチックです。
八幡祭(秋の高山祭)
高山の秋を彩る秋の高山祭は、毎年10月9日と10日の日程で開催されます。安川通りの北側である下町に、神楽台、布袋台、金鳳台、大八台、鳩峯車、神馬台、仙人台、行神台、宝珠台、豊明台、鳳凰台の計11台の屋台が駆け巡るのが見所となっています。また、秋の八幡祭でしか行われないイベントもあります。
秋の高山祭の御神幸(祭行列)
春と同様に秋の高山祭も御神幸が街を練り歩きます。秋空の下、伝統衣装で身を包んだ総計数百名がお囃子や雅楽を披露します。初日の9日の午後に、御神幸が八幡宮を出発します。翌10日は午前に八幡宮を出発し、街を巡ってからお旅所を経由し八幡宮へ帰る日程となっています。
屋台曳き揃え
春とは違い、屋台11台が曳き揃えられるのが秋の高山祭の特色となっています。9日・10日の両日程で、からくり奉納が行われる布袋台は八幡宮境内に、他の屋台は表参道に登場します。屋台の美しい彫刻や装飾をより間近で鑑賞できる絶好の機会であるため、多くの観光客が押し寄せる秋の高山祭最大の見所となっています。
屋台曳き廻し
春の高山祭との違いのひとつに、秋の高山祭は屋台の曳き回しが行われる点が挙げられます。9日午後の日程で行われ、神楽台・鳳凰台など4台の屋台が街を駆け巡ります。こちらも屋台を間近で鑑賞できる絶好の機会であるため、大勢の観光客が押し寄せる秋の高山祭の見所となっています。
布袋台のからくり奉納
八幡宮境内では9日・10日の両日程とも布袋台によるからくり奉納が披露されます。2体の唐子がアヤを渡って布袋に飛び移り、布袋が軍配を一振りするからくりはお見事の一言に尽きます。熟練の技術がなせる綱さばきにより、まるで生きているかのような人形たちの演技に魅了されます。
秋の宵祭
9日の夜に行われる宵祭も秋の高山祭の見所のひとつとなっています。それぞれが100個の提灯をちりばめた屋台が高山の街を明るく照らしながら練り歩きます。秋の闇夜の中に幻想的に灯る屋台は、伝統の曳き別れ歌「高い山」が歌われながらそれぞれの屋台蔵へ帰っていきます。
ユネスコ無形文化遺産にも登録!!
2016年12月1日に高山祭を含む全国33件の「山・鉾・屋台行事」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。ユネスコ登録を記念して2017年4月29日(土)と30日(日)の2日間、屋台の総引き揃えが行われます。春の屋台12台と秋の屋台11台を合わせた計23台が同じ場所に曳き揃えられる豪華なイベントとなります。闘鶏楽・獅子舞の披露やからくり実演も行われます。
是非、高山祭に訪れてはいかがですか?
約400年の歴史を誇り、江戸時代の文化伝統を現代に伝える高山祭。春の祭に訪れるのもよし、秋の祭に訪れるのもよし、そして両方とも訪れればより深く高山祭を楽しむことができること間違いありません!4月と10月は是非、高山祭に足を運ばれてはいかがでしょうか?
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