奥入瀬渓流を散策したい
十和田湖から焼山まで流れる奥入瀬渓流は、国指定の特別名勝、天然記念物となっており、その美しい渓流と周囲の自然は地元の人だけではなく、多くの人々を魅了しています。初夏の新緑、秋の紅葉、そして雪深い冬と、季節の移ろいを全身で感じられる奥入瀬渓流の散策をしてみたい、と思う方も多いのではないでしょうか。今回はそんな奥入瀬渓流の散策について調べてみました。
奥入瀬渓流へのアクセスは?
奥入瀬渓流は十和田湖の北東の位置にある子ノ口から焼山までの約14キロの流れです。そのため、アクセスはこの子ノ口側、もしくは焼山側のいずれかということになります。どちらのルートも電車などで直接行くことはできないので、バスや車などを利用することになりますが、冬期間通行止めになるルートがあるので、冬の奥入瀬渓流を見たいと言う場合は事前に確認が必要です。
焼山側
焼山までは各主要都市からバスが出ています。まず東北新幹線の八戸駅からは「おいらせ号」というバスで80分、JR青森駅からは「みずうみ号」というバスで120分です。ただし、このバスは冬期間は運休となっており、青森・新青森~酸ヶ湯温泉間のみの運行となっています。青森空港からは路線バスで青森駅に出てから「みずうみ号」を使うことになります。
一方、三沢空港からはいったん三沢駅に出て、それから十和田市行きのバスに乗ります。東北新幹線七戸十和田駅からも十和田市行きのバスに乗ります。そして十和田市駅で焼山行に乗り換えて焼山に行きます。
子ノ口側
一方、子ノ口は休屋から宇樽部経由のバスで移動する、もしくは休屋から遊覧船で十和田湖を移動する方法があります。休屋までも各地からバスルートがあります。なお子ノ口から焼山はバスでの移動も可能なので、焼山から子ノ口まで散策し、帰りはバスで戻るということも可能です。
奥入瀬渓流おすすめの散策ポイントは?
奥入瀬渓流は約14キロあり、普通に一気に歩くと約4時間半かかります。もちろん一気に踏破することもできますが、体力的に厳しいというのであれば、ポイントごとに分けるという方法もあります。
森エリア
焼山から三乱の流れあたりまでの部分。森が茂るエリアになります。距離は約5キロあり、2時間半程度見たほうがいいでしょう。ブナ林がうっそうと茂っていて、ちょっと暗く感じるほどです。
渓流エリア
奥入瀬渓流の散策ということでいうと、一番人気のある観光エリアです。三乱の流れから雲井の滝までの約2.5キロ、片道1時間半くらいのところです。
#奥入瀬渓流 の #阿修羅の流れ
— bakusuinobita (@bakusuinobita) June 7, 2016
生憎の雨で、ちょっと泣きそうになりながら、てくてく、てくてくと、すごく歩きました。
でも、本当に愛おしい、いつかまた行きたい場所のひとつです。:blush: https://t.co/kVeiEsNmor pic.twitter.com/2A8xvYeoKZ
このエリアの観光スポットとしては、石ヶ戸、阿修羅の流れ、雲井の滝などがあります。石ヶ戸は大きな岩で、下に人が入れそうなスペースがあります。昔ここには美人の盗賊が住んでいて、川を渡る時に旅人におぶってもらって、そのすきに旅人の持ち物を奪ったという伝説があります。この場所には車が止められる休憩所のほか、軽食がとれる食堂、トイレなどがありますので、ここで利用しておくとよいでしょう。
阿修羅の流れは奥入瀬渓流の中でも特に流れが入り組んで美しい部分で、もっとも奥入瀬渓流らしいポイントといえるでしょう。多くの奥入瀬渓流の写真に使われる流れですので、必見ポイントです。また雲井の滝は滝つぼのすぐ近くまで行くことができ、その迫力を感じられるということで人気があります。
滝エリア
奥入瀬渓流の上流部、多くの滝が見られるエリアです。雲井の滝をぬけると「一目四瀧」と呼ばれるエリアに出ます。この場所からは白絹の滝・白糸の滝・不老の滝・双白髪の滝が一気に見えるとされています。夏が近づいて、緑が多くなるとやや見づらくなりますが、ぜひ楽しみたいところです。またそのまま上流に向かって進んで行くと、有名な銚子大滝に出ます。銚子大滝は柵があって近づくことはできないのですが、なんといっても大きな滝で水量も多いので、その迫力を充分に堪能できます。
奥入瀬渓流散策おすすめの季節は?
奥入瀬渓流散策におすすめの季節ですが、よく写真などで見る機会がある新緑の時期は6月ごろになります。たくさんの木々に覆われ、水の流れが夏の暑さを忘れさせてくれます。水しぶきが作る小さな虹も見られたらラッキーな感じがします。
また、秋の紅葉もとても観光で人気のある季節です。お盆を過ぎるあたりから少しずつ気温が下がって来て、紅葉は10月ごろから。朝晩の冷え込みがさらに紅葉を美しくするのです。さらに雨の日になると、道路が濡れて紅葉の赤や黄色の色が写り込んで、視界全体が紅葉に彩られるようになります。
紅葉の後の冬は、雪に覆われ凛とした美しさを感じることができますし、春は雪の下から少しずつ植物が芽吹く様子を観察することもできます。四季折々の自然の美しさを感じることができるのが奥入瀬渓流の散策の楽しみともいえるでしょう。
奥入瀬渓流散策の時に行きたいランチのお店
では次に、奥入瀬渓流周辺でおすすめのランチのお店を紹介します。
石窯ピザオルトラーナ
店名の通り、石窯で焼いたピザがおすすめ。農家直送の新鮮な野菜をふんだんに使ったピザやカレーは、青森の恵みがたっぷりです。クリスピーな食感のピザに、野菜の栄養たっぷりの野菜カレーがおすすめです。
渓流の駅おいらせ奥入瀬ガーデン
奥入瀬渓流の玄関口にあるレストランで、お土産処や旬の果物、野菜などを売る「とれたて市」などがあります。メニューではビュッフェスタイルでいろいろなものが食べられるメニューのほか、十和田で獲れたひめますの定食や十和田バラ焼き、八戸せんべい汁の定食などがあります。
星野リゾート奥入瀬渓流ホテル
こちらも焼山にあるホテルで、温泉もおすすめですが、ランチだけを楽しむこともできます。天候がよければ渓流沿いにあるテラスで食事ができますので、まさに奥入瀬渓流を丸ごと堪能できるレストランです。サンドイッチセットはトッピングやドレッシングを好みで組み合わせることができ、自分なりの一皿を作ることができます。奥入瀬りんごカレーもおすすめです。
奥入瀬森のホテル
焼山側にあるホテルで、こちらもランチだけを楽しむことができます。ランチはコースメニューのほかアラカルトがあります。たっぷりの十和田の野菜やひめます、ホタテなどが使われていて、特別感が味わえます。一番人気のカジュアルランチコースは季節の前菜とパスタ、デザート、飲み物がつきます。
食堂上高地
せっかくだから十和田バラ焼きをランチに食べたい、という方におすすめ。たっぷりの玉ねぎと上質のバラ肉をあめ色になるまで炒めて、生卵をからめて食べるのが上高地流とのこと。しっかりランチで散策を思い切り楽しむのもいいですね。
奥入瀬渓流を散策したら行きたい温泉
十和田湖はカルデラ湖。十和田火山の噴火によってできた湖です。ということは温泉も豊富にあるということ。散策で疲れたら温泉で身も心もリフレッシュするというのもおすすめです。
くつろぎと温泉の宿おいらせ
冬の十和田湖。よく晴れて綺麗な夕暮れ時でした。#十和田湖 pic.twitter.com/ikgh4ALnvU
— あまなつ (@12mamama25) February 18, 2017
十和田湖温泉郷のバス停の目の前にあるアクセス抜群の温泉です。宿泊もできますし、温泉とランチがセットになった日帰りのプランもあります。お風呂は外を眺めることができるので、奥入瀬の自然を見ながらのんびり観光の疲れを癒すのもいいでしょう。
星野リゾート奥入瀬渓流ホテル
ランチのところでも紹介しましたが、奥入瀬渓流のほとりに建つ唯一のホテルです。渓流のせせらぎを耳と目で楽しみながらの入浴は贅沢な気分が味わえます。日帰り入浴ももちろん可能です。
蔦温泉旅館
蔦温泉の源泉の上に浴槽があり、ブナの底板からそれが湧きだす、「生の湯」を楽しむことができます。入浴のあとは山菜などがたっぷり食べられるランチをどうぞ。
野の花焼山荘
全館畳敷きで素足でくつろげる宿です。温泉は源泉かけ流しで24時間いつでも入浴可能。食事は八甲田の清水で育った川魚やA5ランクの牛肉などをふんだんに使ったオリジナルの郷土料理で、観光で訪れる特に女性客に好評です。
お勧めの八甲田・奥入瀬・十和田湖周辺の宿
— JapanHotelsInfos (@InfosJapan) February 22, 2017
奥入瀬渓流温泉 野の花 焼山荘https://t.co/4ETq6pKuOd
奥入瀬グリーンホテル
十和田湖、奥入瀬渓流散策、八甲田観光のいずれにも便利なところにあります。天然かけ流しの温泉と山菜料理が観光客に人気です。
奥入瀬森のホテル
こちらもランチで紹介しましたが、温泉もあります。猿倉温泉の源泉で、大浴場、露天風呂のほかにジェットバスや足湯なども揃っています。
奥入瀬渓流散策の時に参加したいイベントはある?
奥入瀬渓流散策はそれだけでも観光の楽しみがいっぱいですが、この時に一緒に楽しめるイベントはあるでしょうか。
十和田湖冬物語
十和田湖冬物語行って来ました:exclamation:
— dicktogo (@boliviacuba) February 11, 2017
花火綺麗:fireworks:#十和田湖冬物語#十和田湖#花火 pic.twitter.com/WD47iFNFU1
十和田湖の冬のイベントとして有名になった十和田湖冬物語は、毎年2月に行われます。期間がほぼ2月いっぱいと長いので、タイミングを合わせやすいかもしれません。場所は休屋なので、子ノ口から車などで移動することになります。大きな雪像やイルミネーション、打ち上げ花火などがにぎやかに行われます。この期間のみ、東北新幹線七戸十和田駅からのバスが出るので、利用するといいでしょう。
十和田市春まつり
十和田市の官庁街通りの「駒街道」で行われる春祭りで、ライトアップなども行われ、約300本の桜が咲き誇ります。4月下旬からGWごろなので、奥入瀬渓流にも春の足音が感じられる時期。ぜひ春の訪れを感じてください。
奥入瀬渓流周辺の散策ポイントは?
山頂は絶景の晴天!
— ☆みっちゃんみっちみち☆ (@b_0420) August 13, 2015
#八甲田ロープウェイ #八甲田山 #絶景https://t.co/8iS7PVTdDs pic.twitter.com/LrgA87Oif7
奥入瀬渓流周辺は、前述したように、渓流沿いの自然の美しさ、温泉などが楽しみです。もし時間が許すなら十和田市周辺に足をのばすと現代美術館などがありますし、八甲田山側に移動すると八甲田山ロープウェイや酸ヶ湯温泉などもあります。バスで移動する場合も途中ルートにあるので、このあたりも一緒に楽しむといいですね。
奥入瀬渓流散策の注意点は?
#青森心霊スポット【No.1109:奥入瀬渓流】青森県十和田市奥瀬栃久保にある渓流。十和田八幡平国立公園に属する景勝地として有名で、四季折々の景色が楽しめる。心霊スポットとしても知られ「九段の滝で心霊写真が撮れる」という噂がある。pic.twitter.com/Vs5gbwTEvh
— れぷとん@心霊スポット最前線(半bot) (@lepton0726) February 21, 2017
奥入瀬渓流周辺はさほど山道ではなく、初心者でもあまり心配なく歩くことができます。また車道や歩道も整備されています。ごく普通の長袖長ズボンにタオルや帽子などで問題ありません。ただし、気温は年間を通じて東京などよりは低いです。特に紅葉観光などに来る場合は防寒ができるものを持ったほうがいいでしょう。
もう一つ、重要な注意点があります。それは自然保護の問題です。十和田湖・奥入瀬渓流は自然保護のため動植物の採集が禁止されています。虫一匹、葉っぱ一枚とることも許されません。また、遊歩道から外れたりすることも禁止されていますので、決められたところを歩くようにしましょう。ちなみに、美しい木の中にはウルシがあり、触るとかぶれます。特に紅葉の時期はきれいに赤く色づくので、つい手を伸ばしたくなりますのでご注意を。
美しい奥入瀬渓流を散策して身も心もリフレッシュ!
奥入瀬渓流の散策はまさに「命の洗濯」という言葉がぴったり。一気に踏破するのは大変かもしれませんが、バスなどを上手に利用しつつ楽しみたいものですね。温泉や地元の食材たっぷりのランチも楽しんで、まるごとリフレッシュしてください。
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