日本でシャチに会える水族館はこの2つ！ショーが見られる情報もリサーチ！

水族館で見られるショーと言えばイルカが一般的ですが、そんなイルカよりも体が大きくてジャンプ一つにしても大迫力を楽しめるのがシャチのショーです。頭も良いので高度な技も見せてくれるシャチ。この記事では、日本でそんなシャチのショーを楽しめる水族館についてご紹介します。

シャチが見られる水族館をご紹介する前に、ここからはシャチという動物自体について簡単にご紹介しましょう。シャチのことについて知っておけば、水族館でシャチのショーを見る時に更に楽しめるに違いありません。

シャチとイルカと見た目はよく似ているから水族館で見てもどちらがどちらか見分けがつかないという方も多いですが、一体、何が違うのでしょうか。

シャチとイルカは写真などで見ても見た目がそっくりですが、それもそのはず、実はシャチもイルカも同じクジラの仲間に分類されます。

人間と同じように赤ちゃんを産んで育てるものを哺乳類と呼びますが、クジラもイルカもシャチも同じ哺乳類となります。さらに、シャチなどは海にいる哺乳類ということで海棲哺乳類とも言われます。

では、シャチとイルカはどのようにして分類されてるかというと、さまざまな説はありますが、一般的にはサイズで分けられています。

体長が4メートルから4.5メートルかそれ以下のものがイルカ、それより大きく6メートルから9メートルほどがシャチ、そしてシャチよりも更に大きいものがクジラなのです。

シャチの正式な学名はOrcinus orcaでオルキヌス・オルカと発音します。これはラテン語で、「冥界から来た魔物」という意味を持ちます。

それがどうして日本語でシャチと呼ばれるようになったのは、お城の天守閣などにあるしゃちほこに形が似ていることが由来とされています。

シャチはすでにご紹介したように海棲哺乳類に分類をされます。実は日本には野生のシャチを見られるスポットもあり、北海道の根室海峡などが有名です。

シャチは、約4000年前にいたバシロサウルスという哺乳類が祖先と言われていますが、その生態はまだまだ謎に包まれたままです。

基本的には群れで協力し合って生活をしているシャチ。その絆の深さは、仲間と生活する野生での寿命がメスが50年前後、オスが30年前後であるのに対し、人工飼育下にあるシャチの寿命が30年弱であることからもうかがい知ることができます。　　

シャチのことを英語でKiller whale、つまり殺し屋のクジラと呼ぶことからも分かるように、シャチは海のハンターとして知られています。

また、体が大きいので動きが遅いと思われがちですが、時速60キロから70キロも出して泳ぐことができ、これは海洋哺乳類の中では最速です。

さらにシャチのショーを見ていると驚くのはその知能の高さです。群れで生息するシャチは、仲間同士で会話をすることでも知られています。狩猟をする際も、仲間と情報交換をし合って効率よく獲物をしとめるのです。

2015年のデータでは世界で約50頭しか飼育されていない貴重な哺乳類であるシャチ。実はそんなシャチですが、日本の水族館でも観察したり、ショーを楽しんだりすることができます。次からの項目ではシャチを間近で見られる水族館をご紹介しましょう。

日本でシャチに会える水族館、一つ目にご紹介するのは鴨川シーワールドです。鴨川シーワールドという名前からも分かるとおり、千葉県鴨川市にある水族館で鴨シーという愛称で親しまれている水族館でもあります。

鴨川シーワールドは水族館を中心に据えたテーマパークで、ホテルなども備えています。水族館で飼育されている生き物は約800種、約11000点という規模です。

そんな鴨川シーワールドにいるシャチですが、特徴的なのはシャチが生まれたのはすべてこの水族館であるという点です。生態は今だ謎に包まれているシャチですが、鴨川シーワールドでは、シャチの飼育や繁殖でも大きな成果を上げているのです。

鴨川シーワールドで現在飼育されているシャチは合計4頭です。まず一番年長なのがラビー、続いてララ、ランと続きます。実はこの3頭は父ビンゴ、母ステラから生まれた3姉妹のシャチです。

そして、3姉妹の長女であるラビーの娘なのがルーナです。ちなみに3姉妹の母であるステラは、続いてご紹介する名古屋港水族館で会うことができます。

この水族館ではなんと1970年からシャチのショーが行われており、その大きな体を生かした迫力満点のショーが大人気です。

ショーが実施されるのは、水族館の中のオーシャンスタジアムという施設です。座席数は約2000席ですが、人気のショーですので早めに席を確保しましょう。ショーの所要時間は約10分から15分ほどです。

鴨川シーワールドのシャチのショーの見どころは、なんと言っても通称人間ロケットと呼ばれる技です。トレーナーを鼻の上にのせ、勢いよくロケットのように空高く飛ばすという迫力満点の技!

ほかにも、トレーナーとシャチの信頼関係やシャチの頭の良さがよく分かる構成となっており、ショーが水族館の目玉となっているのにも納得です。

鴨川シーワールドでシャチのショーを楽しむ時の注意点ですが、まずは水濡れです。巨大な体のシャチがジャンプするわけですから、観客席の方まで水が飛んできます。冬場だと大体4列目まで、夏場ともなると8列目ほどまではかなり濡れますので覚悟が必要です。

また、水族館の目玉でもある人気ショーですので、特に繁忙期には早めに席を確保しておきましょう。座席指定は無いタイプなので、どうしても座りたい席がある場合にはショーの30分ほど前には会場に入っておきたいものです。

鴨川シーワールドでは水族館としては珍しく、シャチを見ながら食事ができるレストランがあります。レストランの名前は「オーシャン」で、窓際からはシャチが泳ぐ様子を間近で楽しみながら美味しい食事を取ることができます。

水族館に行ったら忘れずに買って帰りたいのがお土産ですが、鴨川シーワールドにはシャチ関連のお土産やグッズも充実しています。

その中でも特に人気が高いのが、外れなしで必ずシャチのぬいぐるみが貰えるという「シャチくじ」です。1等から5等まであり、運がよければ巨大なシャチのぬいぐるみが手に入るかもしれません。値段は1000円です。

鴨川シーワールドの入館時間は日によって多少異なりますが、冬季は基本的には午前9時前後から午後4時前後までとなっています。夏季や繁忙期には営業時間が延長されますので、お出かけの前には必ず鴨川シーワールドの公式サイトで確認をしましょう。

休館日は不定期ですが、週末や祝日は外し、火曜日から木曜日の間に設定されていることが多いです。こちらも鴨川シーワールドの公式サイトで確認ができます。

鴨川シーワールドのチケットの値段は高校生以上の大人が3000円、小学生と中学生が1800円、4歳以上の幼児が1200円、60歳以上が2400円です。

鴨川シーワールドへのアクセスですが、公共の交通機関でアクセスする場合は、JR安房鴨川駅から無料送迎バスが出ていますのでそれを利用するのが便利です。また、アクアライン高速バスが東京都八重洲口から鴨川シーワールドまで直通便を出しています。

車で鴨川シーワールドへアクセスする場合、君津I.Cから房総スカイラインに入り、県道24号線経由で行くのが便利です。鴨川シーワールドには1200台収容の駐車場もあり、普通車だと1日1200円で利用が可能です。

日本にもう一つあるシャチと会える水族館は、愛知県名古屋市にある名古屋港水族館です。名古屋港ガーデンふ頭にある水族館で、デートにも子どもさん連れにもぴったりのスポット。また、名古屋港水族館は、体験学習プログラムが充実している点でも大人気です。

名古屋港水族館には、日本だけでなく世界中から集められた生き物が約500種類、50000点飼育されています。

そしてシャチに関しては、シャチという名前の由来ともなったしゃちほこが縁で飼育が始まりました。現在では、名古屋港水族館と三重大学で合同のシャチの人工繁殖に関する研究も進められています。

名古屋港水族館では3頭のシャチが飼育されています。まずは鴨川シーワールドの3姉妹のお母さんでもあるステラ。ステラは1985年にアイスランドで採捕されました。

そしてそんなステラとビンゴから2012年に生まれたリン、2008年に生まれ2015年に鴨川シーワールドから名古屋港水族館へ引っ越してきたアースという構成です。

名古屋港水族館では実はシャチのショーは行われていませんが、ある意味ではショーよりも貴重なトレーニングを見ることができます。所要時間は約15分。飼育員さんは、シャチのトレーニングを行いながら、シャチの生態について詳しく説明をしてくれます。

名古屋港水族館でのトレーニングの見どころは何と言っても健康管理です。シャチの健康を維持するためには毎日の体温測定や、適宜の体重身長測定、採血などが必要です。

そんな様子もトレーニングでは見ることができ、体温を測定する時にじっとしているシャチの様子を見ていると飼育員さんとの絆を感じ取ることができます。

もちろんシャチの巨大な体を生かした大迫力のジャンプなども見ることができ、内容盛りだくさんの15分となっています。

シャチのトレーニングですが、観覧席から見るのも勿論大迫力でいいのですが、おすすめは水中を見ることのできる観覧席です。

水の中を勢いよく泳いでいくその優雅さは、水上の席からはではなかなか観察することができません。ステージ上の様子を見ることができるテレビも設置してあります。

名古屋港水族館にはシャチの可愛いお土産も充実しています。お土産コーナーに足を一歩踏み入れるとすぐに目につくのがシャチパペットと呼ばれるパペットです。

中に手を入れることができ、口をパクパク動かすと鳴き声も出します。ほかには、シャチをデザインしたノート、クリアファイル、付箋などの文房具も人気が高いです。

名古屋港水族館の開館時間は、時期によって異なります。夏季が大体午前9時半から午後5時半、冬季が大体午前9時半から午後5時となっていますが、繁忙期などには延長されることもあるので水族館に行く前には公式サイトで確認をどうぞ。

名古屋港水族館の休館日は毎週月曜日です。ただし、冬季には臨時メンテナンスで急に休館になることもあります。入館料金は、高校生以上が2030円、小学生と中学生が1010円、4歳以上の幼児が500円です。

名古屋港水族館へのアクセスですが、公共の交通機関でアクセスする場合は名古屋名港線の名古屋港駅が最寄り駅です。駅からは徒歩5分で水族館にアクセスができます。

車で名古屋港水族館へアクセスする場合は、名古屋高速道路の港明I.Cが便利です。港明I.Cで下りたら、築地口・名古屋港方面へ10分走ると水族館に到着です。

駐車場は、ガーデンふ頭の駐車場を利用することになります。料金は、30分100円で、24時間ごとに上限が1000円となっています。

日本では珍しいシャチのショーやトレーニングを見ることができる鴨川シーワールドと名古屋港水族館。どちらの水族館もそれぞれ工夫を凝らし、興味深い展示が数多く揃っています。シャチの頭の良さを実感しにぜひ遊びに行ってみてください。