ゴマサバは福岡の名物料理！おすすめのお店や美味しい食べ方を紹介！

福岡で古くから愛される名物一品料理「ゴマサバ」。福岡を初めて訪れた人が、その絶品の旨さに驚き、地元福岡を離れた人が恋しくなる郷土の味、ゴマサバ。福岡では、一般家庭でも食卓の一品として、お酒の席でも一品料理として親しまれています。ここでは、その福岡の名物一品料理「ゴマサバ」の魅力をたっぷりと紹介していきます。

ゴマサバとは、福岡で食されるサバ料理のことで、サバの種類ではありません。ゴマサバは、獲れたて新鮮な真サバの刺身を九州地方特有の甘い醤油と炒りゴマ、味醂で和え、ショウガ、わさび、きざみ海苔、ネギなどの薬味を加えた料理のことです。ちなみにゴマサバという種類のサバがありますが、ゴマサバに使うサバは真サバです。

日本海側の真サバと太平洋側の真サバでは、寄生虫アニサキスの種類が違います。太平洋側の真サバは、身にアニサキスが付き、刺身はとても危険で食中毒を起こしやすいが、日本海側の真サバは、内臓にアニサキスは付くものの、身に付く確率が0.1%程度とかなり安全で、それで北部九州で生のサバを食べる文化が育ったといわれています。

福岡市にある長浜鮮魚市場から西へ約90kmのところに、真サバの水揚げ量日本最大級を誇る長崎県の松浦漁港があります。九州と朝鮮半島の間にある五島沖合いや済州島沖合いで獲れた真サバが、この松浦漁港で水揚げされ約1時間半かけて福岡に到着、すぐにセリにかけられ市内の居酒屋や料亭など地元の飲食店に出されることになります。

漁師は、獲れた魚を船の上でまかない飯として作って食べたりしますが、ゴマサバは、九州特有の甘い醤油がとても良く合い簡単に作れることから、漁師飯として食べていたものが、一般家庭や料理店に広まって行ったのではないかと言われています。獲れたての真サバにブワァっと醤油をぶっかけて豪快な食べ方をしていたのかも知れません。

ゴマサバに使われる真サバは、秋にかけて日本海を南下して来て九州でも水揚げが始まります。そして九州と朝鮮半島の間の玄界灘は、秋から冬にかけて真サバの宝庫となります。真サバを刺身で食べるゴマサバは、地の利もあって、福岡だからこそ出来る食べ方で、新鮮で脂の乗ったサバの生身の本当の美味しさがわかる食べ方です。

なぜ福岡で「ゴマサバ」という食べ方が出来たのかというのは、福岡市広報課の方に聞いても、この道何十年のマサバを加工している水産会社の方に聞いても、はっきりとした見解はないようです。結論からすると、いろんな諸説があって、交通網の発達や口コミやSNSの広がりによって、自然発生的に生まれた食文化のようです。

サバには3種類あって、真サバ、ゴマサバ、タイセイヨウサバの3つです。一品料理のゴマサバには、ゴマサバという種類のサバではなくて、真サバを使用します。真サバは身がしっかりとしていて脂が乗っています。一方、ゴマサバは、身が崩れやすく脂が乗ってないので、刺身や生食としてはほとんどないです。上が真サバ、下がゴマサバです。

マサバとゴマサバの違いは、側面と背中の模様の違いで区別できます。ゴマサバは側面にゴマのように点々と模様が入っています。マサバは寒海性でゴマサバは暖海性。なので、旬も違ってマサバは冬の寒い時期、ゴマサバは夏の暖かい時期となります。ちなみにタイセイヨウサバはノルウェーで獲れる外国産で、主にスーパーなどで売ってます。

ゴマサバの最初の作り方の基本となるサバの捌き方で、動画で三枚おろしの捌き方を詳しく説明している動画です。真サバであっても、内臓部分はアニサキスがいる場合があるので、ここは完全に取り除きます。後は、1センチほどに切っていき、醤油とすりゴマ、みりん、につけて混ぜ合わせれば、美味しいゴマサバの出来上がりです。

ゴマサバの味付けに使うのは、すりゴマ、濃口の醤油、酒、味醂、すりおろし生姜。それらを新鮮な真サバを1センチほどに切ったものと混ぜ合わせ半日ほど冷蔵庫に入れておきます。しっかりしみ込んだ甘い醤油の味とゴマの風味が混ざり合い、プリプリとした脂身の乗った真サバが「ゴマサバ」として出来上がります。

そして最後に、いろんな薬味を乗せます。きざみ海苔ときざみネギは、ゴマサバ作りの定番の薬味。そして和食の味に添える大葉や茗荷などはまた、ちょっと違った風味があって、よく使われます。他にも、なめろう風に叩いて卵黄を落として食べたり、ご飯の上に乗せて出汁をかけお茶漬け風にして食べたりする食べ方などもあります。

最近は、旅行者のSNSの投稿写真などでも広まり、その名を全国区に知られることになった「ゴマサバ」ですが、基本は新鮮な真サバが手に入るかどうかが、美味しいゴマサバを食べられるかどうかの分かれ目です。そういう意味では、やはり新鮮な真サバが獲れる近海がある場所は、福岡ということになるのかも知れません。

ゴマサバのレシピは、料理本の雑誌やネット上にも広く紹介されるようになりましたので、そちらを参考にしてみて下さい。ご飯にのせてお茶漬けにしたり、卵をのせて食べたりといろんな食べ方が出来るので、それぞれに作り方を研究してみてはいかがでしょうか。ひょっとしたら今までにない美味しいゴマサバ料理が出来るかもしれません。

九州、福岡の美味しいモノを紹介、販売する物産展などが全国各地百貨店などで行われたりして人気です。ゴマサバも全国にその名が知られるようになり、その物産展で簡単に購入出来るようになっています。おすすめは、吉祥庵がだしている薬味と出し汁付きパック入りのゴマサバ。買って帰って自宅で簡単に食べることが出来ます。

このパック入りゴマサバは、丼に入れたアツアツご飯の上にそのままかけるだけで、すぐに美味しいゴマサバ丼が出来上がります。本格的なゴマサバではないですけれど、手っ取り早くゴマサバを食べるならこういう食べ方もありです。最近はこの手のパック入り系も味や鮮度は、かなり進化していてそれなりの味を楽しめます。

福岡市の中心部、天神北西部の長浜地区にある福岡市鮮魚市場。その市場会館の中にある人気の回転ずし「市場ずし魚辰」。もともと魚のプロである仲卸さんの福利厚生施設として創業したお店です。回転ずしとは言え、魚ネタは市場の魚だけあって新鮮そのもの。しかも繁華街の寿司屋と比較しても負けないおすすめの美味しさです。

魚辰のゴマサバは216円と破格の安さ。甘めのタレでしっかりと漬けになっていて、食感はもっちり。市場からの獲れたて新鮮な真サバがこの値段で食べられるのは、福岡ならではのことです。ちなみにこのゴマサバは回転レールには乗ってないので、各席に置いてあるオーダー表に書いて注文します。この値段でこの味はなかなかないです。

こちらも魚辰と同様に鮮魚市場の市場会館の中にある人気のお店です。こちらは、海鮮丼など魚定食が中心の居酒屋風食事処で、店内は100席ほどありお昼時は常に満席状態です。壁に貼られたメニューには、その日の魚の大漁しだいで旬なおすすめメニューが出てきます的なことを書いています。もちろんゴマサバも獲れたて新鮮おすすめです。

魚がしのおすすめは「さば定食」。ゴマサバ、マグロの子の煮付け、サバの竜田揚げ、それにご飯と味噌汁がついて1080円。これは一体どういうことでしょうか、と疑いたくなる値段とその美味しさに、ここを訪れた人は驚きます。特に、福岡へ初めて来る方などは、会計の際に必ず「えっ」という驚きのリアクションがあるのをよく見かけます。

五島サバと九州の幸を売りにした「きはる」。味にうるさい博多っ子も、五島沖の獲れたて新鮮な真サバの美味しさに舌を巻き、一躍、博多のゴマサバ一番店といわれるまでに定着している人気店です。建物の外観入口とちょっとやぶれかかった提灯に騙されてはいけません。福岡に居てここのゴマサバを食べたことが無かったのを後悔します。

表にかけてある提灯に「五島さば」と名売っているだけあって、長崎県五島の漁場と契約し、五島列島沖で獲れた新鮮な真サバを市場を通さずに、そのままお店へ持って来て調理しています。調理の様子をカウンター越しに見ると、まだ生きた真サバが跳ねています。ですから新鮮も新鮮、口の中でもまだ生きてるような至福の食感です。

今では、さばを食べるなら「きはる」といわれるほど超有名店になってますが、実は他にもおすすめメニューはたくさんあります。対馬の穴子や天草の梅肉エキスで育った豚、朝倉の地玉子を使った明太玉子焼き、そしておすすめの焼きサバチャーハン、などどれもここでしか味わえない美味しいものばかりで、結構悩んでしまいます。

福岡の中心街、オフィスビルの立ち並ぶ舞鶴1丁目のビルの一角にある「博多ごまさば屋」。店名にごまさば屋という名をつけた非常に分かりやすい人気のお店です。お手頃価格で新鮮な魚介類を使ったいろんな魚定食が食べられるとあって、お昼時は周辺のオフィスビルからサラリーマンやOLがつめかけるおすすめの人気店です。

ゴマサバがメインなので、ゴマサバとサバの塩焼き、ゴマサバと唐揚げ、ゴマサバとあら炊き、ゴマサバとアジフライなどいろいろな組み合わせが出来ます。また店内に「ゴマサバの食べ方」という張り紙が書いてあって、そのまま、丼にかけて、お茶漬けにして、とゴマサバをお好みの食べ方で食べられるのも嬉しい限りです。

博多駅前3丁目、住吉通りサットンホテル博多シティのひとつ裏の通りの一角にある「はじめの一歩」。おすすめは何といっても、見た目のインパクト大なゴマサバ。綺麗に並べられたゴマサバの上にネギとすりゴマが大盛りで乗せられています。食べ方は、新鮮な真サバにお好みでネギとすりゴマを調整しながら取り合わせて食べます。

「はじめの一歩」もうひとつのおすすめは、ごまかんぱち。これも横長のお皿に並べられた「かんぱち」にネギとすりゴマがこれでもかと盛られています。他にもイカの活き造りなど見ていて楽しくなる盛り付けで出てきます。どれも新鮮な魚介類で、おすすめの値段と美味しさの有名店です。地酒も料理によく合います。

中洲川端商店街の中にある漁師料理の店「せいもん払い」は、ミシュランガイド福岡版にも掲載されているお店です。お店の入口横に通りから見える大きな生簀が目立ちます。総座席数125席あり大人数での食事や宴会も出来る広さです。近くには、大型商業施設「キャナルシティ博多」があり、連日多くの観光客や海外旅行客で賑わってます。

「せいもん払い」の一番人気メニューは、何といっても「ゴマサバ」。大分県の豊後水道で獲れた新鮮な関サバを使った「ゴマサバ」は、絶品の美味しさです。その関サバは、漁師による究極の技術といわれる活き閉めを使って保存してあるから脂肪分が抜けず、そのままの鮮度が保たれています。活きた魚よりも格段に旨いともいわれます。

福岡市西区玄海島にある定置網などを営む漁師直営のお店です。獲れたて新鮮な真サバをそのまますぐに店に持ち込んで料理するので、美味しくないわけがない。つまり新鮮獲れたての美味しさというわけです。真サバが獲れる11月から2月が旬な時期で、この時期わざわざ船で渡って玄海島へ食べに来る人がいますが、完全予約制です。

あらかじめ電話予約をして行かないと、その日によって旬な魚が異なります。ほかにも玄界灘で獲れたアジやヤズ、タイ、イカ、ヒラメなど、どれもこれも究極の新鮮さです。また海が穏やかな時期には、食事とセットになった定置網体験もやっていて、一緒に楽しめるとあって漁師直営ならではのおすすめの人気店です。

福岡の定番の名物料理としてしっかりと福岡の街に根付いているゴマサバ、まだ食べたことがないという方は、ぜひ美味しい真サバが獲れる11月から2月の間に、福岡へ食べにきて下さい。そして特に長崎県の沖合い、五島沖や対馬沖、済州島沖などで獲れる真サバは、最高に脂が乗っていて口の中でプリプリとした美味しさが広がります。