京都で見ることができる枯山水庭園をチェック!
日本全国でも有名な日本庭園「枯山水」。枯山水は京都の有名な寺院で見ることができ、日本の古き良き景色を楽しむことができます。
枯山水は見る角度によって景色が変わるので、何度でも足を運びたくなる日本庭園です。今回はそんな京都でおすすめの枯山水についてご紹介します。
京都に名所が多い枯山水庭園とは?
京都で有名な名所が多い「枯山水庭園」。枯山水庭園は日本の古き良き景色を楽しめることで海外からも人気が高く、京都には有名な寺院が点在しています。
今回はそんな枯山水庭園について詳しくご紹介します。枯山水の歴史や特徴など、初めて見る方はぜひ目を通してみてください。
日本庭園の様式の一つ
京都で有名な枯山水は、日本庭園の様式の1つとして人気があります。京都には枯山水を代表する庭園が多く、石の種類も豊富にあります。
枯山水は日本庭園になるので、基本的に四季の景色を楽しむことができます。春、夏、秋、冬と時間帯によっても違った表情を楽しむことができます。
枯山水の特徴
京都ではもちろん、日本全国の枯山水は「水を使っていない庭園」が特徴的です。日本庭園のほとんどが水を使用しているので、枯山水は珍しい庭園の1つでもあります。
川や池を一切使わず、石組を中心に構成された庭のことを「枯山水」と呼びます。日本庭園の中でも、最も古い様式としても知られています。
枯山水庭園の歴史
京都をはじめ、日本の枯山水の歴史は平安時代にまで遡ります。平安時代後期の作庭に関する書物「作庭記」に記載があり、水を使わず水を演出する庭園づくりが行われていました。
残念ながら今の日本に平安時代からある枯山水は存在していません。そのため、当時の枯山水がどういったものなのかはっきりとわかっていませんが、現在見られる枯山水とは違う庭園だったと考えられています。
枯山水に影響を与えた禅宗
日本で枯山水に影響を与えたと言われる「禅宗」。禅宗は中国から日本に伝えられ、日本に最初の本格的枯山水が京都の禅寺「西芳寺」に禅僧である夢窓疎石によって作られました。
この西芳寺に作られた枯山水が、日本の枯山水の始まりとしても有名です。水を使わずに石で大自然を表現しており、当時は日本庭園に大きな影響を与えました。
盆景と山水画との関係
枯山水には日本の「盆景」、「山水画」も影響を与えたと言われています。盆景はお盆の上に砂や石、草木を用いて自然の景色を再現するもので、今の枯山水に似ています。
盆景に禅僧が好んでいた「山水画」の趣を加えて、石組で自然を表現したのが「枯山水」になります。どちらも質素でありながら、誰もが魅了される芸術的な要素が含まれています。
枯山水には意味がある?
枯山水は日本庭園の中でも「あの世とこの世をつなぐ庭」の意味があります。枯山水は死後の世界とも関りが深いと言われており、上下2段構成の庭の上を天国に見立てています。
庭園に天国を作ることは憧れの象徴でもあります。それと同時に、枯山水の中で座禅をしながら瞑想することで清らかなあの世を思い浮かべ、極楽浄土に行けるという教えを実践することができます。
枯山水には別名も多数
京都で有名な日本庭園の1つである枯山水は、さまざまな呼び名があることでも知られています。場所によって呼び名が変わるので、事前にチェックしておくのがおすすめです。
枯山水の別名は「仮山水」、「故山水」、「乾泉水」、「涸山水」となっています。ほとんどの場合が枯山水と呼ばれているので、頭の片隅に覚えておきましょう。
枯山水は四季折々の景色を楽しめる
日本に昔から続いている枯山水庭園は、どこも四季折々の景色を楽しめることで人気があります。季節によって桜や新緑、紅葉、雪景色などさまざまな表情の枯山水を見ることができます。
枯山水は季節や時間帯によってはもちろん、見える角度によっても庭の印象がまったく変わります。寺院によっては枯山水庭園の周りに桜の木や紅葉の木を植えている場所も多く、日本全国から多くの観光客が訪れています。
枯山水の種類
日本庭園の1つである枯山水は、全部で6種類もあります。それぞれ種類によって様式が変わるので、京都を観光の際は枯山水の種類を把握しておくのがおすすめです。
今回は枯山水の種類について詳しくご紹介していきます。1つ1つ見た目も変わるので、枯山水を初めて見る方は事前にチェックしておきましょう。
平庭式枯山水
6種類ある枯山水の中でも、1番シンプルなデザインをしているのが「平庭式枯山水」です。平庭式枯山水は平らな敷地に作られた日本庭園になり、京都でも有名な「龍安寺庭園」が平庭式枯山水です。
平庭式枯山水は枯山水でも基本形になっているので、初めて枯山水を見る方は平庭式枯山水から見学するのがおすすめです。平なので遠くまでの景色を楽しめます。
準平庭式枯山水
準平庭式枯山水は基本的に先ほどの平庭式枯山水と一緒ですが、石などで築山を作りところどころで変化をつけている庭園です。場所によって作り方が変わっていきます。
京都でも大徳寺本坊方丈庭、普賢寺庭園がこの「準平庭式枯山水」を採用しています。さまざまな石が使われているので、ワクワクできる日本庭園となっています。
枯池式枯山水
枯山水の特徴でもある池や水を使わずに、自然の美しさを演出しているのがこの「枯池式枯山水」です。枯池式枯山水は石を組んで枯池を表現しており、実際に池があるかのような錯覚がうまれます。
京都でも枯池式枯山水でおすすめなのが「西本願寺対面所庭園」です。京都でも有名な枯山水が見られることでも人気があり、常に多くの人々で賑わっています。
枯流れ式枯山水
先ほどの枯池式枯山水では、大きな石を石組みして水を表現しています。ですが、枯流れ式枯山水は砂紋や小石などをうまく使って水の流れを表現しているおすすめの枯山水です。
京都では大仙院方丈東庭で見ることができます。また、近畿地方では大阪の「南宗寺庭園」でも枯流れ式枯山水を見学することができ、枯山水の中でも見慣れた庭園となっています。
築山式枯山水
枯山水の中でも築山式枯山水は、もともとある傾斜地を活かして作られた枯山水です。うまく傾斜地を活かすことで水の流れだけでなく、迫力ある滝も表現することができます。
京都では有名な天竜寺、西芳寺で見ることができます。見る角度によって景色が変わっていくので、時間帯を変えたり散策しながら庭園を楽しみたい方におすすめです。
特殊形式枯山水
枯山水の中でもひと際珍しい枯山水が「特殊形式枯山水」です。特殊形式枯山水は白砂だけを使用しており、他の枯山水には含まれない特殊な作りをした庭園となっています。
京都でも特殊形式枯山水が見られるのは、銀閣寺の向月台、銀沙灘、東海庵方丈南庭などが有名です。観光名所にも作られている庭園なので、見たことのある方が多くいます。
枯山水を構成する4大要素
京都の枯山水は、寺院によって多少の違いはありますがさまざまな要素で構成されています。石の配置、そして存在意義を把握しておけば庭園をより楽しむことができます。
今回はそんな枯山水を構成する4大要素について詳しくご紹介します。枯山水の意味や仕組みをしっかりと知ることができるので、ぜひ1度目を通してみてください。
さまざまな種類の「石組」
枯山水でよく見かけるのが石による「石組」です。寺院によってさまざまな種類の石組を見ることができ、それぞれには意味があります。神仙思想を象徴する蓬莱島、仏教思想を象徴する須弥山を表現しています。
石組は枯山水庭園を構成するのに欠かせない要素となっており、仙人や仏が住むと言われる「深山幽谷」の趣を表現しています。ぜひ1度チェックしてみてください。
欠かせない植物は「苔」
枯山水に欠かせない植物が「苔」です。京都はもちろん、日本全国の枯山水で使われている苔の種類は非常に多く、約2000種類以上あるとも言われています。
京都で主に使用されている苔がオオスギゴケ、コスギゴケ、ヒノキゴケになっており、日本ならではの景色を楽しめることで知られています。苔は季節によって色合いも変わるので、何度でも楽しむことができます。
水を表現する「白砂」
京都の美しい枯山水には、必ず白砂が使用されています。白砂は水流を表現した砂紋を描いており、寺院によって多彩な模様が施されています。砂紋は見事な作りになり、毎日住職自らが手入れをしています。
毎日早朝から時間をかけて行っている寺院も多く、京都の名物にもなっています。枯山水の鑑賞に大きな役割を果たしている白砂は、美しい絶景を楽しみたい方におすすめです。
作庭技法「借景」
枯山水で欠かせない重要要素が「借景」です。借景とは庭と遠方の山などの風景を組み合わせた自然に溶け込んだ景観を造ることを言います。枯山水には現在の借景と、昔の借景では少し光景が変わっていきます。
枯山水で有名な京都の「龍安寺」にある石庭も、石清水八幡宮の借景を意図して造られたと言われています。現在は大学のキャンパスが見えてしまうため、樹木で隠されています。
その他の重要な要素
枯山水はまだまだたくさんの要素を使って作られています。中でも「三尊石組」は三尊仏に見立てて石組みされたおすすめの要素です。中央に立石、両脇に小立石を配置した3つの石を指します。
また、寺院によっては枯山水に灯篭が設置されています。灯篭は参道を照らすものでもありますが、現在では鑑賞を目的とする置物としても採用されています。
枯山水で有名な京都の「龍安寺」
京都で有名な枯山水を楽しみたい方におすすめなのが「龍安寺」です。龍安寺の枯山水は京都でも人気が高く、四季折々の景色を楽しめることでも知られています。京都の観光名所としても知られ、日々多くの人々で賑わっています。
今回はそんな京都でおすすめの枯山水スポット「龍安寺」について詳しくご紹介していきます。龍安寺に初めて訪れる方はもちろん、京都で枯山水を楽しみたい方はぜひチェックしてみてください。
美しい枯山水が多数ある京都
数多くの日本庭園があることでも有名な京都は、美しい枯山水の宝庫でもあります。京都は有名な寺院も多く、枯山水が多数点在しているので散策を楽しみながら日本の古き良き絶景を楽しむことができます。
京都は日本全国でも知名度の高い枯山水が多く、観光パンフレットでもおすすめスポットが紹介されています。地図上で場所を把握しながら、枯山水の魅力を知っていきましょう。
京都で有名な石庭と言えば龍安寺
京都で最も有名な枯山水庭園が「龍安寺」にあります。京都の観光名所としても知られ、室町時代に細川勝元によって作られた由緒正しい寺でもあります。
1975年にはイギリスのエリザベス女王が日本に来日し、龍安寺の枯山水庭園を見て絶賛したことでも有名になりました。龍安寺の枯山水は世界的にも有名な庭園となり、1994年には世界遺産にも登録されています。
龍安寺の石庭の由来
龍安寺最大の見どころである枯山水庭園は、禅宗文化が発達していた時代の禅の境地が込められた庭園とも言われています。龍安寺の石庭は幅25m、奥行き10mの敷地に白砂を敷き詰めたものになります。
龍安寺の枯山水庭園は「小太郎・口二郎」という刻印が刻まれていますが、誰が作ったのかははっきりとわかっていません。歴史深い枯山水として、現在でも魅力を感じる方が多くいます。
15石の意味
龍安寺の枯山水でおすすめなのが、設置されている「15の石」です。京都でも珍しい15の石は、どの角度から見ても必ず1個の石は他の石に隠れて見えないように造られています。なぜそのように配置されているのか、はっきりとした理由はわかりません。
最近では龍安寺に行くと、部屋にある廊下から庭園を眺める方が多くいます。実はこの庭園は外ではなく、部屋の中から鑑賞するように作られたと言われており、15個の石がすべて見える位置を探しています。
石庭の4つの謎
京都でおすすめの龍安寺には、石庭の4つの謎があります。刻印の謎、作庭の謎、遠近の謎、土堀の謎の4つとなっています。この4つの謎は、未だに解けていないミステリーとして歴史ファンを魅了しています。
高度な設計、そして演出手法も謎になり、15個の石や作者も未だに謎に包まれたままです。また、高さ180cmの土堀もなぜ設置されたのか謎に包まれています。
アクセス・詳細情報
枯山水でおすすめの京都の龍安寺は、京都市右京区に位置しています。電車やバスでアクセスすることができ、最寄り駅は京福電鉄である「龍安寺駅」です。駅からは徒歩7分でアクセスできます。
枯山水の拝観時間は季節によって変わります。3月1日から11月30日までは8時から17時まで、12月1日から2月末までが8時30分から16時30分までとなっています。
京都で見るべきおすすめ枯山水5選
京都には枯山水を見られる寺院が数多く点在しており、観光を楽しみながら優雅な時間を過ごすことができます。京都へは枯山水を目的に訪れる方も多く、カメラ片手に散策することができます。
今回はそんな京都でおすすめの枯山水が見られる寺院をご紹介していきます。場所によっては枯山水巡りを楽しめるので、ぜひ1度参考にしてみてください。
日本初の枯山水の庭園「西芳寺」
日本で初めて枯山水庭園が造られたのが「西芳寺」です。西芳寺は別名を苔寺とも呼ばれており、一面にある苔の絶景は圧巻の景色を生み出しています。
鎌倉時代に作られた枯山水は、約300年間変わらない景色を楽しむことができます。あの有名なスティーブ・ジョブズがお忍びで訪れるほど美しい景色が広がり、嵐山の借景が息をのむほどの絶景を作り出しています。
アクセス・詳細情報
京都で有名な西芳寺は、京都駅もしくは嵐山方面からバスでアクセスすることができます。京都バスで「苔寺・すず虫寺」のバス停を目指しましょう。バス停からは徒歩3分ほどでアクセスすることができます。
西芳寺は原則1日1回の開門となっています。7月から9月は午前10時を中心とした午前の部、それ以外の月は午後1時を中心とした午後の部とわかれています。
国指定名勝の「東福寺」
京都でも紅葉の名所として知られる「東福寺」。国指定の名勝として知られており、1236年から19年の歳月をかけて作られた歴史ある寺院でもあります。
東福寺には4つの庭園が設置されており、方丈の四周に庭園を巡らせています。1939年に重森三玲によって作られた枯山水庭園は、京都でも有名な「枯山水庭園」となっています。
アクセス・詳細情報
紅葉の名所である東福寺へのアクセスは、電車やバスを利用することができます。阪急電車、JR・市営地下鉄、京阪電車でそれぞれの最寄り駅までアクセスしましょう。近くにはバス停「東福寺」も設置されています。
東福寺は季節によって拝観時間が変わり、枯山水庭園を見る場合は別途拝観料がかかります。ですが、毎年多くの観光客で賑わっており、四季折々の絶景を楽しむことができます。
まるで絵画のように美しい「大徳寺」
1325年に創建された京都でも有名な寺院「大徳寺」。大徳寺はまるで絵画のような美しい枯山水庭園を楽しむことができ、京都でも有数の規模を誇る禅宗寺院です。4つの塔頭にはそれぞれ、趣のある庭園が設置されています。
大仙院の枯山水はとくに迫力があることでも人気があり、明かり障子下半分が抜けているのでそこから景色を楽しめます。かつての天才によって計算された設計は、現代の人々も驚かせる庭作りをしています。
アクセス・詳細情報
京都の大徳寺へのアクセスは、京都駅から京都市営バスを利用するのがおすすめです。バス停の「大徳寺前」前で下車すれば、徒歩5分以内にアクセスすることができます。
大徳寺には専用の駐車場も設置されており、京都をドライブがてら足を運ぶことができます。また、9時から16時30分までの拝観時間となっているので注意しましょう。
四季折々変化する庭園「建仁寺」
京都最古の禅寺としても有名な「建仁寺」。建仁寺には四季折々の景色を楽しめる枯山水庭園が見どころとなっており、日本に禅宗を広めた栄西が創建した寺としても有名です。
境内には白砂に縁苔と巨岩を配置している「大雄苑」、四面正面の枯山水式庭園「潮音庭」などさまざまな日本庭園が点在しています。どの庭も趣を感じることができ、枯山水庭園ならではの絶景が広がっています。
アクセス・詳細情報
京都の建仁寺へのアクセスは、京阪電車「祇園四条駅」もしくは阪急電車「河原町駅」が最寄り駅となっています。それぞれ駅からは徒歩10分以内にアクセスでき、京都の町並みを散策がてら足を運ぶことができます。
拝観時間は10時から17時までとなっており、時間帯によって変わる枯山水庭園の景色を楽しめます。拝観料が別途かかるので、事前にチェックしておくのがおすすめです。
借景式庭園として有名な「円通寺」
京都でも借景式庭園として有名なスポットが「円通寺」です。円通寺は借景やロケーションの統合性がとても抜群で、ここからの景観を守るために京都市では建物の高さに条例を制定しています。
円通寺の枯山水庭園はどこから見ても美しく、比較的人も少ないのでのんびりと過ごすことができます。静かなひと時を過ごすことができ、幅広い年代から注目を集めています。
アクセス・詳細情報
京都の円通寺へのアクセスは、京都駅から京都市営バスの「深泥池」を目指すのがおすすめです。もしくは京都駅から京都バスの「円通寺道」からもアクセスすることができます。
拝観時間は10時から16時までとなっており、夕方の景色が1番美しいと言われています。無料で駐車できる駐車場も設置されているので、事前に道をチェックしておくのがおすすめです。
京都で日本が誇る枯山水庭園を鑑賞しよう
日本が誇る庭園「枯山水庭園」。京都には美しい枯山水庭園が数多く点在しており、その寺院によって庭の趣が変わるので、枯山水巡りを楽しむのもおすすめです。
枯山水は昔から続いている日本を代表する庭園でもあるので、歴史好きな方におすすめの景色でもあります。枯山水庭園は季節によって表情が変わるので、何度足を運んでも新しい景色と出会うことができます。
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