知林ヶ島は縁結びのパワースポットの無人島！干潮時間と行き方は？

知林ヶ島（ちりんがしま）とは、鹿児島県指宿（いぶすき）市の西方にある無人島です。なんだか変わった名前の島ですが、ちゃんと由来があります。昔この島には松がたくさん生えており、この島の付近を航海する船乗りたちはこの島の松が風に揺られて立てる音を聴いて航海をしていたことから「知林ヶ島」という名がついたと言われています。今回は「愛の島」の別名を持つこのロマンチックな無人島をご紹介します!

鹿児島湾に浮かんでいるこの島は、周囲約3㎞、面積約60ヘクタールと島にしては小さな島です。知林ヶ島は無人島のため人は住んでいませんが、島をぐるりと一周できる遊歩道が整備されており歩いて島を周遊することができます。最寄駅から島までの行き方はJR指宿駅から車で15分程、駐車場は休暇村指宿広場の駐車場を無料で利用できます。

ただしこの島、少し変わった行き方でないと島には上陸できません。島へ上陸するには船ではなく「徒歩」で上陸しなければならないのです。歩いて渡れる島の行き方やかかる時間、そして上陸する際の注意点についてご紹介します。

島へ船ではなく徒歩で上陸するって、変わった行き方だと思いませんか？この無人島は3月から10月の干潮の時だけ、このように島へ続く砂の道が出現します。砂の道の長さは約800メートル。大人が歩いて約20分ほどの距離です。しかも一日のうちで出現する時間も決まっているため、一日中道が出現しているわけではありません。行き方をちゃんと覚えておかないと上陸ができない「秘境」のような無人島なのです。

道が出現している干潮の時間のみ、このように徒歩で島まで渡ることができます。上陸すると、帰り道が消える時間までに帰るようにとガイドさんから注意があります。島内の看板に道が消えてしまう時刻の案内があるので訪れたら必ずチェックしておきましょう。また、知林ヶ島は無人島のため帰り損ねてしまうと海上タクシーを呼ぶしか帰る方法がなくなりますので注意しましょう。

歩いて渡ってみた様子を動画にしたものがこちら。砂浜の道を20分程度歩くことになるため、道を歩く際は歩きやすく脱げにくい靴で行きましょう。ちなみにこの砂の道には、「ちりりんロード」というとってもかわいい愛称がついています。由来は「知林ヶ島」と、島内にある展望台に設置された鐘のイメージからだそうです。

知林ヶ島は3月から10月の干潮時でないと渡ることができません。そのため、行く前にはしっかりと干潮の時刻と道の出現する時間を調べてスケジュールを立ててから向かうことをお勧めします。干潮の予想時刻が指宿の観光協会のホームページに掲載されていますので、そちらを確認してから島への上陸のスケジュールを立てましょう。日によっては潮の影響で丸一日島への道が出現しない、なんて日もあります。

また干潮時刻だけではなく、天候も重要です。晴れていれば問題ありませんが、あまりにも雨がひどかったり風が強い場合にも十分に安全性を考慮してから上陸するようにしてください。行き方が徒歩のみに限られるため、上陸までの道中で思わぬ事態に巻き込まれないよう注意しましょう。

訪れる時間帯によっては、このように道が途切れている場合もあります。途中まで道が出現していても、途切れた先を無理やり渡ろうとしないこと!知林ヶ島の周囲は潮の流れが速く、不用意に海へ入ると足を取られて思わぬ事故につながる可能性があります。渡れないのは残念ですが、知林ヶ島は地上からでも絶景が楽しめるスポットです。陸上からから絶景を楽しみましょう。

知林ヶ島の楽しみ方は島へ渡るだけではありません。海岸からすぐ島が見えるため、天気が良ければこんな風に島をすぐ近くに眺めることができます。島がよく見える海岸は写真スポットとして大人気!またすぐ近くには魚見岳という山もあり、頂上付近には展望台も整備されています。山の上から島を眺めるのもオススメ!青い海と緑色の島のコントラストがよく映えます。

また、魚見岳の展望台の周辺には桜の木が多く生えているため春には桜と知林ヶ島のコラボレーションを楽しむこともできるそうです。綺麗な花と背景の知林ヶ島を楽しみながら、素敵な写真を撮ってみるのもまた楽しみ方の一つ。桜のない季節でも、海岸には昼顔やハマユウなどの可愛い花がたくさん咲いています。また展望台からは知林ヶ島だけではなく、錦江湾や指宿の市街地を一望することもできます。

知林ヶ島は「縁結び」に効くパワースポットとしても知られています。その理由は、この島と陸地をつなぐ砂の道が何度消えても必ずまた現れるから。そのため、知林ヶ島は「愛の島」というロマンチックな別名を持っています。

こちらのオブジェは島の中にある「Chirin's Heart (チリンズハート)」。一見ハート形に見えますが、実は別々のオブジェが2つ重なってハート型に見えているんです。縁結びのパワースポットらしいかわいいオブジェで、フォトスポットとして大人気。大好きな人と、このかわいいオブジェのように想いが重なるといいですね。

こちらは、島内の砂の道を見渡せる場所にある「誓いの丘」。ここで自分の願い事を貝の絵馬に書いて、かなうように吊るしておくというパワースポットならではの名所です。ちなみにこの貝の絵馬ですが、「CHI貝」というユーモラスな名前がついています。JR指宿駅構内で200円で売っています。

知林ヶ島の砂の道や島内の海岸には、時々このような白い貝殻が落ちています。この貝殻、二つ合わせるとハートの形に見えるんです！縁結びのパワースポットの島で拾えるハート型の貝殻なんてロマンチックでご利益もありそう!と大人気で、このように記念写真を撮ってインスタやツイッターに上げる人が多いようです。

この貝の名前は「モクハチアオイ」というのですが、実はこの海域に生息している貝ではありません。今海岸で拾える貝殻は、数千年前に生きていた貝の殻が化石になって打ち上げられたもの。つまり、すべて「化石」なのだそうです。可愛い貝殻を集めて縁結びに願いをかけるもよし、太古のロマンに思いを馳せるもよし。知林ヶ島を訪れた際には是非この貝殻を探してみてください。

ロマンチックなハートの貝殻にばかり注目されがちですが、知林ヶ島の海岸にはどうやらこんなものも打ち上げられているようです。それは、巨大なヒトデ!大人の手よりも大きなヒトデが浜辺に打ちあがっています。

自分の手とヒトデを比べてこのような写真を撮る人が続出!ただのヒトデなのですが、インスタやツイッターで大人気。貝殻やオブジェと並ぶこの島の隠れた名物スポットかもしれません。ちなみに、小さなサイズのかわいいヒトデもいるようです。

知林ヶ島は長らく無人島だったため、最近整備された遊歩道や休憩所などを除いた大部分の面積は手つかずのままで自然の状態が保たれています。レッドデータブックで絶滅危惧種に指定されているナンゴクカモメヅルという希少な植物も島に生息しており、島のある一帯は「霧島屋久国立公園」に指定されて環境や動植物が保護されています。

周囲の海も透明度が高くて美しい海です。知林ヶ島は環境省が選ぶ「かおり風景100選」にも認定されています。砂の道を渡りながら、海岸から島を見ながら、ゆっくりと鹿児島湾の潮の香りを楽しむのも優雅ですね。

大切な人と一緒に縁結びスポットを回る、そんなロマンチックな旅もたまにはいかがでしょうか?恋人や夫婦はもちろん、友人や家族同士で行ってもきっと楽しい旅になるに違いありません。一緒に行った人との縁がずっと続くことを願う旅、きっと素敵な旅になることでしょう。もちろん、誰かと一緒に行く際には滞在時間やスケジュールの調整を忘れずに。

縁結びのパワースポットにして神秘の無人島、知林ヶ島。行き方もちょっと変わっている上に運が良くないと上陸はできないかもしれませんが、とっても魅力的な穴場スポットです。島を訪れるとこんな感じの日付入りの渡島証明書ももらえるというおまけつき!鹿児島を訪れる際には是非立ち寄ってみてください。