愛玉子(オーギョーチー)とは楊貴妃も愛したスイーツ!特徴・作り方を解説!
日本人にも人気の観光スポットである台湾には、魅力的なスイーツもたくさんあります。中でも近年人気が高まっているのが「オーギョーチー」(愛玉子)です。オーギョーチーとはどのようなスイーツなのか、紹介していきましょう。
オーギョーチーとは①どんなスイーツ?
近年、台湾のスイーツが人気となり、台湾スイーツを楽しめるお店が日本でも増えてきました。その中でも日本にはない珍しいスイーツとして人気なのが「オーギョーチー」です。
特に中華料理などを供するお店などで目にする機会が多いかもしれませんが、実はオーギョーチーとは日本にはない植物から作られる食べ物で、文字通り台湾独自のスイーツなのです。
そもそもオーギョーチーとはどのようなスイーツなのでしょうか。またどのような作り方をするものなのでしょうか。まずはオーギョーチーそのものについて、その作り方や特徴を紹介します。
台湾で自生する植物で作られるスイーツ
オーギョーチー(愛玉子)というのは、クワ科イチジク属の愛玉子(アイギョクシ)という植物から作られるデザートのことを言います。この愛玉子という植物は台湾北部の山間地に自生しており、カンテンイタビという別名もあります。
イチジク属の植物というのは花嚢という袋のようなものの中に花をつけます。愛玉子の場合、熟すとこの袋の壁が硬くなって裂け、中からペクチンに埋まった小さな果実の塊が出てきます。
そのため、愛玉子は表面にごまのようなつぶつぶがたくさんついた形になります。このごまのようなつぶつぶそのものに甘みがあり、そのまま食べることもできますが、一般的には乾燥させます。これがオーギョーチーの材料となります。
台湾のスイーツやドリンクというと、近年人気となっているタピオカがあります。タピオカはキャッサバという植物から作られますが、このオーギョーチーは、そのタピオカよりも古くから台湾で愛されている植物です。
その歴史は古く、なんと楊貴妃が愛したとまで言われています。絶世の美女と言われる楊貴妃も好んだということから、美人である楊貴妃のようになれるということでも高い人気を誇っています。
また、日本には1896年、有名な植物学者である牧野富太郎が台湾で植物調査を行った際にこれを見つけ、1904年に新種の植物として報告しているという記録が残っています。そのため、愛玉子の学名には「Makino」という記載があるそうです。
食感はゼリーに似ている
オーギョーチーはこの愛玉子のつぶつぶの部分を使います。作り方については後で詳しく紹介しますが、このつぶつぶはペクチンに覆われており、しかもその含有量が植物の中でもとても多いという特徴があります。
そのため、寒天やゼラチンなどのように加熱などをしなくても、このペクチンの働きで常温で固まり、ゼリー状になるという性質を持ちます。水でもむとこのペクチンで水分が固まり、ゼリーができるのです。
オーギョーチーをそのままで食べてみると、普通のゼリーよりも食感がありますが、つるりとのどごしがよく、暑い時期でもとても食べやすいです。ちょっと中国風な雰囲気があるのもオーギョーチーの魅力と言えそうです。
名前の由来は発見者
それにしても「愛玉子」とは、愛らしい名前が付けられていますが、この名前の由来は台湾の歴史の本に書かれています。それによるとこの名前は発見者の名前に由来すると言います。
今述べたように、愛玉子の実をもむとペクチンの働きによりゼリー状に固まります。この性質を発見した人の娘の名前が「愛玉」と言い、この名前にちなみこの植物を愛玉子と名づけたと言われています。
また、愛玉子からはゼリー状(寒天状)のデザートが作られることから、先ほど紹介した別名であるカンテンイタビという名前がついたと言われています。
オーギョーチーとは②健康効果
このように、愛玉子から作られるオーギョーチーは、それこそ楊貴妃の時代から愛されてきたスイーツであり、台湾三大スイーツの一つに数えられます。楊貴妃と言えば美人の代名詞ですから、ぜひあやかりたいという方も多いでしょう。
実はオーギョーチーは、単に楊貴妃にあやかりたいというだけではなく、栄養学的に見てもなかなか魅力的なスイーツと言われています。そこで次に、オーギョーチーに期待できる栄養効果について紹介します。
美肌効果が狙える
オーギョーチーの栄養効果という面でまずチェックしたいのがペクチンです。ペクチンとは植物の細胞壁などに含まれている複合多糖類のことで、ジャムなどさまざまな食品の中に増粘安定剤として加えられています。
このペクチンは基本的にはヒトの消化酵素では分解されないものです。そのため水溶性の食物繊維としての働きを持ち、腸の調子を整えることが期待できます。
またオーギョーチーにはアルブチンなども含まれています。こちらは美肌効果があると言われ、楊貴妃ではありませんが、美人になれるスイーツということも期待できると言われています。
デトックス効果が狙える
食物繊維が豊富というのは、整腸作用の効果はもちろんですが、腎臓にはたらきかけ、利尿作用が期待できるとも言われます。そのため解熱やむくみにも効果が期待でき、全体としてデトックス効果につながると言われています。
デトックス効果というのも、健康効果を願いたいという方にはぜひ期待したい効果の一つです。これらの効果と、楊貴妃の伝説を考えると、やはりぜひ一度は味わってみたい台湾スイーツの一つと考えてよいでしょう。
また、気になるカロリーですが、愛玉子の状態は木の実ですからそれなりにカロリーはあるものの、オーギョーチーにしてしまうと水分がほとんどでカロリーは100グラムで1.5キロカロリーほどとほぼノンカロリーとなります。
オーギョーチーとは③作り方
このように、楊貴妃にもつながるさまざまな健康効果も期待できそうということから人気の高いオーギョーチーですが、その原料である愛玉子は台湾にしか自生しないという希少なものです。
では、オーギョーチーの作り方とは、どのような方法なのでしょうか。また台湾でしか自生しない愛玉子とは、日本で入手することができるものなのでしょうか。
次にオーギョーチーの作り方について詳しく紹介していきます。とはいえ、オーギョーチーの作り方そのものは、さほど難易度の高いものではないので、可能ならぜひチャレンジしてみてください。
愛玉子を入手する
オーギョーチーの作り方として難関と言えるのは、オーギョーチーの原料である愛玉子が入手できるかという問題にかかっています。実は日本で市販されているオーギョーチーの中には、ゼラチンなどで固めているものも少なくありません。
オーギョーチーの原料である愛玉子は、台湾料理の材料などを売っているお店で入手することができます。そのような店は近くにないという方はネットを利用しましょう。ネット通販でも愛玉子が販売されていて、それを使うことができます。
作り方にもよりますが、50グラムの愛玉子があれば、それで1500ミリリットルのオーギョーチーを作ることができます。もともと乾燥されたものですから、愛玉子の状態であれば、一気に全部使う必要もありません。
オーギョーチーを作るための材料としてもう一つ必要なのが「水」です。実はオーギョーチーに含まれるペクチンは、水に適度なカルシウムが含まれていないとうまく凝固しないという性質を持っています。つまり、硬水のほうがいいのです。
日本の水道水はほとんどが軟水です。日本は雨が多く、火山性の地層が多いですし、土地が狭く傾斜が急なので、地下水が滞留しにくい性質があり、軟水がほとんどなのです。
軟水の水にはカルシウムなどのミネラル分が少ないため、オーギョーチーが固まりにくいです。ですから、オーギョーチーを作るのであれば、できれば硬水の水を用意することをおすすめします。
愛玉子を包んでもむ
オーギョーチーの材料である愛玉子と水が揃ったら、作り方について具体的に紹介していきましょう。まず、愛玉子をガーゼなどの袋に入れて、しっかりと口をしばります。これをボウルに入れます。
3分ほど置いてから、ガーゼをもむと、1分から2分ほどでぬるぬるした感じが出てきます。そうしたらそのまま5分ほどもみ続け、少し泡立った状態までしていきます。
オーギョーチーのペクチンは常温で固まりますから、このままにしておくと固まります。そうしたら冷蔵庫に入れて冷たく冷やせば完成となります。
シロップを作る
先ほど、愛玉子はつぶつぶの状態でも甘みがあると述べました。しかしこのようにして作ったオーギョーチーはこのままではほぼ味がありません。そのため食べる時には、オーギョーチーにシロップなどをかけて食べるのが一般的です。
次にオーギョーチーの食べ方をいろいろと紹介していきますが、簡単なのはレモン果汁とはちみつ、水を合わせて作った甘いシロップです。このシロップをさっと上からかければ美味しく食べられます。
台湾スイーツっぽくおしゃれな雰囲気にするなら、レモンの皮やレモンを輪切りにしたものをトッピングするのもおすすめです。
オーギョーチーの作り方
- 愛玉子をガーゼの袋に入れ、硬水の水に入れる
- 3分ほど置いてからガーゼを水の中でもむ
- とろみが出てきたらそのままもみ続け、泡立ちが見られる状態にする
- そのまま放置すると固まる
- 冷やして、シロップなどをかける
オーギョーチーとは④食べ方
では次に、このオーギョーチーの食べ方についていくつか紹介していきましょう。今述べたように、愛玉子のつぶつぶの状態では甘みがあるのですが、オーギョーチーになるとそれ自体にはほとんど味がない状態になります。
そのため、オーギョーチーは甘みがあるシロップなどを合わせて、甘みを加え、スイーツとしていただくことが多く見られます。逆に言うと、いろいろな味に合わせられるので、さまざまなバリエーションで楽しめます。
そこで、日本や台湾のカフェなどで食べられるオーギョーチーを基本にして、おすすめの食べ方を紹介していきましょう。つるりとした食感を楽しむためにぜひ冷やして食べてみてください。
レモンなど酸味のあるシロップと食べる
まずは台湾の定番のオーギョーチースイーツ、「愛玉檸檬」から紹介します。これはオーギョーチーにレモンシロップをかけたものです。オーギョーチーを出す店ならどこでもあるメニューとなっています。
レモンシロップは先ほど作り方で紹介したように、レモンの果汁とはちみつ、水を加えて作ります。台湾は気温が高い時期が多いので、レモンの酸味とオーギョーチーのつるりとした食感は、さっぱり感があり、とても美味しいと人気です。
台湾に行けば屋台などの形でもどこでも食べることができるスイーツでもありますので、まだオーギョーチーを食べたことがないというのであれば、まずはここから試してみてはいかがでしょうか。
黒蜜など甘みのあるシロップと食べる
スイーツなら甘みがあるものが食べたいというのであれば、黒蜜などを使った甘みの強いシロップをかけて食べるのはどうでしょうか。オーギョーチーは黒蜜にもよく合います。
黒蜜をかけたオーギョーチーは、あんみつやみつ豆のような雰囲気になり、これもまたとても美味しいと人気です。ちなみにオーギョーチーはゼリーや寒天のようなつるりとした食感ですが、ちゃんと噛み応えも感じられます。
なお、日本でオーギョーチーを提供している店の中には、あんこやフルーツなどを飾り、オーギョーチーのあんみつを作っているところもあるようです。
ドリンクに入れる
オーギョーチーはペクチンの量が多く、安定性が高いため、常温で固まります。そのため、ドリンクの中に入れて飲むという食べ方も人気が高いです。太いストローで吸っていただきます。
先ほど紹介したシロップを薄めにしたり、乳酸菌飲料や冷たいお茶などにオーギョーチーを入れた飲み物は、暑い時期にテイクアウトして飲みながら散策するという方も少なくありません。
また、台湾スイーツということで、タピオカドリンクにオーギョーチーをプラスしたりトッピングしたりできる店もあります。タピオカとオーギョーチーをダブルで楽しめるので、こちらもぜひおすすめします。
かき氷と食べる
近年、日本でもさまざまなかき氷がブームになっています。特に台湾などのかき氷は人気が高く、わざわざかき氷を食べるために人気のお店に並ぶという方も少なくないほどです。
このような台湾スイーツを扱うお店の中には、かき氷にオーギョーチーをトッピングするメニューを提供しているところもあります。こちらも豆花などの台湾スイーツと組み合わせて出しているところもあるので、そちらもぜひチェックしてみましょう。
このように、オーギョーチーを使ったメニューはさまざまなものがあり、それぞれの美味しさが楽しめます。ぜひいろいろな組み合わせて味わってみてください。
オーギョーチーとは台湾の名物スイーツ
台湾にはさまざま魅力的なスイーツがありますが、中でも楊貴妃も好んだと言われるオーギョーチーは、台湾にしか自生しない材料を使うことから希少性が高いです。ぜひオーギョーチーを見つけたら、そのつるりとした美味しさを楽しんでください。
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