シェ・イノは東京・京橋のフランス料理店！おしゃれなランチにおすすめ！

東京にはおしゃれなフランス料理の店がたくさんありますが、ここで紹介する「シェ・イノ」はそんな店の一つです。ちょっと改まった気分でランチをしたいという時にぴったりの店ではないでしょうか。シェ・イノへのアクセスやランチなどの情報、おすすめメニューなど紹介します。

シェ・イノとは1984年に開店したフランス料理の店です。おしゃれな店舗や老舗、博物館などが立ち並ぶ「アートな街」京橋でも重厚な作りが目を引く、パリにでも来たかのような印象を与える店です。

シェ・イノの「イノ」とはオーナーシェフの名前から来ています。オーナーシェフは21歳でヨーロッパに行き、スイス、ドイツ、ベルギーなどで修業を重ね、フランスのミシュラン三ツ星レストランで腕を磨きました。

1972年に帰国すると、銀座で料理長として腕をふるった後、1984年に京橋にジェ・イノをオープンします。以後、東京サミットをはじめとする歴史的なイベントでもその技術を惜しみなく発揮し、2007年にはボルドーのコマンドリー、フランス農相の農事功労賞、日本の「現代の名工」を授賞しました。

シェ・イノへは東京都中央区京橋にあります。ですから、JR東京駅からでも徒歩でアクセスできるところにあります。東京駅からは八重洲南口を出て徒歩で7分ほどです。さらに近いのが東京メトロと都営地下鉄になります。

もっとも近い駅は東京メトロ銀座線の京橋駅です。駅の5番出口から出ると徒歩で1分ほどで、至近距離にあることがわかります。また都営地下鉄浅草線の宝町駅も近く、A5番出口から徒歩で5分ほどです。このように公共交通機関によるアクセスが非常に近く、便利なところです。

シェ・イノは前述したとおり、1984年に開店しています。このころの京橋は銀行などが多い一角だったため、銀行が15時になるとシャッターを下ろしてしまうところでした。銀座から日本橋の人の流れが京橋のあたりで途切れてしまう傾向にあったそうです。

そこでシェフは、パリのシャンゼリゼ通りをイメージして、人が集まり活気のある街にしたいという思いで、この地にシェ・イノを開店させました。そのため、外観も重厚な作りですし、食べられるフランス料理も正統派のフランス料理となっているのです。

シェ・イノはミシュランの星をもらっています。2007年のミシュラン東京ガイドで、シェ・イノは一つ星をもらっています。この時のミシュラン東京ガイドでは、日本料理の店が約6割選ばれているのですが、本格的なフランス料理の店であるシェ・イノが選ばれたということは、それだけ評価が高い店であるということになるでしょう。

この時、ミシュランガイドの総責任者は「東京は、世界一の美食の街だった」と述べています。ミシュランガイドに載った店は味の「星」だけではなく、快適度やサービス評価などもあるとのことです。この時のミシュランガイドは90か国以上で発売されており、その中にピックアップされたということは、シェ・イノが世界的にもフランス料理の店として知られたということになります。

さて、シェ・イノのフランス料理の特徴としては、「正統派」であることに尽きます。シェフの考え方として「フランス料理の見識をくずさない」という方針があるとのことですが、現在はどちらかというと素材の持ち味を生かす方向のフランス料理が多い中、シェ・イノのフランス料理はソースの持ち味が生かされたものとなっています。

ですから見た目がおしゃれであるということだけでなく、ランチでもディナーでも、本場のフランス料理の味わいを存分に堪能することができます。なかでもメインの肉料理に使われる香草を練り込んたバターソースは、肉の味わいを深めるだけではなく、さらに香り高くするということで人気が高いソースだそうです。

これほどの高級店だと、ランチ営業はしていないのではないかと思うかもしれません。しかしシェ・イノにはランチとディナーの時間がそれぞれあります。ランチタイムは11時30分から14時までとなっており、近くの丸ノ内や日本橋で働くサラリーマンなどもランチを利用しているのだそうです。

シェ・イノのランチメニューは4種類あります。オードブル、魚もしくは肉料理、デザート、コーヒーもしくは紅茶という組み合わせから、フランス料理のフルコースまであるので、その時の状況により決めることができます。またメイン料理は追加料金を払うことで「マリア・カラス」というシェ・イノならではのメニューにすることもできます。

お出かけなどのときにおしゃれをして優雅なひとときを過ごしたい時、大切な商談などで利用をしたいときなどにシェ・イノはぴったりの店です。特別な方とのランチタイムに、ディナータイムに、シェ・イノは長年にわたって愛されてきました。

ただし気をつけなくてはならないのは、シェ・イノはドレスコードがあります。Tシャツにデニム、サンダルというような恰好では入店できません。せっかくの正統派フランス料理ですから、それなりにおしゃれをして、贅沢な気持ちで食事を味わいたいものです。

シェフがフランスの名門「マキシム・ド・パリ」で修業をしていた時のことです。当時のマキシム・ド・パリは財界人の社交場として有名人が多く訪れていました。その中に有名なオペラ歌手であるマリア・カラスがいました。

ある時、マリア・カラスは、マキシム・ド・パリの名物メニューである「牛肉のパイ包み焼き」の牛肉を仔羊に変えてほしいとリクエストをします。これを担当したのがシェ・イノのシェフでした。結果的には大成功で、マリア・カラスは来店するといつもこのオーダーをするようになったのだそうです。

修行を終えて日本に戻ってきたとき、日本では今ほど新鮮な本場のフランス料理の食材が手に入らなかったようです。悩んだすえにシェフは、当時の日本人にはあまり人気のなかった仔羊を使い、工夫をこらして新しいメニューを作り上げます。それが「仔羊のパイ包み焼きマリアカラス風」なのです。

仔羊はパイで包み蒸し焼きにし、中央にトリュフとフォアグラを配置することで芳醇な香りと濃厚なうまみを加えます。さらにこれも修行先だった「トロワグロ」のシェフ直伝の「ソース・ペリグー」を使うことで、これぞフランス料理という一皿を作り上げました。

このメニューは、今ほどふんだんに本場フランスの食材が手に入らなかった時代にあって、日本のフランス料理を至高のものにした代表的な一品と評価されており、現在もシェ・イノの名物メニューとして人気を博しています。

シェ・イノのメニューはとれもおしゃれですが、特に女性の人気の秘密として挙げられるのは、ワゴンに乗せられたケーキの中から好きなものを選ぶという方式です。どれもかわいらしいので、目移りしてしまうほどだそうです。最後のデザートまで魅力的なラインナップです。

東京駅直結のショッピングモールです。おしゃれな雑貨屋やファッションの店が並び、全国の銘品も揃います。京橋駅からもさほど遠くないので、シェ・イノで食事をしたあとでゆっくりと買いものを楽しむのにもいいでしょう。

東京にはさまざまな博物館がありますが、ポリスミュージアムはその名の通り、警察に関する博物館です。以前は日本警察誕生からの展示がメインの博物館(警察博物館)でしたが、2017年にリニューアルし、体験コーナーが充実しました。特に、刑事になって捜査を体験するコーナーは、刑事ドラマなどが好きな方にはぜひとも体験してほしいところです。

銀座にある歌舞伎座は、歌舞伎をよく知らないという方でも場所を知っているのではないでしょうか。ところで、江戸歌舞伎が最初に上演されたのはどこか知っていますか? 実はシェ・イノの近くにその場所はあるのです。

1624年、猿若中村勘三郎が中橋に猿若中村座の看板をあげました。これは現在の日本橋と京橋の中間にあたる場所で、現在ここには「江戸歌舞伎発祥之地」と記された石碑が建てられています。この後市村座、森田座、山村座が作られ、官許を受けて大衆文化として人気を博しました。

本格的なフランス料理を一度食べてみたいという方にシェ・イノはおすすめです。開店してから約30年、本場のフランス料理を伝えてきました。改まった席で特別な方をもてなしたいときに、ぜひシェ・イノで贅沢なひとときを過ごしてください。