嵩山登山のススメ！付近の駐車場情報や登り方など！登頂時の鎖場はスリル満点！

群馬県の嵩山は、昔から霊山として地元の人々の信仰を集めている山です。今では巨岩や奇岩で美しい山を登るために観光客が集まっています。嵩山は登山だけでなく周辺には見どころもたくさんあり、登山で疲れた体をいらしてくれる温泉もあります。嵩山の楽しみ方をたっぷりとご紹介します。

嵩山は群馬県の北西部の中之条町にあります。中之条町は新潟と長野県に接した町で、町の面積の80％が山林です。その中でも中之条町のシンボルになってるのが嵩山です。標高789mとそれほど高くない山ですが、巨岩や奇岩、石の仏像、美しい紅葉などを見ながら登山ができる観光スポットです。

JR中之条駅からは徒歩で約1時間かかります。バスでは約15分です。車の場合は関越自動車道渋川伊香保ICから中之条町へ向かいます。道の駅「霊山たけやま」を目指すと分かりやすいです。道の駅の駐車場が利用できます。車を利用する場合でも駐車場の心配が無い登山ができます。

嵩山登山は標高789mで一般向けのハイキングコースですが、途中は岩場や難所もありますので十分な登山準備をしてから登ることをおすすめします。軽い観光気分で登り始めると、途中で引き返すことにもなりかねません。山頂からは絶景が望めますので、万全の準備をして山頂を目指しましょう。

嵩山登山のルートは表登山道と東登山道の二つのルートがあります。親都神社の鳥居をくぐって登り始める表登山道がおすすめのルートです。嵩山には小天狗･中天狗･大天狗の3つの嶺があり、表登山道は小天狗から大天狗を経て山頂に向かうコースです。登山の行程は約1時間30分です。

表登山道の登山口には登山コースの案内板がありますので、登山前に確認しておきましょう。登山口を入ると「岩登り禁止」の看板があります。コースには岩場が多いですので、くれぐれも注意しましょう。小天狗まではカエデの木が多く、紅葉の時期には絶景が楽しめます。

小天狗からの展望は360度の絶景が開けます。赤茶色の不動岩も見られます。小天狗から中天狗へは短い行程ですが、足場の悪い岩場の稜線が続きますので注意が必要です。中天狗は木々に囲まれていて眺望はよくありませんが、中天狗までの行程で汗をかいた体にさわやかな風は吹いてきます。

中天狗から大天狗への道は、嵩山登山で最大の難所です。途中の「御城の平」は嵩山城主が戦で敗れ切腹した場所だそうです。周囲には石の仏像が並べられていて異様な空間です。大天狗の最後の道のりは急傾斜の岩場です。急傾斜の岩を鎖を頼りに慎重に登ると大天狗に到着です。

山頂からの絶景を楽しんだ後は、東登山道から下山です。先ほど登った鎖場を下りると、比較的緩やかな山道が続きます。途中には岩場から清水が滴り落ちる「一升水」や岩と岩の間をすりむける「胎内くぐり」、見逃しそうな仏像などの見どころがたくさんあります。帰りはゆっくりと観光しながら下りてください。

山頂での360度のすばらしい絶景は苦しい登山のご褒美です。天気が良ければ白根山や四阿山、浅間山の絶景も楽しめます。足元の山肌にも麓から続く美しい風景が見られます。春には桜やツツジ、秋には紅葉のグラデーションなど四季をとおして変える姿を堪能できる登山です。

嵩山には大天狗だけでなくスリル満点の鎖場があり、嵩山登山の醍醐味でもあります。天狗の広場から「不動岩」を登るとき、「胎内くぐり」で胎内をすりぬけるとき、弥勒穴入口から絶壁を登るとき、鎖を頼りに登ったり進んだりします。嵩山登山では鎖場を楽しみましょう。

群馬の嵩山は昔から祖先の霊をまつる山として信仰の対象でした。そのため登山道や周辺に沿って観音像が祀られています。存在感を示す大きな仏像からうっかりすると見逃してしまいそうな小さな仏像まで番号が付けられています。戦国時代にあった戦で戦死した兵士の霊を弔って仏像が置かれたとも言われています。

親都神社は群馬県中之条町にある神社ですが、奇妙なオブジェがあることで話題になっています。人の足のようでもあり、宇宙人のようでもあり、仏像のようでもあり、不思議なオブジェです。このオブジェは中之条町一帯で開催される「中之条ビエンナーレ」で展示されているアート作品です。

親都神社では5月に嵩山まつりが開催され、神社から嵩山の中腹までワイヤーがかけられ鯉のぼりが泳ぎます。鯉のぼりを見るため多くの観光客が訪れます。親都神社では、太々神楽が奉納されます。また、樹齢700年以上の大ケヤキが観光の目玉です。幹の周りが15mもあります。

戦国武将･真田幸村の物語には猿飛佐助や霧隠才蔵などの忍者が活躍しています。彼らが実在かどうかは別にして、真田家には忍者が活躍していたようです。嵩山には戦国時代に真田家で活躍していた田村佐次右衛門の墓が残されています。忍者が墓を残すのも珍しいのでぜひ見ておきましょう。

嵩山登山で子供が山頂まで行くのは少し難しいかもしれませんが、嵩山には登山だけではない楽しみもあります。表登山道の入り口にもなっていて、登山客の駐車場のもなっている道の駅です。5月には嵩山まつりの観光でにぎわいますが、四季をとおして家族で楽しめるスポットです。

5月の初旬になると道の駅「霊山たけやま」では100匹以上の鯉のぼりが大空に泳ぎます。親都神社から嵩山の中腹にかけられたワイヤーにずらっと並ぶ鯉は大きな口を開けて嵩山から吹き降ろす風を飲み込んでいます。登山客は駐車場として使ったり、お水や食料を買ったりと登山の準備をしています。

道の駅「霊山たけやま」には、登山客だけでなく一般の観光客向けの施設もたくさんあります。子供が楽しく遊べる「フィールドアスレチック」や「子供館」です。フィールドアスレチックは小さな子供でも安心して遊べる「ぼうけんの砦」です。日が落ちる頃まで子供の歓声が聞こえています。

道の駅「霊山たけやま」の敷地にある「そば処けやき」もおすすめの観光スポットです。萱ぶき屋根の雰囲気のあるお店です。駐車場も完備していますので、車でも安心です。登山前の腹ごしらえや登山の後のエネルギー補給に利用するお客も多いようです。

蕎麦の風味が活きているせいろと地元の山菜の天ぷらなどが人気です。「そば処けやき」では蕎麦打ち体験道場も併設されていますので、群馬の蕎麦粉を使って十割蕎麦打ちを体験できます。空席があれば予約なしでも参加できます。1卓4人まで3000円ですが、一人でも参加できます。

群馬県は温泉王国ですが、中之条にはたくさんの名湯や秘湯が存在しています。嵩山登山の帰りに、ぜひ立ち寄って欲しい中之条の温泉をご紹介します。温泉街ではありませんが、中之条駅から嵩山に向かう途中にも、ふるさと交流センター「tsumuji」に足湯があります。登山の後にはピッタリです。

四万湖のほとりにある群馬県でも有名な温泉地で、四季をとおして観光客でにぎわいます。1500年以上の歴史がある温泉で、四万(よんまん)の病気を治すという伝説から来ているそうです。四万温泉のお湯は飲むことができて、胃腸病に良いとされます。入浴しても飲んでも体に良い四万温泉を楽しみましょう。

沢渡温泉は縄文時代から湧き出している温泉です。源泉は55℃で切り傷ややけど、神経痛に効能があります。無色透明の硫酸塩泉は美肌の湯として有名で「一浴玉の肌」と言われています。嵩山登山の帰りに立ち寄れば、玉の肌になれるかも知れません。疲れが取れることは間違いありません。

尻焼温泉のお目当ては、川がせき止められた露天風呂です。川原の底から湧き出している温泉なので、無料で入浴することができます。駐車場もありますので、観光の途中でも気軽に入ることができます。更衣室がありませんので、少し勇気がいるかも知れません。勇気の無い方は旅館の日帰り湯をおすすめします。

群馬の嵩山登山では木立に囲まれた道や岩場の稜線、鎖で登る岩場などバラエティに富んだ楽しい登山です。途中には大小の石の仏像を見ることもできます。駐車場にもなっている登山道入り口の道の駅には子供が楽しめる広場があります。登山だけではない嵩山の観光をお楽しみください。