吉見百穴は心霊スポット？スピリチュアルな史跡の観光ポイントやアクセスを紹介！

吉見百穴は石器時代に作られた横穴がたくさん開いています。その中には軍需工場として使われていた横穴や天然記念物のヒカリゴケが見られます。横穴の中は夏でもヒンヤリとしていることや怪しげな雰囲気から心霊スポットとしても知られています。吉見百穴の見どころなどたっぷりとご紹介します。

吉見百穴は埼玉県のほぼ中央の比企郡吉見町にあります。埼玉県にはたくさんの古墳や史跡が存在していて、吉見百穴もそのひとつです。明治時代から発掘が続き1923年に国の史跡に指定されました。今では、一般公開されて横穴を見学することができるようになっています。

吉見百穴の読み方は「ひゃくあな」それとも「ひゃっけつ」どちらでしょうか。埼玉の地元では「ひゃくあな」と呼んでいます。それでは公にはどうでしょうか。吉見町の公式サイトでは「ひゃくあな」と読みかなを付けています。文化庁では「ひゃっけつ」と読みかなを付けています。さて本当は？

吉見百穴へのアクセスは東武東上線東松山駅から鴻巣免許センター行きバスに乗り換えて百穴入口バス停で下車し徒歩で7分のところにあります。車でのアクセスは関越道東松山ICから10分ほどです。駐車場は40台があり、隣接する「埋蔵文化財センター」にも無料の駐車場があります。

百はたくさんと言う意味で使われることが多いようですが、吉見百穴は本当に百の穴があるのでしょうか。明治時代から発掘されて、現在では実に219の横穴が発見されているそうです。同じような風景で有名な、トルコの世界遺産カッパドキアより多い岩穴があります。

吉見百穴には何故こんなにもたくさんの横穴があるのでしょうか。「お墓」説と「住居」説がありましたが、現在では「お墓」が定説になっています。戦時中には一部の横穴の下にさらに大きな横穴が、中島飛行機の地下軍需工場として掘られました。跡地の洞窟は内部まで見学ができます。

吉見百穴は全国でも知られた心霊スポットです。もともとの横穴が「お墓」であったことや軍需工場のために横穴を掘る工事中に3000人もの方々が犠牲になった事などが理由で心霊スポットとして噂が広がったようです。冷たい空気が漂う心霊スポットを求めて多くの観光客が訪れています。

照明があるものの薄暗い洞窟の先は行き止まりになっています。夏でも冷たく感じる空気や途中にあるお地蔵さんがより心霊スポットの効果を高めています。霊感の強い人は金網で仕切られたところまで進めないくらい息苦しくなるようです。心霊スポットらしい逸話です。

吉見百穴の見どころは、なんと言ってもそのスケールではないでしょうか。大小さまざまな横穴が掘られた風景は、世界遺産のカッパドキアを見るようです。横穴を全て見て廻ることはできませんが、一つ一つの奥行きはそれほど深くはありません。まずは、雄大な風景を楽しみましょう。

全容を見たら、いざ洞窟へ！軍需工場として掘られた洞窟へ入ってみましょう。中はヒンヤリとしていかにも心霊スポットらしい雰囲気です。照明はありますが薄暗いです。帰り道は、遠くから光の窓が照らす洞窟の足元に波打つ堀跡が美しいです。ホッとする瞬間です。

洞窟をでたら、山頂へ向かいましょう。横穴の間を縫うように歩道が設けられています。アクセスは少し急な山道ですが、横穴の様子を眺めたり中に入って昔の人の気分になったりしながら上っていくと、少しは疲れも癒されます。山頂では雄大な秩父の絶景が待っています。

吉見百穴は四季折々に咲く花の名所でもあります。春を告げる梅の花、春になれば桜の花が咲き誇り、周辺の里山もピンク一色に染まります。初夏には藤の花が美しい紫の花を咲かせます。野道の傍らには名も無い草花が愛らしい花を見せてくれます。花を見るために訪れても失望しません。

吉見百穴では洞窟の中に天然記念物のヒカリゴケが自生していて見ることができます。保護のために洞窟の中に入ることはできませんが、薄暗い洞窟の中を覗き込むと緑色に怪しく光るものが見えます。でも、自分で光っているわけではなくて、外のわずかな光を集めて反射しているのだそうです。

吉見百穴と同じ敷地内にある資料館です。吉見百穴から出土した埋葬品などを展示しています。埴輪や土器が主な展示品です。出土した土器は完全なものが少なく、破片をつなぎ合わせるなど現在も修復作業が続けられています。入場は吉見百穴と合わせて300円です。

埋蔵文化財センターでは勾玉や埴輪を作る体験ができます。「勾玉づくり」は天然石から勾玉を作ります。「琥珀勾玉ストラップづくり」は再生琥珀を使って勾玉の形をしたストラップを作ります。「埴輪づくり」は粘土をこねて古代の埴輪を作ります。焼き上げには1ヶ月ほどかかります。

埋蔵文化財センターでは本物の土器に触れることもできます。2000年もの前の土器に触れるには勇気もいります．割れた土器の破片を組み合わせてシリコンで固めるなどの作業や土器に付いた植物の種を調べる体験もできます。夏休みの自由研究の題材としてもいいでしょう。

吉見百穴に行ったら近くにある安楽寺に立ち寄りましょう。岩殿山安楽寺は坂東三十三観音巡礼第十一番の札所です。アクセスは東武東上線東松山駅からバスで百穴入口バス停で下車し徒歩約50分です。車の場合のアクセスは関越道自動車道東松山ICから30分です。無料駐車場があります。。

安楽寺の吉見観音は1200年の歴史がある名刹です。県の文化財に指定されている三重塔は美しい形をしています。下から見上げると少し傾いているように見えますが、気にせいでしょうか。恋愛成就や子授け祈願にご利益があるとされ、埼玉のパワースポットとしても人気があります。

吉見百穴を見て廻った後のランチにおすすめのお店は、駐車場横にある「百穴発掘の家」です。店内には発掘した出土品が展示されています。吉見百穴の地主さんだそうです。素朴でも飛び切りおいしい食事が待っています。冷たいカキ氷やみそおでん、埼玉で人気の十割蕎麦が食べられます。

埼玉と言えばおいしいカキ氷が食べられることで有名ですが、吉見百穴にもおいしいカキ氷があります。百穴の厳しい岩山を登って山頂の到達すると、汗もかき喉も渇きます。そんな時のカキ氷は砂漠のオアシスです。ふわふわの冷たいカキ氷は、厳しい山道のアクセスのご褒美です。

ランチにはうどんや蕎麦、ラーメンがあります。自家製みそダレをたっぷり付けたみそ田楽も人気です。おすすめは秩父名物の十割蕎麦です。濃い目で鰹出汁の効いたツユで食べる蕎麦は風味が良く、コシもあります。気さくなご主人の話を聞きながらの贅沢なランチです。

吉見百穴に行ったらお土産には「名所サブレ」がおすすめです。表面に吉見百穴の風景の焼印が押されています。さくっとした歯ごたえと、甘みを抑えたおいしいサブレです。何よりも、一目で吉見百穴のお土産と分かるのが贈って喜んでもらえるのではないでしょうか。山頂のお店でも販売しています。

吉見百穴から東松山方面に車で約15分のところにある「蔵の湯」です。駐車場もありますので、車でも安心です。スーパー銭湯ですが天然温泉です。露天風呂や岩盤欲で温泉を堪能できます。食事や休憩が思いのままで観光の疲れもすっきりします。やはり観光には温泉は外せません。

吉見百穴から車で約30分のところにある「なめがわ温泉花和楽の湯」です。車で行っても大きな駐車場があります。天然温泉で立寄り湯ができる施設です。露天風呂の温泉も疲れが取れますが、岩盤浴が人気ですのでぜひお試しください。食事やのんびり休憩もできます。

吉見百穴の見どころや周辺の立ち寄りたいスポット、温泉施設をまとめてご紹介しました。少しアクセスに不便はありますが、車で訪れても駐車場の心配はありません。見て･体験して・食べて・浸かる、観光の醍醐味が全て満喫できる吉見百穴の「不思議な穴」を訪れてみませんか。