アポイ岳は北海道で人気の登山スポット!
アポイ岳は北海道の南に位置する日高山脈系の山になります。より高みを目指して進むことも登山の魅力ですが、アポイ岳は標高が低く登山初心者が挑戦する山としては非常におすすめのポイントとなっています。国の特別天然記念物にも指定されているアポイ岳の魅力をたっぷりと紹介していきます。
独特の地質と希少な高山植物が楽しめる
日本国内には登山を楽しむことができる山岳地域がありますが、その中でもアポイ岳は非常に特殊な地質と豊富な花が咲く高山植物が生息しています。
アポイ岳の表面は火成岩の一種であるかんらん岩によって形成されています。重量が軽く粗粒な岩石であり、またアポイ岳は湿度が高く高山植物が生息しやすい環境のため、実際の登山において多くの高山植物である花を見ることができます。
標高が低く登山初心者におすすめ!
登山において上級者であれば、日本国内でも2000m以上もの標高があり、傾斜もきつく登山に必要な十分な装備を施し、数時間もかけて登っていくことになりますが、アポイ岳は標高が810mと低く特に初心者にとってはチャレンジしやすい登山スポットとして人気があります。
アポイ岳の基本情報
登山初心者が挑戦しやすいアポイ岳ですが、どれくらいの標高であるのか、頂上へたどり着くまでのコースと周辺の状況、現在登山における人気スポットになった経緯など、アポイ岳をより詳しい基本情報を項目ごとに解説しています。アポイ岳をより深く知ることで登山が楽しいものになります。
アポイ岳の標高
日本国内の各地には登山を楽しむことができる山がありますが、日本一の高さを誇る富士山をはじめ中部地方に連なる日本アルプスなど2000mから3000m級の標高になります。数ある山々の中でもアポイ岳の標高は810.5mであり、その高さからも初心者にとっておすすめのスポットとされています。
アポイ岳の所在地
アポイ岳の所在地としては、北海道の様似郡様似町にあり、北海道における唯一の山脈として縦に長く連なる日高山脈にあります。
北海道の南部に150㎞にも渡り南北に連なる日高山脈には、高低差が様々の40もの山岳から構成されていますが、アポイ岳はその数ある山岳の中でも最も標高の低い山となっています。様似町の市街地からアポイ岳の美しい山並みを見上げることができます。
ユネスコ世界ジオパーク
世界各地において、自然の美しさや価地の高い地域を保全し活性化しようとするジオパークと呼ばれる世界規模のプログラムがあります。
国際的な教育と文化を守る期間であるユネスコが支援するジオパークですが、主に自然そのままの形を守り続けていく活動と、自然を活かすことで地域の教育へと繋げること、さらには観光地域としての活性化を図ることを目的としています。
アポイ岳においては2015年に世界ジオパークとして認定され、アポイ岳を含む様似町全体が保全の対象となっています。アポイ岳ジオパークでは、かんらん岩で構成される特殊な地質と、多く花が咲く高山植物など自然が創り出す美しさを守り、教育や観光に役立て行こうとすることを目的としています。
アポイ岳の成り立ち
アポイ岳が様似町に出現した成り立ちを考える際に、その原因としてアポイ岳を構成するかんらん岩がポイントになってきます。
地球内部の奥深くにマントルが存在し、そのマントルが地表のプレートの変動による地震や火山を発生させ、その際に地上の表面に現れた火成岩が固まりかんらん岩として、現在のアポイ岳を形成することになりました。
アポイ岳の名前の由来
アポイ岳と呼ばれる名称に関しては古くから様々な言い伝えがありますが、代表的な名称の由来として北海道の先住民の言語であるアイヌ語が語源とされています。
アイヌ語の言語の中で「火」や「ある」、「ところ」といった意味合いのアオペイから名付けられたとされています。先住民であるアイヌの人々が狩猟生活を営む上での風習として、火まつりをアポイ岳でおこなったとされています。
アポイ岳の気候や気温
アポイ岳は標高や季節に応じた気温の変化ですが、湿度の高さが特徴的な山となっています。アポイ岳に生息する高山植物が地下からくみ上げる水により、自然と山の表面は湿度が高くなっています。春先から夏場の中旬までが登山に適した気候であり、状況に合わせた装備が必要になります。
アポイ岳のおすすめの登山コース
標高が低く、初心者でも挑戦しやすいアポイ岳ではありますが、登山における不測の事態や危険な状況を回避する意味合から、あらかじめしっかりとした登山準備が必要です。アポイ岳においても定められたルールや登山コースを厳守し、より安全にアポイ岳登山を楽しむことができるようにしなければなりません。
所要時間と難易度
アポイ岳登山においては、ジオパークから推奨されている登山コースが設定されています。コースによって見ることができる景色が異なりますが、目的や能力に応じてコースを選択することができますが、最長で約8時間、通常であれば5時間程度の所要時間となります。歩きやすい登山コースですがいくつか難易度の高いポイントが設けられています。
スタート地点はアポイ岳ジオパークビジターセンター
アポイ岳への登山を始めるにあたって、まずはスタート地点であるジオパークビジターセンターに立ち寄ることになります。
アポイ岳の登山口までの最初の通過点として、ビジターセンターではアポイ岳に関するあらゆる情報を入手することができます。4月から11月まで無休で営業し、入館料については無料で利用することが可能です。
入山届をお忘れなく!
ビジターセンターからアポイ岳に向かって徒歩で約5分の場所において入山届が必要になります。実際に登山当日に参加する方の住所や氏名を記入する場所が設けられ、記入しなければアポイ岳へ入山することができません。万が一の状況に備えるためにも入山届は必須になります。
五合目の山小屋
入山届を済ませ登山道を歩いていくと、登山コースの通過ポイントとして五合目の山小屋に到達することになります。
五合目の山小屋までは比較的に緩やかな登山道であり、五合目を境にして頂上までは勾配がきつくなっていきます。五合目の山小屋から高山植物を見ることができる他、天候によっては見晴らしの良さにおいても絶好の休憩ポイントです。
馬の背と呼ばれる尾根
五合目の山小屋を出発し少し険しくなる登山道を進んでいくと、馬の背の名前で呼ばれる尾根に差し掛かっっていきます。頂上へと向かう前の最終スポットとして美しい山並みと、見事な花が咲くたくさんの高山植物を見ることができます。また天気が良ければ眼下に広がる太平洋も眺めることも可能です。
アポイ岳山頂
馬の背の尾根を通過し約1時間弱程度でアポイ岳頂上へと辿り着きます。頂上までの道中に分岐点が設けられていますが、分岐を回避して真っ直ぐに登山することで最短で到着します。頂上においても花や植物を目にすることができる他、ゆっくりと座って食事をとることも可能です。
下山時に幌満お花畑に立ち寄るルートもおすすめ!
アポイ岳の登頂を無事に終え下山することになりますが、南尾根ルートにおいて約20分ほど下山した場所に旧帆満お花畑があります。
お花畑はたくさんの高山植物を観察することができる場所ではありますが、その中で現在で絶滅危惧種にも指定され、アポイ岳の環境でしか生息していないヒダカソウと呼ばれる高山植物の花が咲いていることもおすすめの理由です。
アポイ岳周辺は初心者から上級者まで登山コースが揃い踏み
アポイ岳ある南北に連なる日高山脈には、最も登山の難易度が低いアポイ岳を含めいくつかの登山可能な山で構成されています。
南北150㎞の日高山脈は北、中、南日高と3つのエリアに分けられています。その中でも最も標高が高く2000mを超える帆尻岳や、中日高にある最も難易度が高く熟練した登山経験が必要なカムイエクウチカウシと呼ばれる登山人気の高い山があります。
アポイ岳へのアクセス
南日高に位置するアポイ岳が人気が高い理由の一つとして、車や公共機関を利用したアクセスの便利さが挙げられます。ジオパークとして指定されているアポイ岳と様似町は観光地域としての充実度は高くアクセスのしやすさと合わせて宿泊施設も整えられた地域となっています。
車の場合
アポイ岳においては、とにかく登山口付近までアクセスできる点が魅力となっています。まず登山者がそれぞれ自家用車を使用する場合では、北海道の中心である札幌市からであれば国道36号線や道央自動車道を利用し、さらに国道236号線にて様似町へアクセスすることができます。
駐車場
自家用車にて様似町へ到着後、アポイ岳の登山口付近まで自家用車で移動します。駐車場としては登山口にあるビジターセンターもしくは、ファミリー向けでキャンプもできるアポイ山麓自然公園の2カ所を利用することが可能です。特にビジターセンターではバリアフリーの設備が充実した駐車場となっています。
高速バスの場合
アポイ岳へのアクセス方法として高速バスを利用する方法があります。JR北海道バスが札幌からえりも間にて運航しています。
JR北海道バスはJR札幌駅を始発として、様似駅も停車駅としてアポイ岳へのアクセスにおすすめの方法となります。高速バスをりようする際においては席の確保のため、あらかじめ様似営業所もしくは、バスチケットセンターアピア店にて予約の必要があります。
電車・バスの場合
アポイ岳へのアクセスとして通常の公共機関を利用する場合では、電車としてJR北海道やJRバスを使用し途中乗り換えを経て登山口付近までアクセスすることが可能です。電車においては日高本線の様似駅まで乗車し、その後バスを利用して登山口もしくはアポイ山荘までの乗車となります。
アポイ岳登山の際の注意点
山岳登山においては状況によって危険な状態に陥る可能性は否定できません。特に標高の高く険しい山であるほど、十分な備えと綿密な登山計画、しっかりとした山の知識が必要になります。アポイ岳においても標高が低いとはいえ例外ではなく、登山に際していくつかの注意点を知っておくことが重要です。
登山道以外には立ち入らない!
アポイ岳は初心者でも安心して登山ができる山として、ビジターセンターから頂上まで十分に登山道が整備されています。しかし標高が上がっていくことで起伏の激しい登山道もあり、万が一道を外れてしまうことは危険を伴う恐れがあります。登山の注意点として登山道をしっかりと守る必要があります。
動植物や岩石の採取はNG!
アポイ岳登山の注意点として危険行為ばかりでなく、自然のものを採取し持ち帰ることは禁止されています。アポイ岳は日本国内の山の中でも珍しい花や植物、かんらん岩が多く、自然の貴重な財産として保護されています。そのためこれらを採取することは自然保護の観点から注意点として重要になります。
ヒグマやマダニ対策を万全に!
アポイ岳の注意点としてヒグマとマダニへの対策が必要になります。北海道に生息するヒグマについてはアポイ岳近隣でも目撃されていることから撃退スプレーや万が一遭遇時の冷静な対応が必要です。マダニについては山岳地域で発生することから、肌を露出しないようにような服装の対策が求められます。
アポイ岳に登る際の服装や持ち物
アポイ岳への登山に対しての注意点をいくつか説明しましたが、登山時における服装や持参しておかなければならない装備なども注意点の一つとして準備しておく必要があります。アポイ岳は十分に整備され、標高の低さからも重装備までとはいかないまでも、最低限の装備は必要になります。
登山時におすすめの服装
アポイ岳への登山時の服装としては、できる限り動きやすいものを選ぶことが重要です。2000m以上もの標高がある山への登山であれば十分な防寒対策が必要になります。しかし標高の低いアポイ岳ではある程度の防寒着や雨具は準備しておくべきですが、基本的に軽装で十分になります。
入山前には靴を洗う
アポイ岳登山の服装の中で靴についても注意点があります。動きやすい軽装でも十分であることからも、靴においても履きなれた運動靴でも登山可能です。トレッキングシューズであればより万全ですが、入山前の重要な注意点として靴を洗う必要があります。靴の裏を洗い流すことでアポイ岳の生態系へ影響を及ば差ないことが理由となります。
登山時に必要な持ち物
アポイ岳への登山において必要な持ち物としてまずは防寒着になりますが、頂上へ近づくにつれて麓との気温の変化により肌寒くなることがあります。また水筒を持参し十分に水分補給を心がけることや、登山の疲れを癒すためにチョコレートなど簡単に食べることができる食料を持参することも重要です。
携帯トイレを持参しよう
アポイ岳への登山コースにおいて、登山口から入山した後にトイレの設備がありません。登山コースにより多少の違いはありますが、入山から下山まで往復で5時間程度の間のトイレの使用が問題になります。そのため持ち物の必需品として携帯トイレの持参がおすすめになります。
アポイ岳に登って希少植物や絶景を楽しもう!
北海道のアポイ岳はいかがでしょうか。初心者でも気軽に登山することができる山としての魅力に加え、この場所でしか見ることができない希少な花や植物の数々や特殊なかんらん岩などおすすめ要素が大変に多い山となっています。北海道へ訪れた際はアポイ岳へ登山してみてはいかがでしょうか。
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