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日本一の砂丘は青森県にあるのはご存知でしょうか?
日本一大きい砂丘といえば「鳥取砂丘」だと、思ってはいませんか。砂丘と聞けば「鳥取砂丘」くらいしか思い浮かばない方が多いのではないかと思います。しかし、日本一大きい砂丘は「鳥取砂丘」ではなく、なんと、青森県にあったのです。
でも、知らないのもそのはず。日本一大きいはずなのに知られていない大きな理由というものがあったんです。今回は、青森県にある日本一大きな砂丘が知られていない理由について、その砂丘についてをご紹介したいと思います。
その砂丘の名は「猿ヶ森砂丘」
日本一大きな砂丘とは、青森県に位置する「猿ヶ森砂丘」です。全く聞いたことがない!という方がほとんどだと思いますが、何回かテレビ番組などでも取り上げられたことがあるようです。別名「下北砂丘」とも言われています。
「猿ヶ森砂丘」は、青森県の下北半島にある東通村の尻労(しつかり)から小田野沢までの太平洋沿岸に広がる海岸砂丘です。幅は約1〜2km、総延長は約17km、総面積は約15,000haであり、日本最大規模の砂丘であるとウィキペディアにも載っています。
なんと「猿ヶ森砂丘」は「鳥取砂丘」の約30倍の大きさ
日本一大きいとされている青森県にある「猿ヶ森砂丘」は、総面積が約15,000haあります。鳥取県にある「鳥取砂丘」の総面積は約545haですので、面積は約30倍もの大きさです。鳥取砂丘が30個も入ってしまう大きさの面積などとは、とっても想像がつきませんが、とてつもなく大きいのでしょうね。
ちなみに「猿ヶ森砂丘」の大きさは、東京ドーム300個分の面積があると言われています。これならなんとなく想像できるかもしれないですね。
それなのに青森県人ですら知る人が少ないのは何故?
日本一大きな面積を持つ「猿ヶ森砂丘」ですが、同じ青森県に住んでいる人さえ知らない人が多いといいます。何故、そんなに知名度が低いのでしょうか。
「猿ヶ森砂丘」が知られていない理由はこんなところに
それは、「猿ヶ森砂丘」の広大な面積の大部分が、防衛省の下北試験場(弾道試験場)の管理地になっているため、一般の観光客は通常立ち入る事ができないからなのです。一般の方は知らなくても良い場所という訳なんでしょうね。
一般の人が入ることができないので観光ガイドブックなどには載せる必要もなく、もちろん市町村の観光マップにも載ってはいません。日本一の大きな面積を持つ砂丘であるというのに、知る人が少ないというのもわかります。
青森にある「弾道試験場」ってどんなところ?
青森にある「弾道試験場」の正式の名称は、防衛庁技術研究本部下北試験場といいます。ここでは、新しいミサイルや爆弾などの兵器をテストするところ。「猿ヶ森砂丘」は、起伏が少なく、遠くまで見渡せるこの広い場所が訓練や試験に適しているそうです。遠くまで見渡せるため、ここでは砲弾の威力や飛距離の試験が行われています。そのため、人の出入りは禁物。もちろん入っても良いと言われても、怖くて入りたくありませんが。
「猿ヶ森砂丘」は砂丘というより砂浜に近い
青森を訪れて実際に「猿ヶ森砂丘」を見てみると、想像していた砂丘とは大きく違い、ただの「砂浜」にしか見えません。それもそのはずで、砂丘の定義というものが「風によって運ばれた砂が堆積してできた小さな丘」のことを言うそうです。さらに砂丘には、砂漠に生じる内陸砂丘と海岸にできる海岸砂丘などがあります。「鳥取砂丘」のように大きな砂山がなくても、砂丘と呼ばれてしまうようです。
日本にある砂丘のほとんどが海岸砂丘ですが、ここ「猿ヶ森砂丘」も海岸にできた海岸砂丘なんです。「猿ヶ森砂丘」の中で、最も大きな砂山を探してみると高さ20mほどの砂丘があるそうですが、ほとんど起伏は少なく、遠くまで見渡すことができる横に広くて大きな砂丘です。
でも青森が誇れる日本一の大きさの砂丘には違いない
「猿ヶ森砂丘」は、防衛省の下北試験場の敷地になっているため、一般人が立ち入ることができない場所です。ですから観光をしたくてもできない砂丘。実際に立つことの出来ない砂丘だけれども、面積は日本一の大きさがある砂丘ですから、青森の誇れる砂丘ではないでしょうか。
日本一大きい砂丘だと思っていた「鳥取砂丘」は日本最大級
では「鳥取砂丘」はどうなのだろうと、調べてみると、日本一とはどこにも書かれておらず、日本最大級の砂丘と称されていました。さらに「猿ヶ森砂丘」に次ぐ大きさの砂丘だそうです。
「鳥取砂丘」は観光ができる砂丘としては日本一で、青森にある「猿ヶ森砂丘」は観光ができない砂丘という訳なのでした。
「鳥取砂丘」は、日本最大面積ではなくとも魅力的なのはやはり風紋が美しく、ラクダが似合う観光地「鳥取砂丘」ではないでしょうか。
「猿ヶ森砂丘」地域内には大小20余りの砂丘湖
「猿ヶ森砂丘」の地域内には、大小20余りの砂丘湖というものが存在しています。砂丘湖というものは、海岸付近の砂が砂洲を作り、その砂洲による浜堤によって内陸に閉じ込められてしまった海が湖となった跡で、海跡湖とも言われます。
砂丘湖自体は防衛省区域の外側にあるため、一部の湖ではウナギの養殖なども行われています。ただし、砂丘周辺の防風・防砂用の松林が大きくなり、沼に通じる道が消えてきてしまっているようです。この砂丘湖の中の「左京沼」や「沼沢地」では、世界的に希少だと言われているヒメマリモも生息しています。
「猿ヶ森砂丘」の砂浜は昔は青森では鳴き砂で有名だった
「猿ヶ森砂丘」は昔は鳴き砂で有名な砂浜だったようです。鳴き砂というのは、歩くとキュッキュッとなる砂浜のことですが、最近ではゴミの散乱などにより砂の汚染が進み、鳴きにくくなってしまったようです。それはとても残念なことですね。
「猿ヶ森砂丘」にあるヒバ埋没林
大昔、下北半島はヒバの大森林地帯でした。1000年~2000年前から断続的に海から砂が打ち上げられて、次第にヒバは立ち枯れ、砂に埋まってしまいました。この「猿ヶ森砂丘」地域には今では、それがヒバ埋没林として残っています。現在見ることができるヒバ埋没林は、1000年ほど前のヒバだそうです。海岸からは1.5キロほど離れた地に砂地があり、生い茂る木々の間に立ち枯れたヒバがある不思議な景色を見ることができるのはここだけです。
【ヒバ埋没林】 住所:青森県下北郡東通村猿ヶ森 アクセス:下北交通バス泊線猿ヶ森停留所下車徒歩10分
青森にある「猿ヶ森砂丘」に行ってみたい
日本最大の砂丘「猿ヶ森砂丘」を実際に観光してみたいと思っても、立ち入り禁止の場所であることは説明したとおりです。ただし海岸の端から眺めることができます。それができるのが、砂丘の北端にある「尻労(しつかり)」か、砂丘の南端にある「小田野沢」になります。
ちなみに「小田野沢」にある漁港「小田野沢漁港」。こちらへは下田百石ICから80km、約2時間。やはり遠いです。それでも遠くに見える「猿ヶ森砂丘」は広くて白い砂浜で、さすが日本最大の砂丘だと感動するに違いありません。
「猿ヶ森砂丘」のある青森県東通村って
「猿ヶ森砂丘」のある東通村は、下北半島の北東部にあります。自然環境に恵まれた村で、村内各地に集落があります。漁業が主な産業で、本州最北東端の岬「尻屋埼」と岬周辺に放牧されている寒立馬(かんだちめ)が有名です。
「東通原子力発電所」があります
「東通原子力発電所」は、東北電力と東京電力の2社が誘致した原子力発電所です。1988年に工事着工、2005年から原子力発電を開始しましたが、東日本大震災により現在は停止されたままのようです。早急の再稼働を目指しているようですが、再会のめどはついていないのが現状です。
真っ白な「尻屋埼灯台」
日本の最北東端の岬「尻屋埼」の突端に立つ白亜のレンガ造りの灯台です。日本の灯台50選に選ばれており、ここ東通村の観光スポットにもなっています。灯台周辺には、寒立馬(かんだちめ)という馬が放牧されており、愛らしい馬と白亜の灯台の景観がとても素敵です。
レンガ造りの灯台としては日本一の高さを誇っており、イギリス人のブラントンが起工した東北最古の洋式灯台としても知られています。国内最大級のレンズを使っており、津軽海峡の道標ともなっています。ちなみに12月~3月までの冬期間は灯台に行くゲートが閉鎖されていますので、ご注意ください。
寒立馬(かんだちめ)が有名
青森県の天然記念物に指定されている「寒立馬」は、青森県の尻屋崎周辺に放牧されている馬です。厳しい冬にも耐えられるたくましい体格をもっており、足が短く、胴が長くて、ずんぐりしているのが特徴で可愛いんです。
春の出産シーズンには、親子が寄り添って草を食む姿を見ることができ、愛くるしい親子の馬にほのぼのとした気持ちにさせられます。
青森にある「猿ヶ森砂丘」のまとめ
日本最大の大きさを誇る「猿ヶ森砂丘」は、観光こそできないにせよ、記憶としては覚えておきたい場所であることには違いありません。日本一大きな砂丘。それでいて訪れることができない砂丘。遠くからでも一目見てみたいものです。
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