淡水から八里へは船でアクセス！レンタサイクルで海の絶景を！温泉もあり！

淡水と言えば台北の最初の港町であり、最大の港町でもありました。淡水の賑わいは今も変わらず多くの観光客が訪れますが、淡水を訪れたら少し足を延ばして対岸の八里に行ってみましょう。こちらではレンタサイクルで自転車を借りて河岸をサイクリングしながら楽しめる観光スポット、グルメ（老舗レストラン）、近場の温泉などを紹介します。

八里は淡水から船に乗って5分の対岸の街です。八里は台北盆地に位置し、三分の二が丘陵山地で三分の一は淡水河と台湾海峡に面した平地となっています。かつては漁業や農業で繁栄しましたが、淡水の河口に砂が堆積して大きな船が入港できなくなり、港町の機能を失った現在は山も河も海も有する観光スポットとして人気があります。

淡水から八里に向かうには船に乗っていくのですが、船といっても渡し船のようなもので、船の前方から乗るタイプのものです。週末は観光客で甲板が満員になり、水しぶきも少々かかったりしますのでご注意ください。MRT淡水駅から河岸沿いに5分ほど歩くとチケット売り場と船乗り場があります。

淡水の駅から船で約5分、対岸の八里に着いたら、河岸沿いに右手に300M進みます。すると八里租借站（八里レンタサイクルステーション）があります。台北ではレンタサイクルを街中でよく見かけますが、特に八里観光ではレンタサイクルが推奨されており、自転車の種類は豊富で一時間15から80元くらいら借りることができます。

乗り捨てをすることはできず、外国人の場合はレンタサイクルをするにはパスポートが必要で、レンタサイクルステーションの営業時間は5月から9月は9:00から18:30（土日祝日8:00から）/10月から4月は9:00から17:30（土日8:00から）ですのでご注意ください。

サイクリング用に整備された左岸のサイクリングロードと歩道は、船乗り場、左岸公園、挖子尾紅樹林自然保護區、汚水処理場、十三行博物館などを通り全長の約４キロメートルつづきます。普段は明け方から住民の良い運動場となり、ジョギング、散歩、サイクリングを楽しむ人を見かけます。普段の喧騒から離れて、静かで快適な風景をぜひ楽しんでください。

左岸公園は淡水川を臨み約300mほど続く芝生が美しい公園で、大きなブランコや木馬やシーソー、バスケットゴールなども設置されており、小さな子供から大人までが集う公園です。河岸に吹く爽やかな風と温かい日差し、木の木陰は心も体もリラックスできるおすすめの場所です。

「挖子尾(ワーツウェイ)」は地名、「紅樹」は中国語で「マングローブ」の意味ですので「挖仔尾マングローブ生態保護区」という意味になります。こちらではマングローブの他にヒルガオ、蘆葦（アシ）などの河口植物、干潮時にはムツゴロウ、サワガニなどの水辺の生物を観察できます。また、野鳥や渡り鳥が多く生息するこの場所では、秋から冬にかけてはバードウォッチングがおすすめです。

また淡水でサンセットといえば「魚人碼頭」が有名ですが、海と河の境目にある八里の「挖子尾自然保留区」から望むサンセットも負けず劣らず美しいです。夕陽が空をオレンジ色に染めながら海に落ちていきます。言葉を失うほど美しいこのサンセットは淡水の代名詞でもあります。

また、この夕陽が落ちる時間をあらかじめ調べて、それに合わせて淡水行の渡し船に乗って、帰りがけに淡水河から海の方を見ても素晴らしい夕陽を見ることができます。船の上から夕陽を眺めるのもまたロマンチックなサンセットの楽しみ方ですね。

「挖子尾聚落」には伝統的なレンガ造りの住居跡があります。これらの建物は130年ほど前の清朝時代の建物で、建物を”コ”の字型に配置した台湾の伝統的な「三合院」という建物の作り方になっています。このような伝統的な建物は老朽化等により数少なくなってきており、ぜひ遠回りをしてでも訪れていただきたい場所です。

八里汚水処理場はそのユニークな建物の形が観光スポットとして人気があります。大きな壺のようなデザインは周りに旧跡が多いことからそのイメージをくずさないようにこのような形になったということですが、たしかに汚水処理場とは思えないような素敵なデザインです。

十三行博物館は十三行遺跡の保護を目的として建てられた博物館です。十三行遺跡は、淡水河と台湾海峡が交わるあたりにあります。ここから、約1800年から500年前のものと思われる陶器や鉄器、埋葬品の数々が発掘されました。台湾の歴史が始まる以前の貴重な歴史的遺産です。

八里側の船着き場の先には「渡船頭老街」があります。この渡船頭老街は清の時代から栄えた由緒正しい老街です。こじんまりとしてはいますが、週末は観光客で賑わいを見せます。名物料理を出す老舗のレストランや人気のB級グルメもありますので、是非散策してみてください。

コチラは渡船頭老街にある揚げドーナツ屋さんです。30年以上前から営業しているこのお店の看板メニューは鮮奶雙胞胎（ミルクふたご）15元。丸い形のドーナツが二つくっついている様子から名付けられたようです。そのほかにも揚げドーナツの中に白菜の漬物が入ったものやあんこが入ったものもあります。

コチラも渡船頭老街にある「孔雀蛤」とはムール貝のことで、こちらの「佘家孔雀蛤大王」は八里で初めてムール貝を料理として出したレストランとして有名で、創業は30年以上前という老舗レストランです。週末は観光客でいっぱいになりますが、新鮮なムール貝を蒸しておろしにんにくとネギでいただくムール貝はくせになります。

コチラはサイクリングロードの途中にあるレストランです。こちらのレストランの特徴は、台湾の原住民の料理がいただけるというところです。竹の節にもち米を詰めて蒸したものや、竹の節をお皿（鍋）のようにして作ったスープ、山鳥の丸焼きなどの他、ちょっと変わった美味しい料理がいただけるおすすめのレストランです。

レストランの中に入ると、原住民の像やオブジェがたくさん飾ってあり、まるで民族博物館の様です。木製の階段の手すりやテーブルや椅子も自然の木の姿を生かしたもので、とても雰囲気があります。しかも、なんと夜は毎日ライブハウスになるのだそうです。

サイクリングで良い汗をかいたら、温泉でさっぱりするのはいかがでしょうか？淡水側に戻り、MRT淡水線で6駅程台北方面に戻ると北投という駅があります。そこから「新北投支線」で一駅の「新北投駅」には駅から徒歩2分で台北でも一番人気のある温泉地「北投温泉」があります。

北投温泉の大きな特徴のひとつは、白硫黄泉、青硫黄泉、そして鉄硫黄泉の3種類の温質を楽しむことができます。北投温泉の温泉街は硫黄の匂いが漂っており、温泉街の雰囲気が漂っています。台北からでもMRTで40分ほどですので、台湾を訪れる際は台北ではなく、この北投温泉に宿をとるという観光客も多いそうです。

北投温泉は1894年にドイツ人により発見されその後日本人により1986年に台湾で初めての温泉旅館が作られアジア最大の公共浴場と言われていました。そのような歴史的背景から北投親水露天公園内には「北投温泉博物館」もあります。

「北投温泉」は一泊13800元くらいからの高級リゾートホテルや旅館も多く存在し、そのようなホテルの温泉を日帰り入浴（1500元）ほどで楽しむこともできますが、もっとお手軽な公衆浴場をおすすめします。北投親水露天公園内にある露天風呂「千禧湯」（青硫黄泉）、台湾最古クラスの公衆浴場「瀧乃湯」（強酸性）などがおすすめです。

「北投温泉」の温泉街は温泉だけでなく、歴史的な建物は自然散策なども楽しめる場所もありますMRTの駅からすぐのところに北投親水露天公園があり、中には前述の「北投温泉博物館」の他に、2012年に「世界で最も美しい公立図書館ベスト25」にも選ばれた台北市立図書館北投分館があります。

淡水を訪れたらぜひ八里に行きましょう。海と河が交わる街八里には自然、旧跡、グルメ、絶景と観光スポットが盛りだくさんで、レンタサイクルをすれば気軽に八里の街を回ることができます。サイクリングに疲れたら台湾の名湯で体を癒すという贅沢な旅はいかがでしょうか。