台湾・淡水の漁人碼頭はグルメが人気！情人橋からおすすめの夕陽を楽しむ！

「東方のベニス」と称され、台湾八景の一つとされる淡水のサンセットは台北を代表する観光スポットです。特に淡水の船着き場からフェリーで行く漁人碼頭の情人橋から眺める夕陽は格別で、夕陽が落ちた後の夜景も素晴らしくデートスポット、観光スポットとしてもとても人気のある場所です。こちらでは漁人碼頭がどのような場所か、グルメなどの情報を併せてご紹介していきたいと思います。

1858年の清朝時代に締結された天津条約に基づき、台湾では安平（台南）および淡水（台北）が開港されることになりました。両港町は大変栄え、特に淡水は19世紀後半には台湾最大の港町町として繁栄しました。しかし日本統治時代に入ると河口に砂が堆積し大型船が入港できなくなってしまったため、以降は小さな漁村になりました。

漁人碼頭（ユーレンマトゥ）はそんな淡水の第二漁港で、淡水の駅からフェリーで10分程で着く小さな港です。港の入り江付近に架かる情人橋はサンセットと夜景が美しい絶景スポットで、テレビやCMなどの撮影場所としても有名です。せっかく淡水まで来たら、絶対に足を延ばしていただきたいおすすめの場所です。

漁人碼頭へ行くおすすめの移動方法は主に２つ「バス」か「フェリー」です。バスの場合は淡水駅を降りて「紅26」のバスに乗って20分で漁人碼頭に到着します。バスに乗って淡水の街並みを眺めながら移動したり、途中下車して旧跡などを見に行くのもよいでしょう。

フェリーを使う場合は淡水の駅を降り、海岸沿いを歩きます。左手には水面に移る夕日が美しい「金色水岸」、右手には多くの食べ物屋さんが並んでいます。5分くらい歩くとチケット売り場が見えてきますのでそちらでチケットを買います。悠悠カード（台湾のSUICAのようなもの）を使うこともできます。

フェリーで漁人碼頭に到着すると港の入り口付近にはまるで海に白い帆が立っているかのような形の「情人橋」が見えてきます。「情人橋」はサンフランシスコの釣り橋をイメージして作られたとも言われています。全長は164M、弧を描くようにそびえたつ主塔が美しく、歩くと大体3分くらいで渡りきることができます。

「情人橋」という名前は、2003年の2月14日の情人節（バレンタインデー）に正式に開通したことから名づけられました。船着き場側から橋を渡りきるとそこにはハートで”Love”と書かれた大きなオブジェがあります。ここは台湾の恋人たちの聖地でもあるようですね。

「情人橋」から望むサンセットは美しく、青い空の色と、オレンジ色の夕日、金色の水面は息をのむほど美しいです。また、情人橋よりももっと港の奥の方に入ったところから、夕日とオレンジ色に包まれた情人橋を一緒に眺めるのもおすすめです。一番良い時間には入り江の一番奥にプロのカメラマンらしき方々がずらりと沿岸に三脚を並べ始めます。

船着き場側のレストランの上は「漁人碼頭長堤」という木製の長い堤防があります。サンセットの時間になるとあたり一面が優しいオレンジ色に染まります。日が落ちるとともにほのかに灯る街灯と海にまっすぐに伸びたこの堤防からの夜景もまた素晴らしく、まるで南国のリゾート地の風景です。

実は情人橋は日没後、夜のライトアップされた夜景も美しく、橋の照明は青、ピンク、黄色など七色にゆっくりと色を変えていきます。日没後に船で夜景だけを見に来る人もいるほどです。桟橋には控えめなオレンジ色のライトアップ、ストリートミュージシャンがムーディーな歌を歌っていてとてもロマンチックです。素晴らしい夜景についつい長居してしまいそうですが、フェリーは午後8時から9時くらいが最終ですのでご注意くださいね。

漁人碼頭のフェリーの船着き場につくとそこにはずらりとレストランが並んでいます。台湾料理はもちろん、日本のラーメン屋さんやかつ丼屋さん、ハワイアンレストランまで、種類は豊富です。しかしながら、やはり淡水（漁人碼頭）に来たのであれば、おすすめはこの”阿給”と”魚丸湯”です。”阿給”は油揚げの中に味付けした春雨をつめて口を魚のすり身で蓋をして蒸したものです。特性のピリ辛ソースをよく絡めていただきます。

もう一つの淡水（漁人碼頭）でおすすめのグルメは”魚丸湯”です。台湾で獲れた魚をすり身にしたつみれのスープです。ぷりぷりのつみれと優しい味のスープはなんだかほっとした気分になります。寒い日などは特に港でこのつみれのスープを飲んだら身体が温まりますね。

漁人碼頭には”漁人碼頭”の文字や絵柄が付いたキーホルダーなどの古典的な”おみやげ”を売っているお店がいくつかあります。また、淡水名物の黒い卵「鉄卵」や「魚酥」、ドライフルーツやお茶などを売っているお店も多く並んでいます。夕日が落ちるのを待つ間にゆっくりとショッピングを楽しむのも良いですね。

漁人碼頭の船着き場に着くと手前に情人橋、その奥にはまるでヨーロッパのリゾート地のような白い壁と青い屋根の大きな建物があります。それは高級リゾートホテルの福容大飯店です。プールや温泉やサウナまでついているこのホテル。お客様もお上品な方々が多いように見受けられます。また、このホテルの夜景も美しく、ここが台湾であることを忘れてしまいそうです。

台湾のB級グルメのお値段に慣れてしまうと決してリーズナブルではありませんが、美しい夕日や夜景を見ながらのディナーや、サンセット待ちの間にアフタヌーンティーなどという利用方法もあります。漁人碼頭でリゾート気分を味わいたいという方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

福容大飯店の奥には「情人塔（ラヴァーズタワー）」があります。この情人塔は塔の周りにはドーナツのように展望キャビン（定員80名）がついていて、展望キャビンは360℃回転しながらゆっくりと上昇します。高さは約100メートル、ビルの28回建て程の高さまで上がります。また、キャビンの一部には床が透明の場所もあり、漁人碼頭周辺も一望できるユニークな建物です。

世界巧克力夢公園（世界チョコレート夢公園）はチョコレートの博物館で、漁人碼頭の隠れ観光スポットです。漁人碼頭の船着き場を降りて福容大飯店の方に向かうとスターバックスがあります。その裏の階段を上がると板チョコのような形の壁があり、世界巧克力夢公園の入り口があります。

実はこちら世界で初のチョコレートのテーマパーク！入口で入場料280元を払うと館内で使えるコインとパンフレットを渡されます。チョコレートで出来た車やオブジェの他、コインを使ってできる体験がいくつかあり、マヤ文明時代のチョコレートを試飲したり、チョコレートフォンデュやゲームをしたりするときに先ほどのコインを使用します。

世界巧克力夢公園のとなりにはチョコレートをテーマにしたレストランがあります。パスタやシーフードなどがあるのですが、実はすべてにチョコレートが使われています。パスタにはカカオが練りこまれ、シーフードのソースにはホワイトチョコレートが使われています。びっくりするような組み合わせですが、これがなかなかどうして美味しいのです。これはなかなかお目にかかれるお料理ではありませんので、お土産話にでもぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

漁人碼頭までのアクセスはフェリーかバスが便利ではありますが、ゆっくり淡水の港町を楽しみたいのであればレンタサイクルがおすすめです。駅を出て川沿いに向かうとすぐにレンタサイクルがあります。子供用の補助輪月の物、二人乗りのもの、マウンテンバイク、普通の”ママチャリ”のようなものまで種類が豊富です。

普通の自転車は1時間40元くらいから借りることができますし安いところは1日50元からというところもあるようですね。自分の体力と目的地を決めて借りるのがおすすめです。借りるときにはパスポートが必要です。海沿いのサイクリングロードも整備されていますので走りやすいです。漁人碼頭まで歩いたら約一時間はかかりますが、自転車なら寄り道しながら気軽に淡水観光ができそうですね。

淡水はかつて台湾随一の港町として栄華を極め、今も多くの観光客が訪れますが、淡水に行ったらぜひ漁人碼頭まで足を延ばして、台湾八景の名に違わぬ絶景を楽しんでください。昔も今も変わらない空の色と海の輝きはきっと旅を特別なものにしてくれるでしょう。