青森の名物グルメで思い浮かぶもの
青森県は三方を海に囲まれ、太平洋側・日本海側両方の魚介が豊富な土地柄です。その上農業も盛んで、おすすめの食材もたくさん。そのため、古くからさまざまな名物グルメがありました。今回はそんな名物グルメを紹介します。
青森の名物グルメの傾向は?
青森県は大きく東側の南部地域と西側の津軽地域に分かれます。もともと江戸時代の藩が違っている上、気候も大きく違います。そのため名物グルメも南部地域・津軽地域で違うものが多く見られます。南部地域は海産物や小麦粉を使う料理が、津軽地域は野菜や山菜など、山の産物を多く使う料理が傾向としては多いです。
B級グルメでランキングする青森の名物
近年、B-1グランプリが行われていますが、青森県のB級グルメもそのランキングでは常連です。「十和田バラ焼き」「せんべい汁」など、ゴールドグランプリを獲得したもの、「黒石つゆ焼きそば」も上位にランキングするご当地グルメです。
青森名物グルメランキング11位まで
それでは青森名物グルメを紹介しましょう。まずは11位までです。特に地元で愛されている一品が集まりました。
17位:ジャッツタッコーラ
ジャッツタッコーラは名前の通りコーラなんですが、なんとニンニクが入っているんです。タッコーラの「タッコ」は「田子」のことで田子町はニンニクの産地として有名なところです。よく健康食品などで使われる「福地ホワイト六片」はこの近くにあった「福地村」で作られたニンニクなのです。「ジャッツ」は南部地方の表現で驚きをあらわすときに使う言葉とか。コーラにニンニクの粉末を加えてあるので、軽く傾けてニンニクの粉末を混ぜてから飲みましょう。
16位:八戸らーめん
八戸らーめんは東北新幹線が八戸に延伸したことで、開発、復刻されたご当地ラーメンです。2002年10月より「八戸らーめん」として供されるようになりました。
このラーメンの特徴は南部地鶏と煮干しでとる出汁にあります。もともと八戸は海沿いにあるため、煮干しを使ったラーメンが食べられていたので、それをもとに復刻しました。醤油味のスープで、具は名川産のネギ、田子産のニンニクなどのご当地食材を使っている、シンプルなタイプです。2007年からは、たれに青森県産りんご酢を使った冷やし八戸中華も出されています。
15位:ポンポン焼き
これも八戸周辺のご当地グルメ、名産のイカを使ったものです。
作り方はイカの内臓とゲソをネギやショウガとまぜて、みりんや砂糖、味噌で味をつけて炒めます。そのいためたものをイカの胴体の部分に詰めて、フライパンなどで焼きます。レシピによってはイカの内臓は別に醤油などで温めて、焼いたイカにソースとしてかける場合もあります。
焼けたら輪切りにします。イカの内臓の味が深みをあたえてくれて、お酒の肴にもご飯のおかずにもおすすめです。
14位:グラタンフライ
八戸の中高生に大人気の一品。ショッピングセンターで惣菜として売っているのですが、その名の通り、マカロニグラタンを揚げたものです。
ただ、グラタンにただ衣をつけるのではなくて、グラタンをいったん春巻きの皮で包み、そのあとで衣をつけて揚げています。そのため衣の部分がカリッとしているのに中がとろりとしていて、寒い冬にはぴったりの一品です。まさにご当地B級グルメ。おやつにお弁当におすすめです。
13位:しじみラーメン
文字通り、しじみが入ったラーメンです。青森県では小川原湖・十三湖などでしじみが獲れますが、特に十三湖のある西海岸地域で食べられています。
スープは塩味で、しじみのエキスがたっぷりと入っています。さらにトッピングにもしじみがたっぷり。あっさりとしていますが、うま味がたっぷりのスープで、しじみの風味を丸ごと味わえるラーメンです。
12位:じゃっぱ汁
じゃっぱ汁の「じゃっぱ」とは「ざっぱ(雑把)」の意味で、いわゆる魚のアラの部分を指します。つまり、魚のアラなどを入れた汁物のことです。
魚は一般的にはタラを使います。アラはさばいて、臭みが出ないようにいったん湯通しします。そのアラと身を煮て、それに大根やニンジン・ネギなどの好みの野菜を入れてさらに煮込み、最後に味噌で味を調えます。タラはその漢字の通り、寒い時期の魚ですが、とても体が温まる汁物です。
11位:津軽そば
津軽地方に江戸時代から伝わるそばです。見た目は普通のそばと変わらないのですが、中身は大きな違いが。つなぎに大豆をすりつぶした「呉汁」を使うのです。呉汁をそばがきに混ぜて半日ほど寝かせ、熟成させてそばにします。
その結果、このそばはとてもやわらかく、もちもちしていて食感がまったく違います。ですからかけそばで、さっと湯通ししたそばをあたたかいつゆに入れる形で供されることが多いです。
青森名物グルメランキング6位まで
次に10位から6位です。このあたりになると、商品化などで全国的に知られているものが出てきます。
10位:味噌カレー牛乳ラーメン
これぞb級グルメの極みと言えるかもしれません。最近有名になってきた青森のご当地ラーメン「味噌カレー牛乳ラーメン」です。青森市の店を中心に供されているほか、カップめんも作られ、販売されています。
もともとは札幌出身の店主が作り出した味とされ、味噌ラーメンにカレー粉と牛乳を入れたスープ・チャーシュー・もやし・メンマの他にワカメとバターがトッピングされています。カレー粉の辛みが牛乳でまろやかになり、思ったよりも食べやすい味と言われています。
9位:いがめんち
これは津軽地方で多く食べられるお惣菜です。文字通りの家庭料理だったのですが、最近ではb級グルメとして名が上がるようになりました。ちなみに、レシピなどでは「いかめんち」ですが、発音に忠実に書くと「いがめんち」です。
イカのゲソなどの部分、キャベツ・タマネギや長ねぎ・ニンジンなどの野菜を小さく刻み、混ぜ合わせます。フードプロセッサーを使うと簡単にできます。それに小麦粉・片栗粉・卵などをつなぎに入れて食べやすい大きさにまとめて、少な目の油で揚げてできあがり。
塩などで味をつけてそのまま食べても、ソースや生姜醤油などで食べてもおいしく、お弁当などにもおすすめです。イカ以外の野菜などは各家庭でさまざまで、野菜嫌いの子供も喜んで食べてくれます。
8位:けの汁
こちらも津軽地方の伝統的な郷土料理です。もともとは小正月の料理で、小正月の前日までに作って、小正月の朝に仏前に供えた料理でした。それと同時に女性たちが小正月にのんびり過ごすために作り置く料理でもありました。
これもレシピはいろいろですが、基本的にはごぼう・ニンジン・大根などの野菜やふき・わらびなどの山菜・高野豆腐などの大豆製品を細かく刻んで煮込み、味噌や醤油で味を調えた汁ものです。根菜など、冬でも手に入る食材がたくさん入ることで、温まりますし、温め直して食べるとさらに味に深みが増すと言われています。
7位:生姜味噌おでん
こちらも青森市を中心とした地域から発祥したB級グルメです。もともとは第二次世界大戦後の時期に、青函連絡船に乗る客が体が温まるようにと、屋台で出されたものだと言われています。
おでんそのものはふつうのおでんなのですが、それに生姜味噌をつけて食べます。味噌にみりん、だし汁などを加えて煮て、それにすりおろした生姜をたっぷりと入れます。レシピはさまざまで、店により味に違いがありますし、大きなこんにゃくに串をさし、生姜味噌をつけてファストフードのように出すところもあります。
6位:黒石つゆ焼きそば
焼きそばとつゆというのが想像つかないという方もいるかもしれません。これも立派な青森県を代表するB級グルメです。黒石市で食べられています。もともと黒石焼きそばがあったのですが、学生たちが空腹を満たすために考えたとも言われています。B-1グランプリにも参戦し、高い人気を誇ります。
一般的な太平麺に豚肉・キャベツ・玉ねぎなどを入れてソースで味をつけた焼きそばにそばつゆをかけ、ネギと天かすをトッピングして作ります。店によってそばつゆがラーメンスープなどをかける場合もあります。ご当地グルメとしてB-1グランプリにも参戦し、期間限定でカップめんとして売り出されたこともあります。
青森名物グルメランキングトップ5
いよいよ5位から1位です。青森に来たらぜひ味わいたい、おすすめグルメが並びました。
5位:のっけ丼
これは新ご当地グルメと呼んでいいでしょう。最初は青森市の古川市場で始まったのですが、最近では県内の多くの店で作られるようになりました。魚を扱う市場でやっていることが多いです。
すきなものを「のっけ」るから「のっけ丼」。チケット制のところ、普通にお金を払うところ、いろいろですが、手順としてはまず白いご飯を購入するところからスタートします。あとは市場の中を回って、好きな刺身などを購入し、ご飯にのせてもらいます。好きな魚、好きなものを選べるところがメリットで、組み合わせは無限大。ぜひ旬の味をめいっぱい楽しんでください。
4位:いちご煮
「いちご煮」という名前で「イチゴを煮るのか?」と思う人も多いかもしれません。「いちご」とは果物ではなくてウニのこと。ウニが野イチゴのように見えることからこの名前がつきました。八戸を中心とする三陸海岸沿岸で食べられるお吸い物で、古くから上客をもてなすための料理でした。
ウニと薄切りにしたアワビの潮汁です。仕上げに大葉の千切りを散らすのですが、シンプルであっさりしていますが、磯の風味が食欲をそそります。2007年、農山漁村の郷土料理百選で、せんべい汁と共に青森県の郷土料理として選ばれました。近年では、缶詰があり、お土産などにも使いやすくなっています。
3位:貝焼き味噌
「かいやきみそ」もしくは「かやぎみそ」と読みます。津軽地方では「貝焼き味噌」、下北地方では「味噌貝焼き」と呼びます。本来は名前の通り、ホタテガイの大きな貝に具材を入れて焼いて作る料理で、土産物店などではこの料理用の大きな貝殻も販売されています。カップめんでも「貝焼き味噌味」が発売されました。
基本のレシピは、ホタテの身や鰹節(下北半島では焼き干し)、ネギなどを入れて味噌で煮込んで、最後に卵でとじる料理です。もともと1674年に出された『江戸料理集』の中に「玉子貝焼」と「味噌貝焼」があり、それがミックスされた形が現在のタイプです。特に卵が貴重だったころ、病人に食べさせる栄養食として扱われていました。近年では酒の肴に特に人気で、青森県のグルメの中でも高い人気を誇ります。
2位:十和田バラ焼き
B-1グランプリでゴールドグランプリをとったことで一躍有名になったご当地グルメです。もともとは約60年前、三沢基地の米軍払下げのホルモンやバラが安価に手に入るようになり、それを甘辛いタレで焼いたものが発祥だと言われています。その後南部地方に広がり、現在では十和田市が有名です。バラ焼きのたれなども販売されており、気軽に楽しむことができます。
玉ねぎとバラ肉に醤油ベースの甘辛いたれをからめて、鉄板などで水分がなくなるまで焼いて作ります。肉はほとんどが牛肉ですが、豚肉や羊肉なども使われています。十和田市では「十和田バラ焼きゼミナール」という団体を作り、商品化などが進められています。
1位:八戸せんべい汁
こちらもB-1グランプリでゴールドグランプリを獲得した、代表的なB級ご当地グルメです。八戸市中心に食べられている汁物で、家庭で楽しめるようになったせんべいと汁のセットなどが多数販売されています。
一般的な醤油ベース(味噌ベースもあり)の汁物にせんべいを入れることから「せんべい汁」と呼ばれます。もともと八戸周辺は南部せんべいが有名なところで、いろいろな種類のせんべいが売られていますが、この「せんべい汁」には特別な「かやき煎餅(おつゆ煎餅)」と呼ばれるものを使います。このせんべいはふつうのものよりもかたく、味がついていません。そのため、汁にいれてもあまりとけず、もちもちとした歯ごたえが残るのが特徴です。
ランキング入りした青森名物はどこで食べられる?
多くの場合、その地域の地元の食堂などで扱っています。八戸らーめん、十和田バラ焼き、せんべい汁など、組合を作り、一定の条件を満たしたものを認証するという方式をとっているところも見られるようになりました。そういった場合は、認証のステッカーなどが貼ってあることが多いので、それを確認することをおすすめします。
青森名物グルメランキングの傾向は?
今回のランキングでは、ご当地B級グルメということなので、比較的手軽に食べられるものが多くランキングしました。寒い地域ということもあり、汁物系や温かい物が多い傾向にあるようです。
ランキング入りした青森名物を食べるおすすめ季節
特にのっけ丼の場合、季節による旬が大きく関係してきます。ですから食べたい魚がある場合はその季節を狙うといいかもしれません。
青森県には「七子八珍」といわれる、青森県を代表する魚介類があります。のっけ丼では季節が合えば、この中に入っているような珍しいものが食べられる可能性があります。
他の食材に関してはあまり季節は意識しなくてもいいですが、どちらかというと温まるものが多いので、冬に食べるとさらにおいしく感じるかもしれませんね。
青森名物グルメランキングを楽しむために
なんといっても旬の味をその場で食べるのが一番!今回は紹介していませんが、果物も豊富で、おいしいスイーツもたくさんあります。鍋に汁物、スイーツといろいろ揃っているので、ぜひ計画的にいろいろなものを楽しんでくださいね。
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