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本場のチーズ「モンドール」とは?
チーズ好きが毎年待ちわびているチーズ「モンドール」は本場フランスとスイスの国境の山脈で作られているウォッシュタイプのチーズです。とろとろとした見た目はチーズがあまり好きではない人でも心惹かれるものがあります。今回はこの魅力あふれるチーズの食べられる時期や賞味期限、美味しい食べ方のほか、日本での販売店舗、値段などご紹介します!
本場のチーズ「モンドール」はどんなチーズ?
日本でもチーズ好きの間で人気の高いモンドールは、ジュラ山脈というスイスとフランスの国境付近の地域で作られているチーズです。このチーズは高地で放牧されて育てられている牛の牛乳から作られており、とても柔らかいのが特徴です。モンドールの出荷時は丸い木箱に入れられるのですが、その柔らかさのため、木箱なしでは形を保って入られません。
モンドールはウォッシュタイプのチーズです。とろとろとした見た目は非常に食欲をそそる美味しそうな見た目です。しかし、白カビチーズですので、独特な臭みを持ったチーズになります。熟成すればするほど香りが強くなりますので、もしチーズがあまり得意ではない方は、値段も安くはないですし、はじめから自分で買わないほうがいいかもしれません。
モンドールというチーズはフランスとスイスの国境で作られています。そのため呼び方がフランス産だとモンドール、スイス産だとヴァシュランモンドールと呼ばれています。製造方法はほとんど同じですが、フランス産はミルクを殺菌しない製法、スイス産は55度以下の低温殺菌製法をするそうです。これだけの違いでフランス産のほうがコクがあると言います。
本場のチーズ「モンドール」の歴史
モンドールのチーズに関して残されている書物というものは少ないそうですが、1740年から1750年にはモンドールの原型となるチーズが作られていたのではないかという記録が残っています。このモンドールという名前ですが、このチーズが作られている山脈の山の名前がモンドール「金の山」という名前のために、この名前がつけられたということです。
この歴史が深いモンドールですが、モンドールに放牧されている牛はもともと天候の良い時期にしかあまり牛乳を生産できませんでした。冬場などの寒い季節にはたくさんの牛乳を搾ることは難しく、天候に左右されながらこのチーズは作られていました。そして冬の間に搾れた牛乳を雪に阻まれた道を通ってチーズ業者まで持っていくこともできませんでした。
せっかく搾った牛乳も、道が通れずチーズ業者のところまで運ぶことができないならダメになってしまいます。そこで農民たちは自分たちで搾った牛乳を自分たちで加工してチーズにすることにしたのです。このモンドールというチーズは、寒さと共存した農民たちから生まれた苦肉の策だったのです。その苦肉の策は今では世界に愛されるチーズになりました。
本場のチーズ「モンドール」は食べられる時期がある?
実はこのモンドールというチーズは、いつでも手に入るというチーズではありません。製造する時期が決まっているため、その時期以外では作ることが許されていないのです。その製造時期というのは毎年8月15日から3月15日と決まっており、作られたチーズはすぐ出荷されるのではなく、製造元でまずは約4週間ほど熟成されてからチーズ業者に出荷されます。
そしてチーズ業者に出荷されたチーズは今度はそこで2~3週間の熟成期間を経て、各店舗に発送されていくのです。ですから一番初めに作られたチーズが最短で日本に届いたとしても9月末くらいの時期になってしまいます。それから消費者の手元に届くわけですが、そこからも好みによって消費者が自分で賞味期限から推測して開封する時期を決めたりします。
本場のチーズ「モンドール」の食べごろは賞味期限を参考に!
モンドールの食べごろは、もちろん好みにもよりますが、賞味期限から推測して自分で時期を決めるのがおすすめなようです。熟成したとろっとろのチーズを食べたい方は、記載してある賞味期限から逆算して5~10日前くらいが一番熟成して食べごろだということです。賞味期限が近づけば近づくほど香りがまし、チーズ独特の風味が強くなっていきます。
モンドールは本場の人たちからすると普段使いのチーズかもしれませんが、日本で購入するとなると、なかなかいいお値段なのが実情です。実際に食べたことがあり、美味しかったからまた食べたい!という方には特に問題のない値段かもしれませんが、初めて食べるけど、気にいるかどうかはわからない、という方にはちょっと不安な値段かもしれません。
そんな高級なチーズを無駄にはしたくないものです。ですから購入する際にはぜひ賞味期限を確認してみてください。あまり匂いが強くなる前に食べたいのなら賞味期限が遠いものを購入したり、近いうちにパーティーをするのに使いたいという方は賞味期限が近いものを選ぶといいでしょう。賞味期限を知るということがチーズを美味しく食べるコツなのです。
本場のチーズ「モンドール」の選び方は?
せっかく高い値段で購入するのですから、美味しいチーズを選びたいと思うのが人の心情です。実際に店舗に足を運んで購入することができる方は、自分の目で見て選んでみてください。モンドールの美味しい選び方としては、まず見た目がたっぷりと入っていて、ふっくらしているものがおすすめです。もし見比べられるなら気に入ったものを選んでください。
そしてその表面の皮が綺麗で滑らかなものがなお良いようです。さらに触ることができるなら、触ってみて柔らかなものがおすすめです。柔らかな状態のものをすぐに食べたい方は賞味期限から推測する方法もありますし、実際に目で見て触って確認することもできます。しかしとろとろになる前のミルク感が感じられるむっちりとした食感も上品でおすすめです。
本場のチーズ「モンドール」はまずは常温に戻す!
いいお値段を出して購入するチーズですから、最大限に美味しくいただきたいものです。食べない間は冷蔵保存が基本ですが、いざ食べる時には、冷たいままではモンドールの美味しさを最大限に味わうことはできません。せっかくの中のとろとろな部分が冷えて固まっていると存分に楽しめないのです。モンドールは中の柔らかさが大切です。
冷蔵で保存しておいたモンドールは、食べる30分前、もしくは1時間前には常温で戻しておくようにしてください。そうすることで本来の美味しさを余すことなく楽しめます。もしも室内の温度がとても低いようなら、もっと長い時間かけて常温に戻すことになりますので、室内の環境なども考えて冷蔵庫から出すタイミングを見計らうといいかもしれません。
本場のチーズ「モンドール」をまずはそのまま味わって!
常温に戻しておいたモンドールのチーズの食べ方でおすすめなのは、まずはそのままスプーンで食べてみることです。表面の表皮をうまく剥がして、中身が見えるようにしてください。表皮の下からとろとろの滑らかなチーズが現れます。その柔らかなチーズをぜひそのまま味わってみてください。今まで食べたことのない美味しさが口いっぱいに広がります。
こちらの食べ方ですが、もしもその日のうちに食べきれなそうで残す場合は、中のチーズが乾燥しないようにしないといけません。ですから剥がした表皮をまた元に戻して保存するのですが、大きく剥がしてしまうとしまうのが大変なので、少ししか食べそうにない場合は、スプーンが入るぐらいの大きさでくり抜き、食べ終わったらまた戻すとやりやすいです。
本場のチーズ「モンドール」の表皮はうまく取れる?
本場フランスの人たちはこの表皮を取らずに、ザクザクとスプーンなどでさしてぐちゃぐちゃにして食べる食べ方をする人もいるようです。しかしそれは本場の日常的なチーズとしてならさほど惜しくもないかもしれませんが、高い値段を出して購入している日本人にはなかなかできない食べ方です。できるだけ白カビが入らないように表皮を剥がしたいものです。
通常、みなさんが行っている食べ方としては、まずスプーンなどで表皮部分に丸く切れ目を入れて、最後にカン切りの要領で蓋を剥がすというのが一般的なようです。しかしこの食べ方だと表皮が途中で折れてしまったり、綺麗な形にはがれなかったりと、うまくいかないこともしばしばあるようです。では、一体どうすると綺麗に取れるのでしょうか。
そこでおすすめの方法が、まずはじめに木箱の方を上部分1cmほど切ってしまう、という方法です。そうすることでナイフを水平に入れることができますので、美しくカットすることが可能です。チーズにばかり目が行ってしまって、木箱を切るなんて目から鱗という方もいるかもしれません。しかし通な方はそのようにして表皮を上手に剥がしているそうです。
本場のチーズ「モンドール」の食べ方1:焼く
では、続いて美味しい食べ方をご紹介していきます。モンドールはそのまま食べても非常に美味しいチーズですが、そのまま味わった後にのこったチーズにまずは白ワインを入れて混ぜます。そこに刻んだにんにくとパン粉を振りかけてください。そのあとは木箱が燃えてしまわないようにアルミ箔できちんとくるみ、200℃のオーブンで30分ほど焼いてください。
焼きあがったチーズにお好みのパンや野菜などをつけて食べて、チーズフォンデュを楽しむことができます。また、モンドールを焼く際に、一緒に茹でたジャガイモも焼いてみてください。フランスではジャガイモと一緒に食べるのが定番の食べ方なんだそうです。どうせなら本場の味を本場流に楽しみたいものです。ぜひこちらもお試しください。
本場のチーズ「モンドール」の食べ方2:硬い部分はパンと一緒に
中身を守るためにとっておいた表皮部分ですが、中身を食べ終わってしまっても捨ててしまわないでください。硬いですが、元はとろとろの中身のチーズと同じものです。もしも匂いなどが嫌でなければ、パンなどに乗せてこんがりと焼いてトーストで楽しむのもおすすめです。「これは蓋だから食べられない」などと言わずに捨てる前に一度試してみてください。
本場のチーズ「モンドール」の食べ方3:残った部分を再度焼く!
そして、中身を食べ終わった後に出る周りのチーズですが、こちらもこちらも無駄なく食べることができます。せっかく高級な値段の美味しいチーズを目の前にして、残したものを捨てるなんてもったいないことはしないでください。作っている方も悲しんでしまいます。ではこの硬い部分も美味しく食べることができる食べ方をご紹介させていただきます。
滑らかなチーズを食べきった後にのこった硬い部分に、まずはネギなどの香味野菜を入れてください。その後に白ワインを振りかけて、切り取ってある表皮を上に乗せて10〜20分間オーブンで焼いてみてください。こんな簡単なことで最後まで美味しく食べきることができるのです。せっかく待ちに待ったモンドールですから、最後まで堪能しましょう!
本場のチーズ「モンドール」の食べ方4:レタス炒め
もしもせっかく店舗に赴いて自分で選んで、高い値段を払って買ったにもかかわらず、賞味期限内に食べきれそうにない、と言った場合にもおすすめなレシピが、こちらのレタス炒めです。ワインが好きな方にもワインにぴったり合うおすすめのレシピです。その上とても簡単な食べ方なので、手間がかからずすぐに作ることができて重宝します。
必要な材料は、2人分でレタス1/4、モンドールが20g、生クリームが大1、にんにくのみじん切りが少しと塩、黒胡椒、オリーブオイルがそれぞれ適量です。まずはフライパンにオリーブオイルとにんにくを入れてからコンロに火をつけてください。香りが出たら塩をひとつまみ入れて、レタスもフライパンに投入してください。火は強火のままで大丈夫です。
そしてレタス全体にオリーブオイルが行き渡ったらコンロの火を弱火にします。その後に主役のモンドールと生クリームを投入して、全体に馴染んだら出来上がりです。お皿に盛り付けたら黒胡椒を振りかければ出来上がりです。非常に簡単でワインとの相性も抜群な1品が楽しめます。もしもモンドールを食べきることができない場合は試してみてください。
日本で本場のチーズ「モンドール」を購入できる店舗は?
日本でモンドールが購入できる店舗をご紹介します。まずはネットの店舗ですと、アマゾンや楽天などで検索するとすぐに販売店舗がヒットするでしょう。もし手軽に購入したい方はネットの店舗で検索するのがおすすめです。ネットの店舗だと、自分の目で確認できませんがもしかしたら実店舗よりも安い値段で購入することができるかもしれません。
実店舗ですと、恵比寿にある成城石井アトレや、ナチュラルチーズ専門店フェルミエ愛宕店などが有名です。それぞれの公式ホームページを覗いてみると、入荷の時期や値段などが確認できますので、気になる方は覗いてみるといいでしょう。また、近くに住んでいる方は実際に足を運んでみるのもおすすめです。
本場のチーズの味をモンドールで味わおう!
冬の時期にしか味わうことのできない贅沢なチーズ「モンドール」は、チーズ好きではなくても一度は食べてみたい魅力的なチーズです。もしも近くに専門の販売店舗がなくても、時期になると高級デパートや高級スーパーなどで扱うこともあるので気にしてみるといいかもしれません。もしも見かけて我慢できなかったら、ぜひ試してみてください!
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