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名所の多い京都では「原谷苑」も!
日本中から観光客が訪れる場所、京都。徒歩でも行きやすい歴史の名所が多く、京都府外からもアクセスしやすい京都駅は観光の拠点にしやすく、春は桜、秋は紅葉と四季によって違う姿を見せてくれます。そんな京都には多くの名所がありますが、まだまだ知られていない地元の人だけの名所「原谷苑」をご紹介いたします。
京都の隠れた名所「原谷苑」
京都で桜を楽しもうと思ったら、平野神社や京都府立植物園など、多くの名所が上がると思います。京都で紅葉を楽しもうと思ったら、貴船神社や蓮華寺など、多くの観光スポットが上がると思います。しかし今、見所の時期には地元の人が溢れんばかりに押し寄せる場所があるのです。それが原谷苑です。
原谷苑のある京都市北区は山に近い場所にあります。そのためアクセスがしづらく、原谷苑も自家用車やバスの駐車場がなく、タクシーや徒歩でのアクセスをすすめてます。桜や紅葉の見頃の時期になると、狭い道はタクシーであふれかえり、人も溢れてしまうのです。入園料も発生する場所なのに、知る人ぞ知る隠れた名所として地元では話題になっています。
個人の庭?原谷苑の成り立ち
何故にこんなにアクセスしづらい場所に名所があるのかというと、もともとは原谷苑は観光名所として作られたものではありませんでした。原谷苑の成り立ちは京都の歴史とも切り離すことができません。それを知って見るのと知らないで見るのでは、桜や紅葉の美しさも変わってきます。
明治の始め、村瀬岩次郎という人が鷹峯で山林業を起こしました。その二代目、常太郎は花が大好きな人で、梅や桜、紅葉を植える場所を探していました。そんな時、戦後の荒地開墾の際になかなか成果が上がらず、土地を持て余していた原谷開拓団から、開拓することを条件に現在の原谷苑にあたる土地を譲り受けました。
その土地は恵まれた場所ではありませんでした。多くの開拓団の人たちが手に負えないと去って行った場所で、ゴミ捨て場やがらくた置き場にされていたこともあり土地は傷つき、養分もない土地となっていました。さつまいもや西瓜など、育てやすい野菜も育たず、サクランボや梅、紅葉なども植えましたが根付くことはありませんでした。
荒れ地を復活させた原谷苑
様々な果樹が枯れて、作物も育たない中、桜だけは順調に育っていきました。根付いて美しく咲き誇るようになり、その土地で採れた野菜や育てた鶏肉ですき焼きを作って身内でお花見を楽しんだりしました。その美しさは人伝てに広まっていき、見たいという申し出も増えていきました。
昭和40年頃には桜の見頃の時期には一般公開され、荒れて多くの人が逃げ出してしまった土地は人に愛される場所となりました。桜苑と呼ばれていた場所は、改めて原谷苑という名前になりました。それで終わりではなく、それからもまた痩せてしまった土地の土を入れ替えたり、桜を植え変えたりなど、原谷苑を美しく維持するための努力は尽きません。
平成に入ってからはさらにツツジや山吹などの新しい花が増えて、より美しく咲き誇るようになりました。今もイノシシ対策や台風などの災害への備えなど、維持するのは大変ですが、昔のままの美しさを維持するだけでなく、土地を改良して以前は育たなかった植物も育つようになり、原谷苑はさらに多くの人が訪れる場所となっています。
京都の桃源郷「原谷苑」
原谷苑は桜の見頃になると薄紅色にそまり、その幻想的な光景は桃源郷に例える人もいます。原谷苑には桜だけでなく桃もあり、見頃の時期にはどこを見ても美しい花々に包まれて時間も忘れてたたずんでしまうほどです。その時期には大変混雑し、京都の人も一生に一度見たいと思うほどの美しさです。
原谷苑の美しさは、村瀬の人々が長年代々培ってきた植物への愛情と、諦めず土地を耕してきた努力で作られたものです。そのため原谷苑の内部は複雑な地形をしていて、道も舗装されていません。木々が住みやすい方へと人が合わせてきた結果に生み出された絶景は、他では味わえない幻想的な雰囲気があります。
桜の滝が観れる原谷苑
原谷苑の桜はマップを観ればどこになにが植えられているのか確認できます。まずはその種類に驚きます。日本各地に植えられているソメイヨシノも美しいのですが、原谷苑では黄桜や富士桜、白妙などなど普段見ることのない珍しい桜があちこちに植えられていて、これも桜なのかと驚きの連続が待ち受けています。
春の見ごろを迎えると、原谷苑では200本を超える桜が咲き誇ります。その中でも最も有名なのがしだれ桜です。通常の桜は木の枝に花があちこちに向かって咲き、綿のように柔らかな形をしていますが、しだれ桜は茎が長く、枝も柔らかく歪曲して、桜の花々が流れるような下向きの形になります。
その光景は桜の滝とも、花びらのシャワーのようだとも例えられます。薄紅色のカーテンのように、視界を覆う姿は美しく、道順も分からなくなってしまうほどに桜の花で埋め尽くされます。見頃の時期の原谷苑は、あまりの圧倒的な桜の美しさに、桜のジャングルとも呼ばれます。京都に多くの桜の名所はあれど、原谷苑以上に桜に囲まれる場所はありません。
原谷苑でのおすすめの桜観賞方法
桜も一種類だけではないので、赤みの強い桜や白みの強い桜、進んでいくごとに様々な色合いを見せてくれるので見飽きることもありません。あまりの美しさによそ見をしていて、転んでしまう人もいます。原谷苑で観賞するときには、足元が舗装されていないことを忘れてはいけません。
原谷苑は桜の楽園、京都で絶対に見るべき桜の名所、と地元で絶賛される隠れた名所でもあり、多くの桜が植えられています。ソメイヨシノが桜として一般的ですが、薄紅だけではない桜の美しい色合いに気づかせてくれる、桜好きのための楽園。アクセスのしづらささえ外せば京都の人でもシーズン中は毎日にでも行きたい名所だと言われています。
そんな原谷苑でおすすめのしだれ桜の観賞方法があります。それは、下から上を見上げるのです。肩こりの人には長時間はつらい観賞方法ですが、しだれ桜は全て下に向かって花を咲かせているので、普段の桜では見ることができない角度から、満開の桜を鑑賞することができます。
百花繚乱の原谷苑
原谷苑の入園料は高い時期だと1500円になっています。この金額を高いか、安いかは人それぞれですが、多くの人がその金額を払ってでも十分見る価値があるといいます。映画一本分よりは少し安く、見所の多い博物館並みの入園料ですが、原谷苑の美しさは払った金額を忘れてしまうほど美しいので、実質タダという人もいます。
原谷苑で見れるのは桜だけではありません。ほのかなピンク色が愛らしく可憐な、3月から5月に咲く「乙女椿」を始め、椿も数種類植えられています。赤と白の色に別れた「しだれ桃」もあり、黄色の美しい「山吹」もあり、春に見ごろを迎える多種多様な花が植えられているのです。
その花それぞれに見頃の時期は少しずれているため、重なれば鮮やかにカラフルな光景を見ることもできますし、時期によっては桜よりも鮮やかに咲く黄色の山吹を見ることができます。まさに百花繚乱、美しい花たちが競い合うように咲き誇り夢のように美しい景色が広がっています。
桜の見頃に合わせて京都に行けないという人でも、原谷苑に入れる期間であれば行ってみるのがおすすめです。原谷苑の見どころは桜だけではなく、ツツジやみずき、梅や桃など、多くの花々が作り出しています。日本にはこんなに美しい花があるのだと知ることができます。
紅に包まれる秋の原谷苑
今まで桜の時期にしか入園が許されなかった原谷苑。しかし、ついに京都の紅葉スポットとして原谷苑も参戦してきました。これでまた一つ京都で見れる美しい紅葉の名所が増えたわけです。春の薄紅色のイメージを持っている人が行くと、圧倒的な紅にまた新しい原谷苑の魅力に気づかされます。
時期によってはまだ緑色の紅葉も見ることができます。紅葉は赤く色づくことが美しいと言われていますが、緑の紅葉も澄み切った爽やかな色をしていて、絶景です。台風の影響をうけることもあり、紅と緑の半々になってしまうこともありますが、それもまた美しいツートンカラーとなっています。
高いと嬉しい?原谷苑の入園料
原谷苑では桜の見頃は京都市内のソメイヨシノから少し遅いです。山を開拓して桜を植えていった場所なので、桜の見ごろは少し遅れています。それだけでなく、原谷苑では桜の種類がバラバラなので、種類によっては遅い者もあり、京都市内ではすべて枯れてしまってもまだ見頃ということもあります。
原谷苑は入園できるのは見頃の時期になります。しかし、もっとも見頃の時期が確実に分かる方法があります。それは、原谷苑の入園料です。原谷苑の入園料は見頃によって変わります。安い時期だと300円、高い時期だと1500円です。つまり、1500円の時がもっとも見頃なのです。
入園料というのはほとんどの場合均一ですが、原谷苑は桜や紅葉の咲き方で金額が変わってくるため、安い時期に行くと最大限の見頃を楽しめないのです。人の少ないときや混雑を避けるときは、入園料の安い時期を狙うのもおすすめですが、本物の見ごろを狙うのなら混雑や入園料は気にしていられません。
一番の見頃が一番高い入園料金のため、入園料が高いと嬉しくなるという原谷苑ファンは多いです。初めての人は入園料の安い時期を狙うのも一つの選択肢ですが、実際行ってみて原谷苑の花々や紅葉を見て歩くと、次は入園料が高い時期、つまり見頃の時期に来ようと思いたくなってしまうのです。
撮影や飲食物は禁止?原谷苑の注意事項
原谷苑には飲食の持ち込みはできません。多くの観光客が訪れるので忘れがちですが、原谷苑は個人の方のお庭です。観光雑誌にも掲載されないのは、あくまでご厚意でお邪魔させていただいているからなのです。よその家で身勝手な振る舞いをすることはとても失礼なことです。
飲食物の持ち込みはできませんが、カメラの持ち込みは現在規制されていません。しかし、三脚などの持ち込みはできません。敷物を持ち込むこともできません。美しい光景に被写体をおいてじっくり撮影したいという時は自分の肘で固定し、他の人の迷惑にならないようにしないといけません。
原谷苑から守ってほしいことは、他の人に迷惑にならないようにしてほしいということだけなのです。美しい景観を守るためにはごみのポイ捨ては厳禁です。桜などの根を守るためにも三脚や敷物をおいて座り込むのも厳禁です。誰も見ていないから、少しだけならという気持ちでルールを破ってはいけません。
疲れたらここ!原谷苑の休憩所
慣れない道を歩き続けると、どんなに美しい景色の中でも疲れてしまいます。疲れに気ずかない人もいますが、それも問題です。原谷苑では座ってゆっくり休める休憩所があります。ここには売店もあるので、飲み物を飲んだり、食べ物を食べたりできます。桜を見ながらの休憩は最高です。
お弁当やおにぎり、お赤飯などの軽食があるので、購入してベンチに座ると薄紅色の絶景に囲まれます。屋根付きのベンチもあるので日差しが強いときなど選ぶこともできます。京都出汁のおでんもあり、疲れた体に染み渡るおいしさなので、味わう価値は大いにあります。少し塩気のあるお赤飯もおすすめです。
お酒を飲みながら原谷苑でお花見できる方法
きれいな桜を見ているのだから、ちょっとアルコールが欲しいと思ってしまうお酒好きな人はいるかと思います。夏のビーチで飲むビールと家で飲むビールの味が違うように、しだれ桜の絶景を観ながら飲むお酒は格別です。原谷苑は飲食物を持ち込むことはできませんが、売店ではお酒を売っています。
飲食物は持ち込み厳禁ですが、休憩所の近くには売店があり、そこで買ったものなら遠慮なく飲んだり食べたりできます。要注意なのは見頃の時期です。原谷苑の前が混雑するほど人がやってくるので、もちろん中の休憩所もとても混雑します。ゆっくりしたい人は見ごろをずらすのがおすすめです。
お座敷で花見ができる「青山壮」
原谷苑でどうしてもお花見をしたいという人におすすめなのが、原谷苑の中にあるお食事のできる場所、「青山荘」に予約をしておくことです。少人数の席しか確保できませんが、座敷でゆっくり食事をしながら、美しい桜の園を眺めることができます。予約席は紅しだれが見える絶景ポイントにあります。
目の前で見る桜とは違い、窓枠越しに見る桜は大きな絵画のようで、見ていると引きこまれるような美しさがあります。青山荘で食べられるお花見弁当やすき焼きなどがあり、その味も忘れられない思い出になります。要注意なのが時期によっては食事ができないので、事前に確認がおすすめです。
買える?原谷苑を貴方の庭に!
原谷苑は苗木の販売も行っています。つまり、原谷苑の桜や紅葉の苗木を購入することができるのです。そのため3月には自家用車の駐車もできるようになっています。自宅に広い庭のある人ならば、原谷苑の苗木を植えれば、自宅でも何年か後に美しい紅葉や桜を楽しむことができます。
しかし、原谷苑でも何代にも渡ってやっと作り上げた絶景を、自宅で再現することはとても難しいです。愛情を注いで、こまめな手入れが必要です。桜や紅葉は人よりも長く生き続けます。お子さんが産まれたときや何かのお祝いの時の記念に購入して植えておけば、お子さんが大きくなった時に良い思い出になること間違いなしです。
ハイキングコースがおすすめ!原谷苑
京都には様々なハイキングコースがあり、京都の名所を観ながら歩くことのできます。桜や紅葉が見頃の時はさらに景観がよくなり、ついつい遠回りがしたくなります。中には歴史の名所もあり、入園料が発生する場所もありますが、お財布に余裕があれば立ち寄ってみるのがおすすめです。
原谷苑のおすすめのハイキングコースは、鷹峰街道を経て、京都の激坂と呼ばれる千束阪などを経由して原谷苑に行くコースです。普通に歩けばアクセスする時間は40分くらいですが、あちこちに見所があるため、寄り道しながら行くと1時間以上かかることもあります。しかしそれもまた、京都観光の醍醐味です。
要注意!原谷苑の歩き方
美しい桜や紅葉に夢中になっていると、足元がおろそかになってしまいます。原谷苑は美しい景観を維持するために、その道は人間のためよりも桜や紅葉のためにできています。かかとの高い靴で行ったり、履きなれない靴で行くと、転んでしまったり足が疲れてしまいます。
入園料の元を取りたいと、足早に過ぎるのもおすすめできません。山を切り開いて作られた名残のある原谷苑。その美しさを満喫するのはゆっくりと、足元にも注意をしながら行くのがおすすめです。原谷苑の中の道は舗装されていないので、大きな段差もあれば急な坂道もあります。
また東門側からはとくに坂道になっているので、体力のない人には難しい道順になっています。足の不自由な人は特に注意が必要な道なので、同行者がいる場合は注意が必要です。周りの道も狭くなっていて、タクシーでも慣れない運転手さんはアクセスしづらいと感じる場所もあります。
車で行けない?原谷苑
原谷苑は自家用車ではアクセスできない場所です。マイクロバスなどの大型な車も停車することができません。そのため最寄りの駐車場に車を停めていくか、ハイキングコースに組み込むことがおすすめです。原谷苑の周りの道路は狭く、脱輪する人も多いです。例外があり、3月の梅の時期は苗木購入などのため自家用車20台分の駐車場が解放されます。
観光名所にとってアクセス方法はとても重要ですが、原谷苑は個人が周りの人を楽しませようと作る始めた場所です。アクセスのしやすさよりもすばらしい景観を見てもらうことから始まっています。京都の名所はおおむね車ではなく、足でのアクセスしかできないような場所が多いです。
美しい景観を守るために最低限のアクセスの確保しかされていない場所もあります。しかし、そんな場所にありながらも、美しい景色を眺めるために多くの人が訪れます。京都の隠れた名所は、そうした困難を乗り越えて観れるものも多く、そうしてまでみる価値があるのです。
原谷苑へのおすすめアクセス方法
原谷苑へのアクセス方法はいくつかあります。市バスを利用した場合はバス停「原谷」から徒歩約2分でアクセスできます。花見の時や地元でのイベントの時には大変混雑するため、バスの路線選びには注意が必要です。「市バスM1」は特に地元の人たちの主要な路線なので混み合うことが多いです。なるべくタクシーを利用するのがおすすめです。
タクシーを利用したアクセス方法は、地下鉄「北大路駅」、JR「円町駅」からなら約10分でアクセスできます。阪急「西院駅」なら約15分。金閣寺やわら天神前からのアクセスなら約5分で到着します。少し疲れてしまった人や、体力に自信のない人は大勢の乗り合わせるのがおすすめです。
鹿苑寺金閣からなら徒歩約30分から40分でアクセスできます。御室仁和寺からのアクセスも所要時間は同じです。市バス北1系統源光庵バス停からは少し距離があり、徒歩では約50分ほどで到着します。桜の見頃は春なのでそれほど大変ではないのですが、夏場に訪れると熱中症になってしまう可能性があるので注意が必要です。
住所:京都府京都市北区大北山原谷乾町36
電話番号:075-461-2924
京都観光では原谷苑へ!
長い間、隠れた名所として京都の人たちに愛されてきた原谷苑。しかし今は、ネットの普及により多くの人に存在が知られ、さらにたくさんの人が訪れるようになりました。京都に行く際にはぜひとも、原谷苑に足を運んでみてください。その時の入園料が最大料金であれば、最高の絶景を見ることができます。
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