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長崎の精霊流しは爆竹がダイナミック!行く時の服装や交通規制等の注意点も!

長崎の精霊流しは爆竹がダイナミック!行く時の服装や交通規制等の注意点も!
投稿日: 2017年11月16日最終更新日: 2020年10月8日

精霊流しは、毎年8月15日にお盆前に亡くなった人の遺族が、故人の霊を弔い極楽浄土へ送るために、手作りの船を造り船を曳きながら、町中を練り歩く長崎の伝統行事です。長崎の精霊流しはその爆竹がダイナミックで多くの観光客が見学に訪れます。

長崎の伝統行事精霊流しの見どころ見出し

8月15日は、全国各地でお盆の行事が行われ、長崎でも初盆を迎えた家が精霊船を造って故人の霊とともに海に流します。それが精霊流しという長崎独自の行事ですが、全国で行われるお盆の行事とはいささか趣きが異なります。ここでは、その異色とも言えるお盆行事である長崎の精霊流しの時間や交通規制、注意点などを紹介していきます。

長崎精霊流しの慣わしと地域コミュニティ見出し

地域性の強い土地柄もあり、江戸時代から続いていた故人の霊を海に流すという風習は、地域ぐるみでの年中行事のひとつとして行われていました。その年に初盆を迎える家のために、町内のみんなで1ヶ月ほど前から「もやい船」を造ります。「みよし」と呼ばれる船首には、苗字や家紋、町名などが書かれ、廻りを提灯や造花で飾り付けます。

戦前までは、造った精霊船をみんなで担いで海まで持っていっていましたが、長崎原爆の時に多くの人が亡くなり人手が足りなくなったこともあり、多くの町内が車に乗せて運ぶようになりました。しかし長崎くんちの「コッコデショ」で有名な樺島町の精霊船には、その車がついておらず、人の手で担ぐという伝統を今も守り続けています。

戦前までの精霊流しは、整然と静かに精霊船を送っていたそうです。しかし戦後、船は段々と大型化し、打ち鳴らす爆竹の数が増え、さだまさしの精霊流しの曲のイメージとは程遠い、華やかな喧騒の中で行われる精霊流しに変わっていきました。原爆前後を経験した長崎の方々の深い悲しみがそこにあったのではないかと思えてきます。

夕方近くになると、全員お揃いの法被姿でそれぞれの精霊船を曳いて出発の各集合場所へ集まります。家紋入り提灯を持った喪主、町の提灯を持った責任者、長い竿の先に趣向を凝らした灯篭をつけた「印灯籠」を掲げる者がついています。そしてその廻りを法被を着た者たちが固め進んでいきます。時間になると市内各所で交通規制となります。

長崎精霊流しのダイナミックな爆竹見出し

進行中は、ちょっとずつ爆竹を投げ入れるだけですが、一旦渋滞して止まると、次から次に爆竹を投げ道路に立てた花火に火を点けます。広い道路に並んだ船が一斉に火を点けると、辺りは白煙と火花が立ちこめ劈くばかりの破裂音が響きます。中には、ロケット砲に火を点ける者もいたりして、もの凄い数の光と音に包まれます。

精霊流しで爆竹が使われるのは、中国の彩船流しの影響が色濃く出ているとされ、流し場まで船が通っていく道を清めるためとされます。しかし、近年は、どんどんと派手になってきて、見学者のところに投げ入れるなど、いろいろと問題視されています。着物やサテンのような服装は穴が開いたりするので特に注意が必要です。

長崎の精霊流しは、NBC長崎放送、KTNテレビ長崎の各局で中継放送されます。2016年には、さだまさしさんの母親が亡くなっており、その年に親族で精霊船を出した際は、NHKのドキュメント72時間や日本テレビ系列などでその様子が紹介されました。動画は2012年にYoutubeに公開されたものです。

ダンボールで買ってきた爆竹を、そのまま火をつけて道路の真ん中の置くと炎が上がり、高いもので5m近くの炎が舞い上がります。箱の中で何百個の数の爆竹が勢いよく破裂し、鼓膜が破れそうな爆裂音が辺りを響かせます。こうした行為は、あまりに度を過ぎると警察や消防の厳重注意になりますが、いたちごっこのようです。

長崎でよく使われる爆竹が「牡丹紅炮」という中国製の爆竹と「長崎音花矢」です。1束が20連になっていて、それが1箱に10束入っています。お盆前になると市内のスーパーなどでディスカウント価格で大量に販売されるようになり、まとめ買いしていく人もいます。中にはダンボール毎、何十万円分も買っていく関係者もいたりします。

長崎精霊流しが行われる場所は見出し

精霊流しは、正覚寺付近から県庁前を通って流し場へ行くルートと秦公園付近から観光通り、県庁前、大波止を通って流し場へ行くルート、諏訪神社付近から興善町、電車通りへ出て流し場へ行く3つのルートがあります。その間、交通規制により車輌進入が出来ません。その交通規制と時間は、場所によって時間が異なる場合があります。

長崎精霊流しの時間と交通規制見出し

交通規制が始まる時間は、船が集まり出す17時頃から終了23時頃までの時間に行われます。正覚寺電停付近から、中央橋交差点、県庁前、大波止交差点、流し場までのルート。諏訪神社前交差点から市役所前、興善町交差点、テレビ長崎本社前を通って流し場へのルート。秦公園付近から中華街横、銅座橋、観光通りへ出るルートの3ルートです。

交通規制される時間帯は、車の進入が一切出来なくなるので、周辺の移動は徒歩のみとなります。街中の広い道路は、花火や爆竹の残骸が散らばり、白煙と燃え上がる炎、ジャンの音、響き渡る掛け声と鐘の音が交差し、さながら戦場のような雰囲気さえします。交通規制の詳しい時間は、所轄の警察署や市役所などで教えてもらえます。

長崎精霊流し見学の際の注意点見出し

祭りではなくお盆の伝統行事ということ

長崎の精霊流しには毎年多くの人が見学に訪れますが、あくまでもお盆の伝統行事であって祭りではありません。ですので、祭りのイメージを期待されて、屋台などあるのかと勘違いされる方もいますが、基本的に屋台はありません。まれに商店街がそれっぽく屋台を出しているところもありますが、屋台が立ち並ぶところはありません。

祭りではないので参加はしないこと

見学の際に、派手な爆竹に感化されて見学者が爆竹を投げ入れるのはルール違反です。どの精霊船もダンボール箱毎爆竹に火を点けたりして派手に打ち鳴らしますが、事前に所轄の警察署へきちんと打ち鳴らす爆竹の数を届出しています。決められた爆竹の数の範囲で行っていますので、見学者がむやみやたらに参加しないように注意しましょう。

精霊流しを見学の際には服装に注意見出し

驚くことに、結構見学者の足元に爆竹を投げ入れられる場合があります。ですので服装は素足ではなく、長めの下穿きにした方が無難です。上の服装も花火のカスなどが降ってくるので夏ですが、長袖の服装にするか、出来るだけ簡単な服装がいいでしょう。ともかく服装のことを考えるとあまり近くに寄らない方がいいでしょう。

長崎精霊流しに耳栓だけは絶対に必要見出し

精霊流しの時に、使われる爆竹の量は半端ないもので、それが一斉に鳴り出すとすぐ隣の人の話し声も聞こえなくなります。中には本当に耳が悪くなった人もいるほどで、それぐらい凄まじい爆竹の音です。ですので必ず耳全持参で見学されることをおすすめします。市内のスーパーやコンビニなどで売っていて、すぐに購入できます。

長崎精霊流しの異色な精霊船見出し

精霊流しは、各町内会や企業で造る「もやい船」と呼ばれるものから、各家庭や個人で造るものとに分かれます。各家庭や個人で造るものには、亡くなった故人の趣味、趣向や生前の活動などを反映させたものが多く、見ていると亡くなった方の生前の様子が忍ばれ、精霊船を曳く遺族の方たちの想いが見ている側にも伝わってきます。

長崎には、伝統の祭り「長崎おくんち」があり、各町内会で祭りの出し物を造ります。そのため精霊流しの時も、おくんちの出し物を表現する「もやい船」を造る町内会もあります。例えば、蛇踊りのおくんちの出し物にしている町内会であれば、その蛇踊りをテーマにした精霊船を造ったりして、そうした華やかさでより一層盛り上がります。

もやい船の造りは、伝統的には屋台の形もしたものが多く、特に屋根の辺りや提灯をかける部分など屋台の形をしています。どうしてこういう屋台の形になったかというと、慣習的というよりは、見せる要素が強いことからこうした屋台形式になったと思われます。素材には藁を使い伝統行事に相応しい雰囲気を漂わせています。

長崎精霊流しを堪能見出し

長崎の伝統的なお盆の行事である精霊流しは、遺族の方々が亡くなった方の霊を西方浄土へ送るものです。長崎では、それを静かにではなく、華やかに送り届けようということなのです。毎年20万人近くの見学者が訪れる、この長崎の伝統行事である精霊流し。あなたも一度訪れて一緒にお盆を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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投稿日: 2017年11月16日最終更新日: 2020年10月8日

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